昨晩は、作家のAさんと大塚で痛飲しました。色々とお話を伺いましたが、この人は、只者ではない、とてつもない人だということが分かりました。お互いに共通に知っている知人の話をしたりしましたが、人脈の広さと深さはただならぬものがあり、電話1本で政界のリーダーや裏社会の人物と会ったりしているので、色んなことに通じています。
茲に書いてもいいのですが、やっぱり止めておきます(笑)。今度お会いした時、お話ししてあげます。Aさんは秋口に、岩波書店から本を出されるようなので、楽しみにしましょう。
大塚は、私にとって、大変思い出深い街です。もう大分昔ですが、1年間予備校に通った所です。まさか、浪人するとは思わなかったので、全く準備をしていなかったら、高校の目良先生が、「大塚に武蔵という親身で家庭的な予備校があるから、そこはどうだ」と教えてくれたのです。予備校ながら、入学試験がありました。確かにいい予備校でした。万葉集学者の中西進先生がバイトで国語を教えていました。毎週、試験があって、座席やクラスは成績順で決まるのです。牢獄のような予備校でしたが、亡くなった加納君や末岡君といった友人と知り合うこともできました。大学合格後、一度だけ、模擬試験の監督のアルバイトをさせてくれて、当時としてはかなり高額の1万円ぐらいもらった思い出があります。
「今は、どうなっているのだろう」と思って、Aさんに会う前に予備校に足を向けたのですが、街はすっかり変わっていて、見当もつきませんでした。昔は大塚の駅を降りたら、駅から建物の屋上に掲げた「武蔵」の看板が見えたものでした。しかし、もうなくなっていました。その跡地は、新興宗教の真如苑の大塚支部になっていたのには、驚いてしまいました。
博覧強記のAさんは、大塚の地理と歴史に異様に詳しかったです。それもそのはず、中学は大塚で、高校は巣鴨にある都立高校出身だったからです。北口に鎌倉時代創建の「天祖神社」があり、終戦時の総理大臣だった鈴木貫太郎も大塚に住んでいたそうです。鈴木は、2・26事件の際、侍従長で、青年将校らによって襲撃されましたが、奇跡的に一命を取り留めた人です。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E8%B2%AB%E5%A4%AA%E9%83%8E
大塚は三業地(料亭、芸者置屋、待合)として有名で、戦前は隣りの池袋と比べ物にならないくらい歓楽街として賑わっていたそうです。駅前に白木屋百貨店があったという話は初めて聞きました。白木屋は江戸時代創業の老舗で、三越より繁盛していた時代もありました。ただし、ウイキペディアを検索してみたらhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E6%9C%A8%E5%B1%8B_(%E3%83%87%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88)
大塚のことは触れていませんね。
Aさんによると、本当は、大塚が、地下鉄や私鉄駅のターミナルになる予定だったのが、地元商工会の反対でつぶれてしまい、みんな隣りの池袋にもっていかれてしまったそうなのです。当時の鉄道のイメージは、武蔵野鉄道(後の西武鉄道)にしろ、東武鉄道にしろ、石炭や、砂利やセメントなどを運ぶ貨物列車が主体で、これほど多くの通勤通学客を運ぶことは想像もできなかったそうなのです。
おかげで、戦後は池袋とは比べ物にならないくらい寂れてしまいましたが、猥雑さとかけ離れたしっとりと落ち着いた風情があり、いい街です。
最初、有名な居酒屋「こなから」http://hw001.gate01.com/izakayajunky/konakara.htmで飲み、この後、Aさんの案内で三業地を徘徊しました。何と、政治家の皆さんがこの辺りの料亭を利用するそうです。私は、赤坂か神楽坂かと思っていましたが、大塚は確かに隠れ家になりそうです。ただ、潰れてしまって更地になった料亭も散見されました。寿司屋の「高勢」http://www.01ch.com/gourmet/takase.htmlは知る人ぞ知る高級鮨屋で、有名な政治家と鉢合わせする機会もあるそうですよ。
大塚といえば、南口にある「江戸一」http://hw001.gate01.com/izakayajunky/edoiti_2003_aki.htmには何回か行ったことがあります。最初は、学生時代に恩師の朝倉先生に連れて行ってもらいました。もう何年も前ですが、ここで、劇団四季の浅利慶太代表が若いおねえちゃんと一緒に楽しそうに堂々と飲んでいるのを見かけました。その後、結婚か再婚のニュースを聞きましたが、相手がそのおねえちゃんだったかどうかは不明です。ここもいい店ですが、Aさんからは「串駒」http://www.kushikoma.com/という有名な老舗居酒屋も教えててもらいました。皆さん、今度ご一緒しましょうね。