Tカードの情報漏えいは犯罪なのでは?

昨日の「最後の確定申告」で書きましたように、それがために、昨年、一生懸命に領収書を集めていたら、名古屋の篠田先生から「領収書乞食だぎゃなあ~」と怒られてしまいました。

 それでも、慎ましい生活をしなければならないので、買い物なんかする度にポイントを貯めていたら、今度は「ポイント乞食だぎゃや~」と、また怒られてしまいました。

そこで、今日書きたいことは、Tカード情報漏えい事件です。報道によると、ポイントカード最大手の「Tカード」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブが、裁判所の令状なしに会員の氏名や住所、年齢、電話番号といった個人情報のほか、商品購入履歴(買った時間までも!)やレンタルビデオのタイトルなどを警察に提供していたというのです。その数、6700万人!

バルセロナ・グエル邸

私もTカードを使っているポイント乞食です。怒り心頭ですね、と書いておきます。でも、私の場合は、持っているTカードは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ ことレンタルビデオのツタヤで作ったわけではなく、自宅近くのドラッグストアで作ったもので、使用するのは専らその店か珈琲店かコンビニで新聞や週刊誌を買った時ぐらいです。

ツタヤの情報が漏えいしたら、借りたDVDなんか警察当局に丸見えですね。「金縛り何とか」とか、「蝋燭タラタラ」なんてDVDを借りたりしていたら、「こいつは変態じゃあーーー」と警察にマークされますね。

 その点、あたしはツタヤの会員じゃないもんね(笑)。映画は、ちゃんと大型スクリーンで音響設備のしっかりした映画館で観ることにしてますし。

 もちろん、ツタヤに限らず、どこのポイントカード会社も当局に情報提供しているかもしれません。スノーデン氏によると、カード会社だけでなく、グーグルなんかもGメールの内容を米国家安全保障局(NSA)に通報しているらしいですね。戦中、日本は検閲で郵便物を当局が開封していたらしいですが、今の時代はそれどころじゃない、ということでしょう。

バルセロナ・グエル邸

 今回のTカード事件は、明らかに犯罪だと思いますが、まずは被害届が必要でしょうし(警察に利用されているなんて、誰も分からんでしょう)、どういう犯罪となり、ツタヤのへの罰則がどうなるのか、まだよく分かりません。裁判になったら、司法が判断するでしょうけど、政権を忖度するような今の司法も、心もとないですね。やられっぱなしの可能性が高い気がします。

最後の確定申告に行って来ました

 今朝は、出勤前の早朝、最後の確定申告に地元税務署まで行って来ました。「最後の」という理由は、あとで書きます。

そもそも、サラリーマンの分際で何で確定申告をするのかと言いますと、「副収入」があったからでした。具体的に言いますと、翻訳代です。社内でアルバイト感覚でやっておりました。「原稿料」として私の口座に振り込まれておりましたが、3年ほど前に、市役所から連絡がありまして、この原稿料は、なんじゃらほい、ちゃんと確定申告しはりましたまんねんか、このまま、ほっとくと、税務署に通報して、追徴課税されかねますまんねんよ、といった趣旨の柔らかい言葉で脅されました。今は、マイナンバーとかで、収入は筒抜けなんですね。

えーーーー!ですよ。会社の同僚は、「そんなもん、一度も来たことないよ」と言ってましたから、市町村、地方の自治体で対応が違うのでしょうか。

そこで、とにかく、慌てて、その年は確定申告をしました。この時、領収書さえあれば「必要経費」として、あわよくば還付金なるものまであることも分かりました。(当時は、領収書なんか取っておきませんでしたよ)

さて、昨年に引き続き、今年も税務署に行って来たのです。2月から広い会場で大々的にやりますが、12台のパソコンが設置された狭い税務署の方が懇切丁寧に教えてくれるので、自分に合っていると思ったからでした。

バルセロナ・グエル邸

今回が「最後の確定申告」と書いたのは、もう昨夏から「副収入」がなくなったからでした。責任者と称す社内の後輩の男から、「翻訳料タダなら使ってやるが、もう辞めてもらう」と、同僚と一緒に不当解雇されたのでした。この時、私は生まれて初めて、他人に対して殺意を覚えましたね。勿論、覚えただけですよ(笑)。「こいつは許せねえ」と廊下ですれ違っても存在そのものを無視することにしたのです。その方が健康的です。でも、私も精神年齢が幼い。やっと5歳ですかね。(あ、大坂なおみちゃんでした)

