優待パスは神様の思し召し

見つけた!

昨日は正倉院御物展、今日は文楽と関西ライフを満喫されておられる京都にお住まいの京洛先生から御下問が御座いました。

「最近、ブログではロードーショー公開映画を取り上げていませんね。あまり、御覧になっていないようですが、どうされましたか?今、東京でしたら、日比谷のシャンテでやっている映画『手紙は憶えている』は必見の価値がありますよ」

「はあ、ちよつと、色々ありまして…。フランス革命で没落しましてね…。その映画、そんな面白いのでしたら、半年経ったらレンタルで借りてみましょうか」

「あらあら、そんな寂しいことを言っちゃだめですよ。濁流斎か、清流斎か、渓流斎か知りませんが、何でも、すぐ行動に移す!何でも新鮮な時期に見ないとダメなんです。売れ残りの一昨日のパンを『安いから!』と言って齧っているのは悲劇ですよ。
1カ月前の新聞を読んで、『米国大統領選挙はどうなるのかなあ、やはり、クリントンかなあ…?』と言ってるような話ですよ(笑)」

「はあ…」

「今は毎日、築地市場に通い、新鮮なネタを扱っている仕事なんですからね。古い缶詰を食べていちゃあ、話になりませんね。
やはり、市場にいるのですから、高級魚の頭やヒレだけでも、役得で手に入るです。うまく情報を手に入れる工夫をしないと、加須に毎日、常駐しているのと同じになりますよ(笑)」

「はあ…」

「お勧めの映画は、目的はいろいろあっても、探訪精神が画面に充満しています。私立探偵みたいなもので、人間、探訪精神がなくなったらお終いです。人間、最初は、頭から腐っていきますからね」

「はあ…」

「小生はこれから大阪に『文楽』を見に行きます。人形浄瑠璃の『勧進帳』を見るためです。好奇心をなくすとボケが始まりますからね(笑)。入場料2400円は二等席ですが、ボケ防止の治療・防止薬になりますよ」

「はあ…」

「それはそうと、京都市は、70歳になると、高齢者優待で、市バスや市地下鉄などがパスで無料になることを御存知でしたか?」

「いえ、知りませんでした」

「毎年、介護保険料が8万円差し引かれるのですよ。市バスに乗れる程、外出できて、元気なお年寄りを増やして、医療費も削減するというのが目的なのです」

「へー、そういうことだったんですか」

「ただし、パスが有効なのは、京都府は京都市ぐらいです。宇治では無理です」

「嗚呼、それじゃあ、宇治出身の『京都嫌い』の井上先生なら、怒りはらひまへんかえ?」

「何を気持ち悪い下手な京ことばを使ってるですか!確か、東京都も優待パスがあるはずです。周辺の埼玉県や千葉県や神奈川県は、あるかどうか…。多分ないかもしれませんね。東京都のパスは、都営地下鉄も都バスも都電も何でも乗れますからね。梨馬さんなんか、遠回りしてでも、都営地下鉄を使っていると言ってますからね。世の中、そんなもんですよ。たとえ、最高学府を出て超一流企業に勤めても、退職して年金生活ともなれば、誰でも苦しくなるものですよ。渓流斎さんは、年金生活などまだまだ、先の話だと鷹揚に構えてますが、アッという間に年は経ちますよ」

「はあ…」

「それではお元気で」

春木座の近くで同窓会

街並み Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

昨日は都内で開催された大学の同窓会に2年ぶりに参加しました。

御茶ノ水駅から歩いたら、見事に迷子になりまして、フラフラしていましたら、私の大好きな史跡看板を見つけ、その近くに往年の「春木座」という歌舞伎劇場があったことが解説されておりました。

春木座は明治6年に本郷の地主奥田氏が奥田座として開業したそうです。3年後の明治9年に町名から春木座と改名して(春木は、伊勢神宮の御師=おし=春木氏の住まいがあったことから付けられた)、同35年には本郷座と名を改めたそうです。

