「資本主義経済は、リスクを取っても良い人間が、リスクを取りたくない人間から利益を吸い上げるように出来ている」=山崎元著「経済評論家の父から息子への手紙」の名言です

 幸せとは何か-? 最近、個人的に、幸せとは「憂いがない」ことだと思うようになりました。「憂いがない」というのに、フランス語で丁度良い言葉がありまして、sans souci(サン・スーシー)と言います。18世紀のプロイセンのフリードリッヒ大王が建てた「サンスーシー宮殿」は有名ですから、聞いたことがあるかもしれません。

 人間、生きていれば色んな憂いがあります。その中でも将来の不安が一番かもしれません。具体的に言えば、将来の生活で、もっと具体的に言えばお金の心配です。私は、「経済音痴」を自称し、給料もほとんど、生活費や子どもたちの学費などで消え、若い頃は普通預金に入れたまんまでした。しかし、中年を過ぎて将来の不安もあり、投資も考えるようになりました。その時、一番お世話になった書籍は、経済評論家の山崎元氏が初心者向けに書いた易しい株式投資の本でした。もう15年ぐらい前かもしれません。彼の著作は何作も読みました。

 その山崎氏が今年1月に65歳の若さで亡くなったことには吃驚してしまいました。何しろ、私より若いですから。そんな山崎氏が「遺作」として「経済評論家の父から息子への手紙」(Gakken、2024年2月27日初版)を出版したことを知り、早速購入しました。

 通勤電車の中で直ぐ読了できました。内容はタイトル通り、経済評論家の山崎氏が東京大学に合格したばかりの18歳の息子に宛てた「私信」を元に、経済の仕組み、起業と投資の勧め、それに人間の究極の幸せとは何かといったことを、まさに「遺言」として説いたものでした。(あとがきで、息子さんの出身高校は、海城だと書かれていたのでこれまた吃驚。私の母校ではありませんか!)

 斜に構えて言えば、この本は、まだ世間知らずの息子に対して父親が説いた「処世術」です。私ももっと若い頃に読んでいたら大いに参考になっただろうと思いました。しかし、「人生哲学書」として読むとなかなか味があります。

 勿論、経済評論家の本ですから、投資に関する指南はまさに的を射ております。何よりも、「資本主義経済は、リスクを取っても良い人間が、リスクを取りたくない人間から利益を吸い上げるように出来ている」というのは、名言です。かなり、真相を突いていると思います。言い換えて、「世の中は、リスクを取りたくない人が、リスクを取って良いと思う人に利益を供給するように出来ている」とも言っております。

 まさに、その通りです。経済格差や世の中の不公平を叫んでばかりいても始まりません。このように、世の中の仕組みを知ることが先決です!!このリスクというのは投資と置き換えて良いかもしれません。世界の大富豪のほとんどが起業したりして自社株を保持し、その評価額が富裕層として反映されています。逆に言えば、投資しなければお金持ちにはなれないのです。(人生哲学で、別に大金持ちになる必要がないと確信している人には関係がない話ですが!)

 テレビにチャラチャラ出て(露出を優先して)、CMで1本8000万円も1億円も稼ぐような芸能人や文化人がおります。山崎氏の伝で言えば、その人は確かに強運の持ち主ではありますが、その人なりに、平凡なサラリーマンや公務員の道を選ばす、リスクを冒して今の自分の地位を築き上げた人ということになります。

 さて、これから、具体的に何に投資したら良いのか? 詳細は本書に譲りますが、山崎氏は、例えば、個別銘柄よりもインデックスファンドをお勧めしています。FXや仮想通貨、信用取引などはギャンブルだと断定しています。また、不動産投資も決して有利なものではなく、それは「不動産業者が自ら物件を保有するのではなく、客を探して売っている状況が雄弁に語っている」と説明しています。

 保険も、保険会社が得をして加入者が損をするように出来ていて(そうでなければ、保険会社はつぶれる)、山崎氏も「最近癌にかかったが、健康保険に加入していれば、民間のがん保険は不要だと改めて確認した」と言うほどです。

 いやあ、こういった助言だけでも、この本を買って良かったと思いました。著者が力説する通り、安心も、リスク(投資=本の購入)を取って初めて得ることができたということになりますか。

 

日本も韓国も消滅か?=そんなことないでしょうが人口減に拍車掛かる

 昨年2023年の日本(人口1億2570万人)の出生数(速報値=在留外国人も含む)が前年比5.1%減の75万8631人だったと厚生労働省が発表した数字は実に衝撃的でした。8年連続で減少し、過去最少です。一方、死亡者数は159万503人で、前年から8470人増え、過去最多だったといいますから、人口減に一層の拍車が掛かったわけです。何しろ、生まれてきた赤ちゃんの倍以上の人が亡くなっているわけですから減る一方です。

