事件記者はつらいよ=ビッグモーターを探して三千里

 今や話題沸騰、世間騒然ー。今の日本人なら誰も知らない人はいないと言われるあのビッグモーターが拙宅の近くにもあるということを知り、猛暑の中を探索に行って参りました。

 日中の気温は38度。事件記者はつらいよです。

 拙宅から近いとはいっても、私は2015年に大病を患って自家用車は売り払ってしまい、今は車はありません。猛暑の中、自転車と三輪車と乳母車まで乗り継ぎ、あとは御徒で約40分かけて、やっと探し当てました。

 そしたら、びっくり仰天です。

 昔は「車を売るならビッグモーター」と派手に宣伝しておりましたが、今では、子どもたちまでもが「伐採するならビッグモーター」と歌いながら通学している時代です。それなのに、何と、拙宅から一番近いと思われる店舗の前の街路樹は伐採されていないのです。

 一体、どういうことなんでしょうか?

 私は、無惨な伐採現場を確かめたいがために、わざわざ汗みどろになって店舗を探したのに拍子抜けしました。

 考えられることはー

①店長さんが、自身の降格を恐れず、副社長率いる本部の命令を無視した。

②街路樹があまりにも立派な樹木なので、ちょっとやそっとの除草剤ではとても枯れないので諦めた。

 このどちらかではないかと睨みました。

 私は牧野富太郎ではないので、この街路樹が何という木なのか名前を知りませんが、確かに立派な樹木です。ちょっとやそっとの除草剤では枯れない体力を持っているように見受けられます。

 事件記者は足で稼ぐといいますから、こうして実際に現場に行って確かめてみて良かったと思いました。つまり、ビッグモーターの全国の店舗の全てが樹木を伐採していたわけではなかったという事実です。

 でも、この事件の核心は伐採ではなく、損保会社と結託した疑惑がある「保険金詐欺」です。既に、国土交通省、金融庁、それに都道府県庁など複数の所管官庁が動いているようですが、早く全容が解明してほしいものです。

 

壬申の乱と戊辰戦争ぐらいか…=十干十二支の暦について

 昨日は、四柱推命のことを書きました。と、同時に、四柱推命の基礎になっている陰陽五行説についても少し触れました。

 四柱推命も風水もそうですが、易占いをするに際して、基本になっているのが、十干十二支(じっかんじゅうにし)です。これは、中国の古代から行われた暦法の用語です。十干というのは、甲(こう)、乙(おつ・いつ、とも)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)で、一旬 (10日) を表わしています。

 十干を、陰陽五行説の「木、火、土、金、水」と組み合わせると、甲乙が木に分類され、が木の兄(きのえ)、が木の弟(きのと)になります。同様に、丙丁は火で、は火の兄(ひのえ)、は火の弟(ひのと)。戊己は土で、は土の兄(つちのえ)、は土の弟(つちのと)。庚辛は金で、は金の兄(かのえ)、は金の弟(かのと)。壬癸は水で、は水の兄(みずのえ)、は水の弟(みずのと)となります。

 十二支は、子(鼠)、丑(牛)、寅(虎)、卯(兎)、辰(竜)、巳(蛇)、午(馬)、未(羊)、申(猿)、酉(鶏)、戌(犬)、亥(猪)のことです。今でもその年の干支(えと)として使われているので日本人にも大変馴染みがあります。中国では、すでに紀元前17世紀頃に成立した殷代に干支の組合せで暦日を表わしていたそうです。前4世紀頃には、十干が五行「木、火、土、金、水」 と組み合わされて、漢代の前2世紀頃から年月日に、十二支は時刻や方位(辰巳は巽とか)などに使われるようになったといいます。

 これらが日本に伝えられ、年号を甲子(きのえ ね)、乙丑(きのと うし)、丙寅(ひのえ とら)などと使われるようになりました。十二支は、日本語で音読みすると、子(し)、丑(ちゅう)、寅(いん)、卯(ぼう)、辰(しん)、巳(し)、午(ご)、未(び)、申(しん)、酉(ゆう)、戌(じゅつ)、亥(がい)となります。ですから、甲子(きのえ ね)は「こうし」、乙丑(きのと うし)は「いっちゅう」、丙寅(ひのえ とら)は「へいいん」と読みます。(日本語は音読みと訓読み、漢字も漢音、呉音などがあり、世界一難しいのでは? とにかく面倒臭い!)

 十干十二支の組み合わせは、全部で60通りあり(10干✖6干支=60。だから、「甲子」はあっても、「甲丑」はありません)、それを過ぎると、また1番目に戻るので還暦になるわけです。昔は日本には西暦なんかありませんから、古代から近代、明治までずっとこの暦を使ってきたわけです。ですから、歴史上の事件でかなり使われているのかと思いましたら、意外にも少ないのです。

 まずは、西暦645年の「乙巳(いっし)の変」です。中大兄皇子らが蘇我入鹿を暗殺したクーデター事件です。乙巳は「きのと み」の年ですね。次は672年の壬申(じんしん)の乱です。天智天皇亡き後の後継者争いで、大海人皇子(後の天武天皇)が大友皇子を討った事件です。壬申は「みずのえ さる」の年です。

 そして幕末の「戊辰(ぼしん)戦争」なら誰でも知っています。戊辰は「つちのえ たつ」で1868年の年です。それぐらいなのです。えっ!?です。中国では「辛亥(しんがい)革命」が有名です。革命が起きた1911年が辛亥(かのと いのしし)の年に当たるからです。

