緊急事態宣言・疫病下の東京五輪狂詩曲

 宰相のガースーさんは「もう民百姓の面倒は見きれん」と、ついに匙を投げてしまいました。「もうどこの病院も患者でいっぱいじゃ。疫病に罹ったら中等症でも長屋で黙って寝ていろ!」と御前会議での勅許を得ることなく、記者会見も開かず勝手に通達してしまったのです。

 これに怒った水戸浪士たちは桜田門外で、ガースーを待ち伏せておりましたが、ガースー宰相は、予定を変更して、東京・虎ノ門のホテル「The Okura Tokyo」内のレストラン「オーキッド」で秘書官と朝食を楽しんでおりましたので、難を逃れました。

 巷では、東海道五十三次飛脚大合戦と浜名湖古式遠泳競技大会の真っ最中で、これに参加した邦人と異人との間で疫病蔓延が拡大しているのではないかというのが、適塾の緒方洪庵先生の見立てです。

築地・手打そば「つきじ文化人」フランス語講師のベルギー人ローランさんが板前さんやってました

 感染拡大を怖れた庶民があれだけ大会開催に反対したというのに、国際遊戯委員会のヨハン・セバスチャン・バッハ男爵と、米南北戦争の北軍の英雄で、電気紙芝居会社を起業したエヌ・ビーシー会長らの策略で開催は強行されました。全ては天保通宝の威力の賜物でした。お主も悪やのお~、あれです。

まさに、飛脚合戦と遠泳大会は、国際政治の策謀と渦に巻き込まれました。旧おろしや帝国の流れを汲むベラルーシ国の最高責任者ルカシエンコさんという大統領(66)は、「欧州最後の独裁者」と言われ、「大会でメダルを獲らずに帰国したら、牢屋に入れちゃうからねえ」と派遣選手団を脅迫したらしく、女子飛脚大会で予選敗退したツイマノウスカヤ選手は母国帰国を拒否して、ピアノの詩人ショパンを生んだポーランドに政治亡命することになりました。3年後の巴里大会には、 ツイマノウスカヤさんは、ポーランド選手として参加するかもしれませんが、彼女のご両親やご家族はどうなってしまうのか心配です。

それにしても解せないのは、ドーピング違反で出場停止処分を受けたおろしあ国が、国としてではなく、おろしあ遊戯委員会(ROC)だったらいいよぉーと、個人参加が許されたり、香港が優勝しても、他の国の異次元の国歌が会場で流れたりしたことです。誰も「おかしい」と声を大にして叫ばないんですからね。不思議です。

築地・手打そば「つきじ文化人」淡雪せいろ1080円

 そもそも、熱中症が危険視される猛暑のニッポンの夏に大会を開催すること自体が間違いの元です。NBA、大リーグ、アメフト、サッカーとドル箱の競技が目白押しの秋のシーズン開催を避けたいという電気紙芝居エヌ・ビーシー会長の思惑と策略によるものです。

 蝦夷地も、このところ、日中は35度に迫る猛暑で、せっかく江戸開催のマラソンと競歩を蝦夷地への移転開催を決めたというのに、これでは、効果ないかもしれませんね。蝦夷地で選手がバタバタ倒れないことを祈るばかりです。

 あらあら、もっと明るい前向きな話をしたいのに…、うーん、ちょっと無理ですかねえ。

疫病下の東京オリンピアード=熱狂と祝祭を求めて銀座をブラブラ

  7月26日(月)は東京五輪開催4日目です。

  昼休み、日本を代表する繁華街、東京・銀座の街中を歩いて、その熱狂と祝祭気分を取材してみました。

銀座SIX

 うーん。この通り、大型店舗は、どこでも、「検温実施」「マスク着用」「手指のアルコール消毒」など励行するよう入口にデカデカと案内看板を設置しています。

 もう見慣れた表示ですが、あと5~6年もすれば、貴重な歴史的写真になるのかもしれません。

午後1時過ぎの銀座通り この通り、人も車もガラガラです。

 東京五輪は「無観客試合」ということになり、テレビ中継でしか競技を見られなくなりました。これなら、何処かの遠い遠い異国の地でやろうと、同じです。まさに、テレリンピック!

 「ニッポン、金メダ-ルゥ~」と、テレビの実況アナウンサーが大袈裟に雄叫びを挙げています。まさにマッチポンプです。「狼が来た、狼が来た」と狼少年のように煽り立てて、叫んでいます。その側では、誰かが「ガン、ガン、ガン」と大きな銅鑼を叩いています。その催眠術に罹ったのか、昨日まであれだけ開催を反対していた輩まで、「やっぱ、やって良かったね。この感動は代えがたいねえ」と、恋人、夫婦、家族で顔を見合わせて笑っています。

 これが人間ですねえ。

 いいじゃないか、人間だもん。

銀座「日新堂」 このパテックフィリップの時計、1億円ぐらいかなあ~?この辺りもガラガラで熱狂なし

 それにしても、オリンピックって、政治そのものですね。国威発揚の場でもあります。北朝鮮は選手団を派遣しませんでしたし、中国は「日本は防衛白書で我が国を敵視している」、生意気だ、とばかり、開会式への高官派遣を急に取りやめました。

 結局、顔を見せた大物の国家元首は、次期開催(2024年のパリ五輪)が決定して仕方なく(?)来日したフランスのマクロン大統領ぐらいでしょうか。他の大物元首の皆さんは、日本が、新型コロナウイルス変異種の培養・育成・拡散場と化していることを怖れているんでしょうか?

