大切なものは目に見えない

ワニノ港 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

NHKスペシャル「マネー・ワールド 資本主義の未来」は、面白くも何ともない、実につまらない漫才師が出てきて、真面目な話をぶち壊しているので、NHKとプロデューサーの品格を疑いますが、まあ、見応えのある番組でしょう。

第一回が10月16日放送で、「世界の成長は続くのか」というタイトルでした。

今や、世界のわずか62人が36億人分の富(3兆円)を独占する超々格差時代なんだそうです。

メモをしなかったので、忘れましたが(笑)、2011年に発覚したスイス最大の銀行UBSのロンドンにいた元トレーダー、クウェク・アドボリ被告による2500億円に上る不正取引を取り上げておりました。アドボリ被告は、懲役4年の刑を服したのか、番組のインタビューに出てきて、「厳しいノルマを課せられ、不正取引をやらざるを得なかった。上司は知っていた」などと発言しておりました。

番組では、英国エジンバラに銅像が立つスコットランド出身のアダム・スミス(1723~1790)の「見えざる手」理論を、資本主義の権化のような扱い方をして、そのアダム・スミス以来の自由な資本主義が250年経過した現在、成長の終わりを迎えたのではないかといった感じで、リードしていました。

漫才師の一人は「いやいや、資本主義は終わっていない。まだまだ希望は持てる」といった楽観論を展開してましたが…。

 ワニノ港 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

昨日22日放送の第2回の「国家 VS 超巨大企業」では、国境を越えたグローバル企業が、ISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項=Investor State Dispute Settlement)を盾にして、国家を訴える裁判が多発している様を報告していました。

狙われるのは弱小最貧国で、例えば、南米のエクアドルを取り上げていましたが、国家予算の何倍もの何兆円も債務を背負ってしまい、そのツケがエクアドル国民に深刻な影響を与えている「事件」を報告していました。つまりは、国民が教育や医療福祉などの行政サービスが受けられなくなったのです。

このISD条項は、早期調印を安倍政権が推し進めているTPP(環太平洋パートナーシップ)にも密かに盛り込まれております。もし、日本政府が裁判に負けて多大な債務を背負えば、日本国民にそのツケが回ってくる危険が潜んでいるわけです。

あと、グーグル、アップル、アマゾン、スターバックスといった米国の超巨大グローバル企業が、「税金回避」のために、あらゆる手段を使っている様も教えてくれました。

アップルは、法人税が高い米国から、12.5%と極端に低いアイルランドに逃げて、実質0005%しか税金を納めていないことを解明しておりました。アップルは、議会で追及されても言い逃れておりました。

このほか、グーグルはフランス、アマゾンがルクセンブルク、スターバックスがオランダへ租税回避しており、世界では総額2400億ドルもの大金が税逃れされているようでした。

よおし、私は、もともと、スターバックスのコーヒーは飲むとお腹が痛くなるので、スタバには一切入りませんが、アマゾンの通販はやめよう。グーグルも使うのやめよう。あ、でも、アップルは今、iPhoneを使っているなあ…(トホホホ)

 ワニノ市役所 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

第3回の「巨大格差 その果てに」は今日23日夜に放送される予定です。

思うに、星の王子さまではないですが、大切なものは目に見えないもんですね。

先日、チラシがポストに入っていて、インターネットのWiーFi設備が、7GBで通常料金が月額3880円のところ980円に値引きすると大々的に広告しておりました。

しかし、下に眼に見えないほど小さい字で、980円の割引が続くのはわずか6カ月だけで、7カ月目からは2600円と書いてあるのです。

しかも、通常2年契約が普通なのに、この会社には3年契約という縛りがあるので、途中解約しようものなら、ヤフーのように莫大な解約金を請求するに決まってます。阿漕な商法です。

やはり、大切なものは目に見えないものです。

“大切なものは目に見えない” への1件の返信

  1. Unknown
     私も同感です。「漫才師」というと、神経過敏な人は「職業を見下しているのじゃないか」という事になるので、渓流齋さんは、わざわざ「つまらない漫才師」と断っていますが、本当にNHKは「つまらないタレント」を、次から次に使いますね。
     「人気があるから」という人もいるかもしれませんが、テレビ局側は「人気タレントにするのは、俺たちだ」という傲慢さが見え見えです。
     「つまらぬ」とは、とるに足りぬ、価値がない、という意味ですが、全くその通りです。
     自分で謙遜して、「つまらないものですが・・・」と贈り物をしたりもしますが、最近のテレビには、そんな謙遜さはゼロです。、むしろ、TVプロディューサーは、視聴者を見下していて(「上から目線」なんて軽薄な言い方は私は敢えてしません)、「見ている人間はこの程度で喜ぶのだ!」とバカにしているのが、透けて見えます。
     その証拠に、「あなたは何も知らないから教えてあげる!」という”教育者気取り”の番組が目立ちます。
     その昔、「テレビは一億人を総白痴化する」と警鐘した評論家が居ましたが、今はその白痴、無知になった視聴者に対して、今度は、逆に「あなたたちは何も知らないから教えてあげる!」になっているのです。「馬鹿にするな!」と言いたいです。
     アホを作り出す機械がテレビ、とはうまくいったものです。

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