銀座

 この他、十干十二支で知られているのは、高校野球と阪神タイガースの本拠地として有名な甲子(こうし)園球場(開場した1924年が甲子=きのえ ね=の年)と丙午(ひのえ うま=へいご)生まれの女性は気性が激しく夫を早死にさせる、という迷信ぐらいです。日本人は迷信深いので、丙午の年に生まれる赤ちゃんが異様に少ないのです。

 もう一つ、私が通った大学の近くに「庚申塚」という地名がありました。神道では、道教の影響を受けて、庚申(かのえ さる)の日や年に信仰行事が営まれていましたが、信者(庚申講員)が建てた碑塔や建てられた場所のことを庚申塚といったそうです。

 いずれにせよ、かつて日本人は、元号のほかに、庚申とか甲子といった年号を使っていたことを現代人はすっかり忘れています。

四柱推命も「いいとこどり」で良いのでは?

 あんりまあ、です。このところ、このブログのアクセス数が増加しております。《渓流斎日乗》は、2005年に開始しましたが、内容は、20年近く経ってもそれほど変わらないと思うのですが…。

 本人は、別に「承認欲求」が人一倍強いわけではなく、「出る杭は打たれる」ので、出来れば目立ちたくないというのが本音です(笑)。ですから、アクセス数が増えることは矛盾しております。

 考えられるのは、先日、占い師の古澤鳳悦氏のお導きで、筆名を「高田謹之祐」に改名したからなのでしょうか? もし、そうでしたら、恐ろしくなるぐらいよく当たりますね。

 思い当たるフシはもう一つあります。古澤師には、「四柱推命」で小生の運勢表をつくってもらったのですが、それによると、ちょうど今年5月から、10年おきの変革期に入っていたのです。私の場合、天変通は「偏官」となり、十二運は「長生」になります。(と書いても、何のことかお分かりにならないことでしょう。私もそうなので、この後、少し勉強してみました)

銀座ソニービル

 とにかく、10年おきの変革期なので、仕事運、恋愛運(笑)、金銭運、相性などが劇的な変化を遂げる、ということです。何となくですが、今年5月から潮目が変わった感じがします(笑)。特に、人間関係がそうです。ここ数年の出来事で、亡くなった親友もおりますが、過去、大変親しくお付き合いしていた友人知人の中で、こちらから連絡しても返信がなかったりして御縁が薄れて来た人が、何人も何人も出て来たのです。 えっ?何で? 「何か悪いことをしたのかしら?」ーということに関しては、思い当たるフシが全くないので説明が付きません。思い当たることと言えば、やはり、この「10年おきの変革期」しかありません。それで「人生の不可解」を納得するしかないのです。私はそこまで追い詰められました。

◇四柱推命を勉強

 そこで、自分自身でも四柱推命を少し勉強してみようと思いました。最初はネット上に溢れる無料の情報によってです。古澤師から、私の生まれた四柱(年柱、月柱、日柱、時柱)の中に「偏財」も「正財」も、つまり「財の星」が全くない、と言われ、かなりビビりましたから、まずこれらの星が何を意味するのか検索してみました。そしたら、財の星とは、やはりお金に関わる星でした。サイトでは、はっきりと書いてはいませんでしたが、財の星がない人は生まれつきお金に恵まれないということになります。財は、お金だけでなく、人財ということで、友人知人も意味する、というサイトもありました。ということは、財の星がない人は、友人知人に恵まれない運命だということになります。

 これらを克服するためには、いい方法がある、とあるサイトはのたまいます。偏財は「気遣い」の星、正財は「心遣い」の星なので、財の星がない人は、人に気遣い、心遣いをすれば、お金も増え、友人知人も増えるというのです。

 まあ、占いですから、当たるも八卦当たらぬも八卦です。でも、何となく一理あるかな、とも思いました。その一方で、「正直な自分の気持ちを折り曲げて、無理して付き合って友達を増やしても、その人の人生に意味はない」「自分の殻に閉じ籠る弊害がありますが、一人で楽しんでもいい」なんて薦めるサイトもありました。おお~、これはなかなか鋭い所を突いてますね(笑)。

 無料サイトでは限界があるので、四柱推命の基礎を学んでみようと、思い切って、恥ずかしながら、入門書を買ってみました。上の写真の本です。1430円也。

 四柱推命には色んな流派があるらしく、古澤師が使う用語と、この本で使われる用語が違っていて、ひどく戸惑うことがありました。(例えば、古澤師は「変通星」と言いますが、この本の著者は、「通変星」と言っております。そして、決定的に問題なのは、年柱で、古澤師の鑑定では私は「丙申壬」なのに、この本では「丙申庚」、日柱で、古澤師は「丙戌丁」なのに、この本は「丙戌戊」、時柱で、古澤師は「壬辰壬」なのに、この本では「壬辰戊」になっているのです。これでは全く運勢が違ってしまうので困り果てましたが、古澤師の鑑定を採用することにしました。)

 この本で、一番興味深かったのは、あの松下幸之助さんの四柱の中に、私と全く同じように「正財」「偏財」の財の星がなかったことでした。嗚呼それなのに、それなのに。松下幸之助と言えば、松下電器(現パナソニック)の創業者で、東京・浅草寺の門の大型提灯を寄付するほど、超々大金持ちです。財の星がなければ、お金に縁がない、なんて言えませんね(笑)。それに、これだけの人ですから、多くの友人知人に恵まれたことでしょう。前述したサイトによれば、気配り、心配りしたお蔭かもしれませんが…。

