トマホークは誰がつくってるのかな?=米国の政・官・産・軍・学の一蓮托生を見た

 反撃能力(敵基地攻撃能力)に使う米国製巡航ミサイル「トマホーク」の購入数が400発になることが昨日27日の衆院予算委員会で明らかになりました。政府は、トマホーク取得費用として新年度予算に2113億円を計上していたので、これで1発が幾らなのか想像出来ます。

 いや、そんなことより、こうして防衛費増大が具現化されていきますと、「はじめのはじめ」のような、「おわりのはじまり」のような、「おわりのおわり」のような予感がしてきます。何が? まあ、御説明するまでもないでしょう。2021年10月の時点で、日本の戦後生まれは86.2%。ほとんどの人が先の大戦の体験がないわけですから、周辺国からの危機をやたらと煽り立てる為政者の口車に乗ってしまったということです。特に、ロシアによるウクライナ侵攻があってからは尚更です。正論にまでなってしまいました。

 しかし、管見ながら、軍拡競争はキリがありません。ですから、結局、どちらか(もしくは両者)の破滅で終わることを歴史と人類学が教えてくれています。

銀座「ジンホア」担々麺 シンガポール仕込みらしくこれは美味い😋

 私はこのトマホークというミサイルの性能よりも、一体、誰がつくっているのか気になりました。今は簡単に調べられます。米ヴァージニア州フォールズチャーチに本社を置く軍需産業ジェネラル・ダイナミクス社です。従業員9万人の大企業です。1952年設立と意外と新しい会社かと思ったら、米海軍御用達で1899年創立のエレクトリック・ボード社の流れを汲むらしいのです。この会社、明治37年(1904年)に日本海軍の依頼を受けて水雷艇を建造したといいますから歴史があります。1904年といえば、この年の2月に日露戦争が勃発しています。(翌年9月まで)

 ジェネラル・ダイナミクス社の会長兼CEOがフィービー・ノヴァコヴィッチさん(1957年11月生まれの65歳)というセルビア系米国人女性です。ファーブス誌から世界で最も影響力のある女性経営者の25位に選ばれています。ペンシルベニア大学でMBAを取得し、CIAと国防省に勤務した経歴があります。ジェネラル・ダイナミクス社に移ったのは2001年で、12年には社長に就任し、会長兼CEOは13年1月から務めています。米国のエリート社会は、政・官・産・軍・学が一体になっていて、よく「revolving door(回転ドア)」と言われます。政治家が落選して大手軍需企業の役員になったり、経済学者が財務長官やFRBの議長になったり、クルクルと回転ドアのようにポストが回されるという意味です。元CIAから軍需産業のトップに就いたノヴァコヴィッチ氏もその典型だったことが、これではっきりと分かります。

 そして、何よりも、永久敗戦国が、半強制的に宗主国の軍需産業を支え、宗主国の経済と景気浮上に大きく貢献する構図も見て取れます。

彼or 彼女は「人間関係リセット症候群」なのかも?=世の中は不条理に出来ています

  医学関係の記事を読んでいたら、「人間関係リセット症候群」なる病気が最近増えていることを知りました。若者だけでなく、いわゆる老若男女問わず、です。

 正式な病名ではありませんが、これは、FacebookやツイッターやLINEなどのSNSから突然、アカウントを削除したり、連絡先も削除したりする行為を指します。原因は、失恋や離婚や裏切りなど人間関係でトラブルがあって、疲れてしまったり、人との付き合いにうんざりしてしまったりしたことなどが挙げられます。

 そういう私も、Facebookを突然やめてしまった「前歴」があります。いや、突然、ではありませんね。ちゃんと、ブログで事前に、Facebookの弊害などを列挙して、「やめます」と通告させて頂きました。それに、削除まではしておりません。Facebookは、退会のやり方が実に、実に煩雑なためで、そのまま放置しているだけです。同じようにツイッターも、ほとんどチェックせず、削除もしないでそのまま放置している、といった具合です。

 ですから、自分自身は、「人間関係リセット症候群」ではない、と思っているのですが、Facebookなどをやめたのは、確かに「毎日、毎日、何回もチェックして、一喜一憂するのに疲れてしまった」ことが理由です。そんなもんに時間が取られてしまっては、人生が勿体ないと悟ったわけです。

銀座

 その逆に、「人間関係リセット症候群」らしき病気に罹った人?から、突然、何の通告もなく、私も切られた経験があります。メールを送っても返信がない、といった程度です。でも、そりゃあ、気になりますよね? 自分が何か悪いことをしたのか? 相手に気に障ることをしたのか? 何か変なことをブログに書いてしまったのか? 色々なことが、頭の中を駆け巡り、結局、自分ばかり責めてしまう羽目に陥ってしまいました。

 でも、それが、相手がいくら親友だろうと、相手の御都合であり、結局は自分自身の力が及ばないことを早く悟るべきでした。相手は、それこそ、「人間関係リセット症候群」で、人付き合いに疲れてしまったのかもしれないからです。

