滋賀・永源寺 ©️Ohtsu–tsushinin
滋賀の大津農林水産通信員です。
最近、奈良の西大寺先生や京都の京洛先生が世界的にも有名になられ、盛んに紅葉狩りのレポートを投稿されております。
わたしも同じ関西の人間として、これは負けじと、日本の歴史の故郷の魅力は、奈良や京都だけではない。滋賀にこそある、と孤軍奮闘でこれまで頑張ってきたわけです。
滋賀・永源寺 ©️Ohtsu–tsushinin
西大寺先生や京洛先生だけに、”紅葉便り”を任せるわけにはいきませんからね(笑)。
◇意外に知られていない湖東古刹の紅葉
関西で意外に知られていないのが、湖東(琵琶湖の東側)の古刹の紅葉です。
東近江市には、「永源寺(えいげんじ、臨済宗永源寺派大本山)」や「西明寺(さいみょうじ)」「金剛輪寺(こんごうりんじ)」「百濟寺(ひゃくさいじ)」といった本堂が「国宝」で、千五百年前に建てられた古刹があります。今の時季、紅葉、楓の色合いが、実に鮮やか、綺麗ですね。
滋賀・永源寺 ©️Ohtsu–tsushinin
また、湖東あたりに来ると、京都、奈良、大阪のような「インバウンド」なんて、無粋で、俗臭ぷんぷんな行儀の悪い異国の観光客は、まだ訪れていませんね(笑)。
しかも、どのお寺も、「本堂」に上がるまでの、静寂で、石段の数がそれなりにあり、足腰の鍛錬にもなります。
今回は、”乗合バスツアー”で、急いで、ぐるっと一巡してきましたので、《渓流斎日乗》農林水産通信員として、まず、「永源寺」の紅葉を御報せ致します。
滋賀・永源寺 ©️Ohtsu–tsushinin
永源寺は紅葉、楓の樹木が多く、総門から山門に向かって、頭の上に広がる紅葉は実に見事です。また、この界隈は、水が豊かで、豆腐、こんにやくなどが名産品で、水は信仰にも深くかかわっています。
◇近江守護職佐々木六角が創建
永源寺の専門道場(僧堂)に参禅する禅僧も多く、こうした地下から湧き出る水を使って修行に勤しんでいる、という事です。
同寺の歴史は興安元年(1361年)、近江の守護職、佐々木六角が入唐求法の寂室元光禅師に帰依して、創建されました。
応仁の乱では、京都の兵火から避けた洛中の有名な僧侶が永源寺にも続々やって来て修行に打ち込み、寺勢は活気づいたそうです。
◇別峰紹印禅師が尽力
しかし、その後の相次ぐ戦乱は、永源寺にも及び、同寺も荒廃しました。江戸時代中期になりようやく、妙心寺から来た別峰紹印禅師が尽力し、後水尾天皇はじめ、東福門院、彦根藩(井伊家)ら有力者のバックアップを得て、興隆してきました。
明治になり、それまでの「臨済宗東福寺派」から離れて、新たに「永源寺派」として独立し、臨済宗の総本山の一つになり、今では末寺が全国に100カ寺もあるそうです。
滋賀・永源寺 ©️Ohtsu–tsushinin
◇臨済宗の総本山はいくつ?
ところで、《渓流斎日乗》御愛読の皆さんに質問ですが、日本に伝えられた「臨済宗」の総本山は今いくつあると思いますか?
答えは、下記の通りで14です。たくさんありますね。
(1)臨済宗妙心寺派 大本山妙心寺(京都市右京区)
(2)臨済宗建長寺派 大本山建長寺(鎌倉市)
(3)臨済宗円覚寺派 大本山円覚寺(鎌倉市)
(4)臨済宗南禅寺派 大本山南禅寺(京都市左京区)
(5)臨済宗方広寺派 大本山方広寺(静岡県浜松市引佐町)
(6)臨済宗永源寺派 大本山永源寺(滋賀県東近江市)
(7)臨済宗佛通寺派 大本山佛通寺(広島県三原市)
(8)臨済宗東福寺派 大本山東福寺(京都市東山区)
(9)臨済宗相国寺派 大本山相国寺(京都市上京区)
(10)臨済宗建仁寺派 大本山建仁寺(京都市東山区)
(11)臨済宗天龍寺派 大本山天龍寺(京都市右京区)
(12)臨済宗向嶽寺派 大本山向嶽寺(山梨県甲州市)
(13)臨済宗大徳寺派 大本山大徳寺(京都市北区)
(14)臨済宗國泰寺派 大本山國泰寺(富山県高岡市)