 もう20年も前になりますが、私が北海道の帯広に住んでいた頃、自分の運命を儚んで、運勢を知りたくて、風水教室に2年ほど通ったことがあります。四柱推命と同じ陰陽五行説の基礎を学ぶことが出来、風水とは如何わしいおまじないでも何でもないことを知りました。しかし、自分自身は、とても「見立て」が出来ないな、と思いました。筮竹(ぜいちく)を用いた易まで習いましたが(高価なキットまで購入しました!)、「これしかない」といった最終判断が自分には出来なかったからです。

 逆に言いますと、筮竹占いは、何とでも解釈して、何とでも宣誓できるのです。あるものが「白」とも言えれば、陰の部分は「黒」でもあり、「灰色」でもあります。上から見れば、円形でも、横から見れば、長方形だったりします。それと同じです。いかようにも解釈できるのです。

 四柱推命も同じことが言えます。財の星がない人は、お金や友人に恵まれない、と言えますが、松下幸之助さんの例を見れば、そんなこと言えませんよね?

 先の「四柱推命入門」によると、私の「中心星」は「印綬」で、この印綬の星は、「勉強家で知的好奇心が旺盛な人」「アカデミックで、お金よりも名誉を重んじる人」などと書かれていました。

 結局ですね、私は、四柱推命も占いも「いいとこどり」で良いと思ってます。ある程度の法則か方便だと思っても構わないと思っております。藁にも縋りたいほどの難局に追い込まれた時に、メンタルヘルス(精神的な健康)のために活用すればそれで良いと思っております。

 私も、四柱推命を活用して、今年5月からの「10年毎の変革期」を何があろうと乗り越えようかと思っております。

 【追記】2023.8.6

 やはり、気になって、古澤師に、四柱推命というものは、流派によって鑑定の基準が違うのかどうか、お尋ねしたら、明解な答えが返ってきました。 

 私信なので全てはご紹介できませんが、「月律分野蔵干表」というのがあり、これも流派によって、時間がまちまちだといいます。古澤師は、佐藤観幾氏の下で勉強し、多くの実例を見ながら3度ほど修正して今の月律分野蔵干表になったそうです。今後変更することはないといいます。

 「もっと詳しく知りたい場合は、四柱推命教室を開いておりますので勉強にいらしてください。お待ちしております。」とまで言われてしまいました(笑)。

 勿論、小生は古澤師に観て頂いた鑑定シートを最も信頼しております。

動画サイトは「承認欲求」の強さの表れか?

 旧い友人のAさんは、忘れた頃にやって来る人です。もう疎遠になったのかな、と思った頃に、急に、メールを送って来たりするのです。昨晩も突然でした。履歴を見たら、実に約1年ぶりのメールでした(笑)。

 内容は大したことではありません。「このYouTubeに出ている元朝日新聞記者・ジャーナリストの〇〇さんは御存知ですか?」といったものでした。メールにリンク添付されていたので、早速見てみましたが、私は存じ上げない方でした。(でも、間接的には彼の周囲の人の中で私が昵懇にさせて頂いている人もおりました)

 「マスコミでは語られない報道の真実。日本と報道を滅ぼす存在達との戦い。特別動画講義」と題して、政財界のスキャンダルの真相に斬り込み、舌鋒鋭く、口角泡を飛ばして、語りとばしておられました。何十万という読者さまがいらっしゃるようで、コメント欄には「情報量の多さに驚きました」「表に出ないカラクリを知るたびに日本の衰退の加速を感じます」「正義の味方」などといった賛美のオンパレードです。

 その方は、かなり自信満々の語り口でしたが、そのYouTubeは、約1時間とあまりにも長いので全部を見ませんでした。とはいえ、ジャーナリズムの世界もここまで来たか、と思いましたね。他のYouTubeを見れば、ジャーナリストと称する有名無名の有象無象の皆様方が「我よ、我よ」とばかりにサイトをアップされておりました。今の若い人たちは、新聞も週刊誌も、もう面倒臭い活字は読まないんでしょうね。YouTubeは、お笑いや映画、音楽、演劇、美術などのプロモーションに最適だとは思っておりましたけど、ジャーナリストもYouTubeで稼ぐようになったんですね。

Tsuquiji

 ジャーナリストという世間では一応「潔癖」だと思われている商売も、YouTubeの視聴者を引くためにはある程度過激でなければいけません。「絶対に儲かります」とか不確実性のことでも自信満々に断言しなければいけません。(予言が外れたり、間違っていたりしたら即、削除!)そして、アクセス数を稼ぐには肩書がモノを言います。ジャーナリスト以外に「元朝日新聞記者」とわざわざ名乗っているのは、朝日新聞がマスコミ界一の知名度と信頼度があると思っていらっしゃるからなのでしょう。確かに、大変失礼ながら、「元産経新聞記者」とか「元時事通信記者」では格が落ちますからねえ。「元読売新聞記者」も残念ながら弱い…。

 でも、ここだけの話ですが、(ブログではありえない!)正直、見ていて恥ずかしくなりました。いくら、それが真実で、正義であっても、雁首を晒して、ジャーナリストを称して登場して持論を展開するなんて、まず、私にはあり得ない。ブログで精一杯ですよ。ブログでも恥ずかしいぐらいなのに(笑)。

 それにしても、旧友のAさんは、何でこんな動画を送って来たのでしょうか?

