タルムードに少し触れて

 何となく、季節の変わり目のせいか、ここ数日、気分爽快とはいかず、ペンが重くなっています。

 以前なら、朝起きるとその日に書きたいことが湧き出る泉の如く、止めどもなく、何本も、何本もテーマが浮かんできたのですが、最近はどうも、不調です。

 特に、以下の文章を読んだのが、低迷の決定打となりました。

ゴシップは殺人よりも危険である。殺人は一人しか殺さないが、ゴシップは必ず三人の人間を殺す。ゴシップを言いふらす人自身。それを反対せずに聞いている人。その話題になっている人。

 ゴシップを「ブログ」に置き換えるとゾっとしてしまいます。私は弱い人間ですから、殺すことはありませんが、人を傷つけているのではないか、と思うと書く気力が失せてしまったのです。

先ほどの格言(教義)こそは、ユダヤ民族に伝わるタルムードで、ユダヤ民族に伝わる口伝律法を納めたものです。 法律に例えると、「旧約聖書(トーラー)」が六法全書にとするなら、「タルムード」は判例集に当たります。

タルムードには「労働」「婚姻」「商法」「死生観」 など多岐に渡って教義が記されています。

 以前、このブログの今年2月2日に取り上げた市川裕著「ユダヤ人とユダヤ教」(岩波新書)の中で初めてタルムードの存在を知り、興味を持っていたところ、たまたま、電脳空間に「ユダヤ民族に伝わるタルムード(talmud)には何が書かれているか?」 というサイトが見つかりました。

 このサイトには「ぜひともタルムードの完全な日本語訳が出版されることで、『悪魔の経典タルムード』というイメージや、『ユダヤ人は選民思想によって非ユダヤ人をゴイム(豚)として扱い、世界支配を企んでいる』と言った、ユダヤ陰謀論の誤った認識が覆されることを祈る」と書かれているように、至極真面目に、正攻法でユダヤ思想を取り上げていると思います。

サグラダファミリア教会

 そして、このサイトのリンクには「多様な業界で活躍した著名なユダヤ人」というサイトがあり、これを拝見すると、ユダヤ系の人たちがこれほど、幅広い分野で活躍していたとは驚きでした。

 イエス・キリスト、アインシュタイン、マルクスといった大天才たち(誤解を恐れずに言えば、イエスは生前、教団をつくる意思はなかったという説があります。宗教を超えて生身のイエスは、大天才だったことは疑う余地はなかったと思います)がユダヤ人だったということはよく知られており、クラシックからポップスに至るまで芸能関係者が多く、私自身もかなり知っているつもりでしたが、俳優のハリソン・フォードやスターバックスの中興の祖ハワード・シュルツ、心理学者のアドラー、映画監督のオリバー・ストーン、フェイスブックのザッカーバーグらもユダヤ人だったとは知りませんでした。

 もちろん、私自身も、巷間出回っているユダヤの陰謀説には与していません。ハリウッドのスターになったり、ウォール街の金融街で優遇されるかもしれませんが、それらは陰謀でもなく、白日の下で晒されている誰もが知っている話でしょう。別にヒトは、映画界のスターになることもないし、ジョージ・ソルスやウォーレン・バフェットにならなくても生きていけます。

 それより、何故、ユダヤ人には頭脳明晰な人が多いのかといった方に私は、興味があります。(このサイトには「ノーベル賞受賞者の22%がユダヤ人」とも書かれています。)

 要因として、「ユダヤ人は教育熱心だから」といったことが書かれていますが、それだけではないはずです。「中国のユダヤ人」と言われているのが、「客家(はっか)」で、孫文や鄧小平、李登輝、リー・クアン・ユーらも客家と言われてますが、彼らも大変教育熱心な華僑として知られています。

あ、あまり書き過ぎると、タルムードの戒律に触れてしまいそうなので、この辺でやめておきます。