九代目市川団十郎と五代目尾上菊五郎が大活躍したのは、この春木座でしたが、本郷にあったとは知りませんでした。

本郷座では、新派のオッペケペー節の川上音二郎一派も出演していたそうです。歴史を感じました。

春日通りを迷いながら、本郷三丁目付近に出てくると、有名な「かねやす」の看板が目に入り、安心しました。

「本郷もかねやすまでは江戸の内」と、江戸時代に川柳で歌われたあの「かねやす」です。

「かねやす」については、有名なネットの歴史サイト「東京紅団」から、そのまま引用します。

…江戸時代は火事が多く、江戸城からここまで町家でも瓦葺きの防火建築が許されていました。つまり本郷三丁目の角の「かねやす」の土蔵までが江戸だったわけです。…とは普通の解釈ですが、町奉行支配地は駒込の先から巣鴨まであり、実際の江戸の境界とは違います。では何故かと考えると、塗屋土蔵造り瓦葺きの建物が江戸の町の特色になっていた訳で、それが丁度本郷の「かねやす」で途切れていたためといわれています。

<かねやす>
兼康祐悦という口中医師(歯医者)が乳香散という歯磨粉を売り出し大変評判になり、それで有名になったそうです。芝神明前の兼康との間に元祖争いが起きた時、町奉行は本郷は仮名で芝は漢字で、と粋な判決を行って、それ以来本郷は仮名で「かねやす」と書くようになったそうです。…

なるほど、迷子になるのも悪くないですね(笑)。

 街並み Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

何の話でしたっけ?

あ、そうそう、大学の同窓会の話でした。

私を除いて、皆さん、大変優秀な俊才、英才の方ばかりで、一流銀行や大手商社や証券会社やらで海外で御活躍された方が多い中、ゲストスピーカーは、40歳にして超難関の公認会計士の国家試験に合格されて、今は全国組織の理事としても活躍されている先輩女性が、ご自分のフランス留学体験など、波乱万丈の半生を振り返って講演され、大変興味深く拝聴しました。

先輩は、フランス語講師などを経た転職組ですが、彼女と一緒に通っていた公認会計士の専門学校には、パイロット志願生やドラマ「7人の刑事」のシナリオライターや元フグの漁師さんとか、色んな職業を経験した人が多かったそうです。

会計士になって就職した監査法人ではニューヨークにも派遣され、あの「9・11」にも遭遇されましたが、少し距離が離れていたので、何事もなかったことも話しておりました。
 軍事博物館 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

この大学の同窓会に参加する愉しみは、ちょうど解禁されたボージョレーヌボーが飲めることです。

二次会では、しこたま飲まさせて頂きました、はい(笑)。

1パック5000円もする高級チーズも食させてもらいました、ええ(笑)。

今年のボージョレーヌボーは、夏の日照時間が長くて、例年に比べて飛び切り質がいいそうで、味も抜群という評判があります。

日本人は熱しやすく冷めやすく、マスコミでは最近は全く、ボージョレーヌボー解禁の話題は取り上げられませんから、本当の「通」こそ、今年は、独り、このブログを読まれた皆様だけの特権として、優越感に浸って、隠れて味わうことをお勧めします(笑)。

とはいえ、小生は、もう独りで、ワイン1本を一気に空ける元気もなく、大貧民に転落してしまいましたから、1本2500円で頒価してくれるボージョレーヌボーは、ちょっと高くて買えませんでした(苦笑)。

レッキング・クルーのいい仕事

街角で Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
 今、ケント・ハートマン著、加瀬俊訳「レッキング・クルーのいい仕事」(Pヴァイン・ブックス)にはまっています。

 音楽好きの友人松ちゃんから、この本の存在を教えてもらいました。

 レッキング・クルーとは、日本語に訳せば、「救難隊」、まあ、「お助け部隊」といったところでしょうか。匿名のスタジオ・ミュージシャンのゆるい集まりのことです。

 スタジオ・ミュージシャンと言えば、いわば影武者、黒衣です。表に出てきません。しかし、なかなか。実際にレコーディングしているのは彼らであって、表舞台に出ているアイドルは、楽器が弾けないので、弾いている真似をしているだけで、実際の音楽の本質の屋台骨は、彼らが支えていたわけです。

 例えば、ビートルズに対抗して米国でオーディションで集められたアイドル・グループ、モンキーズがいます。マイク・ネスミスら彼らは演奏できたことはできましたが、レコーディングはスタジオ・ミュージシャンによるものでした。

