今日は終戦記念日。日本人が1年に1回、あの戦争について思いをはせる日です。
新聞各紙でも色々と特集していました。ざっと、目を通したのですが、一番興味深かったのは、作家・半藤一利さんの発言です。(朝日新聞)
「陸海軍人の死者は約240万人だったが、そのうち実に7割が餓死だった。食糧の補給がなされず見捨てられた、無残にして無念の死である。彼らを見捨てたのは誰か。軍中枢の大本営、つまり日本国家だ。その数、実に160万人以上。『英霊』のこうした悲惨な実態はほとんど知られていない」
「軍人の約240万の死者のうち、遺骨が戻ってきたのは124万5千人にとどまっている。残りは、今もジャングルで野ざらしになっている」
終戦間際になって、逸早く、激戦地からチャーターした飛行機で逃げ帰ったのは、軍の幹部、将校連中でありました。部下を見殺しにして、自分たちだけが戦後ぬくぬくと生き延びたのです。
組織の幹部の体たらくは、戦後、高度経済成長を遂げた企業という組織でも、結局、踏襲されました。
甘い蜜を吸うエリート連中は、とても信じられたものではありません。
日本人はそういうエリートを作るのが大好きなのです。
しかし、先の戦争で軍国主義者や一部エリートのみが責任があり、一般大衆は被害者で、何ら責任がなかったという歴史観が蔓延していましたが、ジャーナリストのむのたけじ氏は、「軍人や憲兵より怖かったのは、親兄弟や親戚や隣組などから『非国民』と言われることだった」と述べています。
戦後61年となり、戦争体験者がいなくなりつつあります。問題の奥深さがこの辺りにあるように思われます。