 まあ、こんな感じで、オリンピック開催中だというのに、東京・銀座では熱狂も祝祭気分も全くなし。

 ランチに入ったドイツ料理店「ローマイヤー」でも、隣りに座った男女3人組は関西人で、ずーと、途切れもなく関西弁で話し続けていましたが、オリンピックの話は一切なし。よく分からない仕事関係の話をしていました。

 写真のように、五輪のマークの入った「表示板」(?)を撮らないと、オリンピックを開催している都市とは分からないほど。

 それが現実でした。

祝! 50万アクセス突破!!=島崎藤町作「五輪前」ー既に綻びが

 おおー!いつの間にかページビューの総合アクセス数が50万を突破しておりました!おめでとう御座います!意外に早かったでしたね。今月末か来月には到達されるのではないかと予想しておりましたが、小生のほぼ誕生日の日に記念のアクセスが達成したとは二重の喜びです。

 これも、すべて皆様のお蔭で御座います。いつも繰り返し書いておりますが、この渓流斎ブログをgooブログで書き始めたのは2005年3月で、途中病気で入院したりして消滅したりしましたが、2017年9月から松長哲聖氏の全面的ご指導で、独立サイトを立ち上げ、今に至っております。何も宣伝も、宣撫活動もしていないのに、4年弱で50万アクセスです。この「4年で50万」という数字を、もしもという仮定で想像しますと、この渓流斎ブログが2005年に開始して今年で16年になりますから、16年が4年の4倍なら200万アクセスとなります。無名のブログにしては、これは驚異的な数字ではないでしょうか?

 50万アクセス記念の祝賀会でも開きたいのですが、さすがこのコロナ禍では諦めざるを得ません。仕方ないので、ヴァーチャルで今から盛大に開きましょう!

 ということで、私は、この日のために用意した、ナポレオンがこよなく愛していたと言われる「シャンベルタン」(2016年=仏ブルゴーニュワイン)を開けてしまいました(笑)。

 シャンベルタンにはピンからキリまでありまして、皇帝御用達のシャンベルタンは恐らく、3万円はくだらないと思いますが、小生が買い置いたジュヴレイ・シャンベルタンは5000円。年金生活者にとっては「清水の舞台から飛び降りる」ほどの決断ではありましたが、何と言う芳醇で、なめらかで美味しいワインだこと!!値段だけありました(笑)。昼間から酔っ払ってしまいました。これが、本当のワインだったんですね。今まで飲んでいたのは何だったのか?

 本日は、海の日の祝日と間違えて会社を休んだわけではありません。昨日の誕生日で高齢者の仲間入りとなったため、午前中は、年金給付のことで地元の年金事務所に行って来たのです。私は民間のサラリーマンではありますが、「老齢厚生年金」と「老齢基礎年金」の二階建てになっていて、受給を繰り下げ(先送り)すると、その分、割り増しになるのです。70歳からもらうと実に42%増、75歳だと84%も増額されるのです。しかし、その間、給付金はゼロですから、よほど貯金がなければなければ生活していけないし、70歳前に死んでしまっては元も子もありません。年金もらえず、はい、おしまい。

 で、私の場合、どうしたかと言いますと、老齢厚生年金は丸々貰い、老齢基礎年金だけを3年間先伸ばしにすることにしました。3年後に25.2%増になるといいます。年金事務所の窓口で説明を聞いて、シミュレーションの金額を聞いてから、即断即決したのですが、おウチに帰って、冷静になって書類を再読したところ、「総受給額逆転年月」が79歳11月。つまり、80歳以上生きないと元が取れないということが分かりました。私の父親は79歳で亡くなっているので、うーんギリギリかなあ、と思っています。年金で国家破綻するんじゃないかと言われてますから、日本国家になるべく迷惑を掛けずにおさらばしたいので、これがギリギリの貢献かな、と思っています。

 それに、あのスーパーボランティアの尾畠春夫さんは月5万5000円しか年金を貰っていないのに「やりたいことをやるのに足りるので十分です」とまで仰っているんですからね。頭が下がるばかりです。

 さて、東京オリンピック、IOC貴族による政略で、半ば強制でやっちまうようですが、開催前から綻びが出ています。東京五輪の電気技師スタッフとして来日していた米国と英国籍の男4人がコカイン所持で麻布署で逮捕されたり、ウズベキスタン国籍の大学生(30)が何と五輪の聖地国立競技場で、20代の女性に性的暴行を加えたとして、強制性交等容疑で警視庁組織犯罪対策2課に逮捕されたり、と唖然とする事件が続発しています。

 何と言っても頭に来るのは、コロナ感染拡大になっても決して責任は取らないIOC貴族の日当が10万円だという話です。ワイの月収やないけ!しかも、彼らは、どうせ、帝国ホテルかオークラ辺りの超高級ホテルに滞在して優雅な生活を送って、競技場まではお抱え運転手から送り迎えしてもらうだけでしょ? 五輪なんて、所詮、ぼったくり貴族による見世物だということを暴露してくれました。

 コロナ感染も「水際対策」のはずが、もう既に、選手村や地方滞在先で、18日現在、58人の大会関係者の感染者が出たと発表されています。が、五輪組織委も実体をつかめていない感染者もいるようで、実際はもっといるのではないかと言われています。