 この「人間関係リセット症候群」の存在を知る前は、自分自身を責めたり、その反対に、「相手を大切にしない人には、自らその人を大切にする必要はない」という本の宣伝文句に気を紛らわせていたりしてました(笑)。本当は、「お前なんか、どうでもいい。興味なんかないし、どうなろうと俺の知ったことではない」というのが真相かもしれませんが、今回、「人間関係リセット症候群」の存在を知って、ほんの少し気が楽になりました。

銀座「ジンホア」小籠包と焼売

 話は全く変わりますが、本日は、どうもタイミングが悪い日でした。

 朝の混んだ通勤電車で、私は最寄り駅から10駅目で、やっと座ることが出来たのですが、後から右隣りに割り込んで入って来た男は、何と、私よりも先に、自分が乗ったその次の駅で座ることが出来たのです。何という不条理(笑)。

 そして、本日、ランチに行ったお店で、「すぐお席を御用意します」と言われたので待っていたら、私自身は15分ほど待たされたのですが、後から来たお姐さんは、1分も待たずに直ぐ着席出来て、料理も私とほぼ同時に運ばれてきたのです。何という不条理(笑)。

 これも、世の中、不条理に出来ていると悟れば、何の問題もありません。ロシアから侵略されて殺されたウクライナの人々のことを思えば、この程度のことは不条理でも何でもないですね。

 

オラも「チャットGPT」やってみた=悩むのが人間ですよ

 自分自身、信じられませんが、いつの間にか、私も世間では高齢者と呼ばれる部類になってしまいましたが、有難いことに、好奇心だけは衰えていません。

 このブログをお読み頂いてくださる皆様にはお分かりですが、歴史から、古生人類学、文化人類学、進化論、地球46億年、宇宙論まで本を読み漁り、興味がさまざまな分野に発展して留まることを知りません。

 そしたら、それに対してチャチャを入れる奇特な紳士がおりまして、「貴方は、あっちこっちフラフラし過ぎですよ。何が宇宙ですか!宇宙なんか生きている上で何の関係ありませんよ。そんな分野に入って来てもらっては専門家の人たちが迷惑なんですよ。どうせ、さっといなくなるんでしょうから、遊び心で来てもらっても困るんですよ。本当にいつも貴方は自分勝手で、周囲ははた迷惑なんですよ」と言い放つのです。いいえ、脚色なんかしておりません。

 あまりにも頭にきたので、その紳士に「そんなこと言えば自分に返ってきますよ。地獄に堕ちますよ」と忠告したところ、紳士は「いいえ、あたしは死んだら宇宙にいくからいいんです」と涼しい顔です。こりゃ何を言っても駄目ですねえ(苦笑)。

新富町「ウオゼン」3種フライと刺身定食950円

 さて、好奇心が衰えていない、ということを最初に書いた通り、ここ4、5日、急に、各新聞紙上で「チャットGPT」なるものの話題が頻発するようになったので、私もチャレンジしてみることにしたのです。

 サインアップは簡単で1分ぐらいで出来たと思います。でも、よく分からず、誤解していて、このAI(人工知能)に話しかければ、何か応えてくれるのかと思ったら、ビクともしません(笑)。当然ですよね? チャットですから、文字を書かなきゃいけなかったわけです(笑)。

 英語版でしたが、ネットのマニュアルで日本語でも大丈夫だったので、「京都の有名な観光地を教えてください」と聞いたところ、しっかり、1,清水寺、2金閣寺、3、祇園…7,伏見稲荷大社と7カ所列挙してくれて、その名所の簡単な案内まで添えられていました。

 チャットGPTの話題の中で、このように、便利だというポジティブな半面、答えがフェイクだったり、飛んでもない間違いだったりする場合もあるというのです。もっとダークな面は、最近話題になっている、ルフィなる強盗殺人集団によるネットを使った犯罪がまかり通っているように、何かのきっかで、このチャットGPTに自分の住所や資産や銀行口座等を書き込んだりした個人情報が、ネットで拡散されて、それら犯罪集団にキャッチされ、とんでもないことになる、といった心配でした。

 チャットGPTは、AIがあらゆる分野からの情報や学説などを引用して答えてくれるというので、入学試験のカンニングや学術論文の「盗作」、さらには、本来クリエイティブなはずの作家の作品にも盗用される可能性もあります。

 既に、囲碁や将棋の世界では、人間はAIに完敗して太刀打ちできないと言われてますが、芸術作品までAIがつくってしまっては、つまらんなあ、と私なんかは思ってしまいます。

 以前もこのブログに書いたことがありますが、服選びにしても、今日のランチは何にしようか、にしてもAI任せにしてしまう人も昨今増えてきたようですが、これについても私は悲観的です。選択権なんて、人間の権利の最後の砦みたいなもんで、それを放棄して他人、じゃなかったAIに任せてしまってはお終いですよ。確かに選ぶことは少し苦労して悩みます。

 でも、悩むのが人間じゃありませんか。悩むことを放棄してはもう人間じゃないんじゃないですか?