 一応、それとなくワケを聞いてみますと、こんな答えが返って来ました。

 「この『元新聞記者』は、現役時代の空気が忘れられず、ネットの渦に巻かれて、いつまでも承認欲求が強いのかもしれません。老婆心ながら、良からぬ外的ストレスも抱えることでしょうに」

 動画サイトは、「私を見て、見て!」「ねえ、私の話を聞いて、聞いて!」のオンパレードです。普通の正常な人が見たらウンザリします。そのような作為を、Aさんは「露出狂」とは言わずに、「承認欲求が強い」なんて、随分、上手い事を言うなあ、と思いました。座布団2枚あげたいぐらいです。

 本人が至って生真面目で、悪や不正を追求している姿は美しくもありますが、世の中、そう単純ではありません。欧米諸国から「戦争犯罪人」と訴追されているロシアのプーチン大統領でさえ、中国や北朝鮮などにとっては、欧米の悪と対峙する正義の味方ということになっていますからね。

 いくら高邁な精神で、自己の良識を信じて、ネットやメディアに登場したりしても、「どうせ金儲けだろ?」と見透かされます。だから、私は、結果的に、自分で金儲けでブログを書いていることを棚上げにして、動画サイトはあまりにも露骨なせいか、「恥ずかしいなあ」と思ってしまうのです。

マイナーカードは税徴収と病歴・口座筒抜けが目的なのか?

 昨日(7月31日)の日経夕刊の1面トップ記事には驚愕しましたね。

 地球「12万年ぶり暑さ」=7月平均気温、温暖化に警鐘ー古気候学者

 という見出しです。12万年ぶりの暑さですか!? 私は、生まれてはいませんが、あまりにも凄い壮大な話です。 12万年前は、我々の御先祖様に当たるホモ・サピエンスはかろうじで生きていました。約30万年前に誕生し、20万年前から生まれたアフリカから外に出たので、世界へ散らばって行った頃です。また、その頃は、まだネアンデルタール人とも共生していたと言われます。ネアンデルタール人は4万年前に絶滅したといいますから、12万年前は一緒に暑さをしのいでいたことでしょう。12年前の猛暑を生き残ったから、我々がいるということになります。

 ◇◇◇

 さて、先日、マルセル・デュシャンの墓碑「死ぬのはいつも他人」を取り上げましたけど、考えてみれば、私自身も、世の中の出来事は、ほとんどが他人事です。それに加えて、自分自身が当事者になるわけがないと思って、普段は生きていることに気が付きました。

 何が言いたいのかといいますと、世間で、目下、これだけマイナンバーカードの誤記入やひも付き銀行口座が他人名義に書き換えられていた、などの不祥事が頻発しておりますが、報道する側のマスコミ人にとって、それは、マルセル・デュシャンじゃありませんけど、あくまでも他人事なのです。まさか、自分自身のマイナーカードにそんな誤記はない、と思ってしまうのです。理由は特にありませんが(笑)。

 でも、先週末、私は暇だったので、少し心配になり、自分のマイナンバーカードに正確に健康保険証番号が登録されているのかどうか、スマホのアプリを使って確認してみたのです。そしたら、保険証の記号や番号などは大体合っておりましたが、どういうわけか、保険証の交付日と資格取得年月日が間違っていたのです。えっ?どういうこと?

 自分が登録したわけではないし、誰がこんな誤記をするんだろう? それに、この間違いは、誰に聞いて、どうやって訂正してもらえるんでしょうか? デジタル庁なら、今、この時間は週末なので、やっていません。週明けの月曜日まで待つしかありません。

 そこで、月曜日になって満を持して、デジタル庁に電話を掛けてみました。何度かのAI操作によるデジタル誘導をされた末、やっと人間のオペレーターに繋がりました。出て来た「アズマ」さんに、簡単に経緯を説明しますと、「しばらくお待ちください」となり、なかなか出てきません。やっと、3分ぐらい経って出て来たアズマさんは「それが、会社の健康保険証でしたら、会社の御担当者に確認してもらえませんか」と言うのです。それなら、早く言え!ですよ。瞬時にものの1秒で、応えられるはずです。毎日、毎分、同じような問い合わせがあるでしょうから。

 苦々しい思いで電話を切り、この後、会社の健康保険担当者に問い合わせてみました。「取り敢えず、こちらに来てください」と言うので、担当者のところに行くと、結局分かったことは、保険証の交付日と資格取得年月日が間違っていたのは、私自身が定年延長で仕事をしているせいだということが分かりました。保険証の交付日と資格取得年月日は60歳定年の後、再交付された日付だったのです。なあ~んだ、という話でした。

Nowhere land

 他の私自身の名前や生年月日、性別など間違って登録されたデータはありませんでしたから、結局、何も間違っていなかったことになります。

 とはいえ、こんなんで安心しちゃいけません。為政者の最終目的は、国民に背番号を付けて、租庸調の税を徴収して、病歴を管理して弱味を握り、年金と銀行口座を筒抜けさせて逃げ場をなくすことですからね。

