小樽
サッカーJリーグ横浜の監督を先頃辞任した岡ちゃんこと岡田武史氏は、退任会見で「勝負に対するこだわりがなくなってしまったから」と理由についてこたえていました。
勝負師の世界で最も大切なことは、やはり、勝利へのこだわりなのでしょうね。
辞任前に周囲にこんなことを漏らしていたそうです。
「人間には心がある。科学がどんなに進歩しても解決できないこともある。倫理的に話せないこともある」
彼の苦悩を垣間見た気がします。
彼が20代の現役の頃に、私は彼に会って話をしたことがあります。彼は、古河工業のDF、いわゆる当時スイーパーと言われたポジションで日本代表のキャプテンを務めていました。
今でこそ、W杯に出場したり、日本でもサッカーは大ブームですが、当時はマイナーもマイナーで、一部マニアだけが熱心に観戦している時代でした。
彼は、試合ではコンタクトをしていましたが、試合後は、牛乳瓶の蓋のような厚い眼鏡をかけ、ひょろひょろと痩せていたので、とてもサッカー選手にはみえず、どこかの大学の助手に見えました。まあ、サッカーフリークで、サッカーのことばかり話をしていましたが…。
彼がW杯の日本代表監督になった時、本当に驚きましたが、カズを代表から外したり、情を挟まない冷徹な人選や采配については、感服したものです。恐らく、周囲からのプレッシャーや脅迫は相当なものがあったのでしょうね。「コーチや選手を切ったりするのにも疲れた」と漏らしていたそうです。
まあ、これは、スポーツの世界だけではないでしょうが…。
とにかく、岡ちゃん、お疲れさまでした。