おっとろしい未来地獄絵=「農業は国家なり」なのでは?

 大変ショッキングな番組を見てしまいました。昨年11月に放送されたものですが、見逃していて、たまたま見た再放送番組です。NHKスペシャル「混迷の世紀 第4回 世界フードショック 〜揺らぐ『食』の秩序〜」という番組です。

 ウクライナ戦争はもうすぐ24日で1年となりますが、その影響で世界中の穀物が高騰し、食糧危機に陥っているというドキュメンタリーです。世界第3位の経済大国日本だって、その蚊帳の外にいられるわけがありません。何しろ、日本の食料自給率はわずか38%(2019年、カロリーベース)で、食料の6割以上を輸入に頼っている現実があるからです。昨夏以来、パンやお菓子や冷凍食品など日本の物価が急激に高騰したのも、輸入に全面的に依存している小麦やトウモロコシや油脂などが高騰した影響なのです。

 それが、これまでのやり方のように、札束を積めば輸入できるならまだましな方で、これからは、トランプ流の「自国民ファースト」の時代になり、まず自国民に十分行き届かせた上で、その余った分をやっと輸出に回す。しかも、最も高額の金額を提示した外国だけに輸出する、といった現実を如実に活写していたのです。(昨年5月末から、インドは小麦、インドネシアはパーム油の輸出を禁止し、世界で取引される食料と飼料の17%が影響を受けたといいます=2023年2月23日付朝日新聞朝刊)

 番組では、日本の全農系の穀物会社の副社長が、世界中を回って穀物確保に苦悩するさまが描かれていました。当初は、全農系の穀物商社を米国に設置しておりましたが、米国の農家は、もっと高い売り手先を見込んで、なかなか日本に売りたがらなくなりました。ちなみに、穀物には、人間様が食べる大豆、小麦などだけでなく、家畜が食べる飼料や肥料なども含まれます。

 仕方がないので、副社長はカナダのアルバータ州の穀物会社に飛んでいきますが、そこで見せられたのは、空っぽの穀物倉庫です。その年は干ばつ等で生産量が少なかったせいもありますが、自国で消費されたか、もっと高額の売り手先に既に輸出してしまっていたのです。

 これでは仕方がない。北米が駄目なら、南米に行くしかない。ということで、副社長さんは、今度はブラジルに飛びます。そしたら、何んともまあ、中国最大の穀物・食品企業であるコフコ(中糧集団)という国有企業が既に全ブラジルの農家と大豆やトウモロコシなどの穀物を抑えていて、目下、1500万トンを輸出できる穀物コンビナートを港に建設中だったのです。中国は、ブラジルの穀物企業も買収してコフコの子会社化しておりました。「遅かりし由良助」です。(中国は、既にブラジルに8000億円も投資しているそうです。)

 驚いたことに、コフコは、ブラジルの農家に穀物の種子だけでなく、肥料まで提供し、荒野で作物が育たなかったアマゾンの奥地のマットグロッソ州の土地までも農地に変えていたという場面(地図だけですが)がチラッと出てきたのです。マットグロッソと聞いて、私は飛び上がるほど驚いてしまいました。何という偶然の一致! 目下、レヴィ=ストロース著「悲しき熱帯Ⅱ」(中公クラシックス)を読んでいたからです。この本では、著者が1930年代後半にマットグロッソ州の先住未開人ナンビクワラ族のもとを訪れ、その生態を事細かく描いていたのです。ナンビクワラ族は先住民の中でも最も極貧に近い生活を強いられています。裸で地面の上で寝起きして、作物があまり育たない荒野を移動しながら狩猟採集生活を細々と続けているのです。

 この本で描かれたナンビクワラ族の生態は今から80年以上昔の話ですから、現在、どうなったのか? まさか、絶滅したかもしれないなあ、と私は思いながら、マットグロッソ州とともに記憶の奥に留めていたのです。そして、現地に行かなければ確かめようがありませんが、ナンビクワラ族は今では数十人だけが生存して狩猟採集生活を続けているようで、この番組を見て、もしかしたら、彼らの一部が農家に転じていたかもしれないと勝手に思ったわけです。

 いずれにせよ、13億人の人口を抱える中国共産党の食料戦略は、感服するほど見事ですね。中国の食料自給率は約98%もあるというのに、です。番組では、このような戦略のことを「食料安全保障」という言葉を使っていました。安全保障は、何も軍事や防衛の話だけではなかったのです。人類の最終的、究極的問題は、最後は食料問題に行きつくことになります。過去4000年間、人類の戦争は食料問題がきっかけに起こったという学者もいました。(18世紀の仏革命も、マリー・アントワネットが「パンがなければケーキを食べればいい」という発言に民衆の革命精神に火が付いたという俗説を思い出しましたが、後世の作り話だという説もあります。)

