昨日は、冗談半分で「帯広語」などと書いてしまいましたが、本当は、北海道は殆ど方言がなく、イントネーションも東京と変わらないのです。
そこを付け込んだ業者がいることを、今日の北海道新聞の記事で初めて知りました。
方言がないことをいいことに、本州の特に東京の大手企業が「コールセンター」を北海道に移転しているというのです。札幌市も「雇用促進」になるからといって、2000年度から総額2億8000万円の補助金をつぎ込んでいるそうです。
何が問題なのか。
その前に「コールセンター」とは何かを説明しなければなりませんね。要するに、簡単に言えば、苦情処理係りです。見知らぬ人間から、居丈高に、時には罵声や怒鳴り声を浴びなければならない、あの苦行です。信用だけが大切だが、苦情が多い食品メーカーや保険会社、クレジット会社などが特に必要としている部署です。
しかし、その本拠地を東京に置いていては、お金が掛かりすぎる。そこで目を付けたのが「人件費が安く、方言が少ない」北海道だったのです。道の補助金制度のおかげで、道内には現在44社のコールセンターがあるそうです。
例えば、Aさんが買ったチョコレートの一部が溶けていて不良品状態だった。文句を言うために、東京の電話番号を回すと、いつの間にか、そして全く知らぬ間に、電話は転送されていて札幌の人と話しをしていたというわけです。
問題なのは、そのコールセンターのひどい労働条件です。トイレにも気兼ねしていけない。給料が安く、出勤日も指定されるので、月収が10万円にも満たない人がいる。仕事にやりがいがあればまだ我慢できるが、いきなり理不尽にも怒鳴りつけられれば、離職したくなるのは当たり前でしょう。上司もあまりにも人が替わるので名前が覚えられず、ついに、オペレーターを番号で呼ぶそうなのです。これでは、鶏のブロイラー場ではありませんか。
大手企業のほとんどは「人件費が安いから北海道でやらせてるんだ」と開き直っているそうです。これでは、明治以来、「開拓」「殖産」の美名の下、実態は内地による植民地政策と殆ど変わらないのではありませんか。まあ、百年やそこらでは日本人の心性など変わるはずがないのでしょうが。
【昨日の答え】
①なした?(どうしたの?)
②ゴミ投げていいですか?(ゴミ捨てていいですか?)
③バスタッチ(バスターミナル)
④しゃごむ(座る)
⑤(病院で)こわいですか?(辛いですか?)