バルセロナ・グエル邸

今では、確定申告は、カードリーダーなんかなくても、自宅でパソコンでもスマホでもできるようになりました。でも、「必要経費」として何が認めらて、何が却下されるのか、よく分からないのです。私としては、これで3度目の確定申告でしたが、昨年認められたものでも、今年は却下されたものがありましたからね。

いい加減です。税務署員も毎日、毎日、100人は対応することでしょうから、いちいち、細かいところまで拘っていない。結構、属人的なものかもしれません。

今回、必要経費と認められたのは、パソコンと携帯端末と靴(何と!)の「消耗費」と本や雑誌などの「図書・資料費」の雑費のみでした。しつこく食い下がれば良かったのですが、一生懸命にレシートを貯めた「飲食費」やセミナーなどの「講演費」などは認めてもらえませんでした。しかも、税務署員は、パソコンなど高額品は3年分割で申告しろ、と強制するものですから、「もう来年は申告しない」ということで、やっと一括申告が認められました。

バルセロナ・グエル邸

 そう言えば、ほとんどタクシーに乗らず、電車やバスばかり乗っていたので、領収書がなく、「交通費」も請求できませんでした。

 最も痛かったのは、米国ファンドに投資して莫大な損失があったのですが、見せた書類では、若い税務署員には受け付けてもらえませんでした。

でも、作業をしながら、近くに税務署員(とアルバイトと思しき人)がいると助かりました。結局、パソコン登録に1時間20分も掛かりましたが、無事終えることができました。これで最後か、と思うと感無量です。

どれくらい、追加税を支払うのか、それとも、還付金が出るのかについては、茲では書きません。内緒ですよお(笑)。税務署には早朝に着いたので、私は1番でしたが、フラフラして戻ってきたら、前から4番目になりましたが、帰りに見たら、60人以上もたくさんの人が行列に並んでました。

 それにしても、確定申告ができる副収入が欲しいなあ(爆笑)。

情報商材のSNS、やりません

 先日、巧みな勧誘詐欺の「情報商材」について書きました。

 私自身、SNS(インターネット交流サイト)はやっているようで、やっていません(笑)。フェイスブックもツイッターも、やっていることはやっているのですが、主目的はこの渓流斎ブログを告知するためなので、他の人のサイトはほとんど見ていないのです。送りっ放しです。放送局みたいなもんです(笑)。

 フェイスブックはいつも、衣川先生がコメントを寄せてくださるので、嬉しくてその返信は書いておりますが、利用するのはその程度です。あと、高校の同窓会のサイトがあるので、そちらは利用してます。

ツイッターは、いまだにハッシュタグって何なのかさっぱり分かりません。新聞、通信、出版、テレビ、ラジオなどの内外マスコミを中心に500以上フォローしていますが、フォローしているだけで、ほとんど全くアプローチしません(笑)。

バルセロナ・グエル邸

 それなのに、つい先日、ツイッターを登録している自分のメールに、「○件の通知が届いています」とあり、「確認する」をクリックすると、「億万の人」とかいうハンドルネームの方が、私のブログのツイートを「いいね」と褒めてくださっていたのです。

 知らない人ですが、若くて美人の写真を見て、ついつい舞い上がって、フラフラっと「フォローする」をクリックしてしまいました。するとどうでしょう。

 5分ほどして、「億万の人」から「早速フォローして下さり有難う御座います。つきましては、1日わずか20分の作業で月に200万円も稼ぐことができるお仕事があります。ご興味ありませんか」と来るのです。「なーんだ、情報商材じゃないか」と独り言を言いました。

バルセロナ・グエル邸

勿論、頭に血が上っていたので、「情報商材」の知識がなければ、すぐ騙されていたかもしれません。日々の修行と研鑽は必要ですねえ。

 やっぱし、私、SNSは放送局に徹します(笑)。

これからは大坂なおみちゃんの時代?

昨日のテニスの全豪オープン。恐らく、信じらないほど多くの日本人がテレビの生中継に釘付けになって見たことでしょう。

私もその一人でしたが(笑)、テニスという競技が観戦するだけで、こんなに面白いものだということを久しぶりに思い出しました。

バルセロナ・グエル邸

もう40年近い大昔。これでも私はテニス担当記者でした。当時は、男子がビョルン・ボルグとジョン・マッケンローの時代。他に、プレイメイトと結婚したジミー・コナーズやギレルモ・ビラスなんていう渋い選手もいました。1980年、ボルグとマッケンローのウインブルドンでの4時間に及ぶ死闘は伝説となり、映画化されたほどです。