 このまま少子化が進めば、日本人はいなくなってしまうのではないかというSFの世界が待っているかもしれません。

東京・新富町

 これは日本だけの問題かと思いましたら、お隣りの韓国(人口5174万人)ではもっと大変な状況でした。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す「合計特殊出生率」が、8年連続で前年を下回り、昨年の韓国は過去最低の0.72だったというのです。低水準といわれる日本の1.26(2022年)より低いのです。生まれた韓国の子どもの数も、前年比7.7%減の約23万人で過去最少です。8年間でほぼ半減し、少子化は「日本以上」に見えます。

 韓国の少子化の背景には、ソウルに人口が一極集中して、地価と住宅価格が高騰し若者が住宅を購入出来ず、結婚に踏み切れない状況があるようです。結婚しても韓国はかなり苛烈な受験競争と超狭き門の大企業就職と格差拡大問題があり、高額の教育費が掛かるので子どもを2人も3人も持つ余裕がないという遠因があるようです。

 日本もそして韓国も、結婚新生活支援事業や育児休暇、子ども手当、教育費無償化など少子化対策を推進していますが、それでも歯止めが効きません。となると、結婚したくても出来ない非正規雇用といった経済的理由や、将来に対する不安など心理的理由が大きいと思います。

 林官房長官も記者会見で「少子化の進行は危機的状況」と述べ、少子化対策も発表していましたが、口先だけで、「笛吹けども踊らず」の印象です。だって、当事者である企業が賃金を引き上げ、非正規労働者の社員化を進めない限り、改善しないことが分かりきっているからです。「内部留保」に邁進する企業は、相変わらず、低賃金に抑え、非正規雇用の比率を挙げることで利益と業績を上げているわけですから、イエスマンで這い上がってきたサラリーマン経営者が、そんな「打ち出の小槌」を手離すわけありません。

 「内部留保税」や「非正規雇用割合税」なるものを徴収すれば、そんな悪循環が改善するでしょうけど、そんな法案を提出する政治家は一人もいないでしょうし、財界も大反対のキャンペーンを張ることでしょう。フリードマンや竹中平蔵らの新自由主義思想の根が深いからです。

 かくして、少子化に拍車が掛かり、人口減が幾何学級数的に進み、…この先はあまり想像したくないですね。

斜陽日本は、GDPで世界下位に転落?=いや大したことではありません

銀座「マトリキッチン」日替わり定食1100円

 新聞各紙の昨日(2月15日)の夕刊と本日(16日)の朝刊のトップ記事は「日本GDP 4位に転落」です。内閣府の発表によると、2023年の名目国内生産(GDP)が591兆4820億円で、1967年以来56年ぶりにドイツを下回ったというのです。(私はビートルズ・フリークなので、1967年というと「サージェント・ペッパーズ」の年だと思ってしまいます。)

 私は、クジ運も、商才も、博打運も全くなく(笑)、経済にも疎いのですが、専門家の皆さんは、個人消費の減少が要因で、ドイツも景気低迷しているので円安の影響があるなどと述べていました。でも、識者コメントの中では、16日付毎日新聞朝刊に載っていた小野善康・阪大特任教授の話が素人には、異色で一番分かりやすかったでした。

 小野特任教授によると、いまだに日本は世界でもトップクラスの大金持ちで、GDPが増えなかったのは、日本全体として新しいモノやサービスを必要としておらず、「お金をためておきたい」と考えているからだというのです。ハハ~ン、お金持ちはケチですからねえ(笑)。それに、今やGDPは豊かさを示す指標ではなく、他国と順位を競うことに何ら意味がない。国際順位に一喜一憂するより、国民一人ひとりの生活の質を引き上げることの方が重要だというのです。

 なるほど、実に分かりやすく、ご尤もです。あの「21世紀の資本」の著者トマ・ピケティさんも「GDPはもはや実態にあった経済指標ではない」といった趣旨のことを書いていましたからね。

 2025年にはインドにも抜かれて日本は世界5位に転落するとも言われていますが、小野特任教授が主張する通り、一喜一憂することはないということです。

 そして何よりも、「国民一人ひとりの生活の質を引き上げる」というのは政治家の仕事です。しかし、その今の政治家たちは、裏金づくりに勤しんでいるだけで、国民の生活のことなど一切考えていません。

 そういう政治家を選んだのは国民であり、国民の政治に対する無関心が今の体たらくを生んだといっても過言ではありません。

 今、そのしっぺ返しを喰らっているというのに国会前でデモ運動する市民もなく、哀しいものがあります。

中国はもう終わりの始まりか?=NHKスペシャル「調査報道・新世紀 File1 中国“経済失速”の真実」

 先日放送されたNHKスペシャル「調査報道・新世紀 File1 中国“経済失速”の真実」はちょっと衝撃的な番組でした。(また再放送もあるようです)

