北条早雲の興国寺城跡=ついに「洗脳」されたO氏

  会社の後輩で、還暦過ぎて静岡県の某支局長に転身したO氏からメールが来ました。な、何と、戦国時代の火ぶたを切ったと言われる伊勢新九郎盛時(北条早雲=1456?~1519年)の最初の居城として知られる興国寺城跡(静岡県沼津市)に週末の休日を利用して行って来たというのです。しかも、「高低差20メートルもある空堀を作らせて東西に睨みをきかせた北条早雲の野望を感じました」と大いに感動した様子だったのです。

興国寺城跡(静岡県沼津市)Copyright par K.O

 O氏は昨年10月末まで、小生と同じ部署で、席が隣でしたので、仕事の合間によく無駄話をしたものでした。主に小生が、歴史や文化などについて、偉そうに蘊蓄を傾けることが多かったのですが、特に力を入れたのは、全国のお城巡りや神社仏閣、仏像の話でした。

 しかし、O氏は全くといっていいぐらい関心がなく、特にお城の魅力をこちらがいくら口酸っぱく唱えても、うわの空でしか聞いてくれませんでした。

興国寺城跡(静岡県沼津市) Copyright par K.O

 そんな彼が、この期に及んでお城の魅力を語るとは! やっと、小生の「洗脳」が実を結んだ、と感激したわけなのです(笑)。

興国寺城跡(静岡県沼津市) Copyright par K.O

 全国にお城は、2万5000とも3万ともあると言われ、中世の山城跡も含めば5万以上はあると言われています。恐らく、一人で一生懸けても全てを回れないかもしれません。

 でも、城廻りをすると、健康にも良いちょっとした運動になり、山城も多いので、良い空気が吸えます(笑)。何よりも、色々と調べるとその時代のことや城主の家系も知りたくなり、日本史に詳しくなります。お城は合戦の場なので、それ以外の、というか、それに付随する城主の菩提寺や合戦必勝に願を懸ける神社にも興味を持つようになり、城と併せてお参りしたくなります。

興国寺城跡(静岡県沼津市) 穂見神社 Copyright par K.O

 特に城跡は建物も何も残っていないので、当時の櫓や大手門などを想像する楽しみがあります。O氏が感動した興国寺城跡は遺跡ではありますが、実際に行ってみれば、歴史上の人物だった北条早雲が実在したという実感をつかむことが出来たと思います。(小生は行ったことがないので、いつか行ってみたいと思っています。)

 現存12天守や大坂城、名古屋城などは入場料が必要ですが、山城のほとんどは無料で入ることが出来て、誰にでも開放されているところが魅力です。

 別にお城は歴史学者さんらの独占物でも何でもありませんから、庶民でも大いに知的に楽しめばいいのです。と書きながら、私は読者の皆さんにもお城廻りを趣味にするよう「洗脳」しております(笑)。