 そんな庶民の税金が、政党助成金に回り、ブルジョア女性議員のパリ観光旅行に使われてはたまったもんじゃありませんよ。

【追記】2023.8.2

 自民党の松川るい議員(女性局長)のパリ観光写真投稿事件について、テレビを中心に大手メディアは大々的に報道したのに、どういうわけか、読売新聞は発覚した翌日の8月1日の紙面に掲載しませんでした。翌2日になって、やっと自民党幹部による松川議員への厳重注意の記事を短く載せただけでした。

 読売が自民党を庇うのは分かりますが、かなりの作為を感じますね。

語源を学ぶと楽しくなる

 先日、映画を観に行った際、同じビルの5階に大型書店があるので覗いてみました。犬も歩けば棒に当たる、です。

 そしたら、偶然にも面白い本が見つかりました。「語源」の本です。以前から手頃な本がないかなあと思っていたところでした。この本は向こうから飛び込んで来ました。清水健二著「英語は『語源×世界史』を知ると面白い」(青春新書、1100円)という本です。初版が7月15日と出たばかりなので、目立つ所で平積みになっていました。著者は、進学校で知られる埼玉県立浦和高校などで長年、英語教師を務め、「英単語の語源図鑑」シリーズ累計90万部突破を誇るなどかなりのベストセラー作家でした。だから平積みになっていたんでしょう。

 でも、偉そうに言いますけど、ちょっと読みにくい編集の仕方です。著者は頭が良い人だということはよく分かりますが、次々と話が飛んで、色んな単語が出てきて、正直、学習しにくい面があります。それに、出来れば巻末に参考文献か引用文献のリストが欲しい。本の内容の信憑性を高めるためにも…。なーんて、悪口を書いてはいけませんね。少しは頭を低くして拝読させて頂かなければいけません。ただし、私自身は世界史が得意だったので、何も困ることはありませんが、不得意な方は大変でしょうね(笑)。

東銀座

 語源の本が欲しかったのは、この歳になっても、いまだに英語の勉強をしているからです。主に杉田敏先生の「現代ビジネス英語」をテキストに使っていますが、この中で、asteroid という単語が出てきて、「小惑星」という意味だと知りました。これは、aster-oid と分解され、asterは「星」、oidは「のようなもの」になるそうです。そっかあー、これは分かりやすい。ちょうど、星座の勉強もしていたので偶然の一致です。asterisk は「星印(*)」という意味ですし、asterism は「三ッ星」「星座、星群」の意味になります。高級中国料理店の「銀座アスター」は、「銀座の星」という意味なのかなあ?

 この本で初めて知ったのは、disaster です。「災害」とか「大惨事」という意味で中学生でも知っていますが、この単語は、dis-aster が語源だったんですね。 disは「否定」とか「~から離れて」といった意味です。asterは勿論、「星」です。つまり、「地球が幸運の星から離れた時に災害が起こるという中世の占星術から生まれた言葉」(47ページ)だというのです。

 oid「のようなもの」も色々あります。今、日本人が一番身近にあるのは、グーグルが開発したAndroidのスマートフォンでしょう。Andr-oid の Andrはギリシャ語の接頭辞で「男性」「人間」を意味しますから、「人間のようなもの」、つまり「人造人間」という意味になります。

東銀座・宝珠稲荷神社

 世界の人種は、Caucasoid (コーカソイド)、Mongoloid (モンゴロイド)、Negroid(ネグロイド)などに分けられます。 Caucasoid (コーカソイド)は「コーカサス」(「旧約聖書」の「ノアの箱舟」に出て来る神によって選ばれた場所)のような、という意味から「白色人種」ということになり、Mongoloid (モンゴロイド)は「モンゴル人のような」、Negroid(ネグロイド)は「黒人のような」という意味になります。

 日本人はモンゴロイドですから、新大関豊昇龍は「日本人のような」は間違いです。我々日本人の方が、モンゴル人の豊昇龍のようなものになるんでしょうね。

 いずれにせよ、語源を知れば、外国語の勉強が楽しく捗ります。

地球沸騰化の時代に考える

 こう毎日のように気温35度、36度の日が続き、天気ニュースで「命に関わる危険な暑さです」「不要不急の外出は避けてください」などと叫ばれたりすると、さすがに、今年の夏休みの旅行計画は諦めました。泊り掛けだけでなく、片道数時間の小旅行も含めてです。「野ざらし」紀行になりたくありませんからね。

 熱中症が危険なのは、高齢者だけではありません。先程も、山形県の女子中学生が部活帰りに熱中症の疑いで倒れ、亡くなったというニュースをやっていました。若くて元気溌剌なはずなのに、部活で無理をし過ぎたのでしょうか。大変お気の毒で、ご冥福をお祈りいたします。

 この異様な猛暑はどうしたもんでしょうかねえ? 気温40度などという現象は、日本だけでなくイタリア、ギリシャ、米国など世界各国(今は北半球)で起きています。昨日も国連のグテーレス事務総長が「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰化の時代が到来した」などと発言しておりました。

 思うに、人類滅亡につながりかねない原因は、人為的な環境破壊による気候変動に尽きるかもしれませんね。

新富稲荷神社

 この確信に突き当たるまでに、私自身は、ずっと、ずっと、トマス・ホッブズ(1588~1679年、清教徒革命期から王政復古期にかけての英国の政治思想家。91歳という当時としてはかなりの長命だったので、日本で言えば、家康から五代綱吉の時代まで生きたことになります)の「リヴァイアサン」が気になっておりました。