  最近、非常に便利な世の中になりまして、ネットで、無料で1950年代のロックンロール創世記や60年代のポップスを動画で見ることができます。

 その中でよく見ると、明らかに、レコードの「口パク」で、演奏していないということが、バレバレなグループがいることが分かります。

 例えば、バーズの「ミスター・タンブリンマン」(ご存知、原曲はボブ・ディラン)は、12弦ギターを弾いて歌っているロジャー・マッギン(もともとの名前はジム・マッギン)以外は、ほとんど演奏していないようにみえます。かろうじて、デビッド・クロスビーはギターを弾いているように見えますが、ベーシストは全く弾いていません。左手の指がフレットを移動していないからです。  

 以下は、非常にマニアックな話になりますので、1960~70年代のポピュラー・ミュージックに関心のない方は、この先読んでもつまらないと思います。では。

 街角で Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 私の多感な時代、唯一の愉しみは、ラジオから流れる米英のヒットチャートのポップスを聴くことでした。

 当時は、エルヴィス・プレスリーは、人気に陰りが出て、シュレルズ(ジェリー・ゴフィン、キャロル・キングによる「ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロー」全米1位)クリスタルズ(「ヒーズ・ア・レベル」)、ロネッツ(「ビー・マイ・ベイビー」が全米2位)、シフォンズ(「イカした彼」が全米1位)といったガールズ・グループの全盛期でした。

 このほか、リトル・エヴァの「ロコ・モーション」(ジェリー・ゴフィン、キャロル・キング作詞作曲)やトーケンズの「ライオンは寝ている」フォーシーズンズの「シェリー」なども日本で大ヒットして、洋楽ポップスの嵐が日本のシンガーにも大きな影響を与えます。

ダニー飯田とパラダイスキング、九重祐三子、田辺靖雄、梓みちよ、弘田三枝子、坂本九らが盛んに欧米ポップスをカバーしていました。

しかし、これら、アメリカン・コーラス・ポップスもビートルズを始め、ローリング・ストーンズ、ディブ・クラーク・ファイブ、アニマルズ、ハーマンズ・ハーミッツなどの英國のバンドに席巻されてしまいます。

米国では、当時は、British envasion =英国の侵略と呼ばれていました。

その中で、人気、実力ともにビートルズなどに唯一対抗できたのが、ビーチ・ボーイズです。

このビーチ・ボーイズは、兄弟従兄弟のコーラス・ロックバンドですが、実際は、ブライアン・ウィルソンが一人で作詞作曲、演奏をやっているグループで、昔の古い動画を見ても、楽器を演奏しているようにはみえません。(コーラスは、やっているようですが)

最初にご紹介した「レッキング・クルーのいい仕事」によると、やはり、レコードになった演奏は、スタジオ・ミュージシャン「レッキング・クルー」が担当していたことを暴露しております。

暴露というのは、大袈裟で、当時はそれがほぼ当たり前だったようです。

レッキング・クルーの中には、グレン・キャンベルがギタリストとして参加していました。グレン・キャンベルと言えば、私は、日本でもヒットした「トライ・ア・リトル・カインドネス」のカントリー歌手だとばかり思っていました。

それが、レッキング・クルーの屋台骨のギタリストとして、プロ生活を確立していたことが、この本で初めて知りました。しかも、グレン・キャンベルは、ビーチ・ボーイズのツアーメンバーとして、表舞台でも活躍していたんですね!

レッキング・クルーのメンバーには、先日亡くなったレオン・ラッセルもピアニストとして参加していました。当時は、ラッセル・ブリッジと名乗っていたとは、またまた、この本で初めて知りました。

レオン・ラッセルは、私は、ジョージ・ハリスンの呼び掛けで行われた1971年の「バングラデシュ・チャリティー公演」で知りましたが、こんなキャリアがあったとは知りませんでした。

街並みで Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

そもそも、この本「レッキング・クルーのいい仕事」は、松ちゃんと過日、鶯谷の居酒屋で音楽談義をしていた時に、紹介されたものでした。ボブ・ディランからバックバンドの話になり、私が「サイモン&ガーファンクルの『サウンド・オブ・サイレンス』で、エレキギターを弾いているのは、確かマイク・ブルームフィールドだったよね?」というマニアックな話に及ぶと、松ちゃんが「それは分からないけど60年代のヒット曲の殆どを演奏していたのが、レッキング・クルーというスタジオ・ミュージシャンなんですよ」と教えてくれたわけです。