 結論から先に言いますと、世界経済に莫大な影響を与える中国経済が目下、「失速」しつつあり、このままでは財政破綻もしかねないという恐怖のシナリオです。最悪の場合、日本も多大な影響を受けることでしょう。

 そもそも、中国の中央政府が公式発表しているGDPの伸び率がかつては5%だの10%だのと景気よく公表していましたが、実は多めに発表していて実態経済と合わないと一部専門家の間で指摘されているのです。これは、今はITのグローバル時代ですから、世界各国の「夜間照明」を検証して、実態経済と比較する手法が用いられたりしています。例えば、韓国は赤々と夜間照明が照らされているのに、北朝鮮は真っ暗です。それだけ、北朝鮮は、電力エネルギーが不足し、実態経済は低迷している証明になります。中国の夜間照明も実態とそぐわない。。。照明が証明になるとは!

銀座

 番組は、調査報道ですから、取材班がネット上で公開されているオープンソースから複数の情報を組み合わせたり、ジグソーパズルを解くように繋ぎ合わせたりして真実をあぶりだしていきます。いわゆるオシントです。中国本土では目下、「賃金未払い」から全国でデモが頻発し、SNSでその模様の動画がアップされていますが、中国当局はこれらを有害として瞬く間に削除しています。取材班は、それらが削除される前に出来るだけ迅速に情報収集しなければなりません。そんな苦労の末に収集したデータによると、今年1~9月の間に、中国全国で1148件のデモがあり、そのうちの86%が賃金未払いデモであったことが分かりました。デモ隊の掲げるプラカードなどで、内容が分かるのでしょう。それにしても凄い話です。

 そして、不動産大手「恒大グループ」が今年8月に約48兆円もの負債を抱えて、破産申請したように、中国全土では、マンションやら高速道路やらが建設途中でほったらかしにされて、野ざらしになっている有様も映し出されていました。

 これらマンションや高速道路建設を公共事業として発注していたのが「地方融資平台」と呼ばれる地方自治体(貴州省、陝西省といった省)の別働部隊です。約1万社あるといいます。それが、取材班が調査したところ、この地方融資平台全体で1100兆円もの隠れ債務があったというのです。中国は目下、中央政府には500兆円の債務、地方政府には700兆円の債務を抱えているといいますが、この隠れ債務を含めると、財政健全ラインの60%を大幅に超えて100%を上回るといいます。

 こんなんでは賃金の未払いが発生し、工事も中断するはずです。専門家は「インフラへの過剰投資のツケが回ってきた」と分析していましたが、中国の家計債務も約1400兆円もあるそうです。なお悪いことに、中国では61年ぶりに人口減少が始まり、今年はインドに人口世界一の座を奪われたといいます。中国も日本と同じように少子高齢化が進めば、必然的に経済成長に歯止めがかかり、停滞するはずです。

 これでは、表では余裕の表情を浮かべている習近平国家主席を始め7人の政治局常務委員も眠れない夜を過ごしているかもしれません。台所は火の車ですから。

 中国人の「爆買い」を期待して、日本人客を邪険するようになった日本の商業界もオチオチしていられませんよお。

日本人が知らない覆面篤志家、逝く=チャールズ・フランシス・フィーニー氏92歳

 チャールズ・フランシス・フィーニーさん。日本人のほとんど誰も知らない米国人の実業家です。免税店「DFS」を共同創業し、まさに巨万の富を築いた人ですが、その全財産に等しい80億ドル(約1兆2000億円)もの大金を自ら設立した慈善団体や病院、大学などに生前に、しかも匿名で寄付した人でした。 

 10月9日に92歳でサンフランシスコの自宅で亡くなりました。それは2部屋しかないアパートで、しかも賃貸住宅でした。若き頃は贅沢三昧で、50代の時には、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ホノルルなどに7軒もの豪邸を所有していました。60代で最初の妻と離婚した際、7軒の豪邸全てをこのフランス系の前妻に与えたといいます。

 かつては、豪華なパーティーに参加し、リムジンやヨットを乗り回していましたが、そのうち、そんな生活が嫌になり疑問さえ持つようになりました。やがて、ヨットやリムジンも売り払い、バスや電車を利用し、飛行機もエコノミークラスです。高級レストラン通いもやめました。しかも、成功した大金持ちの象徴とも言うべき腕時計は、わずか13ドル(約2000円)の日本のカシオ製だったといいます。えっ!?です。それだけの財産があれば、1億円のパテック・フィリップぐらい簡単に買えるのに…。

 その間、匿名で大学や病院(米国だけでなく、アイルランドやベトナムなどにも)に寄付を続けていましたが、1997年に免税店「DFS」の持ち株をルイ・ヴィトンーモエーヘネシーに売却した際に、彼の名前が表に出ることになりました。この時得た利益16億ドルはフィーニー氏の懐に入ったわけではなく、そのままバーミューダーに設立していた慈善団体に寄付されました。

