沖縄、おきなわ、オキナワ

マレーシアの炒飯ナシゴレン

 沖縄のUさんから、メールがありまして、パソコンに「ウインドウズ10」をインストールしたところ、調子が悪くなってしまいました、と憤慨されております。Uさんの御主人の職場でも「ウインドウズ10」を入れたところ、動かなくなった機種もあったとか。

 私も迷いました。「今なら無料」「○月○日以降は有料」「お早めに」といったマイクロソフト・ジャパンからの案内が五月蠅いほどつきまとってくるので、タダなら、いいかなあ、と思っていました。

 しかし、念のため、と思い、パソコンとITに詳しい友人の石田君に問い合わせてみたら、「やめた方がいいよ。フリーズするかもしれないから。どうしてもW10が欲しいなら、今のパソコンが壊れて、新しく買い換えた時にすればいい。それまで、またバージョンアップしているかもしれないから、遅くはないよ」と忠告してくれました。

 そうです、英米の諺で、「タダのランチほど怖いものはない」というものがあります。私は「もらう」「いただく」「ただ」が綾小路公麻呂さんみたいに大好きなんですが、やはり、タダには気をつけなければいけませんね(笑)。

 せっかく、沖縄のUさんからメールを頂いたので、沖縄問題について考えてみます。

 先日、米軍属の米国人が、日本の女性を暴行殺害して逮捕され、外交問題にも発展しました。犯人は、当日は仕事のない「オフ」で、先に沖縄県警によって逮捕されたから、取り調べもできましたが、もし、「オン」と称して、治外法権の基地内に逃げ込めば、日米地位協定をタテに、日本の裁判は受けることはなく、放免されて帰国していたかもしれません。

 で、私はコメンテーターではないので、あえてコメントは書きません。日米地位協定をこのままにしていいのか、皆さん方も考える機会だと思っています。
 
 さて、米大統領選の有力候補者ドナルド・トランプ氏が、盛んに民衆を煽動して、日本やメキシコや中国などの悪口をまくしたてています。

 特に、日本に対しては、日米安保条約で一方的に日本だけが恩恵を受けて、「ただ乗り」していると言わんばかりです。彼は、日本の「思いやり予算」さえ知らないようです。はっきり言って、大変失礼ながら、トランプ氏は、日米貿易摩擦の激しかった1980年代で思考が停止しているんじゃないか、と思われる発言を羅列しています。

 例えば、駐留米軍の負担費ですが、天下の産経新聞が、ペンタゴンなどの資料を基に各国を比較して数字を詳らかにしてくれました。(5月25日付朝刊)

 それによりますと、2002年の数字ですが、日本は44億1134万ドルを負担して、その負担率は74.5%。ダントツの1位です。同じ枢軸国同士で、敗戦国のイタリアは3億6655万ドルで、41.0%。そして、何とドイツは、15億6393万ドルとはいえ、負担率はわずか半分以下の32.6%なのです!(ちなみに、トランプ氏からやり玉にあがった韓国は、8億4281万ドルで、40.0%

 トランプ氏は「何で100%負担しないんだ!」と文句を言ったそうですが、もし、仮に、日本が100%負担したとしたら、残りは将兵の人件費分ぐらいで、そうなると、米軍は日本の単なる「傭兵」になってしまう、という矛盾を抱えてしまうそうなのです。

 まあ、日本はそれだけ、つまり、半分どころか全額に近い74.5%も駐留米軍の経費を負担しているわけです。

 また、26日付の毎日新聞の記事で、米シンクタンクの数字を取り上げていました。米軍は2015年現在、世界150以上の国・地域に約15万人が駐留していますが、最多は日本で約5万2000人。実に全体の3分の1を占めます。このほかは、ドイツ約3万7000人、韓国約2万5000人、イタリア約1万2000人です。

 そして、肝心の沖縄です。

 日本の国土面積のわずか0.6%の沖縄県に在日米軍専用施設の74%が置かれています。
 沖縄県の負担割合は、本土の約500倍。県民約140万人約9割が住む沖縄本島の2割近くの面積を米軍施設が占めています。その米軍基地のうち、海兵隊基地が占める割合は、75%もあります。つまり、沖縄基地のほとんどが海兵隊と言っても過言ではありません。
 沖縄県民総所得に占める基地関係収入の割合は、最近はわずか5%程度なんだそうです。

 これは、沖縄在住の大学教授の論文の引用し、少し私が改変したものです。

 以上、私のつまらないコメントはしません。再読して頂ければ幸甚です。

 
 

