馬鈴薯留多
日銀が1月29日の金融政策決定会合で、「マイナス金利」の史上初めての導入を決定をしました。(2月16日から)
こんな重要な決定が、わずか9人の多数決で決まるとは知りませんでした。しかも、5対4の超僅差での可決です。
ちなみに賛成したのは、黒田東彦総裁、岩田規久男副総裁、中曽宏副総裁、原田泰審議委員、布野幸利審議委員の5人。
反対したのは、白井さゆり審議委員、石田浩二審議委員、佐藤健裕審議委員、木内登英審議委員の4人。
マイナス金利政策は、既に、ECB(欧州中央銀行)などで導入されていますが、何しろ、日本では見たことも聞いたこともない。
マイナス金利ですから、市中銀行が日銀に預け入れると、利子が付くどころか、保管料みたいに、金利を獲られてしまう。仕方がないので、銀行は損しないように、企業や個人に借りてもらうしかない。
一般の消費者から見ると、住宅ローンなど借りている人にとっては、金利が下がって得をするかもしれませんが、預貯金や運用商品の金利が下がって、確実に損することになります。
昨日は、マイナス金利に関する新聞記事は、隅から隅まで読みましたが、何しろ「未知の領域」なので、「先行きどうなるか分からない」ということが分かりました。誰も予測もつかないことが起きるかもしれません。
デンマークでは、このマイナス金利の影響で、お金を地元の銀行から借りたおばちゃん、いや失礼、淑女が利息をもらった、という「逆転現象」が起きたと、英フィナンシャルタイムズが紹介しています。
さすがに私も今、一生懸命に金融について勉強しています。ビッドとオファー、オプションのコールとプット、TTS、TTBなど、慣れない専門用語を覚えて、金融リテラシーを高めています(笑)。
例えば、小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書)によりますと、先物レートを知らずに外貨預金をすることは、ブレーキの操作を知らないで運転するようなもの。とにかく、無謀だ、といいます。やはり、金融リテラシーが必要です。
それでも、この本によりますと、成功している為替ディーラーはわずか1割程度なんだそうです。プロでさえ、この有様ですから、素人が生半可な金融知識で、相場に手を入れると危険でしょう。しかも、著者の小口さんは、「どうしたらうまくやれるのか」との質問に応えて、16条の項目を挙げ、第1条が「金融機関の営業を信じるな」、第2条「エコノミストを信じるな」、第3条「銀行ディーラーを信じるな」、第4条「ハウツー本を信じるな」、第5条「信頼できる人を探せ」…と力説しているのです。
いやあ、この本を読むのに2時間どころか、20時間もかかりましたが、実に為になりました。
昔は、本といえば、フィクションかノンフィクションばかり読んでいたので、こんなに経済もんを読むようになるとは思ってもみませんでしたけど(笑)。
彼の昨年のユーフォリアからルインまでの波乱万丈は、全てはトマ・ピケティのせいですかね?(笑)