 取材のメディア関係者も怪しい(笑)。彼らは決して、品行方正、聖人君子じゃありませんからね。コロナとは関係ありませんが、私のマスコミの先輩なんか、飲み屋で、地元のヤクザと大喧嘩してボコボコにやられて、お岩さんのように顔がはれ上がった顔で、翌日のプロ野球キャンプを這って取材に行き、あの広岡監督から「あいつは大したタマだ」と褒め上げられた伝説の人でしたからね。美男美女が多い東京で羽目を外さない海外のメディア関係者がいたら賞状ものですよ(笑)。

東京五輪、本当に開催ですか?=緊急事態宣言下で

 日本国政府は、7月12日(月)から8月22日(日)まで東京都に緊急事態宣言を発令するというのに、東京五輪は開催ですか…。子どもたちの運動会や修学旅行、それに祇園祭(山鉾巡行)、花火大会、ロックフェスティバルまで中止に追い込まれているというのに、オリンピックならいいんですか?矛盾していますね。一番喜んでいるのは、来日中のIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長でしょうね。

 68歳。ドイツ人ですが、大作曲家バッハとは関係なさそうな「ぼったくり男爵」(”Baron von Ripper-off” by The Washington Post)。1976年のモントリオール五輪フェンシング・フルーレ団体で、西ドイツ(当時)代表として金メダルを獲得した輝かしい経歴があります。文武両道で、本職は弁護士ということなので、弁が立つのは当たり前だったんすね。

 結局、「無観客」で開催されるようですが、IOCにとっては、テレビ放送さえしてくれれば、莫大な放送権料が入ってくるので、痛くも痒くもないんですよね。放送する米NBCだって、スポンサー収入さえ入ればいいわけですから、「過去最高の売り上げ」(ジェフ・シェル最高経営責任者)と万々歳です。それに、「無観客」とは言いながら、スポンサー様に対しては「どうぞ、どうぞ」です。特等席にご招待です。スポンサーだって、「金を払ってるんだから当然の権利」とコロナ禍なんて何処に吹く風?

 結局、オリンピックなんて、スポンサーの、スポンサーによる、スポンサーのためのものだということが、はっきり暴露されました。これでは、古代ローマのコロッセオでの剣闘士の闘い見物と変わらないじゃありませんか。

 そして一番馬鹿を見たのが、開催都市東京であり、政府であり、行きつくところは、日本国民です。無観客なら入場料収入900億円がそっくり入ってこなくなったからです。元々、入場料収入は、IOCにではなく、開催都市の懐に入るはずだったのですが、これがないとなると完璧に赤字です。大きな借金をしてIOC貴族のために立派な五輪用の競技施設を作ってあげて、開催してあげるなんて日本人も大したもんです。そのツケは全て国民の血税として回ってくることでしょう。

 それに、海外から9万人前後の選手団がやってくるわけですから、アルファ型か、デルタ型か知りませんが、感染拡大は必至でしょう。欧米人も「遠く離れた日本開催ならいいかぁ」てな感じです。五輪会場は、人体実験場じゃないんですよ!(福島など4県は有観客だとか)

 所詮、東京五輪なんぞ「捕らぬ狸の皮算用」だったわけです。緊急事態宣言でお酒の提供ができないので、都内の居酒屋の中には五輪期間中でも休業するという店舗もあるようです。勿論、100年に1度のパンデミック襲来を誰にも予想できなかったことですから、保険にも入っていなかったことでしょう。「骨折り損のくたびれ儲け」で終わりそうです。

築地・料亭「わのふ」

 それにしても、日本政府の右往左往ぶりには呆れます。菅首相による緊急事態宣言の記者会見も、以前なら、NHKの7時のニュースに合わせて、金曜日の夜7時に発表していたのに、「それだったら、『チコちゃんに叱られる!』が飛んで、いつも放送が見られなくなる」との国民の声に菅首相は耳を傾けたのか、前回から木曜日の夜7時から発表するようになった、というのは勘繰り過ぎでしょうか?

 「チコちゃんに叱られたくないから、記者会見の日を変えた首相」なんて言われたら格好つかないし、笑われますからね。

 世界に誇る東京・銀座の街並みを歩いても、オリンピック開催という興奮と祝祭ムードが全くありません。大借金を背負うことになった庶民は、カラクリを知っても、啻々、泣き寝入りするしかないんでしょうか?

 でも、スポンサー様も、五輪開催後に確実に襲ってくる大不況(1964年東京五輪の翌年は証券不況が勃発)によって消費が減ったり、控えたりされるので、大きなしっぺ返しを喰うことになるでしょう。

 いずれも他人事じゃないってことです。

 

 

「不買革命」を怖れた資本家階級=東京五輪組織委 森喜朗会長辞任で考えたこと

◇誰が森喜朗会長を引きずり降ろしたのか?