 番組では、飼料が高騰して、日本の酪農家や養鶏農家の皆さんが「これ以上やっていけません」と絶望していて、私も危機が身近に迫っていることを感じました。これで話が終わってしまえば、身も蓋もないことになってしまいますが、番組のキャスターがフランスの経済学者ジャック・アタリ氏に処方箋を聞いていました。アタリ氏は、食料自給率を上げるためにも、日本はもっと農業を社会的にも報酬的にも魅力的にすべきだ、といった趣旨の発言をしておりました。

 ビスマルクは「鉄は国家なり」と言いましたが、今は「農業は国家なり」と言った方が正しいかもしれません。

【追記】

 2023年2月23日付朝日新聞朝刊1面では「餌が消え鶏が消えた 輸入頼るエジプト」という記事を掲載していました。新聞も負けていませんね(笑)。それによると、エジプトでは昨年10月、トウモロコシや大豆の配合飼料の価格が1.8倍も急騰し、多くの養鶏業者が廃業に追い込まれたといいます。エジプトは、世界最大の小麦輸入国で、昨年までその8割をロシアとウクライナから輸入してきたといいます。石油などエネルギー価格も高騰したことから、エジプトの外貨準備高は急減し、まさかですが、デフォルトの危機になりかねません。

 それなのに、日本のテレビは、相変わらず「大食い競争」だの「行列が出来る飲食店」などグルメ番組ばかりやっています。特別に危機感を煽る必要はありませんけど、大丈夫かなあ、と思ってしまいます。

仏ボルドーとアリエノール・ダキテーヌのこと

 昨晩、自宅でボルドーBordeaux ワインを飲んでいたら、アリエノール・ダキテーヌのことを思い出しました。ボルドーは、フランス大西洋岸の都市であることは誰でも御存知のことでしょう。

 でも、かつてのボルドーはフランス領ではなく、イギリス領だったことを知っている日本人は私も含めてほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。しかも、数年間ではなく300年間もです。不勉強な私がこの史実を知ったのはつい数年前のことでしたから(苦笑)。

 かつて、というのは1154年から1453年までの中世の300年間です。日本で言えば、平安時代末期から室町時代、銀閣寺の足利義政の時代までに当たります。簡単に歴史を振り返ってみますと、ボルドーには早くも紀元前300年頃にケルト系のガリア人(ゴーロワ)が住み着きます。紀元前56年にはローマ帝国の支配下になり、ブルディガラと呼ばれ、ブドウ栽培も始まりました。中世の300年間の英国領については後で触れるとして、フランス領に回帰して大西洋岸の中心都市となり、1581年~85年にかけて、「随想録 エセ―」で有名な哲学者・人文主義者モンテーニュがボルドー市長を務めます。17世紀の大航海時代になると、ボルドーは、アフリカと新大陸アメリカを結ぶ三角貿易の拠点として発展します。現在は、2016年にフランスの行政区分が変更され、ヌーヴェル・アキテーヌ地域圏の首府となっています。

 このアキテーヌに注目してください(ヌーヴェルとは「新しい」という意味です)。中世はボルドーを含むアキテーヌ地方は、アキテーヌ公の領地でした。アキテーヌ公は、王家にもつながる貴族です。日本で言えば、天皇王家と外戚関係を結んだ古代豪族の葛城氏や蘇我氏や藤原氏みたいなもんと理解すれば早いかもしれません。ただしアキテーヌ公の領地は日本の豪族とは比べ物にならないくらい広大です。

 そこにアリエノール・ダキテーヌ Aliénor d’Aquitaine(1122~1204年)が登場します。最重要人物です。アキテーヌ公ギョーム10世の第1子(長女)として生まれ、広大な領地を相続した女王(もしくは封建領主)です。結婚した相手は、後にフランス国王になるカペー朝のルイ7世でした。当時の王権の領土はパリ周辺程度でまだ確固としたものではなく、広大なアキテーヌ公の領地獲得が目的の一つだったとも言われています。夫婦仲は悪く、十字軍遠征の失敗などもあり、二人は離婚します。

 アリエノールが1152年に再婚した相手は、アンジュー伯ノルマンディー公アンリでした。そのアンリは、母親がイギリスのノルマン朝ヘンリー1世の娘マティルダだったことから王位継承を主張し、1154年に英国王ヘンリー2世(1133~89年)として即位します(プランタジネット朝)。その結果、英王妃となったアリエノールのアキテーヌ公領も英国領土(アンジュー帝国とも)になったわけです。

 しかし、アリエノール王妃とその11歳も年下のヘンリー2世との関係もぎくしゃくし、ヘンリー2世が愛人ロザモンドを寵愛したことから、子どもたちまでもが離反・敵対します。ヘンリー2世は、最期は失意の内に仏ロワール渓谷のシノン城で亡くなります。行年56歳。彼の晩年は、1966年に「冬のライオン」としてブロードウェーで舞台化され、68年には英国で映画化され、ヘンリー2世をピーター・オトゥール、エレノア(アリエノール)をキャサリン・ヘップバーンが演じて、彼女は米アカデミー賞主演女優賞を獲得しています。