 リヴァイアサンといえば、「万人の万人に対する戦い」the war of all against all というフレーズが有名です。個人の能力差が明白にないような人間同士が自然権を行使し合うと、結果的に各人が闘争し合うことになるという説です。苛烈な生存競争です。会社や役所内での出世競争もそれに入るでしょうが、道端を歩いていて、こちらが右側の隅を歩いていても、左側を歩いてきた暴漢が「どけ!」とばかりにぶつかってくるような些細なことも入ります。

 自己保存の権利が衝突するわけですから、そこには善悪はありません。お互いに自分が、自分たちこそが正義であると主張します。ホッブズは、この混乱状況を阻止するために、「人間が天賦の権利として持ちうる自然権を国家に対して全て譲渡するべきだ」という社会契約説を主張します。この思想はジョン・ロックやジャン・ジャック・ルソーらにある意味で引き継がれ止揚されていくわけです。

 「生存競争」は、ダーウィンの言葉ですし、「自己保存の権利の衝突」は、人類学的にも生物学的にも簡単に証明されます。法や秩序もない弱肉強食のジャングル状態です。しかし、何が言いたいのかと言いますと、今は、人間同士が争っている暇はないんじゃないですか、ということなのです。

「新宿中村屋」ビーフカリー1870円 えっ?値上がったなあ

 5億4000万年前以来、これまで「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる生物の大量絶滅期がありましたが、一部の科学者は、今は、既に6度目の大量絶滅の危機を迎えている、と訴えております。2億5000万年前には、地球上の生物の種の95%も絶滅した最大危機もありましたが、6度目は一体どれくらいの種の割合が絶滅するのでしょうか?

 今から6600万年前に、1億6000万年間も栄華を誇った恐竜が絶滅しましたが、その原因は隕石と激突と大規模な火山噴火による気候変動だと言われています。でも、今回の「6度目の大量絶滅の危機」の要因は、乱獲や伐採、化学汚染などよる環境破壊など人為的なものという説が有力です。となると、人類滅亡も視野に入れなくてはいけませんね。地球温暖化による熱中症で、若い元気なヒトが亡くなることも何か関係ありそうです。(ちなみに、現生人類のホモサピエンスは20万年前に出現し、文字や話言葉も創造し、農業革命で文明を築いたのもわずか1万年前です。恐竜は凄い!)

 私自身は、別に危機感を煽り立てるつもりは毛頭ありませんよ。それに、人間というものは、おめでたく出来ているようで、いまだにコロナ患者が増え続けていると報道されても、マスクもつけずに、クラスターが起きかねない、人間が密集するお祭りや花火大会を「4年ぶりだあ~」とか何とか言って、楽しんでいるではありませんか!

 結局、地球温暖化も他人事ですし、マルセル・デュシャンの墓碑にあるように「D’ailleures, C’est toujours les autres qui meurent.(何はともあれ、死ぬのはいつも他人)」だと思っているのです。

 

「ビッグモーター」はどうなってしまうのか?=「我慢して生きるほど人生は長くない」ー人生、苦しいことが99%、幸せは1%

 大手中古車販売の「ビッグモーター」による不正疑惑は、ボロボロと出て来るわ、出て来るわ、で、この先、一体どうなってしまうんですかね? このまま、信用を失って行けば、最悪の事態に発展しかねません。(この記事は7月27日時点までの報道に基づいて書かれています)

  創業社長がやっと記者会見に登場しても、「顧客よりゴルフの方が大事」と捉えかねない唖然とする発言に終始し、逆効果でした。社長を辞めても大株主なので収入面で影響なく、院政を敷くことでしょう。パワハラの元凶とされるその息子さんである副社長が雲隠れしておりますが、消費者庁が内部告発を奨励しているといいますから、これからもっともっと凄いことが出て来ることでしょう。

 最も大きな疑惑は、ビッグモーターが損保会社と結託し、損保会社の社員を出向させてまでして、ゴルフボールでワザと車体を傷つけるなどして保険修理代を不正要求し、隠蔽まで図ったということでしょう。お金の問題ですね。

 もう一つは、昨日大きな話題になりましたが、全国のビッグモーターの店舗の中で、店前の街路樹が不自然に枯れたり、伐採されたりしている問題です。除草剤を撒いたという疑惑がありますが、何でそんなことするんでしょうか? 秋になって落ち葉が中古車に降り積もるのを防ぐためかと思ったら、外からビッグモーターの看板が樹木に隠れないよう、はっきり見えるようにするため、という説もありました。街路樹は県道なら都道府県、国道なら国土交通省が管理しているということで、これから「器物損壊」などの容疑でガサが入れられるようです。

 一番、迷惑を蒙ったのは顧客ではありますが、不正と知りながら真面目に仕事をしなければならなかった社員も犠牲者だったかもしれません。副社長が中心になった本部からの「監察官」みたいな人間が全国の店舗を監察し、営業成績から店舗清掃状況まで精査します。店長も簡単に降格され、うつ病を発症して退社を余儀なくされた社員もいたようです。

新富町

 今、心療内科医・鈴木裕介著「我慢して生きるほど人生は長くない」(アスクル)という本が売れているそうですね。私はまだ読んでおりませんが、一度キリの人生、後悔なく生きるための心にグサリと刺さるような言葉が書き連ねられているようです。その中の一つの例として「あなたを大切にしない人を、あなたが大切にする必要はない」という言葉があります。この伝でいうと、ビッグモーターのようなあなたを大切しない会社を、あなたが大切にする必要はないということになります。

