少しご無沙汰しておりますが、ご存知、京洛先生です。
桜花爛漫の時季になりましたが、昨日6日午後、貴人の畏敬する松岡將さんが京都にお見えになって、市内南区の国登録有形文化財「長谷川家住宅」で、貴人が、渓流斎ブログで再三紹介している彼の自著の一つである写真集「在満少国民望郷紀行」(同時代社刊、本体価格3千円、B5変形上製246頁、カラー頁多数)のスライドショーが開かれました。
会場の長谷川家住宅は、幕末の「鳥羽伏見の戦い」の舞台になった竹田街道のそばにあり、江戸時代は寛保2年(1742年)に建てられた農家住宅で、下の写真をご覧になればお分かりになる通り、大きな土間を使ってのスライドショーになりました。
週末の土曜日でしたが、何と50~60人の方が見えて、松岡さんは、現在と昔の満洲の風景、建物の変貌ぶり、それに絡めて、自らの満洲での実体験談を4時間近く、休憩も取らず、喋られました。
とても、その語り口は、80歳半ばとは思えないほどエネルギッシュで、戦前の満洲や、日本軍についても言及、終戦から、命からがら大陸から引き揚げ、帰国するまでの経過、様子を話されました。年齢的に、戦前の在満体験者がドンドン少なくなっているだけに、在満者の“語り部“として、これからも大いに活躍してもらいたいものです。
「上映会」のあと、缶ビール、サンドイッチ、シャレたオードブルでの懇親会がありましたが、参加者の中からは「今の学校の授業の歴史は明治維新まで、その後の戦争や昭和や現代の歴史はほとんど触れません。今日は、満洲でどういうことがあったのか、よく分かりました」と松岡さんにお礼を言う人もいました。
「平成」も残りわずか、来月5月からは「令和」です。昭和20年8月の終戦後に生まれた世代が大半になり、その戦後生まれが「日清、日露戦争」をはるか遠くに感じるように、今度は平成生まれが、満洲事変、太平洋戦争などを、それと同じくらい遠い昔の話になるのは確かです。
残念がら、「語り部」がいなくなると、同じ間違いをまた繰り返すわけで、「懲りない」とはそういうことです。
悔しいですが、人間は学習など全くしていないし、しないのです。「学習は刹那」です。
以上、京洛先生でした。