通訳資格の無用化は国家戦略なのか? 第5刷

確かに、あるサイバー評論家も宣っておられましたが、ネット上に投稿することは、たとえ匿名であっても、すぐに年齢職業住所家族郎党まで正体が分かり、東京・渋谷のスクランブル交差点で看板を掲げて歩いているようなものだ、と断定しておられました。

まあ、世の中、ハッカーとか色んな人がいますからね。

私は昨年、個人的に筆舌に尽くし難い体験をしたものですから、生きているだけでも幸福を感じ、「人間的なあまりにも人間的な」行為については、微笑ましくすら感じる時があります。

しかし、さりながら、それでも、泰然自若と大らかに構えることができない事案に襲撃されることもあります。

トイレットペーパーや子供の下着代まで、政治資金として懐ろに入れた舛添某には、誰でも腹が立ちますよね?

私の場合は、以下の通りです。

過日、保育園の入園に落選した母親が「◯◯死ね」とブログに書き、国会でも取り上げられて大騒ぎになりました。

流石に、私は、そういう風に国家から虐げられても、「◯◯死ね」とまでは書けないのは、渋谷のスクランブル交差点でこの看板を掲げて歩けないからです。

まず、誰も言いませんが、失礼ながら、品性がないですね、この方は。まるで下臈の言葉遣いのようです。
まあ、そういう私も会社法の規定では、単なる「使用人」に過ぎませんが。(笑)

私も言葉遣いには、気を付けますが、最近の国家のやり方には、実に閉口しております。

今の安部内閣が、「規制緩和」の名目で、国家が発行した「通訳案内士」という資格ライセンスを紙切れにしようと企んでいることです。

以前から「潜り」のガイドはおりましたが、白昼堂々と、免許なしで商行為をしても、見逃すというのです。流石に運転免許なしで運転すれば逮捕されますが、通訳免許なしでも逮捕されないというのです。

何じゃこりゃ、ですよ。例えが悪いですが、胴元がテラ銭を巻き上げておきながら、持ち逃げしたようなもんです。

これは、免許発行主管である国土交通省観光庁の役人がJTBグループと結託して、2020年の東京五輪を控えて、年々激増する日本への外国人観光旅行客に対処するために、「苦肉の策」として、通訳免許なしの商行為を黙認するという噂らしいのです。

昔の話ですが、国家資格の通訳案内士の合格率は、10%以下と言われてました。一時は、司法試験、公認会計士試験と並ぶ三大難関試験と称されましたが、今は昔の話。合格率も25%に上がり、稀少価値もなくなりました。

まして、免許なしでもオッケーなら、誰もこんな資格を取ろうなんて思いません。

そういう私も、もう10年ほど昔にこの国家資格を取得しましたが、予備校の通信講座を受講し、毎月のように模擬試験を受けましたから、少なくとも税引前総額100万円近くは浪費したと思います。舛添某なら、領収書を貰って、政治資金にしていたでしょうがね(笑)。

「◯◯死ね」とまでは言いませんが、「金返せ!」と言いたくなりますよ(笑)。

嗚呼、今日も人身事故で、電車の中でこれを書いています。

銀座は、外国人観光客で大賑わいです。G7サミットのおかげで、200メートルおきに二人組のお巡りさんがいます。「警視庁」のチョッキ(?)を羽織ってますが、恐らく、地方の県警から応援に駆けつけているんでしょう。こんなに普段は、多くいませんから。

大切なものは目に見えない 第3刷

干支申年

星の王子さまが言った「大切なものは目に見えない」は、正しい。

しかし、多くの人は、分かっていない。

まず、大切なこと、重要なこと、巧い投資話、モデルのような美人や青年実業家ら金蔓になるような異性情報は、ネットに乗りません。

日本伝来の忍術も、茶道も華道も画塾も雅楽も本来は、文字に書かれることはありません。精髄は、全て師から弟子に密かに伝える口伝なのです。

本当に旨味のある情報は、メイサか、秘密結社のようなインナーサークルだけが知り得る内部情報なのです。

これも、多くの人は分かっていない。本当に途轍もなく凄い取引とは、契約書なんかない。「口約束」なのです。

本当に反知性主義者は、何も分かっていない。ネットやメディアに初めて登場する情報は、既に、インナーサークルによって旨味を食い尽くされたカスの情報なのですよ。

ベトナム戦争はなやかりし頃、誠しやかな噂が流れたことがあります。「戦死した米兵の遺体洗浄のアルバイトが1万円」。1万円と言えば、今の10万、いや50万円ぐらいの価値がありました。そんな情報は、新聞やテレビなどのマスコミにのるわけありません。