 本のタイトル通り、人生は、我慢して生きるほど決して長くはありません。人を小馬鹿にするような嫌な人間と敢えて付き合うことはないし、サービスの悪い高飛車なお店には二度と行かなければ良いのです。仕事上、仕方がないのなら、最低限のうわべだけで付き合えば良いのです。嫌な不愉快な人間がテレビやラジオに出てきたら見聞きする必要もないし、そんな人間の書いた本なんか読む必要もないのです。序に言えば、人間だけでなく、人工知能(AI)が信じられなければ、なるべく避けて利用しなければいいのです。アナログ人間だっていいじゃないですか。

 大した稼ぎはなくても、真面目に質実剛健に生き、聖人君子になれなくたっていいじゃありませんか。

入船「壮石 新」ランチ握り 1500円

 今年、歌手活動を引退した加山雄三さんが目下、朝日新聞に小さな自叙伝を連載しています。大スターではありますが、作詞作曲もし、東宝「若大将シリーズ」で人気を獲得し、映画もレコードも売れに売れた大金持ちで、苦労知らずのお坊ちゃまかと思いきや、ホテル経営者のおじの連帯保証人にいつの間にかなっていたため、ホテル倒産で億単位の莫大な借金を背負ってしまい、食べる物まで苦労したことが書かれていました。それでも彼の偉いところは、人間界を達観していることでした。若い人は知らないかもしれませんが、加山雄三の父親は、人気実力とも彼以上とも言える戦前の往年の大スター上原謙でしたが、落ち目、つまり、人気が陰りを見せるとそれまで懇意にしていた友人知人たちが、手の平を返すように去っていったといいます。利用価値がなくなったからなのでしょう。そんな人間界の醜悪さを、彼は思春期の頃から見て来たので、苦難に陥っても達観することができたといいます。

 本日の紙面で、彼は「人生、苦しいことが99%、幸せは1%ぐらいだと。それぐらいに思っておくのが大切だと思う」とまで発言しています。波瀾万丈の大スターの発言ですから、言葉に重みがあります。

ラッキーカラーは赤ではなかった!の話

(昨日のつづき)

 しつこいようですが、まだ占い師の古澤鳳悦氏の話は続きます。

 えっ?占い? そんな非科学的なことに固執して何の得があるの? 

 なんて、言われそうですが、中国の古典「四書五経」の中に「易経」があるように、中国大陸の為政者にとって、「易=占い」は大変、重要視するものであり、専門のお役所(人)を設置したぐらいです。占いは、中国4000年の歴史の精髄と言っても過言ではありません。

 当たるも八卦当たらぬも八卦

 と言うではありませんか。私も21世紀に生きる現代人ですから、非科学的な面は認めつつも、ある意味で「遊び心」の一つとしてお付き合いをしています。だから、占いのことを貶めたり、悪くとったりはしません。むしろ、「いいとこどり」で活用させて頂いております(笑)。

 さて、古澤鳳悦師には、小生の今後の運勢と姓名鑑定をしてもらったことは、前々日と前日のこの渓流斎ブログに書いた通りです。そして、もう一つだけ、おまけに観て頂いたものがありました。観て頂いた、というより、一言、通達してい頂いた、に過ぎませんが。

 それは、ラッキーカラーです。古澤師は、私のラッキーカラーは「白」だと仰るのです。えっ?白だったの?赤じゃないの? と、まあ、私は椅子から転げ落ちそうになるぐらい吃驚です。これまでずっと、私のラッキーカラーは赤だと思い込んでいたからです。自分勝手に思い込んでいたわけではなく、例の、名前と生年月日などを入力してネットで無料で鑑定出来る占いで、私のラッキーカラーは「赤」だと通告されていたからなのです。

「ムーンスウオッチ・火星」3万6300円

 そのお陰で、何が何でも、赤に固執するようになりました。今年4月には、赤に拘って、「ムーンスウオッチ・コレクション」の腕時計の中で、赤の火星を購入したことは、以前、このブログに書いた通りです。

 また、着る物も赤いパンツに、赤シャツ、赤いネクタイに拘っていたのです。赤いものを身に着ければ幸運が舞い込むと思っていたからです。

 嗚呼、それなのに、それなのに。赤じゃなかったのーーー!?

 確かに、もう一度、ネット鑑定を色々と見てみると、私のラッキーカラーは、「白」とか「銀色」とか、「グレー」が多かったです。他には、「黄色」と「茶色」もありました。あれっ?「赤」はどうした? 小生にとって、赤は、真逆のアンラッキーカラーと説くサイトもありました。あんりまあ~です。

 まあ、これも、当たるも八卦当たらぬも八卦ですけど、古澤師にその場で確認しましたら、「ラッキーカラーは、一生ものです。これからもずっと『白』ですよ」と仰るではありませんか!