 寄付は、あくまでも「生前」に拘り、老後の生活資金や遺産などのために200万ドル(約3億円)だけ残して、全財産を寄付してしまいました。

東京・中央区役所

 この記事は、10月9日付ニューヨークタイムズ電子版などを参照しながら書いていますが、NYTには、何が彼をそうさせたのか、については詳しく書かれていません。ただ、それとなく暗示することは書かれています。

 チャールズ・フランシス・フィーニー氏は1931年4月23日、米東部ニュージャージー州エリザベス市で、熱心なカトリック教徒であるアイランド系米国人の両親のもとで生まれました。父は保険外務員、母は看護師で、典型的な労働者階級で大学に進学できる余裕もなかったので、1948年に高校卒業後は空軍に志願し、主に、占領地日本で4年間過ごしたといいます。

 米国に帰国後、軍歴があったため奨学金を得てコーネル大学で学ぶことが出来、56年に卒業後、バルセロナに渡り、そこで大学時代の友人ロバート・ミラーと偶然、再会します。この時、2人で高級化粧品や高級酒など販売する免税店を思いつき、起業したといいます。その後、大成功したことは言うまでもありません。

 超富裕層になった彼が、ほぼ全財産を手離すことに躊躇しなかったのは、やはり貧しい労働者階級ながら信仰深く、質素で誠実な両親の下で育ったからだと思われます。「金持ちになると、ニュージャージー時代の友人と対等に気軽に付き合えないから」とフィーニー氏は振り返ったりしています。5人の子宝に恵まれましたが、5人とも父親の莫大な遺産を期待するようなハシタナイ人間ではなく、派手な生活を好まない人間に育ったことも幸いしました。

東京・新富町駅 ???本文と写真合ってないじゃないですか!

 しかも、寄付が匿名というのが、「陰徳」そのものです。「名前が出ると、付きまとわられるから」というのが匿名にした理由だそうですが、大抵、寄付をする富裕層は、寄付した建物やホールなどに自分の名前を付けて自己アピールしたがるものです。やたらと宇宙に行きたがる大金持ちもいます。誰、とは言いませんけど沢山いますねえ(笑)。そんな人たちと比べると、「覆面篤志家」フィーニー氏の行為と質素な生活は立派という他ありません。何と言っても、2000円の腕時計で満足してしまうなんて、考えられませんよ。

 私なんか、ジョン・レノンも愛用した2000万円のパテック・フィリップの腕時計が欲しくてたまらなかったので、まだまだ修行が足りませんねえ。コリャダミダ

「ビッグモーター」はどうなってしまうのか?=「我慢して生きるほど人生は長くない」ー人生、苦しいことが99%、幸せは1%

 大手中古車販売の「ビッグモーター」による不正疑惑は、ボロボロと出て来るわ、出て来るわ、で、この先、一体どうなってしまうんですかね? このまま、信用を失って行けば、最悪の事態に発展しかねません。(この記事は7月27日時点までの報道に基づいて書かれています)

  創業社長がやっと記者会見に登場しても、「顧客よりゴルフの方が大事」と捉えかねない唖然とする発言に終始し、逆効果でした。社長を辞めても大株主なので収入面で影響なく、院政を敷くことでしょう。パワハラの元凶とされるその息子さんである副社長が雲隠れしておりますが、消費者庁が内部告発を奨励しているといいますから、これからもっともっと凄いことが出て来ることでしょう。

 最も大きな疑惑は、ビッグモーターが損保会社と結託し、損保会社の社員を出向させてまでして、ゴルフボールでワザと車体を傷つけるなどして保険修理代を不正要求し、隠蔽まで図ったということでしょう。お金の問題ですね。

 もう一つは、昨日大きな話題になりましたが、全国のビッグモーターの店舗の中で、店前の街路樹が不自然に枯れたり、伐採されたりしている問題です。除草剤を撒いたという疑惑がありますが、何でそんなことするんでしょうか? 秋になって落ち葉が中古車に降り積もるのを防ぐためかと思ったら、外からビッグモーターの看板が樹木に隠れないよう、はっきり見えるようにするため、という説もありました。街路樹は県道なら都道府県、国道なら国土交通省が管理しているということで、これから「器物損壊」などの容疑でガサが入れられるようです。

 一番、迷惑を蒙ったのは顧客ではありますが、不正と知りながら真面目に仕事をしなければならなかった社員も犠牲者だったかもしれません。副社長が中心になった本部からの「監察官」みたいな人間が全国の店舗を監察し、営業成績から店舗清掃状況まで精査します。店長も簡単に降格され、うつ病を発症して退社を余儀なくされた社員もいたようです。