女子は、ビリー・ジーン・キング、クリス・エバート・ロイド、それにマルチナ・ナブラチロワらが覇を競ってました。これらの名前は今でもスラスラ出てきます。そういえば、私自身はテニスをしないのに、ボルグが着ていたフィラや、マッケンローが着ていたセルジオ・タッキーニなんかのテニス・ウェアを真似して着ていたものでした。(笑)

テニスは仕事で観ていたので、半分冷めて、つまらない試合は半分不貞腐れて(笑)観ていたのですが、昨日の大坂選手の試合は、単なるおっさんとして、応援しながら観てました。

バルセロナ・グエル邸

40年前と比べて、ラケットやボールの性能が飛躍的に進歩したせいなのか、昔と比べてスタイルが変わった気がしました。昔は、選手はもっと前に出てスマッシュやボレーを決めていましたが、最近の試合は、あまりそんな場面はありません。

ベースラインぎりぎりにまでリターンする戦法に変わっていました。それに、サーブでは男子は200キロ、大坂選手も175キロの超スピード・サーブを決めていたのですから、そんな速い球を前進してボレーするなんて出来ないんでしょうね。

そして、「チャレンジ」といって選手が1ゲーム3回まで、主審に抗議して「ビデオ判定」することができることを初めて知りました。今回、大坂選手のリターンを、主審が「アウト」とジャッジした場面が、ビデオ判定で覆り、スッキリしたりしました。審判も間違えるんですね。

そういえば、また大昔の話ですが、マッケンローはよく審判の判定に駄々をこねて、試合を遅延させたりして警告を受け、「悪童」と呼ばれましたが、今のような「ビデオ判定」があれば、もっと冷静にプレーし、案外、マッケンローの主張が正しかったかもしれません。

バルセロナ・グエル邸

気の早いマスコミは、世界ランク1位になった大坂選手について、もう「グランドスラム達成か」「大坂の時代」なぞと騒ぎ立ててますが、勝負の世界は、そんな甘くないでしょう。でも、これからの彼女の試合は気になってしまいました。

恐らく、世界的なスポンサーがこれから陸続と彼女に群がることでしょうね。

▷全豪オープン(1月26日、メルボルン)女子シングルス決勝=第4シード、世界ランク4位大坂なおみ(日清食品)7-6、5-7、6-4 第8シード、同6位ペトラ・クビトバ(チェコ)。大坂は日本人初となる全豪オープン制覇。

森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」続・完

森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」(角川新書)を1月23日に続いて、今回も取り上げます。彼が務めるラジオ番組で、「この本を書いたら殺されるかもしれない、という覚悟で書きました」と話していたからです。

 23日に取り上げた時は、まだ半分くらいの途中でしたが、昨日、全部読み終わりました。その感想ですが、「少し全体的なまとまりがなく、ちょっと推測も大胆という印象」がありましたが、彼には頑張って欲しいので、原稿料代として(笑)、ネットではなく、有楽町の三省堂書店にまで行ってこの本を購入しました。

 書けば長くなってしまうので簡潔に済ませたいのですが、日本の経済低迷というか転落の原因として、森永氏が槍玉に挙げていたのは、日銀と財務省の金融政策と外資のハゲタカ・ファンドでしたね。

 前回も書きましたが、私は経済に関して非常に不勉強でした。いや忌避してました(笑)。そのおかげで、1990年代のバブル崩壊から不良債権問題が起こり、証券会社や損保生命保険や銀行が事実上倒産して再編成されたとき、面倒臭くて、名称が変わっても、その経緯に、とてもついていけませんでした。まして、その経営陣が外資だったことさえ意識してませんでした。

 この本を読むと、どうも金融庁による誤った不良債権処理で、外資のハゲタカに二束三文で買い叩かれ、値が上がると高額で売り抜けるという手口が明らかにされてます。再生機構が不良債権処理で導入した資金は、国民の税金ですからね。こんな酷いことを納税者が知らないでどうする?という話ですよ。

Mt Fhuji par la fenetre de Tokio Copyright par Duc de Matsuoqua

 例えば、日本長期信用銀行は1998年に破綻し、その処理に3兆7035億円の税金が使われましたが、結局、長銀はハゲタカ・ファンドの一つであるリップルウッド社にわずか10億円の「のれん代」で売却。社名変更で新生銀行になりますが、長銀をメインバンクにしていた百貨店のそごう、スーパーのライフ、第一ホテルなどが「瑕疵担保条項」を「活用」されて破綻します。(2007年に、リップルウッド<RHJインターナショナルに社名変更>の大変著名なティモシー・コリンズCEOは、米投資ファンドに売却し経営撤退しましたが、同社がどれくらいの差額利益を得たのか、この本には書かれていませんでした。まあ、簡単に想像つきますが)

