ロバート・ジョセフという人

 帯広動物園

 

アメリカ人のロバート・ジョセフという人が「原爆の使用が終戦をもたらし、連合国側の万単位の人命だけでなく、文字通り、何百万人もの日本人の命を救ったという点では、ほとんどの歴史家の見解は一致する」と発言しました。2007年7月3日、ワシントンでの公式の記者会見の場なので、伊達や酔狂ではなく、信念として発言されたのでしょう。

 

まず、事の重大性は、日本で、久間防衛大臣が「原爆投下はしょうがない」と発言して辞職に追い込まれたちょうどその時期に、アメリカでまるで援護射撃のように発言したことです。

ジョセフさんという人は1949年、ノースダコダ州ウィリストン生まれ。米政府核不拡散問題特使で、ブッシュ政権内ではボルトン前国連大使に連なるネオコンの一人だそうです。イラク戦争を推進した強硬派です。そういう思想の持ち主が政権の中枢にいるとはいえ、アメリカ人の一部(いやほとんどかもしれません)の意見を反映していることは、日本人として注目しなければいけないと思っています。

「ほとんどの歴史家の見解が一致する”most historians would agree” 」歴史家とは、どういう人を指すのでしょうか。政治家に都合のいいような御用学者を侍らしているだけではないかと勘ぐりたくなります。

何と言っても「何百万人もの日本人の命を救った the atomic bombings ended a war that would have cost millions more lives.」というのはどういう意味なのでしょうか?原爆を落とさなければ、連合国側はさらに何百万人の日本人を殺戮していたということなのでしょうか。広島、長崎の原爆で殺された人は20万人と言われています。そのほとんどの人は、非戦闘員であり、無辜の民です。簡単に何百万なんという数字を出さないでほしいですね。人間の顔を被った鬼ですよ、そんなことを言うのは。

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