新富町

 今、心療内科医・鈴木裕介著「我慢して生きるほど人生は長くない」(アスクル)という本が売れているそうですね。私はまだ読んでおりませんが、一度キリの人生、後悔なく生きるための心にグサリと刺さるような言葉が書き連ねられているようです。その中の一つの例として「あなたを大切にしない人を、あなたが大切にする必要はない」という言葉があります。この伝でいうと、ビッグモーターのようなあなたを大切しない会社を、あなたが大切にする必要はないということになります。

 本のタイトル通り、人生は、我慢して生きるほど決して長くはありません。人を小馬鹿にするような嫌な人間と敢えて付き合うことはないし、サービスの悪い高飛車なお店には二度と行かなければ良いのです。仕事上、仕方がないのなら、最低限のうわべだけで付き合えば良いのです。嫌な不愉快な人間がテレビやラジオに出てきたら見聞きする必要もないし、そんな人間の書いた本なんか読む必要もないのです。序に言えば、人間だけでなく、人工知能(AI)が信じられなければ、なるべく避けて利用しなければいいのです。アナログ人間だっていいじゃないですか。

 大した稼ぎはなくても、真面目に質実剛健に生き、聖人君子になれなくたっていいじゃありませんか。

入船「壮石 新」ランチ握り 1500円

 今年、歌手活動を引退した加山雄三さんが目下、朝日新聞に小さな自叙伝を連載しています。大スターではありますが、作詞作曲もし、東宝「若大将シリーズ」で人気を獲得し、映画もレコードも売れに売れた大金持ちで、苦労知らずのお坊ちゃまかと思いきや、ホテル経営者のおじの連帯保証人にいつの間にかなっていたため、ホテル倒産で億単位の莫大な借金を背負ってしまい、食べる物まで苦労したことが書かれていました。それでも彼の偉いところは、人間界を達観していることでした。若い人は知らないかもしれませんが、加山雄三の父親は、人気実力とも彼以上とも言える戦前の往年の大スター上原謙でしたが、落ち目、つまり、人気が陰りを見せるとそれまで懇意にしていた友人知人たちが、手の平を返すように去っていったといいます。利用価値がなくなったからなのでしょう。そんな人間界の醜悪さを、彼は思春期の頃から見て来たので、苦難に陥っても達観することができたといいます。

 本日の紙面で、彼は「人生、苦しいことが99%、幸せは1%ぐらいだと。それぐらいに思っておくのが大切だと思う」とまで発言しています。波瀾万丈の大スターの発言ですから、言葉に重みがあります。

台頭するインドの衝撃=4年後、経済大国世界第3位に?

  先日放送されたNHKスペシャルの混迷の世紀シリーズ 「台頭する”第3極”インドの衝撃を追う」はタイトル通り、実に衝撃的でした。

 一人っ子政策の弊害?から早くも少子高齢化社会に突入した中国を追い抜いて、インドは今年(2023年)、世界一の人口大国(14億2800万人)に躍り出たといいいます。そんなインドの台頭が緻密に描かれていました。

 何しろ、4年後の2027年には、インドはドイツ、日本を抜いて世界第3位の経済大国になると言われているのです。その背景のメリットとして平均年齢27.9歳という若さがあります。若さは高度経済成長の要です。中国の平均年齢は38.5歳、日本ともなると48.7歳ですから、どんなに頑張っても(老人をこき使う手もありますが)この予想は覆されないことでしょう。

向日葵

 インド発展のバックグラウンドには、IT技術の強みがあります。インド人はゼロを発見した民族ですから、古代から数学に強い民族です。仏教のお経にも「阿僧祇(あそうぎ)」「那由多(なゆた)」など、とてつもない桁数の数字が出てきます。弥勒如来も、釈迦入滅から56億7000万年後に出現すると言われています。現代人が今、普通に使っている1、2、3…といった数字は「アラビア数字」と言われていますが、実は、インド数字の表記がアラブ世界に取り入れられ、欧州人は中世にアラブ世界からそれらの数字を輸入したのでアラビア数字と呼んだだけで、事実はインド数字だったといいます。

 インド人は数学やITに強いので、米国Googleの社長サンダー・ピチャイ氏も、アドビの会長、社長兼CEOでシャンタヌ・ナラヤン氏らもインド系米国人です。インド系が世界のIT業界を制覇しているといっても過言ではないかもしれません。

 番組では、そんなIT技術の強みを生かして、モディ首相がインド国内だけでなく、エチオピアやフィリピンなどグローバルサウスと呼ばれている国々に対してもデジタルインフラを推し進めている有り様を追っていました。デジタルインフラには、個人のIDが生体認証システムとドッキングし、銀行口座にも紐づけされ、決算が飛躍的に便利になるメリットがあります。その半面、個人情報が何処まで守秘されるのか疑問符が付き、政権が変わって、独裁者が出現すれば、国民を奴隷のように意のままに扱うことが出来る危険性もあるわけです。

