奈良再発見

 奈良公園の鹿さん

 

ここ一週間は、地に足が着かない風来坊生活でしたので、奈良の旅行の話が中途半端になっていました。

 

 運慶・快慶の阿吽像

 

とは言っても、特段のことはなく、普通の御のぼりさんのコースでした。

 

 東大寺

 

私はとにかく、大仏さまのお顔を拝顔できれば、それで満足でしたから、とにかく、そこに連れて行ってもらうことにしました。

しかし、残念なことに、フラッシュの関係で、大仏さまを撮ったことは撮ったのですが、真っ暗で写っていませんでした。

 

 二月堂

 

東大寺のすぐ近くの二月堂に寄り、そこの茶店に行ったら、お店番の若い男女が二人とも、中国人だったということは既に書きました。

 

この二月堂には寄進した人たちの名前と金額を記した碑がありました。

「1000円」。何だ、たったの千円か、と思う勿れ。戦前の1000円ですから、今の数百万円でしょうか。第一、今の1000円だったら、寄進者の名前入りの碑なんて建ててくれません。

 

奥の方に、最近できたばかりの寄進者の碑がありました。

な、な、何と!「1億円」と書いてありました。

 

 

 春日大社

 

春日大社で、調布先生が二年ぶりに御札納めの業をされました。

私は、由緒あるこの神社で、おみくじを引いたところ、見事「大吉」が出ました。

神主さん(というか売ってくださった人)が「あまり、いいおみくじじゃなかったら、どこかに結んでおいてください。よかったら、お持ち帰りになってもいいですよ」とアドバイスしてくれたので、持って帰ることにしました。

 

 興福寺の五重塔

京都周遊

 

京都を全部見て回るには数ヶ月かかるかなあ、と思っていたところ、地元の人から「十年かかる」と言われてしまいました。

 

 

  大丸ヴィラ(下村一族の別邸?)

 

それだけ、京都は見るところがいっぱいです。

何しろ、都として、千年近く栄えたところですからね。

 

 

 

道元禅師示寂の地

 

 

小野小町が使ったと言われる化粧水

 

 

祇園祭の鉾

 

 

京都巡行 

 

これが有名な竹田黙雷・建仁寺第四代管長の達磨「心外無法」

 

 

 

俵屋宗達「風神雷神」(国宝)

そう言えば、昨年九月に、東京・有楽町の出光美術館で本物を見ました。俵屋宗達ー尾形光琳(重要文化財)ー酒井抱一と三者三様の「風神雷神」図の継承を比較した画期的な展覧会でした。三者が一堂に会する展覧会は、もう私が生きている間、実現することはないでしょうね。

 

 

ここはどこでしょうか?

 

 

そうです。祇園にある高級料亭「一力茶屋」です。歌舞伎でも有名ですね。

 

大石蔵之助さま御一行が遊興されたあの一力茶屋が今も営業していたとは…

 

祇園にある蕎麦屋「権兵衛」。小泉純一郎首相(当時)が、御贔屓にされたとかで、有名になった店です。

 

残念ながら、時間帯が合わず、挑戦できず。

 

祇園祭の山鉾の模型。本物の巡行は7月17日。模型と、待機していた鉾を見ただけでしたが、巡行まで見た気になりました。

建仁寺

 

建仁寺は、京都五山の中で最も古い名刹です。開祖は、臨済宗を起こした栄西。日本にお茶を伝えた備中吉備の人です。ここに、調布先生の奥方さまが眠っておられます。今回の旅の主目的が、 二年前にわずか49歳で亡くられた奥方さまのお参りでした。生憎、雨が降ったり、止んだりの天気で、お坊さんがお経をあげている時に、滂沱の雨が降り注ぎました。

調布先生が、墓前でお線香をあげながら「朋之介さんが、遠路はるばるお出でになってくださいましたよ」と声を掛けてくださり、私も思わず、色々と思い出すこともあり、目頭が熱くなってしまいました。

 

 

この建仁寺は本当に、素晴らしいお寺でした。京都でたった一箇所しかお寺に行けないのなら、ここがお奨めです。西芳寺のような苔庭がありますし、竜安寺のような石庭もあります。何しろ、俵屋宗達の「風神雷神図」はこの寺所蔵なのです。(寺には複製のみで、本物の国宝は京都国立博物館に委託されている由)

 

 