今は、「某駅で、満員電車の乗客の尻を押すアルバイト、5000円」という噂があります。これも、インナーサークル内での口伝です。

残念なことに、こうしてネットに書かれますと、「そんなバイトないよ」と一笑に付されることでせう。

私が高校生の頃、国鉄山手線池袋~新宿間という東京で一番、ということは日本で一番混む路線を使って通学していました。まだ、副都心線も埼京線も何もない「単線」時代ですから、その満員電車の混み様は、尋常ではなく、常軌を逸していました。

乗車率150~200%はあったでしょう。私も、足が宙に浮いていました。(笑)

今は、少子化で労働人口も激減し、満員電車とはいえ、そこまで混雑していないでしょう。

うーん、特定を相手にしたお尻押しのバイトがしたい。

座っただけで3万円の銀座・高級クラブの唄

腿、肘3年、尻8年

えっ?渓流斎さんよ、今日は、こんなくだらないこと書きたかったの?

悪徳商人三木谷屋を弾劾す 第5刷

うっかり八兵衛 てえへんだ、てえへんだ!

銭形親分 お、八兵衛じゃねえか。やぶからばうにどした?

八兵衛 いえ、旦那。やぶからも、ぶらからもあったもんじゃねえすよ。あの三木谷屋にまたやられたんすよ。

銭形 三木谷屋?三木谷屋って、あの電脳空間で、仮想現実の阿漕な商売やってる、あの野郎か?

八兵衛 へ、そうでがんす。あちきも、盛んに電気紙芝居で「苦楽講」に入れば、もれなく5000点貰える、つうから申し込んだ次第で。そしたら、 2000点しか貰えない。おっかしいなあ、と問い合わせたら、残りの3000点は、条件満たしたら、3カ月後の皐月にくれる、ちゅうで、あちきも、首を長くして待ってたんすよ。

銭形 へー、それで?条件て何だい?

八兵衛 あちきも、よく分かんなくてね。何しろ電脳空間の買物なんて初めてでしょ?兎に角、何か色々買えば、条件を満たすと思って、ない袖を振り絞って盛んに買ったわけですよ。

銭形 へー、八兵衛、おめえ、一体何買ったんだ?

八兵衛 へっ。まず、30両もする高級江戸産腕時計、5両の南蛮鍋、3両の伊藤若冲の画…

銭形 へー、八兵衛にしちゃあ、随分、景気がいい話じゃなえか。

八兵衛 ま、助平心でして。3000点貰えるなら、色々買ってもチャラになりますからね。思い切ったわけですよ。

銭形 で、もう皐月もおしめえだ。その3000点とやら、おめえの懐に入ったのか?

八兵衛 それが、旦那。さっきの条件つうのが、幾ら買物しても、講札(こうふだ)つうもんを睦月に電脳空間で使わなきゃならねえ、とか抜かすんでさ。あちきは、そんなこと知らねえから、そんな講札なんか知らねえから、無理して買物しても、結局、三木谷屋の野郎は、点数はやらねえよ、と抜かすんでさ。条件をしかと見ねえおめえが悪い、と。

銭形 うーん、確かに、三木谷屋は普段から、近江商人や伊勢商人から安くぼったくって仕入れて、餓鬼畜生にも劣る阿漕な商売をやってるが、お上の法に触れるかどうかは、ギリギリだな。

八兵衛 えっ?そうでがんすか?…。

銭形 ま、三木谷屋と言えば、伊達藩に職業野球軍団、神戸に職業蹴球軍団を持って、新経済連盟とやらの代表理事もやって、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで、ぶいぶい言わせて、江戸市中で知らねえもんはいねえ、つうじゃねえか。

八兵衛 その通りでがんす。検非違使までに賄賂(まいない)を献上して、毎晩、吉原通い。週末は、帆船で焼津まで、幕僚とくるーじいんぐとやらをしてるとか。「三木谷屋、お前も悪やのう~」て、電気紙芝居みてえなことをやってるらしいでっせ。

銭形 そう言えば、八兵衛。おめえは、去年、曽孫とかいうやはり電脳空間で阿漕な商売をやってる渡来人に騙された、と騒いでいたな。

八兵衛 旦那、よくぞ言ってくれやんした。あちきは、去年は、黄泉国に行っていて、江戸市中にゃいなかったんですよ。それで、無線広域帯とやらを解約したら、違約金100両も取られて散々でしたよ。だから、柔銀行て、名前(なめえ)聞いただけで、虫酸が走りまっせ。

