松浦壮監修「はじめてでもわかる量子論」(ニュートン新書、2023年7月10日初版、1100円)を読了しました。この本は、Newton別冊「知識ゼロから理解できる 量子論の世界」(ニュートンプレス、2023年5月10日初版、1980円)と同じ出版社(今年10月、ニュートンプレスは朝日新聞出版に買収され傘下となりましたが)なので、内容は全く、とは言わなくても、ほぼ同じでした。でも、体よく復習することが出来ました。Newton別冊は判型も大きく、カラー図版を多用しているので、素人にはより分かりやすかったでしたが、新書は何度も読み返して教科書のように使える利点があると思いました。
Newton別冊については、このブログで過去に二度ほど取り上げております。
・2023年9月13日=「量子論の世界」に挑戦しています
・2023年9月23日=「状態の共存」と「量子のもつれ」を利用した量子コンピューター=Newton別冊「知識ゼロから理解できる 量子論の世界」
内容が同じということで、上と同じようなことを書いてしまってはつまらないので、何か他のことを書くことにします。例えば、「状態の共存」です。これは、「一つの物体が同じ時刻に複数の場所に存在できる」という理論でしたね。仮想の箱の中で、1000万分の1以下のミクロの素粒子(電子)が観測後に左側にあることが結果的に分かったとしても、「もともと電子が左側にあった」わけではなく、「左右両方に共存する状態」が観測によって「左側に存在する状態」に変化したと捉える、ということでしたね。
今回、新書でこの「状態の共存」をもう一度読んだ時、前回は雲をつかむような話でほとんど理解できなかったのに、よく分かるようになりました。つまり、普段の日常生活の中でも「状態の共存」がよくあるのではないか、と思ったのでした。これは、邪道で本来の科学的見地からかけ離れていることを最初に断っておかなければなりませんが(苦笑)、例えば、「左右両方に共存する状態」というのは、Y字路で、道に迷って、左に行こうか右に行こうか、どうしようか思案している頭の中の状態ではないか、とか、同窓会に参加しようか、しまいか迷っている状態が共存しているということかもしれない、とか、もしくは、アパレルショップに行って、青い服にするか白い服にするか思いあぐねている時、そんな時こそ「状態の共存」と言えるかもしれません。多分違うと思いますが(笑)、例えばの話だとしたら、理解の範疇に収まると思っております。「生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ」と悩むハムレットも、「状態の共存」だとしたら、分かりやすい(笑)。
あまり素人が印象的なことを書いてはマズいと思いますが、ともかく、量子論は今後、量子コンピューターを筆頭に、レーザー光線、超感度センサー、半導体、スマートフォンなどに応用、利用され、今後ますます研究が飛躍的に進んでいくことは間違いありません。
前回のブログにも書きましたが、量子論は、量子力学、量子化学、量子生物学、量子宇宙論と学問分野が末広がりです。私も、もっと若ければ、全てをご破算にして、量子論を専攻する学生になりたいぐらいです。それぐらい魅力がありました。