「ゲティ」って何ですか?

《渓流斎日乗》は、ほぼ毎日更新していたのですが、最近は「華麗なる転身」で、いや間違えました、「加齢なる転身」で更新ペースがやや遅くなってきました(笑)。

理由は多々あるのですが、第一は、何となく、烏滸がましくなったことです。我ながら「お前さんに、そんなこと言う資格ありますか」といった自己反省とメゲル気持ちになっているわけです。

第二は、「蟷螂の斧」と言いますか、「暖簾に腕押し」と言いますか、何を書いても、何が変わるわけでもなく、単なる自己満足に過ぎず、「場郭斎」気分。

そして、第三は、以前なら毎日、ブログを書かないと、歯を磨き忘れたような、何となく落ち着かない焦り半分の気持ちでしたが、最近は、漲る加齢力が沸き起こって、「面読斎」気分が打ち勝ってしまうのでした(笑)。

でも、最大の理由は、世の中の裏のカラクリを知り過ぎてしまったこと(でも、ここではあまり書けましぇん)ですかね。以下省略。

京都・伏見稲荷大社

今日、敢えて話題を取り上げるとしますと、「ゲティ」ですかねえ。最近、よく、テレビや新聞雑誌の写真の隅っこに現れる写真のクレジットです。マグナムのような世界的な写真通信社のような気がしますが、よく分かりませんでした。

ゲティを検索すると、最初の方に出てくるのは、米国の石油王ジャン・ポール・ゲティか、誘拐された孫の身代金要求を拒否した実話を映画化した「ゲティ家の身代金」か、ロサンゼルスにある「ゲティ美術館」ぐらいです。

そこで、その筋に詳しい事情通に聞いたところ、「あ、ゲティ・イメージズですね。それは、今や世界最大の写真通信社ですよ。世界各国の写真通信社を次々と買収したり、提携したりして、どんどん大きくなりました。写真だけでなく、動画や音楽など3億点ぐらいあると言われてます」とあっさり言うではありませんか。

「本社はアメリカのシアトルにあって、(1995年の)共同創業者は石油王ゲティの孫ですが、何回か買収された挙句、今では、投資会社が持っています。フランスのAFP通信や日本の共同通信など老舗の通信社などと提携してますから、「ノルマンディー上陸作戦」や「満洲事変」など歴史的な報道写真などあらゆる種類の写真もあります。でも、投資会社ですから、目的は利潤追求で、生産性向上ですから、写真を愛しているわけではありません。採算が合わなければすぐにでも手放すでしょう。正直言いますと、僕はその辺りが好きではありません」とまで言うのです。彼も、元報道カメラマンで、写真に対する熱意は相当なものですから、それは本当に正直な気持ちなんでしょう。

神戸南京町

調べてみたところ、ゲティは、世界20カ国以上に事務所があり、多数の契約カメラマンも抱え、2012年に投資会社のカーライル・グループが買収して、今のオーナーになっているようです。カーライル・グループは、知る人ぞ知る天下の投資会社で、父ブッシュ元米大統領との関係が深く、不動産から軍需産業の投資まで手広くやっているようです。

私がテレビを見たり、新聞を読んだりして「ゲティ」のクレジットに気付くぐらいですから、既に皆さんの方がとっくに気が付いていたことでしょう。

私自身は、報道写真などは、歴史・文化遺産だと思っています。投資会社の持つ写真通信社は当然、営利活動優先で、著作権使用らを要求するビジネスで成り立っているわけですから、仮の話ですが、歴史的写真に高額の料金を請求されれば、弱小出版社などは、掲載を諦めざるを得ないということです。

世界のIT王である米グーグルなんかは、もう何年も前から、世界中のあらゆる美術館の写真を画像化、動画化したりしてますが、これは、福利厚生活動ではなくて、「著作権ビジネス」を独占したい魂胆がみえみえのような気がします。

私は、「文化国粋主義者」ですから、自分たちの国の文化遺産の写真などを、イザ使おうとしたら、いつの間にか、外国の会社が著作権を登録していて、使えなかったりするような未来の悪夢を危惧しています。