心が折れない人

佐久間象山塾跡

県主(あがたぬし)増添劇場は、本人の辞任表明でようやく幕が下りました。失礼ながら、もうあの思い詰めているようで無神経な顔には飽き飽きしておりました。こんなことを言えば、顔が似ている一族郎党眷属が聞けば怒ることでしょうが。

それにしても、しぶとい人でした。屈辱をバネにして最高学府の頂点に立った人だけあって、育ちが違います。まず、何と言っても、最後の最後まで権力にしがみついて離さず、心が折れない人でした。日米通算4257本の世界最多安打を達成したマーリンズのイチローのように屈辱をバネにしたからでしょう。

これでも、私なんかも、屈辱だらけの人生でしたが、その屈辱のバネなんて、簡単にへし折れてしまいましたからね。おかげでまた「使い物にならん」と左遷です。トホホホですよ。

さて、最近、「古事記」「日本書紀」などを読んでいて、どうしても疑問になることが沢山出てきました。

そこで、無理を押して、とうとう吉川弘文館編集部編「日本史必携」事典を購読してしまいました。な、な、な、何と6480円もしました。2007年3月10日発行の第2刷で、10年前の初版ながら、まだ「新刊」として売られていました。これ以上の本が、ライバルの山川出版からも出てきていないということなんでしょうね、きっと。ちなみに、自称現代史研究家の私は、同じ吉川弘文館編の「近代史必携」(4700円+税)の方は、既に発売された頃に購入しております。いい事典ですが、現在、品切れのようです。

この「日本史必携」の方は、年代年表などは勿論、天皇家系図、藤原家系図、…徳川家系図などが充実しています。

日本の古典を読んでいて、分からなかったのが、年代と役職で、例えば、正一位、従一位だのと出てきますが、「兵隊でいったら、どれくらいの位やろうか」(山下清画伯)といった感じでチンプンカンプンでした。それが、この本には、色々と古代から近世までの役職がだくさん出てきました。こんなに分かってしまっていいのかしら、と思うくらい、バッチリでした(笑)。

ただ、残念なことは、この本は古代から近世までカバーされていますが、今話題沸騰の桃井さんとこの大河ドラマ「真田丸」を見ていて参考になる諸国戦国時代の大名図解が出てこないのです。もっと、群雄割拠の時代や役職などを詳述してくれる事典だとばかり思っていましたが、安土桃山時代そのものさえ、深く取り上げていません。それ以外は、ぜんぶ、いいんですけどねえ。

繻子の言葉

今が見納めの東京・銀座ソニービル

人生は、マッチ箱に似ている

真面目に扱えば、馬鹿らしい

かといって

手抜きに扱えば、大火傷をする

ー 芥山申之助(1835~1870)

石亀の地団駄より 古代史は面白い

線路は続くよ何処までも

◼︎昨晩は、学生時代の旧友戸田君と、あたしのシマである銀座日比谷界隈で本当に久しぶりに会いました。もっとも、小生はまだ酒が飲めないので、ノンアルコール。二次会は、あんみつで、まるで女子会でした(笑)。

待ち合わせ場所は、「君の名は」の数寄屋橋の畔だったのですが、ちょうど向こうから歩いてくる戸田君とバッタリ遭遇して、声をかけてみました。すると、彼は、一瞬怯んだような慄いたような表情を浮かべて、踵を返して逃げようとしました。

「おいおい、俺だよ」。あたしは彼の首根っこを抑えて逃げないように捕まえました。そしたら、「なあんだ」とやっと安心した様子で、この世に戻ってきました。「いやあ、分からなかったよ」。それほど、人相が変わったんですかね。40年来の友人が識別できないほど、あたしも老けたんでしょうかね?

◼︎まあ、我々の年代ともなると、誰でも不可避的事案を幾何学級数的に体験しなければならないことが主な話題でした。彼の会社も、昨年から今年にかけてマスコミ、てゆーか、物言う株主たちによって、散々叩かれていたので、彼も相当苦労したようです。

◼︎彼とは、仕事のことでも私生活のことでも、何でも話せる数少ない友人の一人なのですが、それ以外でも、小生が、「古事記」や「日本書紀」などの古代史に最近興味をもっていることも知っていて、「じゃあ、『竹内文書』のことも知ってるよね?」と挑発(笑)するのです。

◼︎ついでながら、彼はあたしなんかと違って、知性と教養に満ち溢れた絵に描いたような容貌の持ち主です。何でもよく知っています。

◼︎「竹内文書」?あたしゃ、知りませんでしたね。初めて聞きました。教えてもらったところでは、これは、「たけうちぶんしょ」とも「たけのうちもんじょ」とも読むらしく、古代に五代の天皇に仕えた「古事記」にも「日本書紀」にも登場する武内宿禰の子孫と称する竹内巨麿(きよまろ)が、昭和初期に公開した先祖代々伝わってきた文書のことだそうです。

◼︎「古事記」などで、初代天皇とされる神武天皇より遥か昔に遡って、何十代にもわたって天皇家が続いていた極秘文書です。今は便利ですから、色々と調べると出てきますが、この文書は、竹内巨麿が開いた新興宗教(略して天津教)の経典にもなっているようです。

◼︎そして、昭和初期に、この天津教は、二度にわたって、内務省特高課により、「不敬罪」として弾圧されるのです。私は、明治末から昭和初期にかけての新興宗教弾圧事件として、出口王仁三郎の大本教はよく知っておりましたが、浅はかにもこの天津教については全く知りませんでした。

