延暦寺で秘仏本尊「釈迦如来像」特別御開帳

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

HNKラヂオの昼間の憩いです。

本日は晴天なり。滋賀県大津市にお住まいの大津農林水産通信員からのお便りです。

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

渓流斎主筆の労力を少しでも和らげようと、本日は、伝教大師・最澄が建てた「延暦寺」に行って参りましたのでご報告させて頂きます。

◇秘仏本尊「釈迦如来像」
ご案内のように「延暦寺」は延暦7年(788年)に比叡山に建立されましたが、境内の「西塔(さいとう)」では今月10日(日)まで、33年ぶりに秘仏本尊「釈迦如来像」の「特別御開帳」と、比叡山内で最も古い建造物の釈迦堂の「内陣特別拝観」が行われているので拝観してきました。

仏さまが祀られている聖域の内陣には、平素も限られた僧侶しか入れず、勿論、一般にはこういう機会でないと入ることはできません。

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

特別御開帳の「釈迦如来像」を守るように、東西南北に「四天王像」が並び、内陣の四つの扉も今回初めて開扉されました。
今年10月から、この御開帳は始まりましたが、紅葉の季節は、西塔・釈迦堂前は長蛇の列だったそうですが、今日は平日で、その時期も過ぎたので、人出も少なくゆっくり御開帳の時間を過ごせました。

延暦寺境内での、ボランティアガイドさんによると「恐らく今週末の12月9日(土)、10日(日)は、御開帳も最後となるので相当な人出になるでしょう」と話してくれました。
そして「京都市内と違って延暦寺や近江、滋賀のお寺、神社にはアジアの旅行客はそれほど増えていませんが、この静寂さも、いつまで続きますかね」と、まだ、騒がしい”外国人旋風”が吹いていないことを教えてくれました。

◇特別御開帳の有り難み
”花のお江戸”では、「運慶」展が大変な賑わいだったそうですが、主筆も行かれたのでしたね。以前、京洛先生も「絶対秘仏」のことについて、この《渓流斎日乗》で紹介されていましたが、「特別御開帳」「特別御開扉」は、美術館や博物館での陳列、展示と違って雰囲気が全然違います。お線香、お香の匂いが漂う中、数百年、千年以上の秘仏を拝むのですから、その有難味は比べようがありません。

◇217年ぶりの御開帳
実に217年ぶり、2008年に御開帳された、和歌山の「粉河寺」本堂の「千手観音像」などは、人間の一生のうちに、拝むことはとても無理な話です。

比叡山延暦寺 ©️Ohtsu

最近、週刊誌が、浅草寺の「仲見世」商店街の家賃が16倍に大幅に値上がりになる、と報じましたが、お読みになりましたか?
主筆もご存知のように「浅草寺(聖観音宗)」のご本尊は、飛鳥時代、推古天皇36年(628年)の早朝、江戸浦(隅田川)に漁撈(ぎょろう)中、はからずも一躰の観音さまのご尊像を得たのが起源です。
そして大化元年(645年)、勝海上人(しょうかいしょうにん)がこの地で、観音堂を建立、夢によりご本尊を「ご秘仏」と定められ、以来、今日まで、この伝法(でんぼう)の掟は厳守されている、というのが寺伝です。

◇「絶対秘仏」は住職、管長すら見られない
文字通り、観音像は「絶対秘仏」です。「お前立ち」は、一年に一度、特別御開帳されますが、ご本尊は「絶対秘仏」で、住職、管長ですら目に触れることは出来ません。
俗な話で恐縮ですが、この際、何処かの新聞社、テレビ局が「浅草寺」に掛け合って、「2020年東京五輪開催記念」として、この「絶対秘仏」を「超特別御開扉」として拝める機会を設ければ、大変な話題になって凄い賑わいになると思いますよ。
家賃、地代の値上げなど、吹き飛び、周辺の商店街も大繁盛、東京五輪も大いに盛り上がるでしょう。罰当たりな考えですかね?

◇善光寺は6年に1度
ちなみに、信州の「善光寺」は、6年に一度、ご本尊の「阿弥陀三尊立像」のお前立ちの特別御開帳をしていますが、浅草寺のご本尊のお前立ちの「特別御開帳」は、今月13日(水曜)午後2時から、一年に一度だけ拝めます。皆さんも足を運ばれては如何でしょうか?

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