今日は、往復10時間掛けて、中部地方に住む友人のお見舞いに日帰りで行ってきました。途中、名古屋で「愛知万博」の看板が溢れており、時間的余裕があればちょっと立ち寄ることができたのでしたが、まさしく、トンボ帰りでした。
友人とは30年来の付き合いですが、去る2月末に、あの長嶋さんと同じような病魔に襲われ、本人曰く、10日間も意識不明の昏睡状態が続いたそうです。まさに九死に一生を得た感じですから、その間、幻覚症状というか、いわゆる臨死体験をしたようです。
彼によると、それは煉獄の苦しみだったそうです。煉獄とはダンテの「神曲」に出てくる、あの煉獄です。地獄ですね。まるで、芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」のような世界だったそうです。若い頃から現在までの自分が走馬灯のように現れ、良心の呵責というか、「自分は一体これまで何をやってきたのか」「人に役立つことをしてきたのか」「傲慢に自分の独りよがりで生きてきただけではないか」…といった様々な呵責に苛まれたそうです。
それでも、「意識不明」の間、家族や医者、看護婦の会話が聞こえてきたそうです。「今日はもう山場だな」とか「危ない状態だ」といった声が聞こえ、自分の体が焼かれそうになるのを必死で抵抗して逃げまくったそうです。そのおかげで、この世に戻ってきたわけです。
それはそれは「死ぬほど怖かった」そうです。「もう2度と経験したくない」と、彼はそれ以上語ることを止めてしまいました。
この話を聞いて、先日見たキアヌ・リーブス主演の映画「コンスタンティン」を思い出してしまいました。見た方はもうお分かりですね。煉獄がリアルに描かれていましたね。
幻覚症状は、ネガティブなものばかりだったので、彼は「これから、明るく前向きに生きるよ」と自分に誓っていました。
彼は今、普通の人以上の努力でリハビリに励んだおかげで、驚異的な、いや奇跡的な回復力を見せています。それが本当に嬉しかった。「往復10時間かけた甲斐があった」と、今日は本当に充実した1日を過ごすことが出来ました。