 森永氏はかつて、UFJ総研に在籍したことがあるので、思い入れがあるのか、UFJ銀行の赤字による東京三菱銀行への吸収合併の過程について、「竹中平蔵金融担当大臣がターゲットをUFJ銀行に絞ったのだ、と私は見てる」と書いております。UFJ銀行が抱えていた「不良債権」になったスーパーのダイエーやミサワホームなどは、世間から厳しい目を向けられ、結局、倒産に追い込まれます。マンションの大京グループも赤字に追い込まれ、結局、資本支援して子会社化したのはオリックス。宮内義彦会長(当時)が「政商」と批判されたのは、確か、この頃だったと思います。竹中大臣らのインナーサークルにいたのではないかという批判でしたね。

バルセロナ・グエル邸

 キリがないので、この辺でやめておきますが、森永氏は、ハゲタカ・ファンドの最大手としてサーベラスを挙げております。1992年に設立された米国投資ファンドで、ブッシュ(息子)政権時代の財務長官ジョン・スノー氏が会長に務めたことがあります。

 このサーベラス、田中角栄元首相の盟友として名を馳せた小佐野賢治氏が創業した国際興業を「乗っ取った」と著者を書いております。UFJ銀行とりそな銀行が持っていた国際興業グループの貸出債権約5000億円をサーベラスが半値で一括購入し、その後、小佐野氏が苦労して手に入れていた帝国ホテルを三井不動産へ、八重洲富士ホテルを住友不動産へ売却。サーベラスは、他に売るものがなくなると、バスとハイヤー事業を創業家に売り戻したといいます。その売却価格は1400億円。

 また、西武鉄道乗っ取り計画に失敗したサーベラスは、2017年8月までに保有する同社株を全て売却します。その額は公表されませんでしたが、著者は約2400億円と見て、「11年半で1400億円のボロ儲けだった」と明記します。

 さらに、サーベラスは、あおぞら銀行(前身は日本債権信用銀行)への投資でも、わずか1000億円の投資で3000億円以上の資金を回収するという荒技を演じている、と書いております。

 ま、詳細については本書をお読みください。私も再読することにします。

「情報商材」撃退法のサイトに危うく騙される

 「情報商材」という耳慣れぬ言葉を昨日初めて知りました。

 国民生活センターが「簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-」というタイトルで注意を呼びかけていたのです。

 そこには「 『1日数分の作業で月に数百万円を稼ぐ』『○万円が○億円になる投資法』といったお金儲けのノウハウと称して、インターネット等で取引される情報である情報商材 に関連する相談が増加しています。2017年度の相談件数は6593件と2013年度に比べ7倍超となり、2018年度も増加ペースが続いています。 」などと書かれています。

 この情報商材の特徴として「インターネットの通信販売等で、副業、投資やギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売されている情報のことです。情報商材はPDF形式などの電子媒体で取引されることが多く、パソコンやスマートフォン等を使ってダウンロードや閲覧をすることができます。事業者によっては、動画やメールマガジン、アプリケーションで配信したり、冊子やDVD等に加工して契約者に送付する場合もあります。

 情報商材そのものだけでなく、情報商材をきっかけに高額なコンサルティングやビジネスセミナー、ソフトウエア等を契約させられるケースもあり、契約書にもアフィリエイト、ビジネスサポート、コンサルティング、業務委託等の名称が用いられていることがあります。」と書かれていました。

バルセロナ・グエル邸

 これだけで、十分理解できたのですが、さらに知りたくて、この情報商材なるものについて、ネットで検索してみました。あるサイトでは、情報商材の具体例として、

★「♪貴方だけに特別に伝授します!1日20分の作業で、月に200万円稼ぐ方法」

★「メモ厳禁!初心者でもノーリスクで月収100万円稼げます」

などいう勧誘文句が送られてくるそうです。

 冷静になれば、そんなうまい話、世の中にあるわけがなく、そんなに楽にお金が稼げるのなら、他人に教える前に詐欺師本人が先にやってます。


バルセロナ・グエル邸

 「有難いことを書いてくれたものだ」と感謝しながら、このサイトを最後まで読み進めていたら、「厳しい審査を受けている、絶対に安心できる情報商材をご紹介します」との御託宣。何じゃこりゃあ~です。ブラックジョークというか、新手の詐欺商法というか、思わずクリックして犯罪者の策略にまんまと乗せられるところでした。そう言えば、このサイトには「アフィリエイトで100万稼ぐ」といった広告ばかり掲載されていました。

