公開日時: 2008年7月21日 @ 09:57
昨年の出版点数は約7万7千点。これは、1989年の2倍もあるそうです。版元は、点数でかせいで売ろうとしていますが、書籍・雑誌の売り上げは1996年に2兆6千億円あったのが、昨年は2兆円です。ここ10年に半分近くになってしまったのです!
佐野眞一氏の「だれが本を殺すか」によると、本の価格の実体を明らかにしています。
取次と書店が取るマージンは30%。つまり、定価を100%とすると、70%が基礎指数となります。これに実売部数を掛けた数字が、指数になります。例えば、返品率が20%だとすると、実売が80%となり、
基礎指数70%×実売80%=56% これが、収入指数になります。
一方の支出ですが、印刷・造本代が20%。著者印税・装丁・校正費が12%。広告費10%。返品倉庫代が3%。人件費10%で、すべて合計して55%。
収入指数56%ー支出55%=1% このわずか1%が版元に利益になります。
定価1000円の本なら、1冊10円の利益。1万部でも10万円です。
これが、返品率40%ともなると、収入指数が42%とがっくと落ち、支出の55%を差し引くと13%の支出オーバーになってしまうのです。
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ただし、逆に返品率0%なら、収入指数はまるまるの70%となり、利益は15%。
定価1000円の本なら、一冊150円の利益で、10万冊なら1500万円。100万部の大ベストセラーになれば、1億5千万円の利益が転がりこんでくるわけです。
もう、博打の世界なんですね。