新首相には

蓋を開ける前からすでに結果が分かっているという勝負では、歴史上のどんな優秀な胴元でも賭場さえ開くことができなかったでしょう。第一、客が集まらないわけですから。

しかし、智に長け、利に聡い輩たちが、早くもミツバチが蜜を追い求めるように利権ポストに群がり、献金活動に邁進している姿は浅ましさを通り越して見苦しい限りです。

そもそも、国民の皆様はこの異常事態をどこまで理解しているのでしょうか?人気だけは最期まで落ちなかったキャッチフレーズ宰相の禅譲という鶴の一声で決まった人に日本のすべての将来の舵を託して果たしていいものでしょうか。議員歴13年で、党の重要ポストと閣僚は通過したものの、まだ大臣経験さえもない若い三世です。

A級戦犯容疑者の孫で、苦節三十年の末に志半ばで倒れた父親の雪辱を胸に登場した彼の野心は、憲法を改正して教育基本法を改正して「美しい日本」をつくることです。つまり、集団的自衛権を認めさせて、国内海外での自衛の下での武力行使を可能たらしめて、お国のために見事散ってみせる子供たちを養育する勅諭を教え込ませるつもりなのでしょう。

すべての国民がそれが分かっていて、過半数が賛同すれば大義名分は果たせます。しかし、フリーターやニートに陥っている若者たちが将来戦場に行くかもしれないのに、自民党を支持する理由がさっぱり分かりません。現状に不満がないのでしょうか。

「安倍政権は短命で、来夏の参院選の惨敗の責任を取って下野する」という評論家もいます。党員ではなくて総裁選の選挙権のなかった国民が真意を表明する機会を逃してはいけません。

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