 私は人間が単純に出来ておりますから、これからは早速、なるべく白を身に着けますよ(笑)。白シャツに、白パンツに白いネクタイに白いスーツ…おっ! ビートルズの名盤「アビイ・ロード」の4人が横断歩道を渡っているジャケットで、先頭のジョン・レノンが上から下まで白ずくめで身に着けていたスタイルですね(笑)。(靴は、フランス製の「スプリングコート」の真っ白のスニーカーでした)

 嫌味に銀のネックレスと銀のカマボコ指輪を身に着けましょうか?ーーーいやあ、そこまでは、しませんけどね(笑)。

 まあ、そんなこんなで、「遊び心」で自分の人生を楽しんでおります。人生、楽しんだもん勝ちですよ(笑)。

洒落っ気の効いた名前を持ちませう

昨日のつづき

  昨日は、占い師の古澤鳳悦氏のお導きで筆名を改名したお話を書きました。そしたら、大反響です、と思いきや、反応ゼロでした(笑)。

 所詮、皆様にとっては、どーでも良い話でしたね。失礼しました~。しかし、これにめげずに、昨日の続きを書かさせてください(笑)。

 占いは、ネット社会になると、無料で、ある程度ですが、鑑定してくれるサイトが増えました。そこで、私も昨日、自分で命名した筆名「高田謹之祐」が、ネットの無料「姓名鑑定」でどんな鑑定をしてくれるのか気になり、やってみました。

 そしたら、何と何と、あるサイトでは、「凶」だとか「大凶」だとか、実にボロクソなのです。えっ? 何で? 古澤師によれば、この筆名だと、字の画数が、天格=15、人格=23、地格=32、外格=24、総格=47となり、「史上最高」「天下無敵」「非の打ち所がない最高峰の名前」になるはずでした。本当に、えっ? 何でえ? です。

 そこで、その意地悪サイトを詳しく読んでみたら、例えば、「謹」の画数は、古澤師の場合「18」なのですが、このサイトでは「17」としているのです。また、「祐」にしても、古澤師は「10」画なのですが、件のサイトでは「9」にしているのです。うーむ、確かに、現代人から見ても、謹は17画で、祐は9画になります。でも、この画数にすると、確かに「凶」や「大凶」の相が出現してしまうのです。

 困った、困った。そこで、古澤師に聞いてみました。すると、早速、こんな答えが返ってきました。

 画数についてですが、小生が使っている「熊﨑式」というのは、姓名判断で最も権威のある流派で、一般的なのですが、漢字は「康煕字典」をベースに画数を決めています。さんずいは、3画ではなく、「水」で4画、くさかんむりも3画ではなく、艸で6画、りっしんべんも3画ではなく、「心」で4画、しめすへんは4画ではなく、「示」で5画というように数えます。従って、「祐」はしめすへん5画に右が5画、つまり10画となります。

 「之」(これゆき)は4画と数えます。「謹」のごんべんは7画で、つくりの上はくさかんむりではなく、「++」なのでつくりだけで11画、つまりトータル18画が正解です。どの流派を信じるかは本人が決めることですが、私はこの康煕字典による画数が最も正確であると思います。

 「謹之祐」はユニークでとてもいい名前だと思います。

 そうですか、そういうことだったのですか! 「康煕字典」でしたら、最も権威があり、信頼できますね。「謹之祐」も古澤鳳悦師からのお褒めに与ることができましたので、今後、この筆名を使わさせて頂くことにしました。

 謹之祐は「きんのすけ」と読みますが、調べてみたら、「謹」は「謹んで」という意味になり、「祐」は天祐や神祐の祐で、「神仏の助け」という意味になります。つまり、謹之祐は、偶然にも「謹んで、天からの助けをお受けします」という意味になるではありませんか! 英語で言えば、to accept heaven’s help respectfully. となるでしょうか。画数も良ければ、意味も良い、となると、こいつは夏から縁起がいい、てなことになりますね~(笑)。

ライチ Copyright par Tamano Yoshimura

 私の話で終わってしまうと、物議を醸してしまいますので、今読んでいる浜田義一郎著「大田南畝」(吉川弘文館)の話に転換します。この本には、面白い筆名(狂名)が沢山出てくるのです。例えば、南畝の親友になった歌舞伎役者の五代目市川團十郎は、「花道つらね」と名乗り、多くの狂歌をつくりました。團十郎だけでなく、他の人気役者も狂歌づくりが流行となり、瀬川菊之丞は「まがきのきせ綿」、松本幸四郎は「高麗洒落人」(幸四郎の屋号「高麗屋」から取り、「こうらいのしゃれひと」と呼んだことしょう)、中村仲蔵は「かき根の外成」、芳沢あやめは「あやめの真久良」という筆名で歌会に参加しました。

 戯作者・浮世絵師の恋川春町(駿河小島藩士倉橋格=いたる)は「酒上不埒(さけのうえのふらち)」、吉原の妓楼「大文字屋」の村田市兵衛は、「加保茶(かぼちゃ)元成」(酒井抱一の弟子で浮世絵師としても活躍。酒井抱一も狂歌名・尻焼猿人を持つ)、国学者・石川雅望は「宿屋飯盛」の狂名で狂歌をつくりましたが、それぞれ、洒落っ気たっぷりで遊び心が効いております。他に、大飯食人(おおめしのくらんど)、土師掻安(はじのかきやす)、野戸川伎(のどのかわき)などとふざけた名前もあります。そうそう、謎の絵師・写楽の版元として名を残した蔦屋重三郎(1750~97年)の狂名は「蔦唐丸」(つたのからまる)です。ペギー葉山が歌った「学生時代」(1964年)の「蔦のからまるチャペルで…」を200年も先行していたとは!(笑)。

 皆さんも江戸の文人に倣って、遊び心を発揮して、独自の筆名をお持ちになったら如何でしょうか?