「幕末 維新の暗号」

加治将一著「幕末 維新の暗号」(祥伝社)を一気に2日で読了しました。神田の神保町の三省堂書店で「売り上げ第2位」ということで、手に取ってみたら、驚きの連続。

古ぼけた幕末の頃の写真に写っているのは、何と、坂本竜馬、西郷隆盛、桂小五郎、岩倉具視、高杉晋作、伊藤博文、勝海舟、大久保利通…といった幕末維新で活躍する超一級の面々。まず「ありえない!」というのが正直の感想で、この集合写真(中央に鎮座する外国人宣教師の名前を取って「フルベッキ写真」というらしい)はなぜ撮られたのか、そもそも、後世の人間にはほとんど知られることはなく闇に葬られたのは、何か理由があるのかー?など、次々と疑問が押し寄せてきて、迷うことなく、購入していました。

もし、これから、この本を読んでみようという人は、この先は読まない方がいいかもしれませんよ。何しろ、話は、サスペンスかミステリー仕立てで進んでいくからです。種明かしを先に読んでしまうことになります。

この話がどこまで本当かどうか、わかりませんが、もし真実なら、日本の歴史というか近代史を根底から書き直さなければなりません。歴史のタブーに挑戦したため、この本の中で、真相を知った研究者が次々と殺されていきます。

もう、最初にこの本の筋の要を書いてしまいますよ。

何と、明治天皇がすげ替わっていた!というのです。本来なら、北朝系統の孝明天皇の実子である睦仁親王が皇位を継承するはずだったのが、明治維新を遂行した「元勲」連中によって、本物の睦仁親王は暗殺され、南朝の血を引く大室寅之祐という長州の若武者が、明治天皇の座に収まったというのです。この集合写真は、その秘密を知る連中の証拠写真のようなもの、ということになります。キーパーソンは、横井小楠です。

まさに、荒唐無稽、驚天動地、俄かに信じがたい話です。しかし、読み始めると止まらなくなりますが、作者の取材力がものをいうせいか、「もしかしたら」と思わせてしまうのです。集合写真の中の人物と、一般に出回っている写真を比較したものが、何点が掲載されていますが、どう見ても、大隈重信は、本人に見えるし、坂本竜馬にしても似ていないことはない。「うーん、何か、隠されている」と思わざるをえなくなってしまうのです。

いずれにせよ、我々は、明治維新を評価しすぎています。坂本竜馬も大久保利通も皆々、「悪しき」徳川幕府を倒したヒーローです。しかし、彼らは、そこまで、偉大だったかどうか。後世の歴史家や小説家が書いた受けおりだけなのかもしれないのです。革命を起こして権力の座に収まった連中が、自分たちに都合の悪い資料や証拠は抹殺します。よくある話です。佐賀の乱を起こした(と言われる)江藤新平の扱いが象徴的な話です。

作者は、フリーメイソンの内幕を暴いた「石の扉」を書いており、私も随分、衝撃を持って読んだものです。しかし、この本では、加治氏は、読者の「また、陰謀説か」といった反駁を警戒して、わざと相対する早稲田大学の教授らを登場させて、陰謀説を徹底的に否定して、中和させています。

つまり、フィクションの形にして、真実を織り込もうとしたのです。

私も、坂本竜馬や勝海舟らが偉いと思ったのも、司馬遼太郎や子母澤寛らの小説を読んだからです。

しかし、最近では、この本のような「見直し」が出てくると、物事は複眼的に見なければならない、と思ったりするのです。

“「幕末 維新の暗号」” への1件の返信

  1. 幕末 維新の暗号『』は盗用のオンパレード
    残念ながら、加治将一氏の新著『幕末維新の暗号』は、盗用のオンパレードと言っても過言ではありません。そのあたりについての詳細は、慶応大学の高橋信一助教授と私サムライとで批評をブログ【教育の原点】に書きましたので一読ください。

    http://pro.cocolog-tcom.com/edu/cat4229856/

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