  「女性蔑視発言」をした東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は、大方の予想通り辞任を余儀なくされました。後任の会長ポストに就任予定の川淵三郎(84)日本サッカー協会相談役については、「また、男の老人では何も変わらない」とか、「知られていないが、実は彼は百田尚樹氏の『日本国記』を絶賛する極右の超国家主義者だ」とか仰る方もいらっしゃいますが、思想信条の自由がありますし、私自身は、「へー、そうだったのか」と会得するだけです。

 それ以上に興味があるのは、誰が森喜朗氏を会長の座から引きずり降ろしたのか?ーです。女性蔑視発言したことは自業自得なので、当然の結末とはいえ、実はかなりの確率で「続投」も可能だったからです。

 潮目が変わったのは2月9日です。国際オリンピック委員会(IOC)が「森会長の発言は極めて不適切で、IOCが取り組む改革や決意と矛盾する」との声明を発表したことで一気に流れが変わりました。IOCは、2月4日の森会長の謝罪会見後に「森会長は発言について謝罪した。これで、IOCはこの問題は終了と考えている」と宣言していたので、恐ろしいほどの豹変ぶりです。ということは、2月4日から9日の間に何かがあった、ということになります。

 想定されるのは、莫大な放送権料を支払う米NBCから、IOCに対して「如何なものか」とクレームが付けられたことです。しかし、NBCは、米三大ネットワークとはいえ、単なる(失礼!)メディアに過ぎません。恐らく、広告代理店を通じて、スポンサーがNBCに圧力を掛けたのではないかと容易に想像されます。

 米国の大手スポンサーは、日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、半導体大手インテル、民泊仲介エアビーアンドビー、飲料大手コカ・コーラなどです。いずれも、世界の人口の半分を占める女性の消費者を抱えている大企業で、多国籍企業です。女性たちから反旗を翻されて「不買運動」に走られたらたまったものじゃない、女性蔑視の会長では駄目だという公算が大きく働いたのでしょう。決して、スポンサーは、公共のため、無償のボランティアでやってるわけではないからです。

 それは、東京五輪の日本のスポンサーも同じことです。森会長の謝罪会見の後、早々にトヨタ自動車を始め、アサヒビール、日本生命などが相次いで「遺憾である」「不適切である」といった声明を「発砲」しました。

 勘繰れば庶民による不買運動、いや「不買革命」を怖れたのでしょう。

◇オリンピックはサーカスか?

 これで、若者を走らせて、放送権料と五輪キャラクター売買で商売をしている貴族集団のIOCというものは、絶えず、スポンサーの顔色を窺って、発言をコロコロと変える、節操のない権益団体に過ぎないということがはっきり分かります。

 批判覚悟で敢て暴言を吐けば、オリンッピクとは、スポンサーの、スポンサーのための、スポンサーによる大会と言えます。

 19世紀的用語を使えば、五輪とは、資本家階級の、資本家階級のための、資本家階級によるサーカスだと言えます。

 近代オリンピックの創始者クーベルタン男爵も、女性蔑視者とは言えませんが、時代的束縛があったにせよ、女性がマラソンを走ることなどもってのほかで、決して、積極的な男女平等主義者ではなかったと言われてますからね。

 こんなことを私が敢て書いたのは、今回の「森事件」に関して、特に民放テレビは実に皮相的で表面的な報道ばかりで、何処も批判したり、裏のカラクリを説明したりしないからです。でも、あっそかぁ、民放テレビも、スポンサーの、スポンサーのための、スポンサーによるメディアでしたね。批判できるわけがない!

 五輪憲章が、いかに崇高で高邁な精神であろうと、実態を知らない人が多過ぎます。

【追記】

 2月11日に五輪組織委会長に川淵三郎氏に決定したと思ったら、「密室譲渡」「不透明」などと批判され、政府筋による拒絶で、わずか「一日天下」で白紙に。すったもんだの挙句、結局、2月18日になって、橋本聖子五輪相が、大臣を辞めて会長に就任することで決着しました。

 スケートと自転車で五輪に7回も出場した橋本氏は、週刊誌で「五輪オタク」とか「セクハラ疑惑」とか、、叩かれたことがありましたが、森喜朗元首相に認められて政界に転身したわけですから、まさしく、森さんの子飼いで、彼のマリオネットになることは見えていますね。

 個人的に、私自身は、橋本聖子さんが、駒大苫小牧高校の頃、スピードスケートのインターハイで3連覇をした頃に取材して、話を聞いたりしていたので、どうも、彼女の高校生の頃のイメージが抜けません。

 こんなこと、後記として、書くのも、辻褄を合わすためで、本心は「実に面倒臭い」。

新型コロナの影響で、カミュの「ペスト」が売れているそうな

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 新型コロナの世界的な感染拡大の影響で、24日になってやっと東京五輪が来年に延期されることになりました。表では報道されませんが、最終的にゴーサインを出したのは、独占放送権を持つ米NBCでした。勧進元のIOCじゃなかったんですね。もちろん、日本の内閣総理大臣や東京都知事や米大統領にも最初から決定権はなかったわけです。

 NBCといっても、単なる放送局ですから、最大の最終的意向はスポンサーということになります。(テレビ局と代理店が慌てふためいてスポンサーさんの意向を伺っている姿が目に浮かぶようです)そのスポンサーである米大手企業も、新型コロナの影響をもろかぶって株価が大暴落して、青息吐息です。オリンピックどころじゃない、今年の開催はとても無理ということになりました。そもそも五輪は慈善事業でも何でもないし、経済波及効果を狙った営利活動ですからね。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