 ボルドーを始め仏大西洋岸のアキテーヌ地方は、英国領として300年間続きましたが、その後、失地回復を狙うフランスと英国との間で、1339年に百年戦争が勃発し、奇跡的なジャンヌ・ダルクの活躍もあり、1453年、仏国王シャルル7世が英国軍が守るボルドーを陥落させて戦争を終結させ、領土も奪還しました。

セラピーとケアについて Therapy and mental health care

 別に隠す必要はないのですが、ここ2~3年もずっと気が重い状態が続いております。

 いえいえ、病気ではありません。しかも、心が風邪を引いたといったような、自覚できる軽症でもありません。何となく、スッキリしない、張り合いがないという状態が続いている、といった程度です。

 そんな折、いつぞやこのブログでもご紹介したことがあるスマホのアプリで過去のラジオ放送が聴けるNHKの「らじる・らじる」の「聴き逃し」サービスの「日曜カルチャー」という番組で大変興味深いお話に巡り会うことができました。臨床心理士の東畑開人氏の「心と向き合う?」という講演でした。

 実はこの放送を聴くのは先週に続いて二度目です。(実は、私は、聴き逃しサービスは毎週日曜日にアイロンを掛けながら聴いております=笑)先週、聴いていて、講師の方は39歳というまだお若い方なのですが、誰が聴いているのか分からないのに、自分より年下の学生に向かってため口のような感じで喋っていたので、どうもなあと思いながら、メモも取らずに聞き流していたのでした。そしたら、後半で実に素晴らしい眼から鱗が落ちるようなことを仰っていたので、もう一度確かめたくて、今度はしっかりメモを取りながら聴くことにしたのでした。アイロンを掛けながらの離れ業でしたが(笑)。

「つきじ文化人」大山鶏南蛮蕎麦1100円

 私が一番感心したのは、セラピーとケアの違いについてでした。私は今まで、セラピーとは治療のことですから、てっきりセラピーの方がケア(世話)より優ると思い込んでおりましたが、東畑先生は「ケアが先で、セラピーはその後だ」と強調されるのです。

 簡単に端折って言いますと、まずケアとは「相手を傷つけないこと」です。「相手のニーズを満たしてあげる」ということです。それには具体的な行動が伴います。例えば、お皿を洗うとか、雨が降っていたら駅まで傘を届けてあげるとかです。大震災で被災した方々にいくら臨床心理士がカウンセリングしてセラピー(治療)しても限界がありました。その前に、食事や毛布などの暖房や敷居をつくってプライバシーを保護してあげるとか、物質的な環境を整えることが先決だったというのです。

 その一方で、セラピーとは「傷つきと向き合うこと」だと言います。心が傷ついて痛いけど、乗り越えていこう、というのがセラピーの治療です。ということは、その半面、自己責任論となり、しんどい面もあります。

 例えば、学業成績悪い時、子どもたちに「もっと勉強しなさい」というのがセラピーの考え方です。一方、ケアは、問題は本人ではなく周囲にあるのではないかという発想なので、教え方が悪いという捉え方が出来ます。そこで、勉強が出来る環境を整えることがケアになります。例えば、参考書を買うとか、塾を探すとか、30分でもいいから親が勉強に付き合うとかいったようなことです。

 竹中平蔵さんが大好きな「新自由主義」は、市場に任せておけば正しい方向にいくというので、自己責任論と言いますか、セラピー的自立心を促す考え方です。しかし、その前にケアがなく、いきなり最初から競争社会に放り込まれてしまうと、大抵の人はつぶれてしまうか、負けてしまいます。もしくは燃え尽きてしまいます。

 つまり、ケアが出来て、初めてセラピーが考えられる、と東畑氏は力説するのです。

 ヒトは心と向き合う時、大抵は自分が悪いと思います。自分が一番攻めやすいからです。しかし、案外、周囲の方が悪い場合があります。例えば、就職活動がうまく行かず、落ちてばかりいれば、大抵の人は自分の態度や成績が悪いといった考えに陥りますが、実は、本当は景気が悪いという理由だったりするのです。

 このほか、もっともっと興味深いことを東畑氏は話されていましたので、スマホをお持ちなら是非お聴きになったら如何でしょうか?今なら間に合うと思います。

 私も気の重さの原因が、これまで自分ばかり攻めていた私自身にではなく、周りにあったことを気づかさせてもらいました。

日本レスリング史上初の五輪メダリスト内藤克俊の伝記出版へ=93歳の現役記者宮澤正幸さん

 いつも拙ブログをお読み頂き、洵に有難う御座います。ま、色々とありますけど、一番嬉しいのは、お読み頂いた皆様から反応があることです。このブログをきっかけに、小学生時代の友人と再会したり、著名作家と知り合ったり、友達のまたその友達とお会いしたり、数えきれないほどの幸運に恵まれました。続けて良かったと思える瞬間です。