 危ない、危ない。ネットの世界は怖いですねえ。

森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」

正直に告白しますと、現役時代はお金に困ったことはありませんでした。毎月、決まって給与が入り、半年に一度、多額の(まさか=笑)ボーナスまで振り込まれましたからね。会社は赤字でも、京洛先生の会社のように給料遅配の憂き目に遭ったこともありませんでした。

でも、今は遠い昔。現役を引退しますと、実入りが大幅に減額し、あ、はあ、さて、は困った、困った。大変なことになってしまった…。そこで、やり繰りするために、死に物狂いで経済と金融を勉強せざるを得なくなりました。

100冊ぐらい関連書を読みましたかねえ…(笑)。その結果は「さっぱり分からん」です。投げやりな、悪い意味ではないのです。これから景気が悪くなるのか、株が暴落するのか、今は多くの人がそう予想していますが、それはあくまでも予想であって、可能性は高くても、当たるかもしれないし、当たらないかも知らない。要するに未来のことなど誰も分からないという当然の結論でした。(誰にも分からないことを、さも分かった顔をして御託宣してお金を稼いでいる人もいますが)

 一方、過去については、解釈の違いこそあれ、覆せないので、安心して学ぶことができ将来に向けて参考にできます。「歴史に学べ」です。

その点、今読んでいる森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」(角川新書、2018・12・10初版)は、特にバブル経済崩壊から日本経済の転落までを扱ったもので、まさに蒙が啓かれたといいますか、目から鱗が落ちたといいますか、大いに勉強になりました。「プラザ合意」も「バブル崩壊」も、同時代人として体験しながら、その当時はほとんど経済の勉強をしていなかったので、何が原因で起きていたのか分かりませんでしたが、「あれは、そういうことだったのか」「今の状況はそういう繋がりがあったのか」と、今さらながら、やっとクイズかパズルが解けたような爽快感があります。

 この本は面白い。興奮するほど面白いです。日本が不景気になり、経済大国から転落した原因として、人口減や労働人口の低下にあるとされてきましたが、著者は「それは違う」と具体的な数字をあげて反論します。(日本の就業者数は1995年6414万人だったのが、2016年は6465万人で、減っているどころか微増している)

バルセロナ・グエル邸

 それでは、日本経済の低迷の原因は何だったのかと言うと、森永氏は、ハゲタカ・ファンドを含む外資の日本進出にあった、と喝破します。同氏は「世界のGDPに占める日本の比率は、1995年に17.5%だったのが、2016年に6.5%と3分の1も落ち込んだ。これは、2001年からの構造改革により、日本の大切な資本が外資に二束三文で食われてしまったからだ。資本が外国のものになれば、当然、儲けは海外に持っていかれてしまう」と説明します。少し引用します。

 …日本の空洞化は、3段階で進んだことが分かる。

 第1段階は、1986年以降に日本企業が海外生産比率を上げていく『海外移転』。

 第2段階は、1990年のバブル崩壊以降、外国資本が日本の企業の株式を買い漁り、外国資本による株式保有の増加。

 第3段階は、日本企業そのものが二束三文で外国資本に叩き売られた不良債権処理。

 この三つはそれぞれ単独の現象のようにみられるかもしれないが、実は、この順序も含めて大きなシナリオで結びついている。グローバル資本とその先棒をかつぐ構造改革派の日本人は、実に30年がかりで日本経済を転落させていったのだ。…

バルセロナ

 うーん、実に明解ですね。この後、筆者は、この「グローバル資本」と「構造改革派の日本人」として、対日貿易赤字に苦しみ、その打開策を図った米国政府とその圧力に負けた日銀と財務省、構造改革を主導した小泉純一郎首相とそのブレーンになった1962年生まれの元日銀行員だった木村剛氏らを槍玉に挙げます。(当時の最大責任者だった竹中平蔵経済財政政策担当大臣を、森永氏は、時たま擁護するような表現を使うので不信感はありますが)

 特に、不良債権処理の旗振り役だった木村剛氏( 日本振興銀行会長になった同氏は2010年、銀行法違反容疑で逮捕=懲役1年執行猶予3年の有罪刑が確定= )がリストアップした「問題企業30社」は、流通、建設、不動産などに偏ったものばかりで、それは、外国のハゲタカ・ファンドが涎が出るほど欲しがっていたものと一致していたことは絶対に偶然ではないという著者の指摘は、背筋が凍るほどでした。森永氏は「木村氏は問題企業をハゲタカの餌食に差し出す手先だ」と批判しましたが、日本一のスーパーだったダイエーや日本長期信用銀行などの例を見ても、 結果的にそうなってしまいました。

