Facebookやめますか?人間やめますか?

 私は、この《渓流斎日乗》ブログを独立したサイトとして立ち上げた際(2017年9月)、M氏の薦めで、初めてFacebookを始めました。それまでは、何となく胡散臭い感じがしてやらなかったのですが、「Facebookをやればアクセス数が増えますよ」とのM氏の御託宣で始めたわけです。

 でも、いまだにFacebookのカラクリについてはよく分かっていません。昨今、世界各国でプライバシー保護や独占禁止法などでFacebookに関する批判記事がかなり増え、それらを一生懸命に読んでも、実は何が悪いのかさっぱり分かっていませんでした。

 それは、Facebookはどんな会社なのか、その実体が分かっていなかったからです。

 もう10年以上昔になりますが、Facebookの創設者マーク・ザッカーバーグの半生をデビッド・フィンチャー監督が映画化した「ソーシャル・ネットワーク」(2011年)も観ましたが、やたらと、のべつまくなく喋りまくる名門ハーバード大学の学生(ザッカーバーグ)が、ネットで友人たちとの交流サイトを立ち上げる話だけは分かりましたが、肝心のビジネスモデルに関しては全く触れていないので、やはり、カラクリがサッパリ分かりませんでした。

 カラクリとは、ビジネスモデルのことであり、何を商品にして売って取引をして莫大な利益を上げているか、ということです。

 勿論、それらは「企業秘密」なので、社外の人間には全く明らかにされていません。先日、Facebookの元従業員で内部告発者のフランシス・ホーゲン氏が朝日新聞の独占インタビューに答えていました(4月16日付朝刊)。同氏は、Facebookが画面に表示する投稿の順番を決めるアルゴリズム(計算手順)を2018年に変更したため、過激な投稿が拡散されやすくなったこと。また、Facebookが利益を1、2%程度減らすだけで、75%の偽情報を減らすことができることなど、元社員でなければ分からない有益なことを明らかにしてくれました。が、平たく言えば、Facebookは何で稼いでいるのか、記事には一行も書いてくれていませんでした。つまり、利益を減らす、と言われても、どうやって減らすのか、インタビューアーはそこまで突っ込んで質問していないか、わざとなのかボカしています。

 Facebookは、大統領選挙にまで影響を与える巨大IT企業です。世界で29億人以上が利用しているといいます。我々の日常生活にも関わる大問題だとしたら、是非とも調べなければなりません。しかし、先程言ったように「企業機密」ですから、実態は分かりません。そこで、勝手に推理することにしました。

 まず、Facebookは、無料で仕入れた「個人情報」を顧客に売却していることは間違いないでしょう。「買う人」がいるから「売る人」がいるのです。個人情報を買う顧客とは、恐らく、大企業、調査会社や探偵社、宗教や政党などの団体組織あたりか。

 話は少し飛びますが、「贈収賄事件」というものは立件がかなり難しいそうですね。収賄した政治家がはっきり分かったとしても、大企業なり贈賄した側が口を割らない限り立件しづらい。それに証拠も出にくい。過日も、某マンモス私大の理事長が逮捕されましたが、贈収賄罪では難しいので、約5200万円を脱税したとする所得税法違反罪で起訴されました。

 同じように、Facebookの個人情報を「買う側」を調べ上げることは困難なことでしょう。でも、「買う側」とは、その個人情報を使って商品を販売したい企業か、世論を故意に操作して自分たちに有利に働かそうとする団体かもしくは国家であることは間違いないでしょう。個人情報を「売る側」と「買う側」はウィンウィン関係なので秘密のヴェールに包まれるわけです。

 Facebookは、世界29億人も利用しているといいますから、影響力は絶大です。いわゆるネットのプラットフォームになっていて、Facebookを通して、ニュースを見たり、個人的に商品を売買したり、人の噂やブログを見たりする国の人々が多いのです(意外にもヴェトナムなんかそうです)。それでいて、現地に相応の税金を支払っていないということで、各国は問題視しています。

 何しろ、個人情報は、馬鹿な大衆(失礼!)が、住所氏名年齢職業性別、独身、家族構成まで、せっせと貢いでくれているわけです。ハゲタカにとって、こんな無防備で御し易い獲物はいません。無駄が一切なく、ピンポイントで襲うことができるからです。となると、タダで仕入れた商品を高額で売りつける悪徳商法と変わりないということになります。例えてみれば、ゼロ金利で仕入れた原資を使って、高金利で貸し出すサラ金みたいなものでしょう。もしくは、河原で拾って来たタダの石を高値を付けて売っている商人みたいなものでしょう(つげ義春さんの漫画にもありましたね。こちらは売れずに悲惨な状態でしたけど)

 扨て、もう一度、前述した内部告発者のフランシス・ホーゲン氏の話に戻ります。「Facebookが画面に表示する投稿の順番を決めるアルゴリズムを変更したら過激な投稿が拡散されやすくなった」とはどういう意味なのでしょうか?これまた、詳細に理由を書いてくれないので、想像するしかありませんが、馬鹿な大衆は(これまた失礼!)過激な投稿を好み、「いいね」が多く付いた投稿を読みたがるので、それが相乗効果になるということが推理できます。過激な投稿とはデマでもフェイクでもお構いなしです。アルゴリズムを変更したというのは、そんなデマやフェイクを排除するフィルターを弱めた、ということなのでしょう。

 ということは、ホーゲン氏が暴露したもう一点、「Facebookが利益を1、2%程度減らすだけで、75%の偽情報を減らすことができる」というのは、Facebookはアクセス数を増やすために、偽情報を黙認している、という指摘になります。

 Facebookに注目が集まれば集まるほど、存在価値が高まり、ただで仕入れた個人情報の売却益も雪だるま式に増えるということを意味します。

 そんな悪徳商法に反感を持つようならFacebookを止めれば良いのです。しかし、大企業からブログで広告収入を得ている個人に至るまで、止めることは、痛し痒しの話です。

 ヒトは、他人から利用されているのに、自分が利用している、と思いたがる動物です。「馬鹿な大衆」とは自分ではないと思っているのです。自分は絶対に騙されないと確信している人間に限って、オレオレ詐欺などに騙されるというのに。

 以上、私の推理に過ぎませんが、まさに「Facebookやめますか?人間やめますか?」という話でした。