  さて、新型コロナの蔓延で、今、日本ではフランスのノーベル文学賞作家、アルベール・カミュ(1913~60年)が1947年に発表した「ペスト」(新潮文庫、宮崎嶺雄訳) が爆発的に売れているようです。文庫は、1969年10月30日初版ということですから、もう半世紀以上昔の本です。が、「都市封鎖」など今の状況と酷似しているということで、真面目な日本人のことですから、急速に話題になったわけです。版元も2月中旬から1万4000部の増刷を決定しました。

 カミュが「ペスト」を出版したとき、まだ34歳の若さです。この作品は世界的なベストセラーとなり、10年後に史上最年少の44歳でノーベル賞を受賞する大きな弾みになったとも言われてます。(ペストは、第2次世界大戦の戦争の惨禍を比喩したとも言われ、改めてカミュの想像力と創造力には感服します)

 私は学生時代にフランス語を専攻していましたから、もちろん、読みました。1970年代の学生の間では、サルトルとカミュが人気を二分していました。ということで、結構、カミュの作品は読みました。代表作「異邦人」は、原書で読みましたが、「ペスト」は翻訳だけでした。そこで、今回、話題になっているということで、原文に挑戦してみることにしました。

 そしたら、いきなり、出だしで躓いて、ニッチもサッチもいかなくなってしまいました。それは、ダニエル・デフォー(1660~1731)の言葉を引用したエピグラフです。

Il est aussi raisonnable de représenter une espèce d’emprisonnement par une autre que de représenter n’importe quelle chose qui existe réellement par quelque chose qui n’existe pas.

DANIEL DE FOE.

 デフォーと言えば、「ロビンソン・クルーソー」で有名な作家です。カミュは何故、デフォーを引用したのか?

 デフォーは、色んな職業を遍歴しましたが、政治的プロパガンダも発信するジャーナリストでもあり、諜報員でもありました。そして、1665年のペストの大流行(当時のロンドンで約10万人が死亡したという)を題材にした「ペストの記憶」という作品(原題は「疫病年誌」)を還暦を過ぎた1722年に発表しています。フィクションですが、かなり事実に基づいているようです。英国でペストが大流行した時、デフォーは5歳でしたが、周囲から色んな話を聞いて育ったと言われています。

 恐らく、カミュはこの作品を読んでいたので、エピグラフとしてデフォーの言葉を引用したと思われます。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

で、先程引用したそのデフォーの文章ですが、正直、一読してさっぱり意味が取れませんでした。丸一日格闘して、何十年かぶりに仏訳をやってみました。

 これ以下は、フランス語に興味がない方は飛ばして頂いて結構なんですが、この文は、まずaussi~que 構文で、que以下と同じくらい aussi以下だ、という意味になります。私が躓いたのは、 par une autreの部分で、何でune(女性名詞) なのか?と思ってしまったのです。emprisonnement(監禁、拘束)男性名詞なので、これを受けたわけではない。それなら、une espèce de(一種の)となると、どうも違うような気がします。une autre chose(別のもの) なのかなあ、と思ってしまいました。カミュの「ペスト」はオラン市の都市封鎖が描かれているので、監禁状態を、都市封鎖という「別のもの」で比喩しているのかなと思ったわけです。

 そこで、こう訳してみました。

現実に存在するあらゆるものを、この世に存在しないものによって表現することが理にかなっているのと同じように、一種の監禁状態を別のものによって表現することは、意味のあることだ。 ーダニエル・デフォー

 うーん、哲学的考察で、日本語にしても意味が分かりにくい…。(ちなみに、かつて読んだ翻訳本はとうの昔に紛失してます)

 そこで、語学の天才の刀根先生にメールで問い合わせてみました。そしたら、私が躓いていた par une autre の une(女性名詞) は、 une espèce( ということは、 une espèce d’emprisonnement ) でいいのではないか、と言うのです。そして彼の翻訳を提示してもらいました。

 ある監禁の状態を、それとは異なる監禁のあり方というものをもって描き出してみせる。それは、何でもいいのだが、本当にあるものを、ありもしない何ものかでもって表すことになぞらえることができる。―― つまり十分に正当なことなのだ

 私のように、直訳調ではなく、こちらはしっかり文学的に翻訳していますね。

 それにしても翻訳は難しい。でも、面白い。それに思ったのですが、日本語はすぐ古びてしまいますね。半世紀以上昔に出版された宮崎嶺雄訳の「ペスト」では、「細君」とか、「看護婦」とか、「イスパニア人」とか今ではあまり使われなくなった古い日本語が出てきます。

 新訳が望まれます…なんて書こうとしましたが、最近の日本人の翻訳力は数段、落ちているんじゃないでしょうか。洋楽ポップスや洋画のタイトルなんぞは、もう意味も通らないのに構いもせず、原文をカタカナのまんま表記して、翻訳作業そのものを放棄しています。

 最近の新型コロナ騒動では、クラスターとか、オーバーシュートとか、ロックダウンとか、カタカナ用語のオンパレード。

 何ですかあ~?

【追記】

Il est aussi raisonnable de représenter une espèce d’emprisonnement par une autre que de représenter n’importe quelle chose qui existe réellement par quelque chose qui n’existe pas.

 のこと。フランスにお住まいのガランス先生にお伺いしたところ、以下のように翻訳して頂きました。

一種の監獄状態を、なにか別の状況に置き換えて表現するというのは、なんであれ現実に存在するものを、存在しないものによって表現するのと同じくらい、破天荒なことだ。

この注釈として「 raisonableはもちろん、道理にかなったという意味ですが、もしかして逆説的に使っているのかと。文脈からすると、できそうもないことをやってのける、と言っているような気がします」といったことも書かれていました。

 なるほど、すっきりしました。

 

檀家制度を廃止した曹洞宗・見性院

 東京の今の気温は32度。それは許せるとしても、湿度が63%。外を歩くと汗が止まらず、とろけてしまいそうです。

◇こんな暑さでオリンピック?

