昨日、2月25日(月)の「安倍首相の一日」、いわゆる「首相動静」欄に以下の記述がありました。
午後7時36分、東京・銀座の鉄板焼き店「銀座うかい亭」着。時事通信社の大室真生社長、渡辺祐司常務取締役らと会食。同9時45分、同所発。同10時2分、私邸着。
おー、あの「うかい亭」ですかあ。一昨年11月にトランプ米大統領が来日した際、首相官邸のお導きで会食した高級鉄板焼き料理店です。安倍首相もよほど気に入ったとみえますが、またのご利用です。場所は東京・銀座の時事通信本社ビルの1階でした(笑)。
それにしても、マスコミのトップの人間が、時の最高権力者と会食するのは如何なもんでしょうかねえ。一体、どんなお話をするんでしょうか。前日に結果が出た沖縄県民投票については「スルー」したのでしょうか。一定の距離を置いて、批判するということがジャーナリズムの原点のような気がしますが、そんな安っぽい「書生論」をほざいている人間は野暮かもしれません。
そもそも、時事通信社の前身の戦前の同盟通信社は、まさに、政府系の「国策通信社」でした。
国策通信社で、何か問題でも?
中国の新華社通信や人民日報などは、まさに政府メディアでしょう。それを言ったら、北朝鮮やロシア、それにトルコもサウジアラビアなどでは、政府系マスコミばかりで、反政府メディアがあれば、つぶされたり拘束されたりするでしょう。
先進国と言われるフランスのAFP通信社(日本では時事通信社が独占契約)も、自動車のルノーと同じように国有企業で、何パーセントか知りませんが、政府が出資しています。ということは、AFPはフランス政府の悪口は書けないと、普通の人なら思い込んでいます。
日本が好きなアメリカはどうでしょう。CNNの記者さんはトランプさんと仲違いしていますが、FOXニュースを始め、概ね、政府寄りの報道でしょう。特に、デジタルメディア時代ともなると、インターネットそのものが、米軍によって開発されたものですから、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などは、国防省(ペンタゴン)や米航空宇宙局(NASA)、米国家安全保障局(NSA)など政府系機関と歩調を合わせていることは想像に難くありません。
それが何か問題でも?
いや、別に問題はないでしょうが、毎日、「官報」のような無味乾燥な高級官僚の作文の丸写しを読まされていては、食傷気味になりませんか?
それとも、庶民は為政者の命令に唯々諾々と黙って従っていれば良いのでしょうか。
24日に投開票が行われた沖縄の普天間飛行場の辺野古移設を問う県民投票。移設反対が県民の7割を超えましたが、翌25日の首都・東京都内で発行された各新聞最終版の一面トップの違いが面白かったですね。
《朝日新聞》…「辺野古『反対』72%」
《毎日新聞》…「辺野古反対7割超」
《読売新聞》…「適量ですか 高齢者の薬」
《日経新聞》 …「見えざる資産 成長の源に」
《産経新聞》…「海自観艦式 韓国招待せず」
《東京新聞》…「辺野古反対 7割超」
日経は、経済専門紙だから分かります。産経も韓国問題でいかにも産経らしい。朝日、毎日、東京が、県民投票の結果を大きな活字で大々的に報道しているのに対して、天下の読売新聞は 「適量ですか 高齢者の薬」。
何ですか、これ?いやあ、面目躍如ですね。庶民の生活をここまで心配してくださるメディアは、世界広しといえども他にありません。
一番、読み応えがありました。