ワニノ公民館 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
10月18日に、沖縄県の米軍北部訓練場のヘリパッド建設反対運動をしていた市民らに対して、大阪府警の29歳の機動隊員(巡査部長)が「どこつかんどんじゃ、ボケ! 土人が!」などと発言して物議を醸しています。他に26歳の男性巡査も「シナ人」などと発言していたそうです。
私もこの「土人発言」の様子を、投稿されたユーチューブで見てみました。この映像の撮影者、イコール侮蔑された当人が芥川賞作家の目取真俊さん(56)ということでも少し驚きました。
目取真さんは「最初は『老人』と言われたと思い、自分はそんな年寄りでもないのにと思っていた。それが『土人』だったと後から知り、怒りより呆れてしまった」などと沖縄タイムス紙のインタビューに応えていました。
ここまで物的証拠を撮られてしまっては、「言った」「言わない」の話ではなく、若い機動隊員が、確実に沖縄県民を上から目線で侮蔑的な差別発言をしていたことは隠せませんね。
差別発言をした機動隊員は大阪府警なので、松井大阪府知事が「ご苦労様でした」などと援護射撃し、物議を醸した後の20日にも、「発言を撤回しない」と開き直ったようです。
松井知事は大阪府民が選挙で選んだ公職者ですが、思考の根底に沖縄の人に対する差別観があるのかもしれません。本人に確かめたわけではないので、分かりませんが。
ワニノ公民館 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
こういうことを書いても、若い一部の人や剛腕作家が、「機動隊より、反対派の連中の方がもっと酷い発言をしている。報道しないメディアが悪い」とネットに投稿しております。
体制(エスタブリッシュメント)護持派は、問題をすり替えています。
差別される側でないから、他人事のように野次馬根性で言葉遊びをしているに過ぎないのでしょう。
若いうちはいいでしょうが、年を取れば、そのうち、自分たちの大好きだった体制が、実は、その実態が、人権を無視して、年金まで搾取して、都合の良いようにあしらう羞恥心もない迫害者だったということが分かることでしょう。
その時は手遅れですが。
ワニノ港 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
「若い人」などと一括りにして、批判してみましたが、世の中には色んな人がいるので、そんな抽象的な言葉ばかり使うのも良くないかもしれません。
最近、「空気を読んではいけない」(幻冬舎)を出版した青木真也さんという格闘技家は、33歳ながら、なかなか達観した骨のある発言をしております。
早稲田大学を卒業して、静岡県警に入りながら2カ月で退職して格闘家になったという異色の経歴の持ち主です。子供のときから、人とは違ったことばかりやって、学校の先生からは何度も呼び出され、友達からは仲間外れにされて育ってきた、という体験を同書の中で明かしています。同時に、先生から呼び出された父親が、面談から帰って、息子に対して、「もう先生の言うことは聞かないでいい。自分の信じたことをやれ」とお墨付きをもらうぐらいですから、まるで。「カエルの子はカエル」です(笑)。
この本は5章に分かれています。つまみ食いしますと…。
◆第1章 「人間関係を始末する」
●幸せな人生を生きるために友達はいらない
●凡人は群れてはいけない
●自分の考え方が汚されるから、人と食事に行かない
◆第2章 「欲望を整理する」
●足るを知る
●欲望が散らかっている人間は、永遠に何も手にすることができない
◆第3章 「怒り、妬み、苦しみ、恐れ。負の感情をコントロールする」
●結果さえ出せば、他人はいつでも手のひらを返す
●「殺される」恐怖との向き合い方
◆第4章 「一人で生きていくためのサバイバル能力の養い方」
●不安定に飛び込む
●自分に値札をつける
●負けを転がす
◆第5章 「他人の『幸せ』に乗らない」
●皆にとって価値のあるものが自分にとっても価値があるとは限らない
●一度しかない人生で、世間的な「幸せ」に惑わされている時間はない
どうですか。かなりの変人ですね?(笑)。
この方は、格闘家ですから、色んなパトロンが寄ってきますが、絶対に一緒に食事に行ったりしないそうです。何しろ、人から奢られると、その人に借りをつくることになるからだそうです。
格闘家として「死ぬか、生きるか」のギリギリの所で毎日を送っている人なので、孤独も孤立もなんのその。「友達はいらない」という発言には心底、感服しましたね。
人間の悩みの99%は、人間関係なのですから。