ストレスや不安障害を緩和したければ、運動しなさい=アンデシュ・ハンセン著「運動脳」

  自分でブログを書いておきながら、他人様のブログは読みません。が、たまあに、検索していたら、他人様のブログに当たることがあります。大変よく書けているのですが、驚きべきことに、写真ですが、本物のルノワールの絵画や歴史的著名人の肖像をそのまま張り付けられていたりします。もしくは、フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲第9番の貴重なフィルム動画を堂々と掲載してたりします。こうなると、書いているブログの内容も如何にも「本物」らしく見えますが、参考文献すら書かれていません。そういうブログに限って、書いている御本人は無名の市井の民だったりしますから、恐らく、ネット上にあった写真を無断で拝借されたんでしょう。著作権は大丈夫なのかなあ、と心配になります。

 私は経験上、ピカソやマチスともなると、新聞掲載に際して、会社が高額な著作権料を支払ったことがありますので、たとえ個人的ブログとはいえ、ネットから無断拝借することなんて怖くて出来ません。後で莫大な著作権料を請求されかねませんからね。

イタリアン食堂「築地のら」

 だから、私のブログの写真は、他愛のないランチの写真が多いのですが、変な景色とか風景も多いのです。なるべく、人間の写真は、載せません。後で、「肖像権」を主張されたりしたら困るので、御案内通り、ハッキリ写った人間写真は、掲載しないことにしております。

 だから、このブログは本物らしく見えないのかあ!

 本日は前書きが長くなりましたが、相変わらず、乱読しております。図書館に予約していた本が1年ぐらいしてやっと届いたからです。アンデシュ・ハンセン著、御舩由美子訳「運動脳」(サンマーク出版)です。実は、私はベストセラー本に関して、買わずに図書館で借りる主義なのです。余程面白かったら、後で購入します。ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」(河出書房新社)なんかその例です。あまりにも面白かったので、ハラリ著「ホモ・デウス」、「21世紀の人類のための21の思考」まで次々と購入してしまいました。

 おっと、「運動脳」の話でした。世界的ベストセラーになるはずです。寝食を忘れて読みたくなるほど実に面白い本です。図書館から借りて、1日(数時間)でもう半分以上読んでしまいました。

 この本に書かれている精神科医の著者が主張することは、たった一言で言い表すことができます。

 ストレスや不安障害を緩和したければ、運動しなさい。

 運動とは、筋力トレーニングでも散歩でも何でも良いのですが、一番効果的な運動は、ウォーキングよりもランニングや水泳などちょっと負荷の掛かる有酸素運動です。その理由については、この本を読めば分かります。はい、お仕舞い。

 えっ?少しぐらい教えてほしいですか? 駄目ですねえ、ズルしちゃあ(笑)。でも、ちょっとだけ、引用しませう。

銀座

 古代、人類がサバンナに進出し以来、人類は絶えずライオンなどの捕食者から襲われないか、警戒しなければ生き延びることができなくなりました。その遺伝子が現代人にも受け継がれてストレスや不安を敏感に感じやすい体質になっているというのです。そんなストレスによる過剰反応を抑制する働きをするのが脳の海馬や前頭葉や扁桃体といった部位なのですが、それらの部位は強度のストレスによって萎縮してしまうことがあります。でも、前頭葉や扁桃体は運動によって鍛えることが出来、運動すればするほど、ストレスに強くなれる、というのです。

 著者はこの点について、身体を動かすことによって、心拍数や血圧が上がっても、それは不安やパニックの前触れではなく、良い気分をもたらしてくれるものだと運動が脳に教え込むことだ、と説明しています。

 このほか、長時間座りぱなしだと集中力が損なわれるだけでなく、不安やうつになりやすくなる。さらに認知機能も損なわれて頭の回転が遅くなる、と著者は主張しております。いずれも、「人体実験」や科学的根拠も含めて説明されていますから、日ごろからストレスや不安障害に悩まされている私なんか感服してしまうのです。そっかあ、運動すれば良いのかあ!と。

 御舩氏の翻訳も大変読みやすいです。

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