銭形 でも、その程度じゃ、大岡様の裁きでも、市中引き廻しどころか、鞭打ちの刑にもなるまい。泣き寝入りするしかねえなあ。

八兵衛 旦那、学のなかったあちきが悪かったてことすか?こうなりゃ、三木谷屋と曽孫の呪い人形でも作って釘でも打って、憂さ晴らししますさ。

銭形 おいおい、穏やかじゃねえな。

八兵衛 へっ、それじゃ、悪徳商人どもに天誅が下るよう、お百度詣りでもしますよ。少なくとも、十手を預かってる身が、悪に走るわけにはいきやせんからね。

銭形 ま、お天道様はいつも見てるからな。八兵衛の怒りも分かるが、その辺にしておけ。

世界一のパン、世界一のパン職人 第6刷

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

恐らく日本で、いや世界で一番値が張るパンを食しました。

美味いといえば、美味い。漢字で書けば、旨い、という書き方の方が近いかもしれません。

普通の食パンのように見える「パン・ドゥミ」は、まず、パンそのものが、「原色」のような匂いです。(詩的ですねえ~♪)発酵した小麦そのものの香りがします。

味は、これまで一度も食べたことがないパンの味。何か、ブレンドされていて、カラス麦のようなものも混合されている感じです。

とにかく、バターもジャムも何も付けなくても、主食ではなくて、おかずのように食べられます(笑)。

1斤1188円也!!そんじょそこらのスパーで安い食パンを見つければ220円ぐらいでも買えますから、何と5倍もの値段です!!

ちょっと高過ぎるんじゃないですか?-というのはまだ早いです。

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

何しろ、パン作りに懸ける手間暇が半端じゃないのです。

下拵えに数時間、第一次発酵に掛ける時間は低温で10数時間、その後、捏ねたり、成型にしたりして、再び発酵させて、原型をつくり、特殊の石窯か何かで焼き上げているそうです。まあ、最低でも1~2日かけて手作業でつくるようですから、工場で、流れ作業で大量生産される大衆向きのパンと比べられること自体、次元が違うといった感じです。

えっ?どこのパン屋さんか、ですって?

うーん、このブログでは宣伝料をもらっていなので、アクセス数が莫大で、人気の渓流斎ブログに書く必要はないのですが(爆笑)、熱心な皆さんに「話のタネ」としてお教えしませう。

パン屋さんの名前は、「シニフィアンシニフィエ」と言います。これでピンと来た方は、学生時代に言語学を齧った方でしょう。そう、スイスの言語学者フェルディナン・ド・ソシュールの有名な造語です。懐かしいですね、記号論は。私も、共時的、通時的、ラング、パロールなんていう難解な専門用語に悩まされたものです。(この話は、またいつかしたいです)

ソシュールによりますと、言語とは記号=シーニュの体系であり、シニフィエとは、その記号の表す概念のこと。またの名を所記。シニフィアンとは、言語記号の表現すること。またの名を能記、と呼びます。

まあ、こんな説明で分かった方は、大したもんです。天才です。もし分からなければ、これから言語学を学んでみようという気がしませんか?(笑)このあと、構造主義に進み、ロラン・バルト、レヴィ=ストロース、チョムスキーを読破してみませんか?

さて、このパン屋さんのご主人志賀さんは、ソシュールが大好きなのか、フランスで修行されたのかどうか分かりませんが、パン作りに関しましては一家言の持ち主で、確固たる哲学を持ち、パン職人の間では神様扱いだそうです(推測)。もしかしたら、世界一のパン職人かもしれません。本も沢山出しておられるようです。

お店は、何と、皆さんよくご存知のガルーダ博士こと山本さんのお住まいのご近所なのです。

デパートにも支店を出されているようですが、遠くて行けない、すぐにでも食べてみたいと思う方は、ネット通販もやっております。(高くて腰を抜かすぜえ=笑)

どこですかって?

そこまで、ご興味を持って、是非一生に一度、口にしてみたいと思われるのなら、自分で調べてみてくださいな。

渓流斎ブログはコマーシャルじゃありませんからね(笑)。と言いつつ、もし、挑戦された方は、コメントください。「なあんだ、渓流斎はどうかしてる。どんな味覚持っとるんや」でも構いません(笑)。

行蔵は我に存す 第20刷

銀座に浜松餃子とはな?

