ポイント乞食と見事な「迂回政策」

 昨日は「トリキの錬金術」だの「鳥貴族マラソン」だのといった聞き慣れない言葉がネットを中心にあっという間に広まりました。

 何の話かと思いましたら、10月1日から始まった「Go to Eat」キャンペーンで、予約サイトを利用して飲食店を予約することで、ディナー時間帯は一律1000円分のポイントが付与される特典がありました。居酒屋チェーンの「鳥貴族」は1品327円という格安が売りだったことから、予約客が1品だけ注文してその差額の673円分のポイントを獲得する「錬金術師」が続出したというのです。ランチだと500円分ですが、それでも173円分のポイントが儲かるわけです。

 これは法に違反した商行為ではないので監督官庁も黙認していましたが、さすがに鳥貴族側も本日辺りからコース料理注文者のみにポイント付与するなどして変更したようです。

 この話は、昨日も書くことができたのですが、影響力が強い渓流斎ブログのことですから(爆笑)、真似されると困ると思い、控えておりました。もう変更されて、前述のような錬金術が使えないのでこうして安心して書くことにしたわけです。ちなみに、私自身は一度も「鳥貴族」に行ったことはありません。

 「トリキの錬金術」によるポイントの荒稼ぎは違法行為ではないですが、やはり、倫理的な面では「いかがなものか」となります。ネット上でも「ポイント乞食」なる批判が溢れていました。

 でも、こんなネットで予約してポイントを付与するような「迂回政策」といいますか、アナログ世代にとっては大変面倒なシステムにわざわざしたのは、裏に作為があるようです。やはり、この渓流斎ブログ9月17日付「菅新首相の背後に『ぐるなび』と京浜急行電鉄があり」で書いた通り、ということでしょうかね。再録すると、こう書きましたー。

 …例えば、菅氏が先頭に立って推進している最大469億円の予算がついた「Go toイート」というキャンペーン。その背後にはグルメ情報サイト「ぐるなび」の滝久雄会長が控えているようです。1996年から2012年にかけて、滝会長の広告代理店「NKB」から菅氏の政治団体「自由民主党神奈川県第2選挙区支部」と「横浜政経懇話会」に対して、計280万円献金し、ポスター制作費58万8000円請け負ったことが収支報告書に書かれているといいます。

 NKBは、滝久雄会長の御尊父の滝冨士太郎氏が創業した交通文化事業社が母体になった会社で、最初は地下鉄のベンチの広告から始めたといいます。まさに「たたきあげの苦労人」という共通点があるんでしょうか?

 ーということで、この面倒臭い「迂回政策」というのは「ぐるなび」に一部「蒸留水」が還元されるということなのでしょう。しかも、この蒸留水は、真水ではなく、黄金色に輝いています。

【追記】

 8日付東京新聞によると、「ぐるなび」「食べログ」など大手10サイトは、夕食なら200円程度の「手数料」を店から徴収しているといいます。

 政府は8日、夕食1000円未満、ランチ500円未満はポイント還元しない方針を発表しました。