私のような気まぐれで気儘に書いているブログでも、論争を巻き起こしそうな時事的(タイムリーな)問題(イッシュ―)を書くと、驚くほど色んな方からのコメントやトラックバックがあったりするんですね。恐らく検索すると引っかかるからなのでしょう。山本モナさんのような芸能ネタですと、普段の2倍以上もアクセスがあったのでビックリしてしまいました。
先日読了した「甘粕正彦 乱心の曂野」(新潮社)があまりにも面白かったので、今度、著者の佐野真一さんに会って話を伺うことにしました。大変忙しい方なので、私のような者に会って頂けるとは、嬉しい限りです。佐野さんの本は、調布先生に薦められて「巨怪伝」を読んだのが初めてでした。読売グループを日本一のマスメディアに育てた巨人・正力松太郎の伝記です。この本も圧倒されました。1994年に刊行されているので、もう14年も昔なんですね。本当ですか?信じられない。調布先生に「必読書ですよ」と言われて、赤坂の本屋さんで買ったのが、つい昨日のことのようです。
佐野さんに会うので、慌ててまだ読んでいなかった過去の著作に目を通しています。今読んでいるのが「だれが『本』を殺すのか」(プレジデント社)。これも面白い。初版は2001年ですから、もう7年も前。この中で、1811年(文化8年)創業の京都の老舗書店「駸々堂」の倒産など出版不況が描かれていますが、7年後の現在、出版業界はさらにさらに悪くなっていますね。
1965年に東京・銀座に進出した大阪の旭屋書店は、今年5月でついに、店仕舞いしてしまいましたし、銀座のマガジンハウス本社近くの「新東京ブックサービス」というユニークな品揃えの本屋さんも、気が付いたら最近、倒産していました。もう悲惨な状況を通り越していますね。
この本の中で、当事の出版界のドンと言われた「閣下」こと紀伊国屋書店の松原治会長が登場します。この人は1941年に東大法学部を卒業後、南満州鉄道株式会社、いわゆる満鉄に入社し、戦後、30歳の時に紀伊国屋書店に入社している人です。何か、ここにも満州経験者が出てきたので、嬉しくなってきました。
佐野氏は、里見甫の謎の生涯を追った「阿片王」、そして「甘粕正彦」に続き、満州3部作として、もう一人の伝記の執筆を進めているはずです。が、まだ、誰にも明かしていないようです。
満州に興味を持つと、右翼、左翼、馬賊、匪賊…とその人材の豊富さに圧倒されます。佐野氏が書き進めている満州3部作の3人目は一体誰なのか?
私の予想では、岸信介かなあ、と一瞬思ったのですが、もしかしたら、児玉誉士夫ではないかと睨んでいます。
今度会ったら聞いてみますが、内緒かもしれませんね。