ローマ
「健康になれれば、死んでもかまわない」というのは、よくできた小噺だと常日頃から思っています。
ですから、「紅茶キノコ」だの、「指回し」だの「1円玉を腰に貼ったら長年の腰痛が治った」などといった「民間療法」でも「へー」と思って、興味を持って眺めていたりします。
そういった「眉唾もの」の健康情報ですと、まあ、笑って許せますが、権威のあるドクター資格を持った医学者が正反対のことを言ったりすると、どちらのことを信じたら、さっぱりわからなくなってしまうのです。
これは、大袈裟に言えば、犯罪に近いのではないでしょうか。
このブログでも昨年の8月27日に「病気にならない生き方」というタイトルで、胃腸内視鏡外科医の世界的権威である新谷弘実氏の著作を紹介しました。http://blog.goo.ne.jp/keiryusai/e/396138f2f116658fb46c72ec2411bdb7
同氏は、俳優のダスティン・ホフマンや中曽根康弘元首相ら、これまで30万例以上の胃腸を診てきた結果、
●食生活は肉食を避け、菜食中心にすること。植物性(穀物、豆類、野菜、キノコ類、果物、海藻)85%、動物性(肉、魚、卵、牛乳など)15%が理想。
●市販の牛乳は「錆びた脂」なので、牛乳や、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品は食べない。
ことなどを力説していました。
この影響で、私などは、牛乳を飲まなくなったし、ヨーグルトも食べなくなったくらいなのです。
ところが、昨日、東京新聞に掲載されていた病理学者の家森幸男氏によると、まるっきり、正反対のことを言っているのです。
要するに、健康と長寿を願うなら「もっとたくさんヨーグルトを食べなさい」と主張しているのです。
同氏は、一時期ブームになった「カスピ海ヨーグルト」を日本に広めた「仕掛け人」ですから、無理もない話なのかもしれませんが、庶民は、どっちを信じたらいいのか、さっぱりわかなくなってしまいますよね。
家森氏は、1985年から2005年にかけて、25カ国61地域を駆け巡り、1万5千人の尿を集めて、成分を調べて、脳卒中を防ぐために「減塩とタンパク質を摂ることが重要」という結論に達しました。
特に食塩に含まれるナトリウムは、コレステロールの吸収を促し、取りすぎると高血圧や動脈硬化の原因になるといいます。
日本人は一日平均12gの食塩を摂取しますが、これを6gまで減らせば、脳卒中の死亡率はゼロまで低下させることができるというです。
「ヨーグルト」では見解がまるっき正反対の二人ですが、野菜や穀物を中心にした食生活を推奨していることだけは共通しています。
家森氏によると、大豆に含まれるイソフラボンや魚に含まれるタウリンには、血圧やコレステロールを下げ、血流をよくして、ガンを予防したりする働きがあるといいます。
それにしても、ヨーグルトです。
新谷氏は「食べるな」と言いますし、家森氏は、毎日、きな粉入りの「カスピ海ヨーグルト」を食べて、植物性タンパク質とイソフラボンを吸収し、健康を保っていると言います。
さて、食べるべきか、食べざるべきかー。