 今の日本のマイナーカードでさえ、トラブルが頻発しているわけですから、この個人IDシステムがインド国内はともかく、海外で何処まで伸びるのか、まだ誰も分かりません。

 インドは長い間、英国による植民地支配を受けて苦しんできた国です。そのため、デジタル技術も欧米に奪われて支配されたくないといった高邁な精神から、IT技術を促進していったといいます。つまり、インドによるグローバル・スタンダードの構築です。インドは、グローバルサウスの最貧国にはIT技術を無償で提供すると言われています。

ヤブカンゾウ

 ただし、インドはヒンズー教を国教とし、いまだにカースト制度が残存していると言われます。番組では、モディ政権による少数民族やイスラム教徒に対する弾圧も描写していました。カースト制の最下層に多いと言われる少数の仏教徒も弾圧されているのかもしれません。ウイグル族らを弾圧している中国と同じことをしておきながら、欧米社会は、批判せずにインドを受け入れるという矛盾した態度を取っているわけです。

 国際社会というものは、うわべでは握手してニコニコしながら、水面下では足の蹴り合いをして覇権を争っている社会と言えるのかもしれません。

【追記】

 本日7月18日、銀座の会社に出勤して、無事、誕生日を迎えることが出来ました。Facebookを停止したのにも関わらず、(私から見て)多くの皆様からお祝いのメッセージを頂きました。この場も序でにお借りして御礼申し上げます。

 有難う御座いました。

 誕生日が過ぎれば、精神的にも落ち着くことでしょう(笑)。

1%の富裕層のための新自由主義=ナオミ・クライン「ショック・ドクトリン」を「100分de名著」が取り上げています

 目下、NHKのEテレで放送中の「100分de名著」の第130回「『ショック・ドクトリン』ナオミ・クライン」は頗る面白いので、皆さんと共有したいと思いました。6月12日(月)に第2回が放送されますが、同日に第1回の再放送もあり、見逃した方は、最初から見ることが出来ます。

 実は、私自身はこの名著を読んだことがなかったので、全く期待していなかったのですが、何となく見始めたら、すっかりハマってしまったのです。

 「ショック・ドクトリン」はユダヤ系カナダ人のジャーナリスト、ナオミ・クラインが2007年9月に発表したノンフィクションです。一言でいえば、シカゴ大学の教授でユダヤ系経済学者のミルトン・フリードマンが提唱した「新自由主義」に対するアンチテーゼで、彼女はフリードマンの経済政策を「惨事便乗型資本主義」と批判しているのです。

 番組の解説者として出演しているジャーナリストの堤未果氏によると、ショック・ドクトリンのショックとは、戦争やパンデミック、自然災害、テロといったことを指し、大衆がこのようなショックで正常な判断を失っている間隙を縫って、新自由主義者たちが次々と表向きは都合の良いように見せかけながら、自分たちだけが利益になるような政策を誘導していくことだといいます。一言でいえば、「火事場泥棒」ということで、実に分かりやすい表現だと思いました。

 新自由主義たちが為政者たちに「市場原理こそ全てだ」と言いくるめて、まずは①「規制緩和」に誘導させ、続いて、公共事業を次々と②「民営化」させる。最終的には③「社会福祉の制限」が目的となります。当然、貧富の格差は拡大しますね。堤氏によると、民間企業なら利潤があげられなければ、簡単に逃げられるが、公共団体は、綻びが出たからといって撤退できないといいます。つまり、例えば、2007年に財政破綻した北海道の夕張市は、撤退することが出来ず、国の管理下で借金を返済し、結果的に若者が離散して超高齢化と人口減少という現実があります。そうかと言えば、ハゲタカのようなファンドが、企業を乗っ取り、甘い蜜を吸いつくしてから、高額な金額で転売して逃げ去る構図と似ています。

 私は昔から、誰が世の中を動かしていて、誰が額に汗水たらさずに儲けて楽をしているのか、といった「世の中のからくり」について興味があり、ずっと知りたかったので、この本には目を見開かせられます。

 「ショック・ドクトリン」では、1973年、米CIAの工作員の力を借りてアジェンデ社会主義政権をクーデターで倒したチリのピノチェト将軍による独裁を振り返っています。ピノチェトは、1万3500人の市民を拘束し、数千人に拷問をかけて「ショック」を与え、1950代にシカゴ大学に留学してフリードマンから薫陶を受けた「シカゴ・ボーイズ」と呼ばれた経済学者らに経済政策の指揮を執らせ、国営企業を次々と民営化して外国企業=つまりは米国=を参入させます。その結果、1974年のチリのインフレ率は375%に上り、パンの価格が高騰し、安い輸入品のお蔭で国内の企業が低迷し、失業率も増大します。