 先日もありました。

 昨年2022年12月11日に「陸軍中野学校のいちばん長い日とインドネシア独立の礎をつくった柳川宗成=第48回諜報研究会」というタイトルで記事を書いたのですが、澤田次郎拓殖大学教授の講演の中で、私自身が40年以上も昔にお世話になったことがある元日刊スポーツ新聞記者の宮澤正幸さんのことに少し触れました。演題となった柳川宗成は、戦中に拓大を出て陸軍中野学校で訓練を受け、ジャワ防衛義勇軍などを創設して、オランダからインドネシア独立の礎を作ったという人物でした。宮澤さんは、拓大OBだったこともあり、その柳川と親交を持ち、柳川が出版した回顧録の元原稿を委託され、母校拓大に寄贈したということを書いたわけです。

 そしたら、たまたまこの記事が、検索していたら見つかったという宮澤正幸さんの御家族の方からコメントがあり、宮澤さんの近況などを教えて頂いたのです。宮澤さんは、1930年生まれで先日93歳を迎えたばかりですが、いまだにスポーツジャーナリストとして現役で御活躍されているというのです。ただ、最近体調を崩されて、入院されているらしいのですが、日本レスリング界で初の五輪メダルを獲得した内藤克俊という人の伝記執筆に目下、精魂を傾けているというのです。

銀座「鳥ぎん」鳥釜めしと焼鳥3本セットランチ1750円

 内藤克俊(1895~1969年)は、1923年のパリ五輪レスリング・フェザー級で銅メダルを獲得し、日本レスリング史上初の五輪メダリストになった人です。ちょうど来年2023年にパリで100年ぶりに五輪が開催されるということで、来年までに出版にこぎつけたい、というのが宮澤さんの信念のようです。

 どうしてそこまで宮澤さんがレスリング界初のメダリストに拘るのかと思いましたら、宮澤さん自身が母校拓大のレスリング部出身でした。日刊スポーツを定年退職後は日本レスリング協会の機関誌編集長や顧問まで務めておられました。記者時代は、主に相撲やレスリングなど格闘技を担当し、1962年のジャカルタでのアジア大会では、スカルノ大統領に単独インタビュー(拓大時代はインドネシア語専攻)、そして1964年の東京五輪からオリンピック取材を始め、91歳で2021年の東京五輪まで取材しておられました。まさに記者の鑑です。

 先ほどの日本レスリング史上初の五輪メダリスト内藤克俊は、鹿児島農林学校(現鹿児島大)卒業後、米ペンシルベニア州立大学に留学し、そこで初めてレスリングと出合います。当時、日本ではまだレスリングの競技はなかったのでした。内藤は柔道三段の腕前を発揮して、全米大学選手権を制します。排日運動が激しい中、同大学の主将にまで起用されたそうです。そして、23年のパリ五輪で銅メダルを獲得するのです。

 その後、結婚した内藤は、夫妻でブラジルに移住します。そこで生まれた娘ヨランダさんは、日系人と結婚し、蘭の株を見つけて、それに「ヨランダ・ナカゾネ」と命名し、1991年、東京で開催された第1回世界らん展に出品します。そしたら、それが、1322点の中から、何と最高賞の日本大賞に選ばれたのでした。

 宮澤さんは、その前にブラジルに渡って内藤克俊に会って取材し、ヨランダさんのことも聞いていたので、91年の世界らん展に足を運び、ヨランダ・ナカゾネの日本大賞受賞受賞を目の当たりにしたといいます。(2022年4月12日付読売新聞夕刊)

 奇遇と言えば奇遇ですね。

 宮澤さんの一刻も早いご回復と内藤克俊の伝記出版を祈念しております。

日銀植田新総裁に期待したい

  昨日は、久しぶりに国際経済ジャーナリストのM君と一緒に築地でランチをしました。食事の後、お茶した時に、私が最近凝っている「地球46億年」の歴史の話をしたら、彼は、超大陸パンゲアも、大陸移動説を唱えたアルフレッド・ウェゲナーも、インド亜大陸が北上してユーラシア大陸と激突して、ヒマラヤ山脈が出来た話など、何もかも知っていたので、吃驚してしまいました。

 M君はかなりの読者家ではありますが、経済本に偏っているきらいがあったので、地球史まで会得していたとは感心してしまったわけです。いや、私自身が不勉強に過ぎなかったかもしれませんが(苦笑)。

東久留米「そば処くるみ」天麩羅力蕎麦700円

 さて、今年4月、黒田東彦氏の後任として就任する日本銀行総裁に、経済学者(共立女子大教授、専門はマクロ経済学、金融論)の植田和男氏(71)が指名され、大きな話題になっています。学者出身の総裁トップは戦後初めてらしいですね。

 黒田総裁が10年間も推し進めた「異次元の金融緩和」の副作用の後始末をどうするのか?ー2月15日付毎日新聞朝刊では、これまで、日銀総裁といえば、財務省と日銀出身者が交互にたすき掛けにトップを務めてきたのに、今回は「貧乏くじ」で財務省も日銀も辞退し、「本命が次々と消えていった」舞台裏を活写しておりますね。

