「昆虫力」

また、ラジオの聞き書きです。

「昆虫力」(小学館)などの著書がある赤池学さん(1958年、東京都大田区生まれ)のお話です。

昆虫といえば、どうしても軽くみられがちですが、人間なんかより、遥かに大先輩で、意外と知られていない高度の「技術」を持っているのです。人類の歴史が、500万年、せめて1000万年まで遡ることができるとしても、昆虫は、何と3億年の歴史があるのです。しかも、何度かの大氷河期など気象の天変地異を経験してきて、そのまま生き残ってきた種もあるそうです。地球の全生物の実に75%が昆虫で占められているそうです。その数は200万種。まだまだ未解明な部分が多く、1000万種はあるとも言われています。

昆虫の研究がまだ発展途上なのは、昆虫の多くは、アジアに多く棲んでいるためです。欧米では、その種類が意外と少ないのです。日本では、「ファーブル昆虫記」は有名で、知らない日本人はいないほどですが、本国フランスでは、ほとんど知られていないそうです。ヨーロッパ人は、日本人ほど虫とともに生きてこなかったということでしょう。日本人なら、夏に昆虫採集したり、秋には、キリギリスやコオロギの声を聞いたりして、昆虫と身近に生きてきました。

最近の研究では、昆虫の驚くべき「力」が発見されつつあります。例えば、あの蛆虫は、大変不衛生の所にいても、病気に罹らない。なぜだろう、と調べてみると、自ら「抗菌性のたんぱく質」を生み出していることがわかりました。この抗菌性たんぱく質を何かに利用できないか、現在、研究中です。

また、蚕には、休眠細胞があり、この細胞をガン細胞に移植したら、がん細胞の繁殖を抑えられるのではないかという研究も、岩手大学で進んでいるそうです。これまで、やたらと、抗生物質を投入して、健康な細胞まで、「破壊」していたのですが、この研究が成功すれば、ノーベル賞ものではないでしょうか。

 

“「昆虫力」” への1件の返信

  1. 「昆虫立国」

    明けましておめでとうございます(笑)
    今日の伊集院光日曜日の秘密基地での、竹内香苗アナの新年の挨拶より半日遅い新年の挨拶となってしまいました。
    ずーーーーっと更新をサボっていて、ネットにもちょっと疎遠になっていたのですが、その間も多数の方にご訪 …

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

旧《溪流斎日乗》 depuis 2005 をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む