60年代のアメリカン・ポップスの最重要人物の一人がフィル・スペクターだということに異論ある人は少ないと思いますが、スペクターが、このレッキング・クルーの産みの親みたいなものだったことも、この本で教えられました。

フィル・スペクターは、ビートルズのアルバム「レット・イット・ビー」をアレンジしたことでも有名ですが、薬物中毒になり、殺人を犯して、今は収監中のようです。

10代でテディ・ベアーのメンバーとしてデビューし、「彼氏に一目惚れ」をヒットさせています。(この曲は、ビートルズが初期の頃にカバーしてます。「BBCライブ」などに収録)

この後、プロデューサーに転向し、前述のクリスタルズやロネッツをプロデュースします。スペクターは、ロネッツのリードボーカルのヴェロニカ(ロニー)・ベネットと一時結婚しています。

日本に来て下さい、トランプさん

伊太利亜ヴェニス

何これ?!

11/17(木)274ページ 92人 11,554位
11/16(水)362ページ 124人 7,731位
11/15(火)372ページ 136人 8,586位
11/14(月)353ページ 119人 10,462位
11/13(日)416ページ 155人 6,752位
11/12(土)334ページ 140人 6,487位
11/11(金)239ページ 111人 9,590位
※ランキングは上位100,000件まで表示されます

えっ?昨日のアクセスは、僅か92人でしたか。久しぶりの二桁です。1日1000人を目指しておりますから(笑)、もう、やめようかしら。

◇韓国と米国

韓国では、いつの間にか、「朴大統領よ、早く退陣しろ」と上から下から大騒ぎです。

先日は、ソウル中心部で36万人もの民衆がデモに参加したとか。うーん、とてつもない国です。

何やら、朴大統領は怪しげな新興宗教の教祖の娘と数十年にも渡って公私共々交際があって、朴大統領自らがその特権を利用して、その教祖の娘が経営する関連事業に便宜を図ったり、人事にまで介入させたり、その教祖の娘の娘の有名大学への裏口入学の口利きをしたなぞといった疑惑が数多浮上しているからなんだそうです。

民衆は、教祖の娘が、選挙で選ばれた公職者でも何でもないのに青瓦台に顔が利くことが許せないようです。縁故主義を批判しているわけです。

しかし、です。

次期大統領に決定したトランプさんは、次期政権運用に当たって、かなり、露骨な縁故主義を導入しています。前妻の長男や長女は当たり前。ハーバード大学を出たユダヤ系の実業家である娘婿まで、ホワイトハウス入りを画策しております。

それなのに、米国民は誰も批判していません。(いや、何人かは批判しているかもしれませんが…)

これは、人間は、もともと、縁故主義の動物だということを証明しているようなものです。

王制貴族社会から逃れて、民主主義国家をつくった米国でさえそうなんですからね。

◇日本の米軍駐留経費負担率は74.5%

ところで、次期大統領のトランプさんは、駐留米軍の日本人の負担が少な過ぎる。増額しなければ、引き揚げると、大統領選で「公約」しておりました。

米軍が出て行ってくれるのなら、フィリピンの大統領なら、大喜びなんでしょうが、日本の首相は慌てふためいて、直談判のために訪米するほどです。

しかし、日本の負担はそんなに少ないのか?

昨日の東京新聞が表入りで解説してくれました。

何と、日本は米軍駐留経費の74.5%も負担しているじゃありませんか。同じ、敗戦被占領国のドイツなんか、わずか32.6%ですよ!

韓国でさえ、40%です。

右派の外交評論家でさえ、「これ以上、日本が負担したら、米軍は日本の傭兵になってしまう」と指摘するぐらいですからね。

実業家のトランプさんは、経済政策理論も、日米貿易摩擦が激しく、三菱地所がロックフェラーセンターを買収したバブルの1980年代の印象で止まっています。

トランプさんよ、今の日本にお忍びでもいいから来てみてください。

【追記

韓国の教祖の娘の娘さん(20)が裏口入学したのは、名門梨花女子大学のようですね。馬術に熱中して、高校も大学も殆ど授業に出席せず、特待生扱い。

韓国は、極端な階層社会で学歴だけが、庶民が這い上がることができる「最後の砦」として知られています。

それなのに、何の苦労も知らない娘さんは「金も実力のうち。悔しかったら、親を憎め」とネットに投稿して、火に油を注ぐ格好になったようです。

まあ、真実ではありますが、橘先生の御著書ではありませんが、「言ってはいけない」。

言ってはいけない

 街頭で Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 アメリカの次期大統領となる「トランプ自伝」を実際に書いたゴーストライターが、「トランプは、教室でじっとしていらない幼稚園児のようで、これまで、1冊も本を読み通したことがない」と暴露している記事を読み、椅子から転げ落ちるほど、驚いてしまいました。