建仁寺には、安国寺恵瓊の首塚まであるのですね。恵瓊は、加藤廣さんの「秀吉の枷」にも出てきますが、毛利の交渉人というか全権委任大使として、羽柴秀吉と毛利軍の和睦の仲介をした歴史上の重要人物です。もし彼がいなければ、本能寺の変を逸早く察知した秀吉の「中国大返し」ができず、秀吉が天下国家を取ることはできなかったでしょう。関ケ原の合戦では、石田三成の西軍に味方しましたが、小早川秀秋の裏切り(この人の名前はよーく覚えておいてください)に遭い、敗退して、京都六条河原で斬首の刑を受けます。この首を密かに建仁寺に持ち帰って塚が建てられたいたとは知りませんでしたね。

 

 

 

ね、竜安寺みたいでしょう?なかなか手入れが行き届いた寺です。ここの四代目管長が竹田黙雷さんという高僧で、明治から昭和にかけて活躍された方です。明治の元勲伊藤博文をはじめ、鈴木大拙、東武鉄道の創始者根津嘉一郎ら多くの信奉者がおり、書画をよくし、彼の作品は今でも骨董店で高価な額で売買されています。建仁寺では法堂を再建するなど荒れかけた寺を再興した中興の祖です。寺内には、もちろん彼の水墨画がありましたが、本物かどうか不明。

 

 

 

そして、これが私が見たかった念願の小泉淳作さんの「双龍図」です。建仁寺開創八百年を記念して法堂の天井画として描かれたものです。やはり、本物の迫力は違いましたね。

大きさは畳108枚分もあるそうです。説明文に「中札内村の小学校の体育館で描かれた」ことも明記されていましたよ、北海道の皆さん!是非、京都に行かれるのなら、建仁寺に立ち寄るといいですよ。

洞爺湖万歳

2008年夏のサミットの首脳会合が北海道の洞爺湖地域に決まりましたね。

おめでとうございます!

私も一昨年の夏に行きましたが、いい思い出だけしか残っていません。世界に誇れる景観です。

主会場は「ザ・ウィンザーホテル洞爺」というこですが、そこは行った事がありません。

何しろ、安い部屋でも1泊4万円前後、スイートルームとなると10万円前後ということですから。

今年の7月には1泊136万円5千円の部屋も登場するとか。全く、お呼びでない。

この豪華高級ホテルは、バブルの遺物です。床は1億年から2億年前のイタリア製の大理石が使われ、1993年6月に会員制高級リゾート「ホテルエイペックス洞爺」として開業しました。総事業費665億円。その大半を拓銀グループが融資し、このおかげで、97年の拓銀破綻につながるわけです。

2000年にセコムグループが約60億円で買収して、02年に営業再開しましたが、今回、このホテルが主会場に決まったのは、背後に政治的暗躍も匂いますね。安倍さんとセコム創業者の飯田さんは仲がいいのでしょうか?

あ、余計な話でした。

私は北海道が話題になるだけで、嬉しいです。でも、偉い人の皆さん、あまり洞爺湖を汚さないでくださいね。この通り、綺麗な湖ですから。

根津躑躅祭り

根津神社の躑躅祭りに行って参りました。(入園料200円)

花も綺麗、空を綺麗、大地も綺麗、満開、幸せ一杯の春爛漫の日でした。

参道の横で、店が出ていて、躑躅が4万6500円で売っていました。

大きさと比較して、鑑賞した躑躅の一株あたりは、20万円から30万円くらいの値が付くことでしょう。

それが、500株くらいありましたので、実に壮観でした。

帰りに根津の老舗「うさぎ」で、浮かれて一献傾けました。

この店の名物料理「賀茂茄子の蟹揚げ出し」を食しました。

フキノトウの天麩羅、ソラマメ、カマス…旬のものと、お酒は米沢の「東光」。ほどよい辛口で、いけるいける。

横には21歳のMさん。会話も弾みました。

 

竹林公園

東京新百景の一つ、竹林公園に行ってきました。縄文時代の遺跡もあるらしく、湧水が何千年の悠久の時間をあざ笑うように、とうとうと流れていました。さて、ここはどこでしょうか?