 その一方で、富裕層の収入は、アジェンデ政権時と比べて83%も増大したというのです。

 このほか、「英国病」と呼ばれて景気低迷していた1980年代の英国。サッチャー政権も支持率が25%と低迷していましたが、サッチャー首相は、フォークランド紛争という「ショック」を利用して、事業を民営化して景気回復を図り、支持率を59%に伸ばしたといいます。その一方、富裕層に対しては優遇政策を取ったといいますから、フリードマン流の新自由主義です。

 番組では、堤氏は「日本にもシカゴ・ボーイズ(フリードマンの影響を受けた経済学者や政治家)はいます」とキッパリ言ってましたが、具体的にどなたなのかは口を噤んで、言いませんでした。ズルいですねえ。まあ、誰かは想像はつきますが(笑)。

 でも、穿った言い方をすれば、政治の世界は「善か悪」とか「正しいか、間違っているのか」の世界ではなく、結局は、「強いか、弱いか」の世界です。民主主義なら、数が多いか、少ないかの世界です。権力を握った者=恐らく富裕層=が好き勝手な政策をできるわけです。

 だって、フリードマンの新自由主義は、1%の富裕層にとっては、救世主のような正しい善の政策になるわけですからね。

 思えば、日本人は、自分が貧困層だという自覚が全くないから、多くの人が富裕層を優遇する政党に投票しているわけで、勉強が足りないといいますか、自業自得になっているわけですよ。

奴隷を巡る内戦と債務上限引き上げ問題との関係

  昨日のブログで、奴隷狩りするアマゾンアリや奴隷取引をする人間のことを書きましたが、読売新聞を読んでいたら、国際経済欄に米国の奴隷問題の話が出てきたので、その偶然の一致に驚いてしまいました。

 それは、国際経済学者の竹森俊平氏が、デフォルト危機に陥るのではないかと不安視された米連邦債務上限引き上げ問題について解説した記事でした(2023年6月2日付読売新聞朝刊)。債務上限の決定権を何故、議会が持つようになったのか、その経緯について歴史的に説明してくれています。近年は民主党の大統領の時に、共和党が議会の過半数を握る「ねじれ状態」が生じたりすると、共和党は、歳出削減を勝ち取ろうと、この上限引き上げを拒む瀬戸際作戦を画策するといいます。最初にそれが起きたのがカーター民主党政権時代の1979年5月で、不慮の不履行(テクニカルデフォルト)となりました。当時の私は、経済音痴の不勉強な学生でしたので、あまり覚えていません(苦笑)。同じ年に起きたホメイニ師らによるイラン革命はよく覚えているのですが。。。

「隣りの席に鞄を置くな」と言われた

 竹森氏は、「もともと政治の根本理念を巡る国内対立の深刻さこそが米国史の独自性だ」ということで、その典型的な例として南北戦争(1861~65年)を挙げています。この南北戦争は、奴隷制度を「自由の侵害」と考える北部と、奴隷禁止を国民の奴隷に対する「所有権の侵害」と考える南部の理念が真っ向から衝突したものだったといいます。

 つまり、19世紀になっても人間はいまだに奴隷を巡って争いを続けていたのです。ダーウィン先生(1809~82年)の進化論が正しければ、人間はもっと進化して賢くなっていいはずなのに、です。(ダーウィンは、南北戦争は同時代の戦争として経験していました!)

 また、この記事で、この奴隷を巡る南北戦争での戦死者は、米国史上最大の70万人だったことが書かれていたので、私なんか「えっ!?」と驚愕してしまいました。先日、この渓流斎ブログで、第二次世界大戦中の独ソ戦について触れ、ドイツとソ連の戦死者は、民間人も併せて3000万人だったと書いたばかりでしたので、不謹慎ながら、「えっ?70万人が最大なの?」と思ってしまったわけです。

 そこで、調べてみたところ、過去の米軍の死者数は、第2次大戦が40万5000人、ベトナム戦争5万8000人、朝鮮戦争3万6000人(米ABCニュース)でした。米国は、海外での戦争より、国内の内戦での死者数の方が多かったということになります。

 日本が先の太平洋戦争で犠牲になった戦死者数は民間人も含めて、310万人と言われています。この中には「米国の若者の犠牲を防ぐための正義の手段」と米国で教育されている原爆投下による犠牲者も含まれています。

「いらっしゃいませ」も「有難う御座いました」も言わない! ファストフード店でもない高い店なのに、食器を返却させ、制限時間まで通達する。こんな店、二度と行くかあ~!金輪際。

 もう一度書きますが、米軍の第2次世界大戦での犠牲者は40万5000人。奴隷を巡る内戦での死者数は70万人でした。ということは、米国は、海外での戦争や外交より、内政を重視しないと損害が大きいと米国史が教えてくれているようなものです。先に、バイデン米大統領が債務上限引き上げ問題で、G7会議を欠席するだの、参加してもすぐ帰国するだの、色々と話題になったのは、こうした外交より内政を重視せざるを得ない国内事情があったわけですね。

