ヴァチカン博物館
浜田和幸「団塊世代のアンチエイジング」(光文社)の話でした。
アンチエイジングは日本語で「抗加齢」と訳され、日本でも最近一大ブームを巻き起こしています。
先進国アメリカでは、14年前に「全米アンチエイジング学会(A4M=American Academy of Anti-Aging Medicine)が12人の内科医によって創設されましたが、現在は2万人を超える会員を誇るまで急成長しています。
薬や健康食品をはじめ、健康器具、セミナーなどアンチエイジングに関するビジネスもこれに比例して飛躍的に伸びています。
「世の中、金で買えないものはない」と豪語した某IT企業の創業者が、「晩年に」このアンチエイジングに嵌っていたので、胡散臭いものだという偏見を持ってしまったのですが、この本を読んですっかり変わりました。
これからは、アンチエイジングの時代だ!
私は惹かれたのは、アンチエイジングが一種の精神論に近いからです。宗教的にまやかしにとらえられてしまうと困るので、もっと軽く言えば、結局、アンチエイジングとは「『心掛け』一つで、人は、長生きできるという」生き方論だったのです。単に薬に頼ると「恐ろしい副作用がある」と、著者は警告も忘れていません。
全米アンチエイジング学会の合言葉の3原則が、
第一原則「私は死なない、と強く思うこと」
第二原則「死なないために、病気にならないこと」(精神的、肉体的に)
第三原則「病気にならないためには、心と体にプラスなことを常に心がけること」
なのです。
真面目な大人が最初にこれを読めば、「人間が死なないなんて、そんな馬鹿な」と笑ってしまうことでしょう。しかし、結局は「心掛け」の問題なのです。
遺伝子工学の観点からすると、人間の寿命は最大限124歳まであるといいます。その根拠は、人の細胞分裂は2年で1巡し、62回の分裂で、生命調整機能を持つテロメアと呼ばれる物質がすべて失われてしまう。従って、124年が寿命になるというのです。
ですから、70歳、80歳で死んでしまっては、もったいないというわけです。「人生50年。下天のうちを比ぶれば、夢幻の如し」と言った織田信長に聞かせてやりたいくらいです。
著者は、「あと10年、今の健康を維持しなさい。そうすれば、124歳も夢ではない」と言うわけです。
A4Mのクラッツ博士は、今後の医学の進歩によって、心臓病は2016年までに完治し、糖尿病は2017年でなくなり、アルツハイマー病も2019年に存在しなくなり、ガンは2021年までに克服され、エイズなどの感染症も2025年には治療薬が完成しているといいます。
いやあ、すごい話です。
もっと書きたいので、続きは明日。