 渓流斎ブログは、多くの経済専門の方々が熱心に読んでくださってますが、私自身は、この本は大変参考になったことを強調しておきます。(まだ、途中なので、この本については、またいつか触れるかもしれませんが)

秋葉原研修ツアーで不愉快事が三つも

昨日の月曜日は、有休を取って、某通訳団体の研修会に参加してきました。場所は、秋葉原です。昨年、久しぶりにオランダ人家族の東京旅行をガイドした際、下調べに大変苦労したので、最新情報を仕入れようと思ったからでした。参加費は6000円。でも、不愉快なことが三つもありました。

ということは、愚痴めいた話になるので、「そんなもん、聞きたかねえだあ~」という紳士淑女諸兄姉の皆様は、この先、お読みにならなくて結構です。さようなら。

秋葉原

秋葉原の現地集合が午前8時45分と早く、いつもとは違って早めに家を出ました。そしたら、運悪く、乗った電車の前の座席に座っている変な男が、私が彼の前に立った途端、持っていたA4判下敷きサイズのプラカードを左右に激しく振り始めるのです。そこには「歩きタバコ禁止」と書かれていたのです。

えっ?何? 私はタバコは吸いませんし、まして、ここは電車内ですよ!頭がおかしいに違いありません。男は、70歳ぐらいか。深く帽子を被り、マスクをして眼鏡をかけ、素顔は分かりません。こういう輩は何をしても時間の無駄なので、次の駅で空いた反対側に移動したところ、その狂人は、聞こえよがしに「やっと行ったか」ですよ。えっ?私が一体、何をしたというのですか。たまたま、空いていた空間に立っただけで、何の関わりもなく、初対面のすれ違いにしか過ぎないのに、何で、恨まれる筋合いがあるというのでしょうか。不愉快でしょうがありませんでした。

上階にある店舗のロボットは定評があるとか

これが不愉快の一つ目(笑)。二つ目は、通訳研修会の講義で、主宰者が「メモ厳禁」と宣言したことでした。理由は、資料に全て書いてあるからということでしたが、ありえない!秋葉原の現地ウオーキングツアー中に、メモを取ることは、他の一般客の通行に邪魔になるので、理解でき、私も「メモ禁止」とは戸外の話かと思ってたら、部屋の中での誰にも迷惑を掛けない講義でも駄目と言うんですからねえ。知らずにメモを取っていたら、鬼面のような怖い顔をした女講師が「メモは厳禁です。ここからもメモしていることは見えますよ」ですって!

秋葉原

私は、資料に書いていなかったことをメモしていたところでした。意味が分かりません。頭おかしいじゃないでしょうか。記者からペンとメモ帳を取り上げることは、大工からノミやカンナを奪うのと同じですよ。今度また、メモ禁止なんて言うのなら、そんな研修会やらセミナーなんかには参加しませんよ。

戦後、GHQが露天商を「ラジオセンター」に一堂に集めたといいます

でも、ウォーキングツアーは、主宰者が凄い下調べをしていて、大変役に立ちました。これでも、私もかなり下調べしましたが、知らないところも案内してくれました。秋葉原の戦前は、御案内の通り、駅前に青物市場がありました。戦後すぐに闇市が立ち、1950年代はラジオや部品販売の商店、60年代は電気冷蔵庫やテレビなど家電製品、70年代、80年代は オーディオ・ブーム、90年代からパソコン、今では、アニメやフィギュアなどの萌えオタク文化の世界的発信基地として海外でも知られています。

メイドカフェ


 これだけ秋葉原は変遷が激しいのです。確か、6~7年前にも私は、同じような秋葉原の研修会に参加しましたが、店が変わったりしていて、もう古い情報は通用しませんからね。

今回も秋葉原名物のメイドカフェに行き、「永遠の17歳」のメイドから給仕を受けたりしましたが、加齢のせいで、何が面白いのかさっぱり分かりませんでした。いわゆる「オタク文化」なるフィギュアやコスプレなど全く興味なし。自分が正常だと強調したいわけではありませんが、第一、還暦過ぎたお爺さんが、セーラー服や10代の若い女の子に興味津々なんて、気持ち悪い。変態扱いされますよ!

