天皇陛下も御愛用された時計=銀座・高級腕時計店巡り

 あまり好評ではなかった「銀座 高級腕時計店巡り」企画でしたが、その理由が分かりました。私自身、「世界の三大高級腕時計メーカー」なるものを知らなかったからです(苦笑)。

 それは、古い順に、Vacheron Constantin(1755年)、PATEK PHILIPPE(1839年)、AUDEMARS PIGUET(1875年)でした。

 勿論、銀座ですから、高級腕時計と言われるブランドは、ほぼ全て揃っています。あまりにも沢山時計店があるので、私自身の知識が追い付かなかったのです(笑)。

銀座7丁目 銀座通り「ヴァシュロン・コンスタンタン」創業1755年

 まず、 Vacheron Constantin 。以前は「バチェロン・コンスタンチン」と呼ばれていたそうですが、今は、ちゃんとフランス語読みで「ヴァシュロン・コンスタンタン」です。1755年、ジャン・M・ヴァシュロンによって、フランス語圏のスイス・ジュネーブで創業され、「世界最古」と豪語しています。

 銀座の専門店は、銀座のメーンストリートである銀座通りの7丁目にあり、私も、しょっちゅう、この店の前を通っておりましたが、何しろ、「知識」がなかったもので、全く気が付きませんでした(笑)。よく見たら、「Genève, depuis 1755」と堂々と書かれています。

 1755年(宝暦5年)は、九代将軍徳川家重の時代。この年の11月1日、ポルトガルでリスボン大地震(M8.5~9.0、5万5000人~6万2000人が死亡)がありました。

白鶴 創業1743年

 でも、御安心を。日本には1755年より古い1743年創業の「白鶴」があるじゃないか!あ、ちょっと、ジャンルが違いましたね(笑)。

銀座7丁目「日新堂」(1892年創業)パテック・フィリップ(1839年創業)正規販売店

 次は PATEK PHILIPPE 。「パテック・フィリップ」の読みは昔から変わらず。日本には専門店はないようで、銀座では十数軒ぐらい、「正規販売店」があるようです。上の老舗時計販売店「日新堂」は銀座で1892年に創業されているので、日本でも早いうちから PATEK PHILIPPE の正規販売店になったと思われます。何しろ、明治天皇をはじめ、代々の天皇陛下が御愛用されているといいますからね。

 パテック・フィリップは1839年、ポーランドの亡命貴族アントニ・パテックと時計師フランチシェック・チャペックによって、ジュネーブで創業。この後、時計師はフランス人のジャン・アドリアン・フィリップに代わり、1851年に正式に「パテック・フィリップ」社となります。

 まさに、高級腕時計の代名詞で、安くても500万円ぐらい。1000万円、2000万円は当たり前です。何しろ、文豪トルストイも、楽聖ワーグナーもチャイコフスキーもこの時計を愛用していたと言われますから…。まあ、君も僕も、庶民としては「話のタネ」として楽しむことです。もしくは、これから奮起して、一人50億円で宇宙旅行する前澤友作さんのように大金持ちになりますか?

銀座6丁目 外堀通り「オーデマ・ピゲ」1875年創業

 最後は、 AUDEMARS PIGUET。アウデマース・ピグエットではありません。これを「オーデマ・ピゲ」と読める日本人は、フランス語をかじった人ぐらいでしょう。私もフランス語をかじったので読めますが、 AUDEMARS は、「オーデマ」より「オードゥマール」と表記した方がいい気がしますが、余計なお世話ですね。1875年、ジュール・L・オーデマとエドゥアール・A・ピゲ によって、スイスのLe Brassus ル・ブラッスュ村で創業されました。

 こちらも、世界三大高級腕時計メーカーですから、「売れ筋」は500万円ぐらいです。懐に余裕のある方はどうぞ。

おまけは、銀座6丁目のみゆき通りにあるスイスの「ブライトリング」。1884年創業

 まあ、コロナ禍で職を失って、食べる物さえ困った人たちが、都内の公園で配られる「無料お弁当」に列をなして並んでいる御時世です。先日も新聞に記事が出ていたのですが、池袋の公園では20分で400食分がなくなったといいます。これは、「2008年のリーマン・ショック以来だ」と書かれていました。

 ですから、こんな「銀座 高級腕時計店巡り」という企画自体が、今のご時世では不謹慎だったのかもしれません。

 しかしながら、500万円の腕時計を販売する店がこれだけ銀座に乱立していてもつぶれないということは、それだけ顧客さんがいるということです。つまり、世の中には、500万円の腕時計を買う人がいれば、貯金もなく、公園で無料お弁当配布に並ぶ人もいる。それだけ、貧富の格差が拡大している証左がここにあると言いたい、とブログには書いておきます。

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