 彼によると、トランプさんの専らの情報源は、テレビなんだそうです。

 アメリカはまだ200年ちょっとしか歴史がありませんが、歴代大統領の中で、史上初めて、読書人ではない実業家が選出されたということなのでしょうか。実に衝撃的でした。

 本なんか読まなくても、大統領ぐらいになれることを彼は証明したわけですが、人生で読書ほど有益で楽しいものはない、と思っている私としては、異次元の人を見る感じです。
街頭で Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 毎月50冊を読破する栗林提督には足元には及びませんが、今も何冊か並行して読んでおりまして、昨日は橘玲著「言ってはいけない 残酷すぎる真実」(新潮新書)を読了しました。

 著者が「まえがき」で明解に「最初に断っておくが、これは不愉快な本だ。だから、気分よく一日を終わりたいひとはやめたほうがいい」と、高らかに宣言している通り、本当に、気分が悪くなる本です(笑)。

 何が不愉快なのか?

 どうあがいても駄目だよ。お前の運命は生まれた時から遺伝で決まっている。努力しても無駄だよ…なぞと、皆さんの人格を全否定するような文言に満ち溢れているからです。

 扉書きを引用しますと、「この社会には綺麗事が溢れている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではないー。だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外ではなく、美人とブスの美貌格差は3600万円だ」てな調子なんすよ。

 発行元の新潮社で週刊誌を創刊するなど出版界に君臨した斎藤十一氏は「所詮、人はカネと女」「人殺しのツラを見たくないか」などと豪語しておりましたが、この本はもっと先を行っていて、「所詮、ヒトはメスとオスの馬鹿し合い」「ヒトは所詮、遺伝子の運び屋」的な身も蓋もない、希望も展望もない世界を見せつけてくれるわけですよ。

 以下は備忘録。

 ・アシュケーナージは「ドイツの」という意味で、アシュケナージ系ユダヤ人はライン川沿いのコミュニティを発祥地とし、その後、ポーランドやロシアなどの東欧諸国に移り住んだ。彼らは激しい差別によって、人口の増加が抑えられ、キリスト教では禁忌とされていた金貸しで生計を立てざるを得なかった。(中略)金融以外に生きていく術がなかったら、数学的知能に秀でいた方が有利だから、平均より少し知能が高かっただろう。(p51)

 ・男性ホルモンであるテストステロンが暴力性と強く相関し、なおかつその影響が外見に現れる。(p142)母親の胎内で高濃度のテストステロンに曝された男性は顔の幅が広くなる。(p144)

 これを読んで、私は、トリカブト保険金殺人事件で捕まった容疑者の顔が浮かびましたよ。彼は、テレビカメラが回っているのに、いきなり、気に食わない新聞記者の顔を殴りつけていました。異様に顔の幅が広い男でした。

 この本では、性差や人種や頭の良し悪しや、王制、犯罪者など、これまでタブー視されていたことを臆面もなく、心理学者の臨床実験結果などを引用して取り上げております。

 ご興味のある方は、図書館で借りてみたら如何?私のように、半年以上、待たされるかもしれませんが…(笑)。

20万円拾いました

伊太利亜ヴェニス

民主主義は衆愚政治に、資本主義は強欲主義になるのが現代の、そして人間の宿命的陥穽である。ーオノレ・ドゥ・キリヒラク(仏の哲学者、1916~2000)

大金を拾いました。10万円、いや20万円ぐらい入っていたかもしれません。中身は詳しく確かめていません。カードらしきものも入っていたので、「これはヤバイ」と思い、店員さんに届けました。

そうなんです。拾ったのが都内の喫茶店の中だったのです。後から、「喫茶店じゃなかったら、警察に届けて、謝礼に1割貰えたかもしれないなあ」と、強欲主義が頭を掠めました(笑)。

