pleine lune Copyright par Duc de Matsuoqua
またまた、個人的な話ながら、私が所属している通訳団体で、内紛が勃発しています。
1カ月以上前に、会員向けの一斉メールに、ある理事から急に、会長ら一部幹部理事による不正告発と本人の理事辞任の表明があり、それ以来、ほぼ毎日のように、「主流派」と「反主流派」からの激烈なメールの応酬があり、正直、どちらを信用していいのか、真実が分からず、うんざりするほどです。
主流派は「何ら不正をやっているわけがなく、会員メールで根も葉もないことを書くのは不適切だ。第一、理事は、日当2000円と実費交通費しかもらっていない」と主張していますが、反主流派は、観光庁や協賛企業から現役通訳の講師派遣(1回3万円)などの依頼があった際、会員に告知せず、仲間内だけで密室で談合して決めてしまうというのです。他に、外部から通訳の依頼があった時、会員には公募告知するものの、誰にするか「早い者順」というのは建前で、やはり、仲間内で配分しているという疑惑があったり、かつての事務局長を務めた人がセクハラ事件を起こして告訴され、その裁判費用を団体が秘密裏に肩代わりしたりしているというのです。
もし、反主流派の主張することが事実なら、一部幹部による組織の私物化となり、いかがなものかです。
コロナ禍で外国人観光客がいなくなり、通訳の仕事がなくなったことも、この内紛の背景にあるようです。ですから、私は一種の「権力闘争」だと見ています。
私が所属する通訳団体は、1940年創立と日本で一番古い団体ですが、一部幹部による便宜供与独占は今に始まったわけではなく、問題が発覚すると、その度に、反主流派が分離独立して新しい団体を結成している、といった話を漏れ聞いたことがあります。要するにお金の問題です。組織になると、裏社会も含めて、どんな組織でも、一部の上層幹部だけが甘い汁を吸う構造は変わらない、ということなんでしょう。
悔しかったら、幹部になってみろ!ですかね?
今回もトップの方が、過去1年で事務局長2人、外部監事1人、従業員2人を罷免したという未確認情報もあり、お隣の金さんか、プーチンさんのような独裁政権を断行している、というのが反旗を翻した人たちの主張です。本人の自己都合で辞めたのかどうか、確認できないので真相は不明ですが…。
こんなことを書いても、実体は「コップの中の嵐」であって、世間の人には何の関係なく、全く預かり知らぬことでしょう。
何故なら、某週刊誌の友人に、この話を聞いてもらったら、「それは、関係者以外誰も知らない団体だし、不正の金額も週刊誌ネタにしては低すぎる…。一番のネックは、有名人が一人もいないこと。記事にするには難しいなあ」とのこと。
あまりにも分かりやすく、理路整然としていたので、スッキリするぐらい納得してしまいました。
初めてコメントさせて頂きます。通訳団体の内紛、大変公正かつ鋭い分析による文章で感じ入りました。私もあそこで投稿した一人なので複雑なのですが、あそこの団体に長年に亘る不正や不適正な行動があったことは事実です。その体質を変えてゆけるかですが、ご指摘通り今のコロナの状況も悪影響を与えていると思うので、先行きは明るくはないですね。通訳ガイドは確かに世間の耳目を集める力はありません。しかしインバウンドは今の日本の頼みの綱なので、良い展開と明るい未来を信じたいと思います。またご指導委頂ければ幸いです。
テリー様
コメント、誠に有難う御座いました。
貴人こそ鋭いコメントで大変参考になりました。
今回の内紛の導火線に火を付けたのは新型コロナに間違いないでしょう。しかし、かつて、この件の通訳団体は、単なる?親睦団体で、人材派遣業的な通訳紹介はやっていませんでした。というより、数が少ないので、やりたくても出来ませんでした。
それが数年前からのインバウンドのラッシュで、新しく会員になった人も、団体は紹介業だというのが当たり前だと思うようになりました。
しかし、パイは限られているので取り合いです。地方自治体や観光庁からの講師業にせよ、おこぼれに預かった人は、現執行部を支持し、預かれなかった人は反旗を翻した、というのは言い過ぎでしょうか?
「反旗派」に正当性があるなら、もう少し丁寧な言葉遣い(文章)で、何も知らない一般会員の賛同を正攻法で得ればいいのに、暴言を吐いたり、誉め殺しをしたり…、あれではマイナスです。
一方、執行部も「警告書」を発令するなど、敏腕弁護士を使った強権で言論を封殺しています。
もし今の会長、副会長に本当に不正があるのなら、一般会員に分かりやすく説き伏せて、総会の議事委任を獲得するのが良いというのが私の考えです。
追伸
一言忘れてました。
この内紛問題は、他人、つまり裁判所なんかで解決せずに、自分たちで話し合って民主主義的な手続きで解決するべきだと考えています。
渓流斎
高田様、非常にご丁寧に詳しくまた正鵠を射た分析とご返信を有難うございます。ご指摘に賛同いたします。親睦団体から紹介業団体へ、執行部とそこからおこぼれをもらっている人たちの「執行部擁護」とおこぼれにありつけなかった人たちの「反旗」というのもその通りかと思います。反旗派も確かに言葉遣いや感情論など問題があり一般会員の理解や信用を得るには問題があるかと思えます。そして執行部側の警告文などによる言論封殺はもっての他です。自分と立場や考えの違う人たちときちんと向き合い、話し合いのテーブルについて情報共有しながらどうすれば会全体がよくなるか、という観点で前向きな議論を進めてゆくべきだと思います。言語を扱うプロ集団なのですから、紋切り型の裁判所や法令などではなく、できればコミュニケーションの力を信じて可能性を開いていってほしいと思います。目からうろこのご指摘を色々と有難うございます。またご指導の程何卒宜しくお願い申し上げます。