新聞の危機

東京・虎ノ門「小虎」

媒体新聞の敏腕記者相川君から急に「虎ノ門の小虎に来るように」との連絡がありました。

私は、聖書に書かれるような心の貧しい人間ですから、残りの人生、あまり苦手な人物とは同席したくない、という思想信条ですから「どなたが来ますか?」とお尋ね奉ったところ、「来れば分かります。強制です」だとさ!

強制なら仕方ない、ということで出掛けたところ、不安は的中しました。昨日、ウマズイめんくい村の赤羽彦作村長さんの京都での失敗談をこの渓流斎日乗で暴露したところ、彦作村長さんから「せっかく、書こうとしたことを先に書かれた。この落とし前、どうしてくれるねん?」と猛烈な抗議があったばかりでした。

その彦作村長さん御本人が手ぐすね引いて、席に陣取っていたのです!バツが悪いったらありゃしまへん(苦笑)。

そして、相川記者はいきなり、「おっ!世界最小の誤報メディアの登場」と宣うではありませんか。先日「空也饅頭」と書いたことを指摘して、「渓流斎さんや、あれは饅頭じゃありませんよ。最中です。虚報です。フェイクニュースを書いちゃ駄目じゃないですか!」と、鬼の首を取ったかのように勝ち誇るのです。

京都・智恵光院

さて、指定された居酒屋「小虎」は京都のような店構えで、間口が狭くて入りにくいのに奥行きが長く、飲み物が一杯100円という安さ。こんなパラダイスはありませんね(笑)。

虎ノ門は、好きですねえ。幕末は刀剣屋が軒を並べ、新撰組の近藤勇がここで名刀「虎徹」を買い求めたと言われてます(異説あり)。

今でも、刀剣屋は何軒か残ってますが、虎ノ門といえば、霞ヶ関官僚の皆様の天下り先である公益法人のメッカであることは広く知られてます。ですから、居酒屋の客層もほんの少しだけ洗練されております。

で、我等が秘密倶楽部の会合には全部で9人参加しました。どなたがいらしたか、実名を書くと、相川記者は「ただじゃおかねえ」と山賊のように目を剥いて恐喝するので書けません(笑)。

まあ、マスコミ関係の大御所の皆様が多く参加したことぐらいは書けるでしょう。

「渓流斎日乗」を今年9月1日から独立させて、新しく「世界最小メディア」を立ち上げた関係で、昔の記事のカテゴリーを整理していたところ、2008年2月18日に「日本新聞協会の『データブック』と題してこんな記事がありました。

「2006年、国内での日刊紙の発行部数は、約5231万部あるのですが、10年前の1996年には、5355万部もあったのです。この10年間で実に、124万部も減っているのです。地方紙が5紙も6紙もつぶれていることになります。

内訳を見てみると、一般紙が4698万部から4706万部に増えているのに対し、スポーツ紙が658万部から525万部と100万部以上減っているのです。原因はスポーツ紙にあったのですね。」(引用終わり)

ちょうど10年前のデータです。そこで、昨晩はマスコミ関係者が集まったので、探訪記者として取材してみました。

まずデータですが、2016年の国内の新聞発行部数は、約4328万部。その内訳として、一般紙が3982万部、スポーツ紙が346万部となっていたのです。上に挙げた数字と比べてみてください。もはや「壊滅的」という表現が生温い感じです。

若者の新聞離れが要因の一つでしょうが、スマホなんかでニュースや情報が簡単に無料で取れるようになったことが大きいでしょう。キオスクもどんどん潰れています。

15年ほど前まではまだ救いがあったような気がします。公称ながら、読売新聞は「1000万部」と豪語してました。

それが、某新聞社で販売局長も務めたことがある重鎮によりますと、印刷ではなくて実売で読売新聞は500万部を切り、朝日新聞は300万部を切り、毎日新聞は200万部を切っている状況だといいます。スポーツ紙で最も売れているのが、日刊スポーツで30万部ほど。あとは夕刊紙も含めて惨憺たる状況だというのです。

しかも、新聞を最も買ってくれるはずの団塊の世代が老人になって、新聞を買ってくれない。図書館に行って、競馬欄を30部ほどコピーして、輪番で仲間に配って競馬をするというのです。コピー代は一枚10円ぐらいですから、新聞買うより安いというのです。

せこい世の中になったものです。

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