 金融緩和の修正を急げば、市場は大混乱してしまうわけです。だから、戦後初の学者出身の総裁が生まれたわけですか…。

 しかし、学者出身の中央銀行総裁は、海外ではそれほど珍しいものではありません。ベン・バーナンキ元FRB(米連邦準備理事会)議長もその後任のジャネット・イエレン前議長(現米財務長官)も、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ前総裁(イタリア前首相)もインド中銀のラグラム・ラジャン元総裁も学者出身です。このうち、バーナンキ、ドラギ、ラジャンの3氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)出身で、新総裁になる植田氏もMITで経済学博士号を取得しており、3氏とは同窓で意見交換もしている仲だと言われます。

 植田新総裁の経歴はちょっと変わっており、東大理学部数学科出身だそうで、経済学に転向して、MITに留学したというわけです。

 日銀の政策は富裕層だけでなく、庶民の生活も左右しますから、植田新総裁には是非とも適切な舵取りを御願いしたいものです。と、ありきたりの文章で締めくくるのは嫌ですが、私の人智の及ばない話でもありました。

地球はどうなってしまうのか?その時、人類は?=「文系のためのめっちゃやさしい地球46億年」

つづき

 惜しまれつつではありますが、田近英一東大大学院教授監修、小林直樹著「文系のためのめっちゃやさしい地球46億年」(ニュートンプレス)は読了してしまいました。不勉強のせいか、知らないことばかりでした、はい。

 46億年の「地球史」ですから、最後の章の方で、やっと人類が出て来ます。700万年前、霊長類の中のチンパンジーから分岐して人類(猿人)が誕生する話は、以前、このブログでも、ジェレミー・デシルヴァ著、赤根洋子訳「直立二足歩行の人類史」(文藝春秋)や篠田謙一著「人類の起源」(中公新書)などから引用して詳述させて頂きましたので、今回は人類史については触れません。

 地球の特筆すべき、そして何よりも驚くべき現象です。46億年前の地球は出来立てのホヤホヤですら、マグマがグズグズと煮えたぎったような超高温度の天体でしたが、次第に水が出来、海が出来、生命が生まれ、海から大地が隆起していきます、そして、約3億年前は、地球上の各大陸は殆ど全て繋がっていたというのです!北部の北米大陸とユーラシア大陸は「パンゲア大陸」と呼ばれ、南部のアフリカ大陸と南米大陸などは「ゴンドワナ大陸」と呼ばれます。パンゲアとゴンドワナは3億年前はまだくっついております。これを超大陸パンゲアという言い方もあります。

 大陸は、マントル対流(地下深くにあるマントルが液体のように動くことによって、その上にある陸地も動く)の力で少しずつ動く、というのが「大陸移動説」です。(大陸移動説を始めて提唱したのは1912年、ドイツの天文学者アルフレッド・ウェゲナー{1880~1930年}でした。当初、殆ど信用されなかった彼の説は、1960年代半ばにプレートテクトニクス理論が登場してやっと受け入れられました。と思ったら、1955年に出版されたレヴィ=ストロース著「悲しき熱帯」Ⅱ{中公クラシックス}20ページに、既に「ゴンドワナ大陸」が出て来ました!)

 3億年前、殆どの大陸は「超大陸パンゲア」としてくっついておりましたが、2億年前ぐらいから大陸移動が始まり、1億5千万年前になると、パンゲアとゴンドワナが離れ出し、7000万年前になると、北米とユーラシアと南米とアフリカとインドとオーストラリア、南極の各大陸が分岐します。(例えば、南米大陸とアフリカ大陸の海岸線はジグソーパズルのようにくっつくことが見て取れますが、それは、ウェゲナーが世界地図を見て、大陸移動説を発見するきっかけとなりました。)

 そして、意外にも注目されるのがインド亜大陸です。7000万年前は離れ離れの独立した大陸だったのでした。それが、5500万年~4500万年前になって北上し、ついにユーラシア大陸と合体します。その影響で地殻を隆起させます。大陸同士が衝突した衝撃みたいなものです。それが、世界一のエベレストを始めとしたヒマラヤ山脈やチベット高原だというのです。

 そして、何よりも驚くべきことは、今、現在でもインド亜大陸は、年間約5.5センチの速度で北上し続けているというのです。

 えーーーー!? ですよね?

