公開日時: 2005年6月18日
「2 005年1月1日現在7万3500枚突破!ジャズ・アルバムとしては驚異的なセールスを更新中!」という新聞広告に惹かれてつい買い求めてしまいました。
元SPEEDのhiro(島袋寛子)が初めてジャズに挑戦したアルバム「Coco d’or Parfait」のことです。ジャズ・アルバムといえば、1万枚も売れれば「ベストセラー」の範疇に入る。「さすがだなあ」。久しぶりに彼女の歌声を聴いて、色々と昔のことを思い出して、一人感傷に耽ってしまいました。
彼女には一度だけインタビューしたことがあります。とは言っても、SPEED人気が全盛期だった1998年11月、四人のメンバーの一人としてですが。彼女はリードボーカルなのでステージでは前面に立ち、一番目立っていたのに、正直言って、全く印象が薄かったのです。何を聞いても、「うん」とか「はい」と一言二言返すぐらいで俯いてしまう。でも今から思うと無理もない、と納得します。彼女は当時、まだ最年少の14歳だったからです。一番しっかりしていたのは、今タレントとして最も売れている上原多香子ちゃん。現在イラストレーターとして活躍する新垣仁絵ちゃんは芸術家タイプ。今井絵理子ちゃんは、少しやんちゃな感じでした。その彼女はもう一児の母親。歳月の流れの早さには圧倒されてしまいます。
「Coco d’or Parfait」は、鈴木明男ら日本を代表する一流のジャズメンをバックにhiroが「ミスティ」「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」などスタンダードに挑戦しています。日本語歌詞は一曲もありません。ほとんど英語ですが、「ドラリセ」では何とポルトガル語で歌っています。すっかり大人のムードたっぷり、といった感じです。それでも彼女はまだ20歳。若くして成功を掴んでしまうといつのまにか消えてしまう芸能人が多い中、「歌で勝負する」hiroちゃんの場合は、これでよかったのはないかと思います。小さなジャズクラブで彼女の歌声を是非聴きたいものです。