慰みに、「宇都宮餃子と浜松餃子」のことを書きましたら、早速、栗林提督から、油断も隙も…とコメント頂きました。

誠に有難う御座いました。

個人的なメールながら、栗林提督様によりますと、「台湾料理」の看板を掲げるお店でも、大陸から安い賃金の農民工を引き連れてやってきた一攫千金を狙う輩がいるそうです。「中国料理」の看板にすると、食材は農薬や抗生物質漬けの野菜や肉を使っているんじゃないかと怪しまれるので、安心感を与える「台湾料理」の看板を掲げて偽装しているとか。

へー、ホンマでっか?と思わず聞き返したくなります。まあ、中には、そういう輩もいるのかもしれませんが。

さて、話は変わって、またまた愚生は、逆境に恵まれることになりました。有り難迷惑ですが、考えてみれば、子供の時から、逆境の中で生きてきて、その度に乗り越えてきましたからね。今回もどうにかなるでしょう。

そんな時に、またまた栗林提督から、以下の言葉を贈って頂きました。

「古より路に当たる者、古今一世の人物にあらざれば、衆賢の批評に当たる者あらず。計らずも拙老先年の行為に於いて、御議論数百言御指摘、実に慙愧に堪えず、御深志忝く存じ候。行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張、我に与らず我に関せずと存じ候。各人へ御示し御座候とも毛頭異存これなく候。御差し越しの御草稿は拝受いたしたく、御許容下さるべく候也。  福沢先生  安芳」

福沢諭吉が書いた「痩せ我慢の説」に対する勝海舟の返書です。この中の「行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張、我に与らず我に関せずと存じ候。」という部分が有名です。

行蔵とは、出処、進退のこと。表立った行動と陰徳を積むという意味もあります。

要するに、自分の行動は自らの信念に基づくもので、褒めたり貶したりすることは、他人様のすること。自分は関知しない、といったような意味になります。「痩せ我慢の説」を福沢諭吉が創刊した「時事新報」を通して、世間に公表しても構わないよ、と勝海舟は、福沢諭吉の手紙に返事を書いたのです。(もっと複雑な話ですが、詳細略)

さすが、栗林提督です。今、心理学者のアドラーの本がベストセラーになって日本でも知られるようになりましたが、アドラーについては、そのずっと以前から、渓流斎にご教授して頂いた提督です。知性と教養に満ち溢れています。

それでは、福沢諭吉は「痩せ我慢の説」の中で、勝海舟をどのように批判したのでしょうか?

簡単に言いますと、勝海舟が徳川幕府側の代表として、官軍代表の西郷隆盛と会談し、一戦交えることなく、江戸城を「無血開城」することに合意したことに関して、「何で、やらなかったんだ。痩せ我慢でもいいから、負けると分かっていてもいいから」と批判したわけです。福沢はご案内の通り九州中津藩士として大坂の藩邸で生まれ、いわば幕府の録を食んだ忠君精神を最期まで保持したのに対し、元幕臣でありながら、維新後、転向して明治新政府に仕官し、伯爵にまでなって高位高官を極めた勝海舟を批判したわけです。

うーむ、なるほど…。そういうことだったんですか。私は、無血開城した勝海舟は、江戸市中を戦争の動乱に巻き込まなかった救世主だとばかり、思っていましたが、同時代人の見る眼は、違っていたんですね。

確か、勝海舟と福沢諭吉は、幕末に幕府所有の「咸臨丸」で一緒に渡米しているので、面識どころか、交際もあったはず。いつか、何処かで仲違いしたのでしょう。と、思って調べてみたら、どうやら、咸臨丸の頃から反目していたようです。(詳細略)

勿論、元幕臣の福沢諭吉が、維新後、勝ち馬に乗るように、新政府に出仕した勝海舟や榎本武揚らを批判したのは一理あるとして、勝海舟としては、渋々、無理矢理出仕しただけで、どの官職も長続きせず、すぐ辞めてしまったではないか、と反論したくなるのもよく分かります。

「この人には信念がある。ブレない」とか言って尊崇の念をもって崇め奉られる人でも、実際の本人はかなり守旧的で、案外、時代に取り残された融通が利かない人なのかもしれません。

自分の考え方が一生変わらない人なんて、逆に怖くありませんか?