でも、渓流斎は善人ですから、悪いことはできません。ネコババすれば、正真正銘の窃盗罪ですし、夜も眠れませんからね(笑)。

それは、テーブルの下の隅に、小汚いマフラーと一緒に落ちていました。ゴミのように汚らしいので、拾うのも嫌でしたが、まあ、エチケットとして持ち上げました。財布ではありません。よく「百均」で売っている小さい筆箱のようなビニール製のファスナー付きのケースです。

もう何年も使っているような汚いケースでした。一応、中を確かめようとファスナーを半分開けたところで、吃驚。一万円札と千円札がビッシリ詰まっていたのです。細かく数えませんでしたが、数センチありましたから、もしかしたら、20万円ぐらい入っていたかもしれません。

店員に渡すと、彼女は「はい」と無感動で事務的に受け取っただけでした。周囲が煩くて、私の「お金が入ってましたよ」という声が聞こえていなかったのかもしれません。

彼女があまりにも、事務的だったので、私は「警察に届ければよかった」と思ってしまったわけですよ。

それにしても、考えてみれば、私はよく他人様のお金を拾います。大金を拾ったのは、子どもの頃を含めて、これで5回目ぐらいじゃないかと思います。

警察は、子どもを馬鹿にしているので、届けても、謝礼の連絡は来ませんでした。

大人になった時に見つけた大金は、中に入っていた身分証明書の連絡先に電話して渡したこともありました。

情けは人のためならずで、いつか、自分が紛失した時に、誰か他の正直者が、届けてくれるという期待感があるせいかもしれません(笑)。

いやいや、善人渓流斎の生活信条ということにしてください(笑)。

直接統治の時代

伊太利亜ヴェニス

清流斎です。

僕は分かりました

銀行員は、自分たちが販売する金融商品は、自分たちでは決して買わないんですね。

高額な手数料と馬鹿みたい信託報酬が課せられた、割りに合わない大損する商品だということが分かっているからです。

僕は分かりました。

ファストフードの企業幹部は、自分たちが売り込んでいる商品は、超派手に宣伝するものの、自分たちは決して口にしないんですね。

食べると身体に良くないことが分かっているからです。

僕は分かりました。

世界的なコーヒー・チェーンの多国籍企業幹部も、自分たちが売り込んでいるコーヒーは、超派手に宣伝するものの、自分自身は決して飲まないんですね。

生産過程を知ってるからです。

僕は分かりました。

既存の既得権益メデイアは、自分たちが報道する内容を信じていないんですね。

もう、代理店やメデイアを介在しないディスインターメディエイション、つまり、今や、直接統治の時代に入ったからです。

今さらTPPとは

富士山

今日は、新聞休刊日です。

ということで、渓流斎ブログも休刊日としたいところですが、一言言いたい!(笑)。

TPPは、次期米大統領のトランプさんは、「やらないよ」と公約してます。

それなのに、日本は、早々と衆院の偉い国会議員さんが野党の欠席で可決し、今日にも参院で通ってTPP法案は成立するようです。

アメリカの参加しないTPPなんて意味ありますか?

間が抜けてますね。

そもそも、TPPで益する団体は、輸送機器関連輸出産業ぐらいで、日本の零細農業は壊滅的被害を被るはずです。

それを知ってる農業団体は、手を拱いているだけなのでしょうか?

何と言っても、曲者はISD条項です。日本の多くの人は知らないでしょう。

ISD条項とは、「投資家対国家間の紛争解決条項」(Investor State Dispute Settlement)の略語です。主に自由貿易協定(FTA)を結んだ国同士で、多国籍企業が相手国の政府を訴えて賠償請求できる、という至って多国籍企業向けの有利な条項なのです。

もし、何らかの小賢しい多国籍企業が、日本政府にケチを付けて、いや、訴えて、賠償金を勝ち取れば、そのツケは日本国民に回ってくるわけです。

他人事じゃあないんですよ。そうなったら、手遅れなのに、誰も教えてくれません。

こうなったら、百蔵山からの富士山(=写真)を見て、心を洗うしかありませんよ。

満洲今昔物語アルバム

 「松岡二十世とその時代」(日本経済評論社)、「王道楽土・満洲国の『罪と罰』」(同時代社)の著者松岡將氏が「自慢作」と自画自賛される「満洲今昔物語」写真集です。(著作権は、松岡氏にあり)

