「不買革命」を怖れた資本家階級=東京五輪組織委 森喜朗会長辞任で考えたこと

◇誰が森喜朗会長を引きずり降ろしたのか?

  「女性蔑視発言」をした東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は、大方の予想通り辞任を余儀なくされました。後任の会長ポストに就任予定の川淵三郎(84)日本サッカー協会相談役については、「また、男の老人では何も変わらない」とか、「知られていないが、実は彼は百田尚樹氏の『日本国記』を絶賛する極右の超国家主義者だ」とか仰る方もいらっしゃいますが、思想信条の自由がありますし、私自身は、「へー、そうだったのか」と会得するだけです。

 それ以上に興味があるのは、誰が森喜朗氏を会長の座から引きずり降ろしたのか?ーです。女性蔑視発言したことは自業自得なので、当然の結末とはいえ、実はかなりの確率で「続投」も可能だったからです。

 潮目が変わったのは2月9日です。国際オリンピック委員会(IOC)が「森会長の発言は極めて不適切で、IOCが取り組む改革や決意と矛盾する」との声明を発表したことで一気に流れが変わりました。IOCは、2月4日の森会長の謝罪会見後に「森会長は発言について謝罪した。これで、IOCはこの問題は終了と考えている」と宣言していたので、恐ろしいほどの豹変ぶりです。ということは、2月4日から9日の間に何かがあった、ということになります。

 想定されるのは、莫大な放送権料を支払う米NBCから、IOCに対して「如何なものか」とクレームが付けられたことです。しかし、NBCは、米三大ネットワークとはいえ、単なる(失礼!)メディアに過ぎません。恐らく、広告代理店を通じて、スポンサーがNBCに圧力を掛けたのではないかと容易に想像されます。

 米国の大手スポンサーは、日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、半導体大手インテル、民泊仲介エアビーアンドビー、飲料大手コカ・コーラなどです。いずれも、世界の人口の半分を占める女性の消費者を抱えている大企業で、多国籍企業です。女性たちから反旗を翻されて「不買運動」に走られたらたまったものじゃない、女性蔑視の会長では駄目だという公算が大きく働いたのでしょう。決して、スポンサーは、公共のため、無償のボランティアでやってるわけではないからです。

 それは、東京五輪の日本のスポンサーも同じことです。森会長の謝罪会見の後、早々にトヨタ自動車を始め、アサヒビール、日本生命などが相次いで「遺憾である」「不適切である」といった声明を「発砲」しました。

 勘繰れば庶民による不買運動、いや「不買革命」を怖れたのでしょう。

◇オリンピックはサーカスか?

 これで、若者を走らせて、放送権料と五輪キャラクター売買で商売をしている貴族集団のIOCというものは、絶えず、スポンサーの顔色を窺って、発言をコロコロと変える、節操のない権益団体に過ぎないということがはっきり分かります。

 批判覚悟で敢て暴言を吐けば、オリンッピクとは、スポンサーの、スポンサーのための、スポンサーによる大会と言えます。

 19世紀的用語を使えば、五輪とは、資本家階級の、資本家階級のための、資本家階級によるサーカスだと言えます。

 近代オリンピックの創始者クーベルタン男爵も、女性蔑視者とは言えませんが、時代的束縛があったにせよ、女性がマラソンを走ることなどもってのほかで、決して、積極的な男女平等主義者ではなかったと言われてますからね。

 こんなことを私が敢て書いたのは、今回の「森事件」に関して、特に民放テレビは実に皮相的で表面的な報道ばかりで、何処も批判したり、裏のカラクリを説明したりしないからです。でも、あっそかぁ、民放テレビも、スポンサーの、スポンサーのための、スポンサーによるメディアでしたね。批判できるわけがない!

 五輪憲章が、いかに崇高で高邁な精神であろうと、実態を知らない人が多過ぎます。

【追記】

 2月11日に五輪組織委会長に川淵三郎氏に決定したと思ったら、「密室譲渡」「不透明」などと批判され、政府筋による拒絶で、わずか「一日天下」で白紙に。すったもんだの挙句、結局、2月18日になって、橋本聖子五輪相が、大臣を辞めて会長に就任することで決着しました。

 スケートと自転車で五輪に7回も出場した橋本氏は、週刊誌で「五輪オタク」とか「セクハラ疑惑」とか、、叩かれたことがありましたが、森喜朗元首相に認められて政界に転身したわけですから、まさしく、森さんの子飼いで、彼のマリオネットになることは見えていますね。

 個人的に、私自身は、橋本聖子さんが、駒大苫小牧高校の頃、スピードスケートのインターハイで3連覇をした頃に取材して、話を聞いたりしていたので、どうも、彼女の高校生の頃のイメージが抜けません。

 こんなこと、後記として、書くのも、辻褄を合わすためで、本心は「実に面倒臭い」。

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