「崩壊 朝日新聞」

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 昨日は、この渓流斎ブログを書いて、校閲して、編集して、出版じゃなかった、オンラインベースに載せるのに3時間も4時間もかかってしまい、我ながら、アニヤッテンノカと思ってしまいました。

 10月から手取り時給わずか◯00円、しかもボーナスなしという日本国家の最低賃金を下回る信じられない仕事になりますから、時間は大切にしなければなりませんね。

 あちらこちらロシア風 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 長谷川熙著「崩壊 朝日新聞」を読了しました。

 著者は、朝日新聞社に1961年に入社し、2014年の週刊誌「アエラ」記者を最後に、この本を書くために退社した人です。53年間、朝日新聞に関わって、禄を食んでこられながら、どうしてこういう批判本を出版したのか、「あとがき」を読んでほしい、と「まえがき」に書いてあったので、「あとがき」を読んでみましたが、それでもあんまり要領を得ませんでした。

 読者としては、少しはぐらかされたような感じでしたが、「なあんだ。極上の愛社精神からこの本を書いたのか」と最後まで読んで、やっと、見破ることができました。

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 私は、昭和史のゾルゲ事件にほんの少し関心がありますので、この本の第2部第2章「尾崎秀実の支那撃滅論の目的」を楽しみにして読みました。風間道太郎の「尾崎秀実伝」を引用して、「尾崎は、アグネス・スメドレーと半ば同棲していた」と断定的に書かれていたので、それはどうかな、と疑問視する点もありましたが、概ね著者の言いたいことは分かりました。。

尾崎は、「中央公論」昭和13年6月号に「長期戦下の諸問題」というタイトルで、前年に勃発した支那事変(日中戦争)について、「今後日本の進むべき道は結局勝つために、まっしぐらに進む以外はないであろう」と主張したことから、著者は、尾崎は和平への打開策を建言するのではなく、中華民国の国民党政府を徹底撃滅するまで戦争を続けよと猛烈な檄を飛ばしている、と結論づけます。

つまり、尾崎秀実は、あくまでも、ソ連を守って強大化し、中華民国の共産党勢力を増大させ、ついでに日本も世界共産主義革命に巻き込もうとしたのではないか、というのです。

そして、最後の第3部「方向感覚喪失の百年」の中の、特に第1章「歴史を読み誤り続けて」は、朝日の報道の歴史を振り返って、ソ連スターリンに阿る報道や、中国共産党に阿って文革を礼賛し、林彪事件をまともに取り上げなかった報道姿勢に対する熾烈な批判を展開されていましたが、それは見事に的を射ており素晴らしかったと思います。

ステファヌ・クルトワら著「共産主義黒書」を引用して、毛沢東率いる中国共産党政権は人民6500万人を虐殺した、と書いておりました。

えっ?6500万人ですか?何かの間違いではないでしょうか?外国との戦争ではなく、国内政権樹立のためだけに、これだけの人民を殺戮するとは…

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 ◇浅田次郎「天切り松 闇がたり」

 浅田次郎「天切り松 闇がたり」の中で、明治の元勲で帝国陸軍軍閥の祖のような山縣有朋元帥は、悪代官か悪の大権現の代名詞のような存在として描かれておりました。(最後は、振り袖のおこんを逃してやりますが)

このように、山懸有朋は、後世の作家らには大変評判が悪く、「多くの妾を囲っていた」だの「全国に別荘を建てまくった(東京・椿山荘、京都・無鄰菴など)」などと、あくなき権力を私腹を肥やすことしか目がなかった最悪の男として描かれることが多いようです。

 それが、この長谷川熙「崩壊 朝日新聞」によりますと、この元老山縣有朋は、1915年(大正4年)に大隈重信首相、加藤高明外相が中心になって、歴史的にも有名な「対華21カ条の要求」を中華民国の袁世凱政権につきつけたことに対して、敢然と反対したというのです。

 これについて、1915年5月6日付の東京朝日新聞は社説で、「孰れにしても元老会議は全然無用なり」などと、元老山縣を無視して、対支那侵略戦争を支持、もしくは助長したというのです。

 山縣有朋はあまりにも毀誉褒貶が多い人物なので、知りませんでしたね。あの山懸だけが、歴史的にも悪名高い「対華21カ条」を先見の明で反対していたとは!これは私も不明を恥じます。

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