人の評価は、難しい。やはり、勝海舟の「毀誉は他人の主張」は、よく身に染みて分かります。そして、同時に、高位高官を求めた裏切り者の俗物を批判する福沢諭吉の気持ちも分かります。(単なる推測で、実際そこまで、福沢は勝のことを貶しているわけではありません。事前に勝に掲載許可を取ったのがその証拠です)

お前は、どっちの味方なんだ!?と詰問されれば、困りますねえ(笑)。両方とも、と答えておきます(笑)。

「何でやらなかったんだ?」と言いますと、ローリング・ストーンズが、1968年に「ストリート・ファイティングマン」をリリースして大ヒットした後、その返歌として、ビートルズ(というかポール・マッカートニー)が「ホワイ・ドゥ・ウィ・ドゥ・イット・イン・ザ・ロード」(何で、道路でやらなかったんだ?)を「ホワイト・アルバム」の中で発表したようなものではないか、と私のようなフリークは感じてしまいましたが、これは、ちょっとマニアック過ぎて、誰方もついていけないと思います(笑)。

幸福とは何か? 第6刷

そして始まる絶景、絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
まずは、週刊文春が火を付けた疑惑について、舛添都知事の論理の破綻した言い訳を読みましたが(顔を見たくないので、新聞で)、彼には、公職から永久に降りてもらいたい、早く辞職してもらいたいと思いました。会計秘書の責任にして、強欲で政治を私利私欲で利用している、取るに足らないつまらない人にしか見えません。

回転寿司代も家族旅行代も「会議」と称して、懐に入れてしまうなんて公私混同もいいところです。公職に就いた人は、「李下に冠を正さず」です。何でも、領収書をもらって請求すれば、通ると思っては大間違いです。そして、釈明して、食事代や旅行代は「返せばいいだろう」と開き直っていますが、都民なら、せめて3カ月ぐらい減俸してもらわなければ、怒りが収まらないでしょう。

できるなら、リコールでもしてもらいたいのですが、私は都民ではないので、これ以上は言えません(笑)。

続いて、三菱自動車のこと。不祥事が続いて株価が大幅に下がったと思いましたら、電光石火、ゴーンさんの日産・ルノー連合が買収して、傘下に入れたとか。

驚きましたね。天下の三菱を半値で買い取るとは!

この意味は、三菱自動車の燃費偽装が発覚する前は、同社の株式は864円でしたが、ゴーンさんは、三菱の株価の暴落を見据えて、この4割以上も低い468円で買い叩いたというんですからね。

さすが、グランゼコールのエコール・ポリテクニークを卒業して、パリ高等鉱業学校の工学博士号を取得した人だけあって、状況判断が適格で、利に聡いですね。

状況とは、本来なら手を差し伸べるはずだった「三菱御三家」の三菱重工と三菱商事と三菱東京UFJ銀行はいずれも、巨額の赤字を抱えていたことです。銀行は黒田さんのマイナス金利のおかげで、商事は、チリ銅鉱山など資源投資の大失敗で、重工も造船業で大赤字といった具合で「子会社」の救済にまで手が回らなかったということになります。

三菱の不正を霞ヶ関にチクったのは、日産ではないか、といった誠しやかな噂が流れ、ルノーに出資するフランス政府からも、「社長としての役職手当が多すぎるのではないか」とクレームが付いても涼しい顔をしていた、日産だけでも年収20億円もある強欲で貪欲で欲の皮が突っ張った顔が目の前にチラついてしまいました。

あ、私は、三菱車でも日産車でもオーナーではないので、これ以上言えませんが。

でも、三菱自動車が半ばオーナーであるサッカーJリーグの現在首位争いで活躍している浦和レッズが今後、どうなるのか心配です。日産は、既に、横浜F.マリノスを持っていますからね。

やっと秘境黄龍溝に辿り着く Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

ご存知の方も多いと思われますが、米「ハーバード成人発達研究所」というところが、戦前の1938年から現在に至るまで、724人の生活、健康、幸福度を75年間以上、追跡調査して、「人間の幸福とは何か」という命題を追及しております。

724人は、ボストンの最貧スラム街に住む人から、ハーバード大学出身の超エリートまで様々で、貧困層から大金持ちに躍進した人もいれば、富裕層から転落した人まで、これも様々。現在も90歳代で生存している人は60人もいるそうです。

