斜陽日本は、GDPで世界下位に転落?=いや大したことではありません

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 新聞各紙の昨日(2月15日)の夕刊と本日(16日)の朝刊のトップ記事は「日本GDP 4位に転落」です。内閣府の発表によると、2023年の名目国内生産(GDP)が591兆4820億円で、1967年以来56年ぶりにドイツを下回ったというのです。(私はビートルズ・フリークなので、1967年というと「サージェント・ペッパーズ」の年だと思ってしまいます。)

 私は、クジ運も、商才も、博打運も全くなく(笑)、経済にも疎いのですが、専門家の皆さんは、個人消費の減少が要因で、ドイツも景気低迷しているので円安の影響があるなどと述べていました。でも、識者コメントの中では、16日付毎日新聞朝刊に載っていた小野善康・阪大特任教授の話が素人には、異色で一番分かりやすかったでした。

 小野特任教授によると、いまだに日本は世界でもトップクラスの大金持ちで、GDPが増えなかったのは、日本全体として新しいモノやサービスを必要としておらず、「お金をためておきたい」と考えているからだというのです。ハハ~ン、お金持ちはケチですからねえ(笑)。それに、今やGDPは豊かさを示す指標ではなく、他国と順位を競うことに何ら意味がない。国際順位に一喜一憂するより、国民一人ひとりの生活の質を引き上げることの方が重要だというのです。

 なるほど、実に分かりやすく、ご尤もです。あの「21世紀の資本」の著者トマ・ピケティさんも「GDPはもはや実態にあった経済指標ではない」といった趣旨のことを書いていましたからね。

 2025年にはインドにも抜かれて日本は世界5位に転落するとも言われていますが、小野特任教授が主張する通り、一喜一憂することはないということです。

 そして何よりも、「国民一人ひとりの生活の質を引き上げる」というのは政治家の仕事です。しかし、その今の政治家たちは、裏金づくりに勤しんでいるだけで、国民の生活のことなど一切考えていません。

 そういう政治家を選んだのは国民であり、国民の政治に対する無関心が今の体たらくを生んだといっても過言ではありません。

 今、そのしっぺ返しを喰らっているというのに国会前でデモ運動する市民もなく、哀しいものがあります。