リタ

ハリケーン「リタ」が、米大陸に接近し、ルイジアナ州、テキサス州などに甚大な被害を催すことが予想されています。「カトリーナ」の惨事の全体の被害状況がまだ把握されていないというのに、またまた、ハリケーンがやってくるなんて、本当に弱り目に祟り目です。

「リタ」と聞いて、すぐ、ビートルズの名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に収録されている「ラブリー・リタ」を思い出しました。今回は、とても、ラブリーではないでしょうね。テレビなら、ニュースのBGMにこの曲をかける放送局があるのかしら、と思いましたが、そんな不謹慎なテレビ局はないようでした。

何しろ人命がかかっています。ブッシュ政権も、さすがに非難を浴びました。まあ、当然でしょう。被害の遭った三日後にやっと対策本部が動き始めたのですから。今回の最大の被害層は、黒人の貧民層でした。テレビで援助を求めていた人々も、スーパードームに駆け込んだ人々のほとんどが黒人でした。まるで、棄民扱いでした。老人ホームでも何十人もの人が亡くなりましたが、恐らく、職員はわれ先に逃げたのでしょう。

それにしても、ここ数年と比べても、台風やハリケーンによる被害は甚大です。ある説によれば、日本近海の太平洋とメキシコ湾の海温が、地球温暖化の影響で29度と異様に上昇して台風やハリケーンが発生しやすくなっているようです。

結局、人間が蒔いた種ということでしょうか。それなのに、米ブッシュ政権は、京都議定書に署名することを拒否しています。この議定書の要旨は、温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量を、1990年比、日本は6%、アメリカ7%、EU8%削減するというものです。

地球という自然が人類に警告を与えているとしたら、素直に、その警告に耳を傾けるべきではないでしょうか。世界の超大国アメリカが、意外にも脆弱で、被害を受けていることに関して「自業自得」という人もいますが、冗談ではなく、このままではアメリカ大国は、自然の報復によって崩壊しかねません。

せめて、効率優先、自由資本主義経済優先、といった意識を少しだけ変えれば、生き残る道があるはずです。具体的にいえば、地球温暖化に直結する二酸化炭素の排出を減らすー自動車などの使用を控える。私はそう思いますが、「車社会」のアメリカではそれは不可能なのでしょうか。

リタのことを書いていたら、アメリカのテキサス州の某都市に住む親友から、メールが来ました。まさに、現地でしか分からない生の最新情報なので、ここに載せたいと思います。なお、彼には許可を得ておりません。少しだけ、変えております。無断拝借、怒らないでね!

ハリケーン「リタ」は、昨日「カテゴリー5」から「4」に格下げとなり一時程の脅威は減ったが、現在でも風速135マイル(瞬間強風は161マイル)と強大で強力な状態でテキサスとルイジアナ州境近くに上陸する見込みだ。
新宿の朝と同じ臭いがしたジャズの街ニューオリンズではまたもや低地部分への浸水が起こっている。テキサス州の最大都市ヒューストン東部の湾側住民に退去命令が出され、ダラスやサンアントニオを目指して百数十万人もの人々が避難している。

ニュースによれば、避難途中の介護の必要な老人ホームのバスで火災と爆発が発生して20人程度の死者が出たとか。通常ならヒューストンからダラスまで車で4時間強なのに、24時間以上ドライブしても未着という渋滞。車中泊で食事もままならずガソリンの浪費ばかりが嵩み、人々は疲労困憊の状況だ。

当地への「リタ」の来襲は明日か明後日になり、威力も「カテゴリー1」に弱まるだろうと予測されているので、強風によるダメージと停電を心配する程度かなと思っている。今から氷と 水を買いに行くつもりだ。

“リタ” への4件の返信

  1. 徒歩20分の長距離

    「こんな遠い所まで歩くつもりなの?!」
    ボストンに出かけた時のこと。道を尋ねた相手に行き先を聞かれ、持っていた地図見せてここに行くんだと言ったら、ひどく驚かれた。
    「こんな遠い所」と相手は言うけれど、歩いてたった20分ほどの距離。アメリカ人って本当に歩か

  2. 徒歩20分の長距離

    「こんな遠い所まで歩くつもりなの?!」
    ボストンに出かけた時のこと。道を尋ねた相手に行き先を聞かれ、持っていた地図見せてここに行くんだと言ったら、ひどく驚かれた。
    「こんな遠い所」と相手は言うけれど、歩いてたった20分ほどの距離。アメリカ人って本当に歩か

  3. Unknown

    アメリカに住んでみると、この国が京都議定書に署名できない、というかする気がない理由がよく分かります。
    スーパーではリンゴ2個買っただけでもビニール袋を2重にして入れてくれ、ファストフードでは大量のナプキンやケチャップや砂糖がついてきます。トイレには必ず手拭用のペーパータオル。日常生活の中に、資源の無駄遣いという意識は一切ないように思えます。
    車は、田舎では道路の反対側に行くにも車に乗るそうです。治安の問題で、道路をフラフラ歩いていると危険でもあるらしい。でも都会でも、人に道を尋ねたときに、行き先を聞かれて答えたら「そんなに遠くまで歩くのか!?」と驚愕されました。徒歩でたった20分くらいの距離だったんですが(笑)。普通ではなんでもないような坂でも、太りすぎてとても歩けないという人も多いようです。
    アメリカ人がこういう生活を変えれば、それだけで地球温暖化など解決できそうにさえ思えます。でも、この人たちに意識を変えろというのは、革命を起こすに等しいのかもしれません。

  4. 巨大ハリケーンと地球温暖化の関係

    カトリーナに続く巨大ハリケーン「リタ」がアメリカ南部に迫っています。
    前回大きな被害を受けたルイジアナ州とテキサス州の州境に上陸する見込みということで、既に前回大きな被害を受けたニューオリンズでは堤防を越えた水が再び市内に流れ込んでいるようです。
    さらに.

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