そして、最大の命題である「幸福」について、同研究所の調査で分かった結論は、お金や富や名声や勤勉ではないんだそうです。

家族や友人、知人、地域社会の人とのつながりで、いい人間関係を築いた人ほど、健康で、幸福を感じるのだといいます。

ですから、一番良くないことは、孤独と言いますか、孤立で、こういう人は脳機能も記憶力も低下して寿命も短く、結果的に幸福度も低いそうです。

普段喧嘩していても、イザという時に頼れるパートナーがいれば、幸福度は高くなるそうです。

勿論、人間関係は複雑で厄介ですから、いい関係を築くには努力もいります。それには、メールや電話だけでつながるのではなく、直接会って、散歩したり、デートしたり、連絡を取ったりする方法が一番いいそうです。

同研究所のウォールティンガー所長は「1週間に会う人の数が多いほど、人は幸福を感じる。人とのつながりには、柔軟性が必要です。他人をコントロールすることは不可能なので、他人の考えを尊重して理解することが大切です」と語っています。

人生80年、90年時代となり、男は特に定年退職すると、めっきり老け込んでしまいます。しかし、幸福者ほど、退職後、頑張って、遊び仲間をつくった人なんだそうですよ、佐藤さん、鈴木さん、高橋さん(最大公倍数)。

あと、年を取れば取るほど、幸福度が増すのは、人生、残り時間が少なくなり、優先順位を決めて、これまで、仕事や義務感や義理でやっていたことから解放されて、好きなことができるようになるからだ、という指摘には納得してしまいました(笑)。

年を取るのも悪いことばかりではないなあ、と思える瞬間でした。

Je est un autre. 第3刷

4000メートル超の道路を経て秘境へ Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

カムヤマトイハレビコのミコトの正室は、ホトタタライススキヒメのミコト

貴方が、自分自身だと思っている人間は、他者である。

貴方の思想は、他の誰かの借り物の意見であり、貴方の生活は、他者の模倣である。

貴方は、この世で唯一無二のかけがえのない存在だと思っていることは、錯覚であり、代わりは他にいくらでもいる。

宇都志は、貴方を気に掛けて回っていない。

将来、バイオリンや椅子や神社仏閣になりたいと思って育った樹木などあるはずがない。

自分は、いつも他人である。

ーアルチュール・ワイルド(2045~3025)

大手マスコミの「パナマ文書」報道は、そんなパナマだ! 第19刷

木陰に見える滝 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

5月10日。例の世紀の大スクープ「パナマ文書」がネットで世界中に公開されました。

でも、何なんでしょうかね?日本の大手マスコミの報道は。腰が引けてるどころじゃありません。単なる財界の宣伝機関に堕落しているといいますか、もともと、そうだった正体を現した、てことでしょうか?

財界の社内報と言われる日経なんて、酷いもんで、もう前から噂になっていた大手商社の伊藤忠と丸紅やソフトバンクとは、まるで広報室と手を結んでいるかのように、「かつて、某国との取引の関係で、子会社をつくったことがありますが、今では適切に処理をしております」などと、口裏を合わせて、お墨付きのアリバイ証明までしてあげているんですからね。

世界一の販売部数を誇る「永遠に不滅」の讀賣も、堂々と、「企業名は匿名にします」なんて、宣言しているんですから、唖然。そのあまりにもの狡猾さぶりに苦笑してしまいました。

彼ら大手マスコミは、何を恐れているのか?

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

それは、推測するところ、大手企業からの広告引き揚げを恐れているということでしょうね。「マスコミ殺すにゃ、刃物は要らぬ。広告差し留め、不買運動すりゃ、すぐ潰れる」とはよく言ったもんです。(これは、与党の有力議員がかつて使った手口です。あの手口を学んだらどうか?と言った元首相の話は、別件です)

それに反して、政党助成金を拒否して、広告に頼らず、読者からの講読料で賄っている某政党新聞は大したもんです。

5月9日の一面で、ユニクロの柳井正会長、ドン・キホーテの安田隆夫最高顧問、ベネッセの福武総一郎最高顧問らを槍玉に挙げて、「税逃れ」をしている実体を暴いているのです。柳井氏と安田氏は、資産の一部をオランダの資産管理会社に移し、資産総額約2兆円と日本トップの柳井氏は、年間約7億円の税逃れ。資産総額1792億円の安田氏は、住所をわざわざ東京都港区からシンガポールに移し、巨額の税逃れをしたとみられる、とはっきり書いてますね。

また、資産総額1383億円の福武氏は、妻の保有する自社株1361万株をニュージーランドの資産管理会社に譲渡し、自ら住所も岡山市からNZに移したそうです。巧妙な税逃れですね。違法性はないのかもしれませんが。

でも、例えば、ユニクロが、媒体から広告を引き揚げたとしたら、どうなるのでしょう?自力本願の政党紙なら平気でしょうが、天下の朝日新聞ともなると、「ウチは、クオリティーペーパーですから」とお高くとまってられないでしょう。折込広告まで取り上げられたら、新聞販売店が影響をモロに被りますからね。

絶景かな Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

先日、「国境なき記者団」が発表した「報道の自由度ランキング」によると、日本は180カ国中の72位。前年の61位よりもさらにランクダウンしたそうです。

「そんな馬鹿な!?」と思いましたが、今日のパナマ文書報道で、目が覚めましたよ。

そんなパナマ!?