こんな暑さの中、ちょうど来年の今頃、東京オリムピックなんかやるんですかねえ?富裕層向けに635万円の五輪チケットが8月下旬から売り出されるそうですが、ご苦労さまのことです。

 第一、不労所得で欲太りしたIOC貴族と、チャンス到来を喜ぶアディダス、ナイキといった多国籍スポーツメーカーの殿上人は、日本がどれだけ暑くて湿気が多いのか、知る由もありません。知っているとしても、所詮、自分たちが走ったり、投げたり、蹴ったりするわけでもなく、単なる興行として商売(ビジネス)をするだけですから、高額スポンサーとして冷房の良く効いた貴賓席にいらっしゃることでしょう。古代ローマ帝国の貴族たちがコロッセオで剣闘士が闘うのを高みの見物するような気分なんでしょうか。

 日本のメディアは新聞もテレビもラジオも、みんな五輪スポンサーですから、一言も批判しません。いや、グルですね。

 ◇皆さんのクリックのおかげでドメイン代が出ました

 こんなに暑いので、ここ数日間、暑気払いが続いてます。一昨日は、この《渓流斎日乗》ブログの技術面でお世話になっているIT会社のM社長と東京・池袋の焼き鳥店「雲吉」で一献傾けました。(皆様がこのブログの宣伝バナーをクリックしてくださったおかげで、ドメイン代等は賄うことができるようでした!)

 「雲吉」は、M社長の奥さんの妹の旦那さんが経営している店で、味が良いのかもう20年以上続いているそうです。飲食業界というのは傍から見ているよりかなり厳しく、経済誌「ダイヤモンド」をいつぞや読んでいたら、新規開店した飲食店の9割が3年以内につぶれてしまうと書いてありましたね。

 場所は、池袋駅東口から歩いて10分ぐらいでしょうか(3分とか書いてましたが、人混みで歩けません)。もう40年以上も昔の話ですが、池袋をフラフラしていましたが、新栄堂書店がつぶれ、キンカ堂(地下食堂)がつぶれ、すっかり変わってしまい、全く別の街になってしまい、道に迷いました。「雲吉」の近くに西武本社が所沢から池袋に移転してきたおかげで、安定したお客さんが来るようになったようです。まあまあの価格なのですか、客層の質は高いです(Mさん、宣伝しておきましたよ=笑)。

 M社長は仕事で仏教界というか、葬儀社界というか、墓石界というか、そういった業界に通じていて、裏話もたくさんありました。

高野山奥之院 島津家供養塔

 今回、裏話ではなく、現代の仏教界の改革者として、多くのメディアにも登場している僧侶として、埼玉県熊谷市にある曹洞宗見性院の橋本英樹住職の話を初めて聞きました。

 見性院は江戸時代から400年以上続く寺ですが、何と2012年に檀家制度を廃止してしまったというのです。400軒近くあった檀家とはいったん白紙に戻して、「随縁会」という会員組織にし、名称も檀家から「信徒」に変更し、葬儀代、戒名代、布施等すべて「ガラス張り」にして「明朗会計」にしたというのです。

橋本氏は駒沢大学大学院を修了し、曹洞宗の大本山永平寺で修行し、25歳で見性院の副住職になった時の月収がわずか10万円だったといいます。それが、42歳で父の跡を継いで住職となって「改革」に乗り出したところ、今では経営規模は4倍に増えたといいます。

 もちろん、宗派や国籍等に拘らず、遺骨を郵送で受け付ける「お坊さん便」を始めるなど急激な改革から、旧檀家の中から反発する声も多く、曹洞宗総本山の総持寺に訴える旧檀家もいるそうです。

 それでも橋本住職はひるみません。M社長も「僕は闘う宗教家を応援してます。檀家とか言っても、どうせナアナアでやっていただけで、仏教なんて本当に信じてないでしょう。葬儀は金が掛かります。散骨したって、かなりの金額を取られますよ。その点、3万円でお骨を郵送パックで受け付けるなんて、現代的なあまりにも現代的なですよ」と擁護するのです。

 考えてみれば、昔はよっぽどの貴族か皇族か大名か守護地頭か武士か名主か大商人でなければ、お墓なんか持てなかったものでした。無名の庶民は野垂れ死にして、犬か鳥に食われていたことでしょう。庶民が墓を持てるようになるのは明治以降かと思ったら、M氏は「いえいえ、明治は廃仏毀釈もあったし、戦後からですよ」と言うではありませんか。

 21世紀になり、日本人の信仰心が薄れ、仏教も「葬式仏教」と批判され、そもそも、従来の「家」の観念も廃れ、女房も子どもも「お父さんの墓だけには入りたくない」と言い、結婚しない男女も増えて、墓守をしてくれる子孫もなく、そういう時代になると、宗教も変わっていかざるを得なくなりました。

 でも、自分の骨が3万円でパック郵送されて、誰とも会ったことも見たこともない縁も所縁もない人と同じ骨と交じり合って共同墓地に詰め込まれることを想像すると、何とも味気ない、背中の辺りがこそばゆい感じがしてきますね。

「ホラホラ、これが僕の骨…」(中原中也)の詩が頭にリフレインしてきました。

 

IOCは米テレビ局のエージェントなのでは?