カフェ入場料700円、絵を描いてくれる抹茶ティー680円、オムライス1100円でしたが、ショータイムあり、ゲームあり、人件費を考えるとサービスは価格に見合ってました

正直、こんな通訳の仕事は、自分には向いていないと思ってしまいました。

ただし、弁護しておきますが、メイドカフェは、皆さんが想像するような(笑)いかがわしい店ではなく、若い女性が一人で入店しているのさえ目撃しました。「ご主人様」「お嬢様」という約束事を楽しむ空想遊びだということです。正直、個人的には行きたいとは思いませんけど(笑)。

ウオーキングツアーを案内してくださったNさんからは、イチゴの糖度の計測器まで何でも売っている「東洋計測器」近くにある穴場の隠れ家レストランを紹介してもらいました。今度利用してみようかと思っております。これが今回の一番の収穫かなあ(笑)。

写真右下の「イヤホン」店は、某著名スポーツ選手が買った30万円のイヤホンも売っているそうな

あと、秋葉原には神田明神近くに「名酒センター」というのがあって、全国の銘酒が1杯150円から試飲できるという話を聞いたものですから、ツアーが終わった後、一人で一生懸命に探してみました。やっと見つけたら、月曜日は定休日で閉店でした!こちらが下調べせず、無謀に行ったのが悪かったにせよ、これが、不愉快の三つ目でした(笑)。

「おでん缶」の自販機は秋葉原発祥という説も。は外国人観光客にも評判だとか

 あれっ?まだお読みになってたんですか?最後まで読んでくださり、誠に有難う御座いました。

 

「私は、マリア・カラス」は★★★★

 映画「私は、マリア・カラス」(トム・ヴォルフ監督)を観てきました。彼女が出演した過去の公演フィルムや本人のテレビ・インタビューなどを繋げて編集したドキュメンタリー映画でしたが、見終わって、哀しい気持ちになりました。

 マリア・カラス(1923~77)は、説明するまでもなくオペラ歌手で、「世紀のディーバ」「20世紀最高のソプラノ歌手」などと称賛される一方、「気位が高い」「気分屋ですぐ公演をキャンセルする」などの悪評もあり、毀誉褒貶の多い人だった気がします。

 私の親の世代なので、彼女の現役時代は、ちょうど私が子どもの頃から大学生の頃だったので、海運王オナシスとのスキャンダルなども極東に住む異国の子どもの耳に入っておりました。でも、まだ53歳の若さでパリで急死したことは、私は大学生だったのに、フォローしていなくて、あまり覚えていないんですよね。

莫大な富と揺るぎのない名声を獲得しても、あっけないものです。いずれにせよ、若い頃はオペラ鑑賞など高くて観に行けるわけがなく、レコードも高くて手に届きませんでした。つまり、マリア・カラスの名声だけは聞こえてきても、私にとっては雲の上のそのまた上の存在で、たまに、NHK-FMラジオで、彼女のアリアを聴くぐらいでした。

 でも、この映画を観て、初めて彼女の苦悩が分かりました。ドタキャンも、心因性にせよ、身体性にしろ、体調不良でまともに声が出なくなったことが原因だったらしく、事情を知らない音楽記者や評論家らの非難や激しいバッシングに彼女はどんなに心に傷を負って、耐えてきただろうかと同情してしまいました。

 人間ですから当然かもしれませんが、若い頃から中年、壮年になるにつれて、まるで別人のように彼女の人相がどんどん変わっていくのには驚かされました。晩年になり、高音域がだんだん出にくくなって、発声練習に時間を掛けなくてはならなくなった焦りみたいなものまで顔に表れていました。

 彼女は確かに天才でしたが、この映画を観ると、芸術家というものは何と不幸なんだろう、と思ってしまいました。こうして、彼女の暗い面ばかり見てしまいましたが、「トスカ」の「歌に生き、恋に生き」にせよ、「ジャンニ・スキッキ」の「私のお父さん」にせよ、映像を見ただけでも彼女の最盛期の歌声はまさに比類なきもので、その巧さは空前絶後という感じがしました。それだけが唯一の救いといえば、救いでした。

高校の同窓会に参加、まるでシンジケートのようでした(笑)

 昨日は、岸和田先生の「大宮競輪に取材に行くように」との指令に反して、我らが母校・海城高校の同窓会に参加して来ました。

高校の同窓会といっても結構種類がありまして、まずは高校3年時のクラスの同期会のほかに、部活の同窓会、地方や海外の支部会、それに業種別の同窓会まであります。ここ数年前から、急に発足しました。

昨日は、私は、所属する業種別のメディア分科会に参加して来ました。2年後の高校同窓会「海原会」(徳光和夫会長)創立100周年に向けた今年の活動方針などを決める総会が終わった後、学園内のカフェテリアで、士業・医業分科会との合同懇親会がありました。