【後記】

帰宅して、ラジオを聴いていたら、このパナマ文書の分析に関わっている一人である朝日新聞の奥山さんという編集委員さんが出演していて、「まだ、分析は始まったばかりで、『パナマ文書』は、国際調査報道ジャーナリズム連合(ICIJ)に21万余の法人とその株主らの名前や住所などが公開されているので、皆さんからの情報提供をお願いします」と発言していたので、驚いてしまいました。

そこで、そのICIJのホームページを見たところ、企業も人物も名前は変名かもしれないですし、私のような素人ではよく分かりませんでした。反社会組織の隠れ蓑になっていたり、犯罪組織のマネーロンダリンになっているという話もありますから、ますます、裏の顔でさえ表に出すわけなく、こりあ、本当に、記者やジャーナリスト風情では「非力」で、手に負えないのかもしれません。

企業名を「匿名」にしたのは、単に分からなかったからなのかしら?

奇跡優勝レスターのオーナー 第5刷

渓流が滝となって Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 サッカーの日本代表岡崎慎司が所属するレスター・シティが、イングランド・プレミアリーグで、今季、奇跡的な初優勝を遂げました。(5月2日)。同胞日本人としては、我が事のように嬉しい限りです。

 何事も賭け事が大好きな英国のブックメーカーは、レスター優勝のオッズを5001倍としたそうですね。おかげで、約16億円の支払いが余儀なくされているとか。ネッシーの怪物出現が501倍といいますから、ようやく2部リーグから這い上がってきたレスターの優勝はまずは、ネッシーの出現より、「ありえない」という観測だったことは、至極当然でしょう。嗚呼、僕も賭けておけばよかった。日本からは、できないのかなあ(笑)。

渓流がだんだん大きくなっていく Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
 レスターの創立は1884年。日本の年号で言うと、明治17年ですよ。黒岩涙香の「萬朝報」さえまだ創刊されていません!(創刊は明治25年)。チーム創立132年目にしての初優勝。まさしく奇跡的な大番狂わせな優勝と言って間違いありません。

 何しろ、レスターの選手年俸総額は約75億円でリーグ20チーム中17位ということです。リーグトップの名門チェルシーは約334億円と言いますから、桁違いの低さです(笑)。レスターの選手の中で、移籍金の最高が岡崎で約11億円と言われていますから、岡崎はチームの要だったのですね。こんな弱小チームが優勝するなんて、「判官贔屓」の日本人としてはたまらないんでしょうね。

やがて山紫水明の湖に Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 でも、私は、チームの戦術や勝因よりも、このチームのオーナーでタイ人の実業家ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏の方が興味あります(笑)。

 彼が6年前にレスターを買収したときの価額は4000万ポンド(約62億円)だったそうです。

 レスター優勝のご褒美に選手にはそれぞれ500万円以上もする独ベンツBクラスの電気自動車をプレゼントしたそうです。太っ腹です。

 このスリヴァダナプラナ氏、何をなさっている方かと思いましたら、タイの大手免税店「キングパワー」を経営されているようです。グループの年商は、68億バーツ(約207億円)、ご本人は3100億円の資産をお持ちとか。米フォーブス誌によると、タイの長者番付で第9位。サッカークラブを買うための100億円ぐらい、何でもないんですね。

 タイ人の英国サーカークラブのオーナーといえば、元首相のタクシンさんが有名でした。マンチェスター・シティーのオーナーを2007~08年だけ務めました。不幸にも母国で汚職罪に問われ、今も海外在留を余儀なくされているようですが、彼はもともと、携帯電話サービスで莫大な利益を挙げた実業家でした。

タクシンさんは、華人系として有名ですが、スリヴァダナプラナさんも顔立ちから、恐らく華人系の方ではないでしょうか。言うまでもなく、華人系とは、華僑のことです。

タイにも大財閥があり、一昨年に日本の伊藤忠と資本提携したコングロマリットCP(チャロン・ポカパン)グループも華人系です。