 話はダーウィンの進化論から奴隷問題、債務不履行問題にまで及び、何か、脈絡がないような話でしたが、根っ子はつながっているのです。

斎藤幸平著「人新世の『資本論』」を読みながら考えたこと

  3年前に大ベストセラーになった斎藤幸平著「人新世の『資本論』」(集英社新書・2020年9月22日初版)を今頃になって読んでおります。図書館で予約したら、やっと届いたからです。大ベストセラーなので、予約者数が甚大で、手元に届くのに2年ぐらい掛かったということになります(苦笑)。

 「そんなら買えよ!」と皆様方からお叱りを受けるかもしれませんが、私はへそ曲がりなので、基本的にベストセラー本は買わない主義でして…(苦笑)。大抵は図書館で借ります。もし、その本があまりにも面白ければ、敢えて、購入します。例えば、ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」などです。この本にすっかり感銘を受けて、同じ著者の「ホモ・デウス」や「21世紀の人類のための21の思考」などはせっせと購入しております。ただ、あまり本の収集癖がなく、自宅も狭いので、それほどの蔵書はありません。古書店に売ってしまったりもします。

東銀座

 さて、「人新世の『資本論』」を読み始めて、何でこんな難解な本が大ベストセラーになるのか不思議でした。同時に、日本人というのは大の読書家=勉強家で、捨てたもんじゃないなあ、と見直してしまいました。

 この本は、「地球環境危機を救うには、マルクス主義しかない」という結論に行きつくと思われ、私自身はそれに関しては懐疑的なので、全面的に賛同しながら読んでいるわけではありません。著者の斎藤氏は、天才学者の誉が高いようですが、1987年生まれということで、学園紛争や連合赤軍事件(1972年)などは生まれる前の話ですし、天安門事件やベルリンの壁崩壊(1989年)、ソ連邦崩壊(1991年)は幼児で同時代人として体験した感覚はないと思われるので、世代間ギャップを感じます。勿論、良い、悪いという話では全くなく、学者ですから文献を読めば、いくらでも習得出来るので、同時代人として経験しようがしまいが関係ないとも言えますが。

 ただ、1950年代生まれの私たちの世代は、悲惨な戦争体験をした1920年代生まれの親から話を聞いたり、赤紙一枚で一兵卒として召集された伯父なんかはシベリア抑留の苛酷な体験もしたりしているので、どうも、共産主義、全体主義には皮膚感覚でアレルギーがあります。中国共産党の毛沢東も大躍進政策や文化大革命等で数千万人の国民を死に追いやったという説も同時代人として見聞しました。1980年代生まれの斎藤氏の世代では分かり得ないアレルギー感覚だからこそ、このような本を著すことができるのではないか、とさえ思ってしまいます。

東銀座

 などと、書いて、この本の評価を貶めようとしているわけではありません。これだけの大ベストセラーになるわけですから、読む価値はあります。著者は、万巻の書籍を読破して、さまざまな提言しています。例えば、

 「私たちが、環境危機の時代に目指すべきは、自分たちだけが生き延びようとすることではない。それでは、時間稼ぎは出来ても、地球はひつしかないのだから、最終的には逃げ場がなくなってしまう。…今のところ、所得の面で世界のトップ10~20%に入っている私たち多くの日本人の生活は安泰に見える。だが、このままの生活が続ければ、グローバルな環境危機はさらに悪化する。(111ページ)

 「無限の経済成長を目指す資本主義に、今、ここで本気で対峙しなくてはならない。私たちの手で資本主義を止めなければ、人類の歴史が終わる。」(118ページ)

 といった提言は、大いに賛同します。仰る通り、このままだと人類は遅かれ早かれ確実に滅亡します。しかし、その改善策として、著者の言うところのケインズ主義では駄目で、マルクス主義しかない、とまでは私自身は飛躍しません。反体制派の人間らを強制収容所に連行したり、計画経済が失敗して何百万人もの自国民を虐殺したり、餓死させたりしたソ連のスターリンも、先述した毛沢東も、本当のマルクス主義者ではなく、マルクスは、独裁のために虐殺してもいい、なんて一行も書いていないと言われても納得できません。マルクス本人が意図しなかったにせよ、マルクス思想が独裁者の理論的支柱となり、政敵を粛清する手段として利用されたことは歴史が証明しているからです。

 と、またまたここまで書きながら、グローバリゼーションと地球環境破壊と資本主義の矛盾による格差社会の現代、マルクスはそれら危機を打開してくれる福音書のように、苦しむ勤勉な若者たちの間で読まれているという現実が一方にあることは付記しておきます。

 「人間の意識が存在を規定するのではなく、人間の社会的存在がその意識を規定するのである」(カール・マルクス=1818~83年、享年64歳)