ガルーダとナーガ

銀座・和光


昨日は、「インドに行こう」などの著書がある山本悦夫さん(アジア民族造形文化研究所教授)をゲストにプレスセンター9階で開催された「おつなセミナー」に列席しました。8月末で渋谷のおつな寿司がなくなってしまい、プレスセンターに会場が変更になって3回目ですが、私はプレセン初参加。寿司屋の2階で車座になってワイワイやっていたのと違い、机と椅子にきっちりと座って、何か会議のような感じで、随分堅苦しくなってしまいました。


銀座・和光


テーマは「ガルーダとナーガ」。山本さんとはもう10年以上前にお見知りおきを戴き、ご自宅にまで遊びに行ったこともあり、その度にガルーダの話はうかがっていました。でも、正直、どうもイメージが湧かなかったのですが、今回、スライドを沢山見せていただき、初めて、ガルーダとは何か、大まかなことを攫むことが出来ました。


インドネシアにガルーダ航空があるくらいですから、私自身、ガルーダの発祥地はインドネシアなのかと思っていたのですが、その歴史的起源は何と、今から約5000年前、紀元前3000年頃のメソポタミアにまで遡るというのです。「鳥」と「蛇」を、対立する宇宙の二大要素とする哲学思想が生まれました。大雑把に言って、「鳥」は天と空を支配し、遊牧する民の守護神となる。「蛇」は大地と水を支配し、漁撈や農業に従事する民の守護神として崇められる、といった考えです。


この「鳥」がガルーダ、「蛇」がナーガというわけです。この思想は、神話として、東へには、インドに伝えられ、ヒンドゥー教や仏教にまで取り入れられ、東南アジア、中国、韓国を通って、日本にまで伝えられます。西へは、ギリシャ、ローマに伝わり、それがヨーロッパ全体からアメリカ大陸にまで伝播していくのです。


インドでは、ナーガ(蛇)は、カスパヤ神の第一夫人カドルの子供。ガルーダ(金翅鳥)は、カスパヤ神の第三夫人ヴィナタの子供。カドルとヴィナタは姉妹なので、ガルーダとナーガは異母兄弟となります。


ヒンドゥー教では、ガルーダは、ヴィシュヌ神とラクシュミの乗り物ということにもなっています。このヴィシュヌ神とラクシュミは夫婦で、ヴィシュヌ神は仏陀、ラクシュミは吉祥天と言われています。


ついでながら、仏教では、ガルーダは迦楼羅(かるら)と呼ばれ、奈良県興福寺に、頭の部分が鳥で胴体が人間の迦楼羅像があり、京都の教王護国寺の胎蔵曼荼羅にも右下に二体、迦楼羅が描かれています。ナーガは、摩睺羅迦(まごらか)です。


日本では、この迦楼羅は、修験道として天狗の元祖になったという説もあります。


見えてきました


西に伝わったガルーダは、ギリシャ神話で、ヘルメスの持つ杖(ケリュケイオンまたの名をカドゥケウスhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3



 


となります。ヘルメスは最高神ゼウスとマイアの子で、旅人や商業の守護神です。この「商売の神様」ということをよく覚えておいてください。



 


ヘルメスは、ローマ神話ではメリクリウスとなり、英語のマーキュリーとなります。このマーキュリーは水星とか水銀という意味で使われますね。中世の錬金術書に「ヘルメスの勝利」という本がありますが、何か関係がありそうです。



 


ガルーダとナーガのアイコンには、鳥のガルーダが蛇のナーガを食べようとしたり、ナーガがガルーダに巻きついたり、しています。互いに争っているようですが、異母兄弟なので、殺し合いにまでは発展しません。どちらも善にも悪にもなるという二面性があるわけです。


ガルーダとナーガは、中国では、「鳥と蛇」が「鳳凰と龍」になります。この思想も、日本に入ってきました。


また、日本神話に登場する八咫烏(やたがらすhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%92%AB%E7%83%8F)と神社の注連縄は蛇を連想するということで、これらの関係も今後の研究課題になりそうです。


さて、明治以降、西欧思想を積極的に取り入れた日本に、ガルーダは、ヘラクレスの杖、つまり、「商売の神様」として、本来のメソポタミアの思想やインド思想とはかけ離れた形で取り入れられました。


 あった!「ガルーダとナーダ」だ!


一橋大学の前身は、初代文部大臣森有礼が創設した私塾「商法講習所」、後の商業高等学校です。ですから、校章にガルーダとナーダが使われています。もっとも、同大学ではこの校章を「マーキュリー」http://hit-u.ac.jp/guide/other/emblem.html と読んでいますが…。

インド、東南アジアには何十回にも出掛けている山本さんの、フィールドワークには頭が下がります。日本橋の「三越」本店や、銀座4丁目の「和光」にもこの「ガルーダとナーダ」のマークを発見して写真に収めています。私も早速、和光のマークを見てきました。こんな身近な所に「商売の神様」がいたとは夢にも思いませんでした。

最後に1つ。私の見解です。


ガルーダの鳥は、概ね「鷲」をさすそうです。インドネシアやタイの国章にガルーダが使われていますが、鷲といえば、アメリカ合衆国の象徴であり、米国の国章にもなっています。さて、ガルーダの発祥地は、メソポタミアです。メソポタミアは、現在のイラクのことです。ガルーダが究極的に行き着いたアメリカが5000年後の21世紀になって、大本のイラクを爆撃して支配しようとするなんて歴史の皮肉に思えませんか?

 

 

 

“ガルーダとナーガ” への1件の返信

  1. Unknown
    面白いですね でも納得します。

     蛇は水神 水は女性の意

      然別湖には 白蛇姫さん白龍さんがいます

     他にもいろいろ。。。

     最近きいた話では 自然の神様には 三通りの主な働きが あるそうです。

     天狗系 龍神系 稲荷系 

     

     よく神様のお使いと言われている方たちですね。

     

     鳥 カラスも 古代から 重要な意味があります。

     壁画や ナスカの地上絵にも 書かれていますが

     やはり 神様 あの世とこの世を繋ぐ動物などと

     言われています。 神社の鳥居も その意味ですよね

     本当に 国がちがっても 繋がっていることばかりです

     そして 実は凄い意味や 働きが本当にあるんです。

     

     

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