我が母校は、結構優秀な人材を社会に輩出しているようで、やくざな(笑)メディア界のほかに、医者や弁護士、公認会計士等になった方も多くいたというわけです。

海城高校がある新大久保駅周辺は、すっかり変わってしまいました

当然のことながら、同窓会の参加者は、社会的に成功したか、健康に恵まれた元気な人ばかりでした。海城高校は明治24年(1891年)創立で、相当な数の卒業生を輩出しておりますが、同窓会に参加する人、できる人は、そのうちの10%未満でしょう。

メディア会には、昭和20年卒で、旺文社の重役を務めた91歳になるUさんがおりますが、さすが御高齢のため、今年は参加されませんでした。いずれにせよ、同窓会は親子以上年の離れた卒業生が、ただただ、同じ学園の卒業生という大義名分だけで参加するわけですから、実に壮観なものです。しかも、同窓生ということだけで、初対面でもすぐお互いに溶け込んで、信頼関係まで生まれるということは不思議を超えて、奇跡に近いような気がしました。

私の場合、社会的に成功したわけではないので、同窓会への参加は躊躇っておりましたが、健康を回復したので、参加することにしました。特に、定年退職したり、仕事を辞めたりすると、途端に社会との接点がなくなってしまうからです。

 ということで、昨日は参加して本当によかったと思います。極秘の機密情報を仕入れることができたからです(笑)。大袈裟ですが、機密情報ですので、「触り」しかお伝えできませんが、それはオリンピック不況にどう対処するか、という問題です。1964年の東京五輪の翌年、日本は「昭和40年不況」と呼ばれる大不況に見舞われました。山一証券が赤字になって日銀から特融を受けたり、サンウエーブや日本特殊鋼などが倒産したりしました。

海城高校近くにロッテの工場があったのですが、売却され、広大な工場跡地は住宅展示場になってました

となると、2020年の東京パラリンピック・オリンピックが終わった翌年は、1965年どころでない大不況が襲ってくるというのです。これは大手広告代理店に勤務した後、独立して起業しているX先輩らの「推測」ですから、必ずしも当たるとは限りませんが、根拠のない推測ではないことは確かです。

その最大の要因は、少子高齢化による人口減と経済成長の鈍化にあるようです。1980年代のバブルや「ジャパン・アズ・ナンバーワン」など遠い大昔の話で、今や、日本は世界的にほとんど相手にされていないというのです。

 X氏は今でも早朝4時に起床して、ワールドニュースを見たりして世界の最新情報を収集しているそうです。広告代理店の人は、新聞記者以上に情報収集に熱心だったんですね。

さて、来る日本の大不況に対して、どう対処したらいいのか?

そこで、海外に目を向けているのが、東南アジアの某国に広告代理店の現地法人を設立しているK氏です。極秘情報(笑)なので、「某国」としか書けませんが、その国に進出している海外の企業人は、日本が3000人なら、韓国は3万人、中国は何と30万人だというのです。これでは、日本が勝てるわけありません。「某国」は、ここ5年間、経済成長率が6~7%と続き、平均年齢は29歳で、日本の高度成長期と同じようにまだまだ伸びる可能性があります。

 それなのに、日本のマスコミは取材が足りないのか、わざと、大衆に真実を隠しているのか、テレビで報道されることは、「政府開発援助をした」とか、「学校を建ててあげた」などといった最貧国のイメージばかり。実態は、首都では、ベンツやレクサスなど海外の高級車が日本以上に走っており、高級マンションも売れているといいます。

K氏は、日本の大手広告代理店が進出していない空隙をぬって、早々と代理店を設立したため、某国を知る第一人者としてコンサルティング業務まで行い、地方自治体から引く手あまてだといいます。何しろ、ジェトロのデータ収集までしているといいますから。厚生労働省もびっくりです。

K氏が某国に興味を持ったのは、面白いことに高校の同窓会会報で、後輩のY氏の存在を知ったからだというのです。Y氏は、大学在学中から23年間も某国に住んでいて、現地で結婚し、不動産業などを営み、今では政府高官とも昵懇の中で、今では現地日本人会の顔役だといいます。

会報を読んだK氏は、Y氏とコンタクトを取って、某国に進出してから、Y氏に次ぐぐらいの現地の顔役になったわけです。昨日、私は、そのK氏から、ビジネスチャンスになるような話を伺ったので、情報はこうしてインナーサークルの中で交換されるものだと再認識しました(笑)。

つまり、同窓会とはサロンのような、シンジケートのような気がしたわけです。