お昼は、東京で最も古い江戸前寿司、銀座の「すし栄」に行ってきました。嘉永元年、西暦でいうと1848年創業です。「南総里見八犬伝」の滝沢馬琴(82)が没した年。フランスでは二月革命が起きた年です。

歴史を感じさせる「すし栄」。とろけるようなトロ。工夫を凝らした貝柱。時代ものの年季の入ったかんぴょう巻きなど、ランチとはいえ驚くほど廉価で、美味を堪能しました。

 

1979年欧州の旅

ミラノ

【1979年7月19日(木) 曇 宿泊都市:ロンドン】

with 今村氏

Abbey Road

Regent park

Paul McCartney の自宅を見学

朝:食いそびれ

昼:スーパーで66ペンスのチキン、ブレッド、ミルク、トマト しめて1ポンド15ペンス1/2 リージェント・パークのベンチで食べる

夜:ビーフカレー、ビール 1ポンド32ペンス+tax で 2ポンド3ペンス

【補遺】

あこがれのアビイ・ロードの横断歩道を渡って写真を撮り、ポールの家を探し当てた(改築中だった)というのに、感動のひと言も書いていない。どうしたのかなあ?

【7月20日(金) 宿泊都市:ロンドン】

一日中、何もなし。すべて失敗。

ただ一つよかったことは、安い学宿を見つけたこと。食事付きで1泊約2300円。

ピアノが久しぶりに弾けて嬉しかった。

全く迷いどおしの一日。

British Museum に着けば、ギリギリで締め出しを食ってしまった。

明日ももう一泊ここでするので、少しは落ち着くつもり。

あさってはLiverpool に行くと思う。

朝:ホテルのビュッフェ

昼:ハンバーグ92ペンス、ミルク16ペンス、缶ビール25ペンス、コーラ25ペンス

夜:ホステル ビール2本 54ペンス

ホテル:International Student Center 4ポンド71ペンス

【補遺】

何が失敗だったのか、よく覚えていない。

【7月21日(土) 曇 宿泊都市:ロンドン】

朝はEarl’s Court を散歩したり、郵便局へ行ったりしたらつぶれてしまった。ポストカード 15ペンス

昼はBritish Museum に行く。

夜は Picadely Circus で下らぬ映画 2ポンド50ペンス

地下鉄 80ペンス×2 ビール 66ペンス

ホテル:ISC 4ポンド71ペンス

【補遺】

大英博物館で、エジプトのミイラを見て圧倒されたりしたが、記述は全くなし。もちろん、映画を何を見たのか覚えていない。

【7月22日(日) 曇 宿泊都市:リヴァプール】

あこがれのリヴァプール! 結構広いのでビックリした。午後4時に着いて、インフォメーションセンターでYMCAを紹介され、落ち着く。西独のグループと一緒になる。

ロンドンのイーストン駅からリヴァプールのライム・ストリート駅まで20ポンド50ペンス。5時間くらいかかったが、車中、8歳のかわいい女の子と暇をつぶした。母はチェコ人、父はスペイン人、彼女は英国人というので、感心してしまった。最初は男の子かと思った。

宿に着いて、ブラブラしていたら親切なおじさんが「バス(64ペンス)に乗ったらいい」と教えてくれた。かなり寒かった。ペニーレインまではすぐ分かったが、ジョンの自宅の方はひどく迷った。まるっきり規模が違うのでビックリした。

ここは午後10時でもまだまだ明るいので、すぐ時間がたってしまう。クオリーバンク中学の横にはどでかい公園があって、ジョンもここで遊んだんだろうなあと思うと胸がつまってきた。

ミミおばさんの家では、せっかく我々は日本から来たのだからと思って、ブザーを押したら、奥さんが出てきて、「ミミおばさんは、もう13年前に引っ越した」と話してくれた。「そういえば、そうだ」と思って、「悪いことをした」と思った。

朝:ISTのビュッフェ

昼:車中 57ペンス

夜:Wimmpy で 140ペンス ハンバーグ53ペンス

ホテル:YMCA ダブルで3ポンド90ペンス

【補遺】

ジョン・レノンが住んでいたリヴァプールに自宅に、関係者が住んでいるわけがなく、ブザーを鳴らしに来た日本人は何百人といたことでしょう。悪いことをしました。

ゲストハウスとレストボックス

ミラノにて

T君が、イタリア旅行から帰って来て、郷里に帰らずに、そのまま東京に居着いた場所が、ゲストハウスと呼ばれる所でした。私は、それまで、このゲストハウスについては全く知らなかったのですが、もともと、外国人旅行者が長期滞在するために利用していたものが、ビジネスとして発展したらしいのです。都内だけでなく、全国かしこにあるようです。

2段ベッドがざっと10架か20架くらい並んでいて、共用スペースにシャワーがあったり、食事用の簡単なテーブルや電子レンジがあったりします。1泊1200円とか2000円くらいで、月額3万6千円から、個室用の9万円とかあったりします。インターネットで検索するとたくさん出てきます。

