消費税増税は必須、このままでは国家財政破綻の危機?

築地本願寺・江戸開基400年

◇薄過ぎる国民の危機意識

昨日は、甲南大学の東京キャンパスで開催された公開講座を聴講してきました。

講師は、甲南大学の中島将隆名誉教授で、全く権威主義的なところがなく、下から目線で、みなさんと一緒に今の危機を見詰めて、克服しましょうではありませんか、といった好感が持てる学者さんでした。

テーマは「日本の国債相場を支えているものは何かー国債の現況から考える国家財政ー」。

気が早い方の皆さんのために、結論を先に書いてしまえば、中島名誉教授の信念は「これ以上日本が赤字国債を発行し続ければ、財政は破綻する。それなのに、政府も官僚も金融機関も国民も危機意識が薄過ぎる。この危機を回避するには消費税を上げるしかない」というものでした。

◇面白い人間観察

これまた、気が早いのですが、この中島氏の学説に対して、60歳代後半かと思われる参加者の一人が「ずっと黙って聴いていたけど、あなたの考え方は、悲観的過ぎるんだよ。2045年になれば、日本の人口は減る。ということは、今のシュミレーションのような社会保障の膨張も減るはず。日本にはAI技術もあり、今の若い人も頑張っている。2045年なんてあとちょっとだよ。日本はまだまだ捨てたもんじゃないんだよ」と、年長の先生に対してどっちが講師か分からないような説教を大声で垂れていて、これまた面白い人間観察ができました(笑)。

酒井抱一の墓=築地本願寺

◇「低負担・高福祉」の構図

中島名誉教授の長い長い講義を一言にまとめるのは難しいのですが、箇条書きにしますとー。

◎日本は2017年、全人口に占める65歳以上の高齢者が28%となり、「超高齢社会」に突入。

◎1990年代のバブル崩壊後、デフレ→名目成長率の低下→税収入の減少。合わせて減税政策の実施。

◎1961年の皆保険・皆年金制度、73年の福祉法、2000年の介護保険制度で社会保障と医療費が膨張。(意外にも年金はそれほど大した増額にはならない)

◎赤字国債を無制限に増発し、「低負担・高福祉」の構図が定着化。

◎経済構造の激変により、金融機関に貸出先のない資金が形成され、国債へ投資。(国債金利の低下により保有者は含み益。発行者は利払いが減り、赤字国債増発に対する危機感の欠如が加速。しかも、租税法により市場の信認が担保されている)

➡︎中島名誉教授の提言は

◎「低負担・高福祉」では次世代にツケを回すことになるので「高負担・高福祉」を選択するのは当たり前という認識を持つこと。

◎そのためにも財政規律を確立すること。

◎諸外国を見ても、付加価値税はスウェーデンとデンマークが25%、イタリア22%、英、仏20%、ドイツ19%、中国17%、韓国、豪州10%、日本は8%。消費税増税は選挙の焦点にはならないが、社会保障の財源を確保するためには、増税はやむを得ないのではないか。

◇政府債務残高が飛び抜けて高い日本

この後の質問コーナーの中で、「今後、国債が暴落したり、ハイパーインフレになったりする可能性があるのか」との質問に、中島氏は「日本の国債の暴落は考えにくいが、このまま無制限に国債発行を続けていくわけにはいかない。日本の政府債務残高がフローもストックも世界的に見て飛び抜けて高い。マグマが溜まって、いつ爆発してもおかしくないかもしれない」などと答えておりました。

赤穂浪士間新六の供養塔=築地本願寺

◇洗脳されてしまったか?

このほか、国債の日銀保有率と財政ファイナンス、また、通貨発行のライアビリティと国債ファイナンスとの関係、赤字脱却のための外債売却などについての質問が出ましたが、私に理解できなかったどころか、中島先生まで「ちょっと難し過ぎて、専門ではない私には答えらません」と謝っておられました。

いずれにせよ、赤字国債増発の現状については、国民一人一人が考えていかなければならないことは確かです。

私自身は、あれほど消費税増税には懐疑的でしたが、「やむを得ないのかな」と思いました。洗脳されてしまったのかしら?

荒井さん、どう思われますか?

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