昨日、「真夏の東京五輪開催はおかしい」と書いたところ、早速、「Rei 7G」さんらからコメントを頂き、大いに反響を得たものと自負しております(笑)。

そしたら、ちょうど昨日は国際オリンピック委員会(IOC)の特権階級連中が、スイスのローザンヌ本部で理事会を開いて、2020東京五輪の競技日程などを協議して、「陸上の男子50キロ競歩は午前6時、男女マラソンも午前7時の早朝スタートにするなど暑さ対策に配慮したスケジュールに」(7月19日付読売新聞朝刊1面)したとか。

朝6時??? おいおい、ラジオ体操かよ!と思わず突っ込みたくなりました。日本開催なんですよ?間違っていませんか?

何と言っても「配慮した」という文句が気に喰わないですねえ。新聞もテレビもIOCとグルですからね。「勇気」「感動」「友情」「誇り」「威信」…何でもいいんですが、そんな「美名」の下、本質を隠して、どこもオリンピックを批判しないのです。

そもそも、こんな早朝に競技をスタートするのは、アメリカのゴールデンタイムに合わせたい米テレビ局の差し金、意向なんですからね。IOC貴族は、単なる米テレビ局の代理人に過ぎないのです。どれくらいの裏金が動いているのでしょうか?(春と秋の一番いい季節は、プロスポーツのシーズンだということで、五輪日程を真夏にしたこと事態が、最初から間違ってます)

昨日は岐阜県多治見市で、5年ぶりに日本列島で気温40度を超えたそうですから、2年後の東京の夏は、朝6時だろうが、7時だろうが、猛暑は間違いなしです。それでいて、米テレビ局の代理人とグルの日本のマスコミは、やれ「熱中症に気をつけろ」だの、「水を飲め」だの、「日陰で休憩しろ」だのと、うるさい題目を何度も繰り返すだけです。

本質や実情を隠蔽しているのです。

北浦和「ちっきん」 安い、千ベロ焼き鳥居酒屋でした。

◇「国分寺・小金井界隈」

もう一つ、7月1日に書いた「蔽之館~陸軍中野学校跡巡り」に、私も存じ上げない Kokubunji さんという方からコメント頂きました。有難う御座いました。御礼申し上げます。

この方、よく見ると、「国分寺・小金井界隈」というタイトルで、国分寺・小金井界隈で、いまはもう見られない風景などを少しずつ紹介しておられます。なかなか、年季の入ったブログですので、是非、ご覧ください。

コメントのKokubunji をクリックすると出てきますが、この「本文」でもリンクを貼っておきます。

http://kokubunji-koganei.blogspot.com/ ←「国分寺・小金井界隈」

「陸軍北多摩通信所」まで出てきますね。しっかり、足で歩いて取材されてます。ブラボー!

真夏の東京五輪開催はおかしい

最近、個人的なファミリーイベントが続いていました。

あまりにもプライベートなことなので、ブログで世界に公表することも何(ナン)なので控えておりましたが(笑)、小生は本日7月18日、無事○○回目の誕生日を迎えることができました。(あまりにも個人的な!)

嫌いなフェイスブックもやっているため、多くの友人がお祝いのメッセージを送ってくださいました。涙が出るほど嬉しかったです。有難う御座いました。

年齢を語呂合わせすると、耄碌爺さんになるので嫌になってしまいますよ。しかし、お蔭様で、日本の法律により、あのアルチュール・ランボーが天才少年時代から憧れて果たせなかったrentier生活に入ることができ、昨日、やっと事務所に申請に行って参りました。

勿論、日本は少子高齢化の財政不足ですから、rentier だけではとても生活できないので、今の会社にもう少しだけしがみついていく予定です。

とにかく、3年前は病気で死にかけていたので、どうにか、この世に戻ることができてよかったと思っています。

山梨・西沢渓谷 Copyright par Osamu Takada

さて、暑い日々が続いています。

東京都心でも36~38度の猛暑が続き、全国で熱中症(heatstroke)で亡くなる人もおられます。それが、体力の落ちた高齢者ならまだ分かりますが、小学生から20歳代の若者までいるので驚かされます。

昔は熱中症なんて聞いたことがなかったなあ、と思いましたが、私は30年前にそれらしきものに罹ったことがありました。親戚の指導の下、夏休みに静岡県の浜名湖で釣りをしていたのですが、炎天下で、確か、帽子を被っていたはずですが、帰宅すると、熱にうなされながらも意識が朦朧として、しばらく寝込んでしまいました。食欲もなく、しんどかったことを思い出します。あやうく命を落とすところでした(苦笑)。

昔は、気温が30度になるなんて!、と思ってましたが、今や40度時代に入りかけています。信じられません。

それなのに、2年後に、真夏の東京でオリンピックを開催するんですからね!狂気の沙汰です。

そんな中、本間龍さんという元博報堂社員のノンフィクション作家が、「ブラックボランティア 」(角川新書)を出版して異議を申し立ててます。要するに、来る東京五輪・パラリンピックでは、酷暑の中、10万人以上のボランティアがタダで使役され、国際オリンピック委員会の大して働かない貴族の特権階級連中だけがボロ儲けするという構図を理解しようではないかと呼びかけているのです。

