「三密」は本来、仏教用語

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 まだ6月だというのに、都心の真昼の気温31度。それなのに、マスクをしなければならないというこの暑苦しさ。私もアベノマスクではなく、50枚3300円で道端で売っていた紙マスクをして頑張っています。こんなんで、予防になるのかしらと疑いながら。

 新型コロナの感染拡大で、「三密」なる標語キャンペーンが安倍政権の下で展開されています。ご案内の通り、「密閉」「密集」「密接」の三つの密を回避せよ、との指令です。

厚労省のHPより

 私の会社では、緊急事態宣言が解除されても、この政府方針に従って、職場内でのマスク適宜着用のほか、原稿チェックで読み合わせする際に飛沫が飛ばないよう「フェイス・シールド」まで配布されました。(見苦しいので、フェイスシールド姿の写真を掲載できないのが残念です)

 加えて、職場以外では、この「三密」の恐れのある飲食店や施設の利用自粛要請がありました。~感染した場合、本人だけでなく濃厚接触者も自宅待機となるなど、社内だけでなく、取引先、取材先、家族にも大きな影響を及ぼす恐れがあります~との警告付きです。

 別に、もうこの年で、キャバクラやホストクラブに行く気も欲望もなくなってしまったのでいいんですが、先日約束した居酒屋懇親会はキャンセルせざるを得なくなってしまいました。その店は地下の密閉空間で、マスクをかけて呑むわけにはいかないので、密接した濃厚接触になってしまうからです。家庭内での最高権力者による駄目だしも決定打になりました。すみません。関係者の皆様にはご迷惑をお掛け致しました。

 で、三密ですが、本来は仏教用語だったことが昨日16日付の東京新聞朝刊で知りました。勿論、「密閉」「密集」「密接」ではなく、「身密(しんみつ)」「口密(くみつ)」「意密(いみつ)」のことで、真言宗の教えです。身密は正しい行い、口密は正しい言葉、意密は正しい心のことで、こちらは避けるのではなく、人として是が非でも行うべきことです。私なんか、邪(よこしま)な心で、ついつい、世の中の不条理を嘆き、悪態ばかりついてしまうので、この三密は心に銘記しておかなければなりません。

 その一方で、同紙によると、回避すべき三密の別の言葉として「集近閉」なる略語がネット上で広まっているらしいですね。(私は、この「ネット上」という逃げ言葉を安易に使う新聞やテレビは大嫌いですが…。)

 「密集」「接近」「密閉」を略して「集近閉」になると思われますが、読み方が「しゅうきんぺい」。何処かの大国の最高指導者と同じ発音じゃありませんか。集近閉を回避する?これでは、大国では即、逮捕されかねませんよ。おお、桑原、桑原。でも、「しゅうきんぺい」は日本語読みですからね(笑)。あちらはシージンピンさん。大丈夫だあ!

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