大阪の浪華先生です。ご無沙汰しております。
東京は此処へきて気温が上昇、暖かくなっているようですが、関西は寒さがおさまりそうではありませんね。少し温かくなったか、と思うと、すぐ、小雪が舞い散り、春はやはり奈良の「お水取り」が終わらないとやはりダメです。「梅は咲いたか、桜は、まだ、かいなあ!」とは、よく言ったものです。
東京は東京国立博物館で「仁和寺」特別展が開かれているようですが、こちらは、大阪・中之島の大阪市立東洋陶磁美術館で、日中国交正常化45周年記念と開館35周年記念と題して「唐代 胡人俑(こじんよう)」特別展(3月25日まで)が開催中です。
2001年に甘粛省慶城県で、唐の時代の遊撃将軍と言われた穆秦(ぼくたい)のお墓(730年)が発見されました。お墓から出土、発見されたのは、極めてリアルでエキゾチックな、胡人や交易に使われたラクダ、馬などを描いた陶製の副葬品で、今回、それらのうち、慶城県博物館所蔵の貴重な、60点が中国から運ばれて、特別展として展示されています。
「胡人(こじん)」は、漢民族にとっては異民族であり、中央アジアを中心に活躍したソクド人らを指します。
唐(618年~907年)の時代、シルクロードを使って、唐の都である長安と、西方文化の交易に大きな影響を与えたわけですが、これらの作品を見ると胡人が漢人からどう見られていたか、よく分かります。
実物を直かに見ると、何とも言えない、ユーモアや人間味が感じられ見惚れました。大胆に異民族をデフォルメして、今、見ても、唐代の人が、胡人に感じた怖れや違和感、彼らのバイタリティを巧みに表現、それらをひしひしと感じ取れました。人物だけでなく、駱駝や馬も、活き活きと描かれていて、渓流斎さんも、ご覧になると、きっと「極端に誇張されているようにみえて、本質を迫っていますね」と礼賛されると思います。
残念ながら、東京では開催されません。もし、ご興味があれば「大阪市立東洋陶磁美術館」のホームページを検索されて、その中で動画の「黄土の魂 唐代 胡人俑の世界~生を写して気満ちる」(約15分)をご覧になると歴史的な経過などが分かることでしょう。
この展覧会では、フラッシュさえ使用しなければ、写真撮影もOKでした。珍しいですね。
小生は、紅色が鮮やかな「加彩女俑(唐 開元18年 西暦730年)」と、泣いているようにも見え、両手、両膝を地面に付けている「加彩跪拝俑」(同)の二点をデジカメで寫してきました。ご覧ください。