オリンピックという美名の下で、多くの無知な人間が搾取されているというわけですね。痛快です。

小生、未読で、書評を読んだだけですが、面白そうです。

 

【追記】「ブラックボランティア 」の目次は以下の通りです。

2020年7月、酷暑の東京。肥えるオリンピック貴族、搾取される学生たち

(目次)
はじめに 酷暑下で展開される未曾有の「やりがい搾取」

第1章 10万人以上のボランティアをタダで使役
無償ボランティアの根拠は何か
なりふり構わぬ学徒動員計画
驚愕の「中高生枠」
薬剤師も無償で調達で大騒ぎに
高齢者は募集対象外?
半世紀以上前に否定されていた夏季開催
19年ラグビーWCまでも無償ボランティアで
長野五輪のボランティア

第2章 史上空前の商業イベント
商業化は84年のロサンゼルス五輪から
IOCと五輪貴族を支えるスポンサーシステム
一業種1社の原則を捨てた東京五輪
組織委の不明朗な体質
パブリックビューイングを開けない「スポンサーファースト」

第3章 ボランティアの定義と相容れない東京五輪
そもそも「タダ」という意味ではない
五輪運営費の内訳に対する疑念
巨額のスポンサー料をなぜ開示しないのか

第4章 東京五輪、搾取の構造
無償ボランティアがオリンピック貴族に貢ぐ構図
「やりがいPR」で再び炎上
無償ボランティアになるためにカネを払う?
さまざまな有償ボランティア

第5章 なぜやりがい搾取が報道されないのか
「全国紙全紙が五輪スポンサー」の異常
組織委の「核心的利益」を追及しないメディア
メディアの東京五輪報道は原発プロパガンダと同根である
電通を批判できないメディア

第6章 問題を伝え続けること
5万人がリツイートした無償ボランティア批判
大学で講義をしてみると

終章 21世紀の「インパール作戦」
東京五輪とインパール作戦の相似性
外国人観光客の熱中症で病院はパニックに
組織委はボランティア全員を有償とせよ

おわりに

五輪日程はふざけている!

ふざけていると思いませんか?

平昌冬季五輪が佳境に入り、メダル候補の日本選手の活躍も始まりました。

そしたら、例えば、昨日12日、高木美帆選手が銀メダルを獲得したスピードスケート女子1500メートルの決勝の開始時間は21時30分、高梨沙羅選手が胴メダルを獲得したジャンプ女子ノーマルヒル決勝は21時50分からですよ!

何で決勝をこんな夜遅くにやんなきゃならないんですか?韓国・平昌と日本は時差がありません。本来なら気温が上がってくれる午後に決勝をやっていいじゃないですか。屋内リンクはともかく、マイナス20度にもなる平昌の戸外で行われるジャンプなぞは観戦する観客も大変です。

その理由は、莫大なテレビ放送権を払った欧州連合の時間帯に合わせたのではないかというのが、専らの噂です。

平昌とロンドンの時差は9時間。平昌が夜中の零時なら、英国は午後3時です。パリ、ベルリン、ローマは8時間。ちなみに、ニューヨークは時差14時間で、韓国が夜中の零時なら米東海岸は午前10時です。

それでも、真夜中に表彰式を見るよりマシってことでしょう。

小生は、最近疲れがたまって夜は早く寝てしまいます。夜11時過ぎまで起きていることはほとんどなし。先日は9時半に寝てしまいました(笑)。よゐこのお友だちなら皆んな早く寝床に入っているはずです。

真夜中になってやっと試合結果が分かるということは、新聞の締め切り時間には間に合わず、私のように田舎に住んでいる人間どもは、朝刊で、日本人の大活躍を読むことができないのです。

おかしいと思いませんか?時差がない国で五輪をやってるのに。。。米国で人気が高いフィギュアスケートも米NBCが放送権を獲得したお陰で、決勝は午前中にやるらしいですね。

こんなこと、朝から晩まで1日中、五輪中継している天下のNHKなんかは決して批判しません。朝日、毎日、読売、日経、東京などの大新聞も、五輪は、販促の良い機会で、飯の種になるので、スポンサーになり、国際オリンピック委員会(IOC)なんかを批判しません。

読者や聴視者には、疑問を持たせないようにすらしています。グルですよ(笑)。

2020年の東京五輪も7月24日から8月9日までと日程が決まっています。よりによって、何で、猛暑の真夏にオリンピックを開催しなけりゃならないんですか?こんな湿度の高い猛暑の東京の街中を走らされる選手もたまったもんじゃないでしょう。生命の危機すらあるかもしれません。

真相は分かりませんが、春や秋のスポーツシーズンには、大リーグやプロバスケットボールなどまさに「ドル箱」競技がひしめき、空いているのは真夏のオフシーズンしかなかったから、というブラックジョークがあります。

何でも欧米中心ですね。

これでは、まるで、15世紀の大航海時代から始まる白豪植民地主義ではありませんか?

少し言い過ぎかもしれませんが、日本人は「国際」が付くと相変わらず、「善の権化」と誤解してひれ伏し、何でも有難いと受け入れがちです。

日本のマスコミもどこも批判しません。

オリンピックの金儲け主義と搾取構造を批判されても、IOC貴族はビクともしないことでしょうけどね。