銀座・本格香港料理「喜記(ヘイゲイ)」 牛カルビと青菜のオイスター炒め ランチ 1600円

 ギリシャのヘラクレイトスの「万物は流転する」か、「方丈記」鴨長明の「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という言葉が言い得て妙です。

 現在も世界各地で、地震や津波や火山活動が活発だということは、いまだに地球が活動している証拠です。ということは、これから数千万年も経てば、ほぼ確実に現在とは違う想像もつかない大陸状況になっていることでしょう。領土争いなどしている暇などないのですが、その頃、果たして人類は生き残っているのか?ーまあ、心配してもしょうがないですよね。

古い教科書は全て書き換えられるはず=田近英一監修、小林直樹著「文系のためのめっちゃやさしい地球46億年」

 先日来、このブログで何度も、小生が人類学や進化論にはまってしまったことを取り上げさせて頂いております。人類学や進化論が行き着く先は、生物学であり、生命論であり、地球物理学であり、宇宙論となります。まさに、「我々は何処から来て 何処へ行くのか」というアポリアに答えてくれます。

 今読んでいる田近英一東大大学院教授監修、小林直樹著「文系のためのめっちゃやさしい地球46億年」(ニュートンプレス、2022年6月20日初版、1650円)は確かにめっちゃ面白くて、読了してしまうのが勿体ないぐらいなのです。書かれていることは、理系の人にとっては基本中の基本で常識なのかもしれませんが、私のような文系人間にとっては初めて知る専門用語ばかりです。しかも、私は年配の人間ですので、私が学生時代に習った地球史なんて全く役に立ちません。教科書も新しく書き換えられていることでしょう。何と言っても、21世紀になって人類の化石のゲノムが解読されるようになって古生人類学が飛躍的に進歩したわけですから、20世紀に学生時代を送った今は40歳代以上の方の多くも知らないことばかりだと思われ、この本を読めば吃驚することでしょう。

 大変失礼ながら聞いたことがない出版社ですから、何処でこの本を見つけたかと言いますと、久しぶりに浦和にある須原屋書店に行き、地下にある人類学・進化論のコーナーで発見したのです。やはり、アナログの店舗に行けば、セレンディピティ、つまり思わぬ好運に恵まれるものです(笑)。須原屋は、江戸時代、最大手の版元だった浅草の須原屋茂兵衛(蔦屋重三郎のライバルだった)の流れを汲み、明治9(1876)年に浦和宿に貸店舗として創業されました。ということは創業147年という老舗です。出版不況でつぶれてほしくないので、足を運んだわけでした。

移転した銀座「天国」で初ランチ。天婦羅定食ランチ1600円

 さて、「地球46億年」ですが、何が面白いかって言ったら…、いやあ、皆さんも是非とも手に取ってくださいな(笑)。大きな活字で、ヘタウマのイラストが入り、ちょっとお子ちゃま向けの書き方なので、人前で読むのは恥ずかしいかもしれませんけど、恐らく、知らないこと(人)ばかり出て来ると思いますよ。シアノバクテリア、ストロマトライト、スタンリー・ミラー、アノマロカリス、ダンクルオステウス、超大陸パンゲア、アルフレッド・ウェゲナー、P/T境界大量絶滅イベント(2億5200万年前、生物の90%以上が大量絶滅)…等々ですが、これら全て御存知でしたら、この本を読む必要はありませんが(笑)。

 でも私のような文系人間にとってはほとんどが初耳です。しかも、私の学生時代は「氷河期」と習ったのに、今では「全球凍結」なんてシャレた言い方になっています。ちなみに、全球凍結は、過去に少なくとも3回あったらしく、最初が約23億年前のマクガニン氷河期、次が約7億年前のスターチアン氷河時代、今のところ最後が約6億年前のマリノアン氷河時代です。ということは、あと何億年?かしたら、地球はまた氷河期、いや全球凍結になるのでしょうね、きっと。勿論、そうなれば人類も確実に滅亡します、残念ながら。

 まさに、レヴィ=ストロース言うところの「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」(「悲しき熱帯」)です。

 現在、地球温暖化が叫ばれ、温暖効果ガスとして二酸化炭素(の排出)が悪玉の親分のように毎日取り上げられていますが、逆に、全球凍結になれば、回復するにはこの二酸化炭素が何よりも必要なことがこの本で初めて知りました。また、38億年前に生命が誕生し、27億年前に出現した二酸化炭素と太陽光で光合成を始めたシアノバクテリアのお蔭で、酸素が生まれ、その酸素をエネルギーとして多種多様な微生物(まだバクテリアの段階ですが)が生まれたという話には、ロマンを感じましたね。色々な偶然が重なって、生物が進化していく過程は、必然ではなく、まさに奇跡と言って良いでしょう。

銀座

 このような地球46億年の歴史は、聖徳太子が教科書から消えて厩戸皇子となったとか、鎌倉幕府成立が1192年ではなく、1185年に教科書が書き換えられたというレベルなんかの話ではありません。私の学生時代の教科書が全く通用しないぐらい全面的に書き換えられたと言って良いでしょう。

 そんな新しい知識がこの本には分かりやすく網羅されているわけですから、こうして開かれた新知識に接しないなんて勿体ないですよ!何歳になっても勉強しなきゃ(笑)。

 そうそう、忘れるところでしたが、何で地球46億年で、宇宙誕生138億年なのか、その関連性が分からず疑問に思っていたら、138億の3分の1=46億という数式から出されたらしいですね。これも、この本で初めて知り、ちょっとスッキリしました。

つづく