「族譜」 


青年劇場の宮部さんのお導きで、同劇団による「族譜」を見に、はるばる六本木の俳優座劇場にまで出かけていきました。無理をしてでも見に行ってよかったですね。本当に感動しました。何度も涙が流れてきて、困ってしまいました。「ボーン」とは感動の度合いが違いました。

原作はトップ屋から作家として活躍し、45歳の若さで急死した梶山季之氏、脚本演出は、俳優からシナリオ作家に転じたジェームス三木氏。

テーマは重いです。創氏改名という大日本帝国政府が植民地同然だった朝鮮民族に対して行った歴史的事実を扱っています。700年もの血統と両班だった祖先を持つある朝鮮人の地主とその民族としての誇りをズタズタに切り裂いた当時の下級官僚が狂言回しの役割で登場します。

梶山氏は、創氏改名を苦にして自殺した全羅北道に住んでいた実際の人の話を元に小説に仕立てたそうです。族譜というのは、韓国朝鮮で、一族代々の当主が、家系図とともにそれぞれの時代の出来事を書き残して、子孫に伝えるものです。

梶山氏自身は、朝鮮総督府の官僚の子息として昭和5年にソウルで生まれています。戦争中は、子供だったので、直接の加害者ではなかったとはいえ、植民地支配下だった朝鮮に対して日本人が行ってきたことについては、ずっと「原罪」として意識し続けて、作家として作品を書き続けてきたそうです。

作品の粗筋は書きませんが、今、書いたことで、大体、内容は斟酌して頂だけると思います。日本人として、この舞台は、カタルシスがありませんが、多くの人に見てほしいと思いました。本当によくできた作品です。青木力弥、佐藤尚子、船津基、葛西和雄…役者さんも本当に素晴らしくよかったです。

来年、青年劇場は、この作品を全国で再々演するそうなので、頭の片隅にでも入れておいてください。(少し宣伝になってしまいました)

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