杜甫草堂入口 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
今年度のアカデミー賞主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)と監督賞(アレハンドロ・G・インタリトゥ)と撮影賞を受賞した「レヴェナント 蘇りし者」を近くのロードショウ館で観てきました。
IMAX(アイマックス)というものを今回初めて知りましたが、映像、音響とも一歩先に行く鮮明で迫力ある映画が楽しめる方式なんだそうで、一般1800円のところ、2000円とちょっと割高になっています。
あたしゃ、そこまで拘らないので、普通の映写で十分でした(笑)。
以下は、ネタバレの内容に触れますので、これからこの映画をご覧になる方は、お控えなすって。さようなら。
杜甫像 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
とにかく、疲れる映画でした。前触れの宣伝を含めて、拘束時間2時間55分と長過ぎます。最後の方でトイレに行きたくなってしまい、大変でした(笑)。
何と言いますか、汚いし、苦しそうだし、寒そうだし、飢え死にしそうだし、命を取られそうだし、何か、ゆっくり落ち着いて観ることができませんでした。映画館には結構ギリギリに着いたら、混んでいて、一番前の席しか空いていなくて、顔のアップがデカ過ぎました。
美人さんなら我慢できますが、泥んこまみれで、何か曰く因縁がありそうな、胡散臭いおっさんばかり登場しますから、疲れました。
でも、主演男優賞をやっと獲得したヒュー・グラス役のレオ様は、どこまでスタントマンを使っていたのか、よく分かりませんでしたが、とにかく体当たりの演技で、土の中に入れられたり、河から滝で落ちたり、馬ごと崖から落下したり(これはスタントマンでしょう)、そして何よりも、デカい大熊に襲われて瀕死の重傷を負ったり、観ている方も引いてしまうほどでした。(映画の中で大熊のことを、レオ様は、ハイイログマではなく、「グリズリー」と言ってましたが、本物だったんでしょうか?いや、本物だったら、本当に死んでしまいますよね?)
杜甫草堂大雅堂 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
大自然の凄さには圧倒されますが、人間の存在そのものが悪のような気になります。
でも、とんでもない極悪人や善良な人間が登場するわけでもありません。実際にあったことを元にした作品だそうですが、元々いたネイティブ・アメリカンが残忍そうで、良心的であったり、征服者の白人が、良心的そうで残忍だったりして、何か描き方も中途半端な感じがしました。
悪役ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)も何処にでもいそうなワルで心底憎めない感じです。ヘンリー隊長(ドーナル・グリーソン)も何処か頼りない感じで、最後のフィツジェラルド討伐に連隊を率いて行けばいいものを、グラスと二人だけで行くのですからね。その先が想像できました。
厳しい大自然の中で、低音で流れるオーケストレーションは、映像の邪魔にならず、そう言えば、坂本龍一が担当していたんだな、と思い出して、注意深く音楽を後から聴くほどでした。映画の中で、音楽の存在に気付かせないことは、なかなかの手腕でしょう。
いやあ、我ながら、つまらんこと書きましたが、タダで観て、文句を言ってもお金をもらって、周囲から「先生、先生」と言われてふんぞり返っている評論家や記者さんよりマシでしょう(爆笑)。