T君が居着いたゲストハウスにはフランス人のパリジェンヌ(変な言い方ですね)が居て、半年近く、日本に滞在していて、ここを拠点に日本全国を旅歩いていたそうです。そういえば、私も昔、ヨーロッパを旅行した時、こういう感じの宿に泊まったことがありました。アムステルダムの「YMCA」です。そこは、男子専用でしたが、少し、男色趣味のある黒光りしたアンちゃんがジロジロ物色していたので、気持ち悪かった思い出があります。

ゲストハウスは、男女兼用で、かのパリジェンヌもタオル一枚を体に巻いて、平気でシャワールームから出てきたりしたそうです。

ミラノ

そして、ゲストハウスに似た宿として、今「レストボックス」というのが注目されています。ここも、一泊1200円とか2000円とかの低料金、長期滞在型で、若者のフリーターがよく利用するそうです。もともと、建築会社の請負会社が始めたそうなので、「建築現場」などの仕事も斡旋してくれる所があります。ここで、半年ぐらい仕事をしながら生活していて、「お金をためて、将来、お店を出したい」という青年が、テレビの取材に答えていました。この青年は親との折り合いが悪く、22歳にもなったので、親と同居するのもいかがなものか、と家を出たらしいのですが、ちゃんと、そんな親にも仕送りしている、というのですから、本当に感心してしまいました。

ゲストハウスにしろ、レストボックスにしろ、若者や外国人だけでなく、最近、サラリーマンや、わけありの中高年の人も利用する人が増えてきたそうです。あるゲストハウスのオーナーが「外国旅行から帰ってきて、そのままボストンバッグ一つで来られる方もいます」と話していたのを聞いて、「なんだ、T君のことじゃないか」と噴出してしまいました。

 

欧州旅行1979

パリ

本棚を整理していたら、27年前に欧州旅行した際の旅行記が出てきました。最初は、時間や金銭出納帳程度のメモでしたが、次第に、感想めいた話を書いてました。1979年7月17日から8月18日まで33日間にわたる私にとっては一大旅行でした。いわゆるバックパックで、その日その日、足の向くまま、気の向くままでその行方知らず。貧乏旅行で、宿泊代を浮かすために3日連続夜行列車に乗ったりして、すっかり体調を崩したりしています。

面白かったので、ここに少しずつ再録してみたいと思います。え?読みたくない?-そういう方は閉じてもらっても結構ですよ。恐らく、飽きなければ、30回ぐらい続くことでしょう。

【1979年7月17日(火) 晴れ 宿泊:機内】

夜6時半、成田空港、4階北ウイング集合。21時30分、Boarding   22時10分、離陸。

6時間でアンカレッジに到着、TRANSIT  ロンドンまであと8時間。

ロンドン到着、現地時刻 18日午前6時20分

三人娘の横山朝子さん、若松よしこさん、和田かよこさん

関くん、今村くん、久保くん(モロッコ)

【補遺】

三人娘のことは今でも覚えています。若松さんは、その後、T銀行の渋谷支店に勤め、一度、今村君と会いに行ったことがあります。今村くんは、今でも連絡を取り合って、このブログにも登場する有名人。関くん、久保くんはもう全く覚えていません。

【7月18日(水) 曇 宿泊都市:ロンドン】

ホテルの同室は中川くん

Picadily Circus ,  Trafalger,  West Minster(Bridge) へ行く

地下鉄 Edware Road~ Charing Cross まで35ペンス。

昼 マグドナルド チーズバーガー 62ペンス  コーヒー 30+5ペンス

バス Picadily Circus  ~ Abbey Road   22ペンス

ポストカード 5ペンス  切手 11ペンス

夜 Fish and chips  とTomato soupe で1ポンド27ペンス

英国人の質素さ!

ハンバーガーではなくて、ハンボーガーと発音していた。

バッキンガム宮殿前の観光客の群れ!

【補遺】

1ポンドは当時、456円くらい。100ペンスが1ポンド。

同室の中川くんは全く覚えていない。でも、3,4人と連れ立って、地下鉄やバスを使って、ロンドンを隈なく歩いたのでしょう。何しろ初めての海外なので、非常に興奮したことを覚えています。この日は誕生日で、ホテルの一室で皆がワインでお祝いしてくれたはずだったのに、その記述なし。

夜は、英国名物の「フィッシュ&チップス」を注文して食べたけど、非常にまずかった。こんなまずいのに、隣のテーブルに家族連れがいて、月に一回程度の外食を楽しみにしている小学生くらいの子供が非常に感激して、はしゃいでいたので、なんか哀れみの涙が出てきたことを覚えています。