 今も昔もほとんど変わらない。帝国主義の遺物だろうが、モノ動じせず再利用して憚らない中国人(女真族ではなく漢族)の強かさを感じます。

そこが、近代建築の粋を集めた朝鮮総督府を破壊、いや撤去した朝鮮民族との大きな違いを感じます。

 とくとご覧あれ。
 長春(新京)駅前の新京ヤマトホテル(甘粕正彦、平田勲らが逗留していた)
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 現在もホテルとして健在

 長春(新京)駅前の満鉄新京支社(満鉄調査部事件で多くの検挙者を出した)
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 現在も長春鉄道関係中枢事務所

 関東軍総司令官公邸
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 現在は重要人物の接遇などに使用

 関東軍総司令部
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 現在中国共産党吉林省委員会

 関東局・関東憲兵隊司令部(ここで興農合作社・満鉄調査部事件の検挙者の尋問・調書作成などが行われた)
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 現在吉林省人民政府

 満洲中央銀行(いわゆる“満銀券”を発行していた)
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 中国人民銀行長春支店として健在

 満洲帝国協和会中央本部
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 十年ほど前までは、レストランやオフィスなどに分割使用されていたが現在は空き家状態

 満洲国政府国務院(張景恵国務総理もここで執務(居眠り?)していた)
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 現在は、吉林大学(旧白求恩医科大学)

 総合法衙(満洲国高等・最高検察庁、同高等・最高法院)
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 現在は第461人民解放軍病院

 満洲映画協会
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 現在は、映画製作に関しての博物館

 おまけです。

 甘粕正彦満映理事長(右端=理事長室で)

喜劇とは笑わすだけにあらず

三波伸介さんの墓誌

今日は小春日和ということで、父の命日(11月18日)が近いこともあり、お墓参りに行ってきました。

私は、スマホ中毒依存症の病気ですから、ブログを書いたり、最寄り駅から霊園へのバスの時間などを調べたりしているうちに、亡父の眠る霊園には、有名人として、コメディアンの三波伸介さんのお墓があるということが分かり、吃驚。序でではありましたが、お参りすることにしました。

広大な敷地ですので、霊園事務所で、場所を伺って行ってみたら、あの一世を風靡した有名な爆笑王が眠る墓にしてはあまりにも小さいので驚いてしまいました。

三波伸介は、1982年に、52歳という若さで亡くなりました。もう、34年も昔なので、今や不惑以上の方でないと知らないかもしれません。

実は、先日、高校の先輩OBから、開校125周年を記念して卒業生の文集を出すので、一筆思い出を書いてくれないか、といことで、大昔の高校生時代を思い出しながら、書いたものでした。

その中で、ちょうど三波伸介さんの思い出があったのです。彼は、ちょうど我々が卒業した都内の高校の隣に住んでいて、仕事に出掛ける度に、黒塗りの車で若い衆が出迎えに来ていました。どういうわけか、鼻の効く奴がいて、三波さんが出掛ける瞬間を嗅ぎつけて、窓際に釘付けになって、皆を呼びに来るのです。

そして、何人か集まると、悪ガキどが一斉に「しんすけー」と叫ぶのです。

すると、サングラスを掛けて、ヤクザの親分さんのような風体の三波さんは、ゆっくりと右手を挙げて車に乗り込むのでした。

今から考えると、サービス精神旺盛な方でした。ですから、今日は、奇妙なシンクロ二シティにまたまた驚いてしまったわけです。

ぎょうざの満洲

お墓参りした後、バスで駅に向かっていたら、「ぎょうざの満洲」の看板が見え、お腹も空いていたので、飛び込んでみました。

私は、満洲に目がないですからね(笑)。

しかし、ここでも驚きました。

お向かいがベトナム人の青年3人。左隣が、フィリピン人三世代家族、右隣が中国人でした。

餃子と塩ラーメンセットに中瓶を頼みました。
モアリズム

この後、近くの広大な国有地公園を散策していたら、無料野外ライブをやっていました。

「モアリズム」というギター2人、ベース1人の3人組のジャズ・ブルースバンドで、初めて聴きましたが、これが破格的にうまい。ボーカルもギターも、テクニックが半端じゃない。思わず聴き惚れてしまいました。

今日は、驚くことも沢山ありましたが、何か、凄い贅沢をしたような、得した気分になりました。