◼︎ただし、この文書には、モーゼもイエス・キリストも日本に来て、天皇に従っていたなどという説を取ったりしており、まるで「ジンギスカン=源義経」説のような眉に唾を塗りたくなるような壮大な話で、学者の中には、「偽書」と断定する人も少なくないようです。(そもそも、戦前の御札にもなった武内宿禰の実在性を否定する学者の方が今では多数派です)

◼︎とはいえ、チラッとこの竹内文書を拝見すると、相当「古事記」「日本書紀」を読み込んだことは確かで、並大抵ではない頭脳の持ち主が執筆(もしくは、創作)したことは確かです。古代史は面白い。何か、ますますのめり込みそうです(笑)。

ごまめの歯ぎしり 第6刷

竹林の賢人

◼︎想定内とはいえ、M県令の見苦しい弁解。漫画「クレヨンしんちゃん」を子供に買ってあげたのも、ネットオークションで、先行き値上がりが期待される美術品を買い漁っても、政党助成金を流用して家族旅行に行っても、「不適切とはいえ、違法ではない」(第三者委員会)とは!

◼︎弁護士の肩をもてば、所詮、法律がなかったということ。政治資金規正法が、ザル法だということを教えてくれたに過ぎない。

◼︎では、違法ではなければ、何をしても許されるのか?

◼︎M県令の所業は、餓鬼畜生(仏教用語)にも劣る卑劣な悪行であることは、明々白々。それなのに、あくまでも金と権力にしがみつこうとするMの狼狽えようは実に見苦しい。恥も外聞もないものか?

◼︎世界一のナポリタンではなく、メトロポリタンの予算は、中進国の国家予算に匹敵するとか。ファーストクラスの航空機に乗り、一泊50万円の高級ホテルのスィートルームに泊まり、自分様が王侯貴族になったつもり?

◼︎単なる裸の王様でしょう。知らぬは、本人なりけり。生まれと育ちから、ああいう人相の悪い我利我利亡者が出現するのかしら?親は、川筋で拾ってきた野菜を売っていたとか。極貧と辛酸を舐めて屈辱の中で、世の中を見返してやろうと誓った青雲の志が裏目に出て、小賢しさだけが表に出てしまったのだろうか?

◼︎しかしながら、何と言っても、弾劾もリコールもしない議会と県民の無能さには腹が立つばかり。道路整備予算が年間3兆円。県だけで、3000億円。利権に群がる議員は、我が身かわいさに、余計な波風は立てたくないということ?

◼︎こんなこと、何を叫んでも、所詮は、ごまめの歯ぎしり、に過ぎないかぁ。

詐欺商法 やるじゃねえか、docomo! 第5刷

水は貴重品です。 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 早速ですが、久しぶりに、最近のアクセスの詳細です。

◆過去1週間の閲覧数・訪問者数とランキング(日別)

日付      閲覧数  訪問者数   ランキング

2016.06.03(金) 231PV   109IP   13871 位 / 2517940ブログ
2016.06.02(木) 381PV   152IP   7459 位 / 2516924ブログ
2016.06.01(水) 297PV   142IP   8868 位 / 2515915ブログ
2016.05.31(火) 326PV   131IP   8813 位 / 2514953ブログ
2016.05.30(月) 277PV   132IP   11630 位 / 2514000ブログ
2016.05.29(日) 257PV   122IP   11435 位 / 2512857ブログ
2016.05.28(土) 253PV   125IP   9210 位 / 2512033ブログ

 昔は800位台もありましたから、もうほとんど社会的影響力なんて1ミリもありませんね(笑)。それでも、ま少し、真っ当なことを書いてみようかと思いまする。

 もう6月です。時の経つものは早いものです。2016年もあと半分となってしまいました。

 以前、この渓流斎ブログに書きましたが、恐らく、皆様はお忘れになったと思われますので、もう一度書きます。渓流斎がスマートフォンをiPhoneに換えたのは、昨年2015年12月31日のことです。ドコモ・ショップの某店員に騙されて、音声用のガラケーと、データ通信(インターネット)用のスマホ「エクスペリア」の2台を持たされていたのですが、それが大変面倒くさかったからです。

 ドコモ・ショップの店員に騙された、というのは、「2台にすればお安くなる」と言われたからです。しかし、実際はほとんど同じか、むしろ高めでした。何と言っても不便でした。

 そこで、「最後のチャンス」と思い、昨年の大晦日に、「一括ゼロ円」が総務相の高市さんの方針で無くなるという記事を読んだものですから、街角のショップで、「一括ゼロ円」で、iPhoneを購入したわけです。

 音声用のガラケーは、昨夏に2年間の縛りが過ぎてしまい、ある事情でどうしようもないまま、「自動更新」されてしまいました。ですから、iPhone購入に当たって、この「違約金」を払わざるを得ませんでした。(ナンバー・ポータビリティでauにしたため)

 しかし、データ通信用のスマホは、3月いっぱいで2年間の縛りがなくなり、4月に解約すれば、「違約金」は発生しない、ということでしたので、使いはしませんでしたが、それまで、保存しておきました。

 そして、ようやく、4月2日に解約しました。最初の土曜日だったからです。これで、やれやれです。やっと、ドコモとの腐れ縁が切れたと思い、大喜びでした。

 そしたら、何と、「4月分」として、使ってもいないデータ通信契約料4074円をドコモの野郎が6月になって、請求してくるのです!

影絵も登場 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 こういう場合は、電話ではラチがあきません。仕方がないので、遠いドコモ・ショップに出かけて、文句を言いに行きました。(実際は、「どうなっているのか?」と問い合わせただけですが=笑)

 長い、長い時間、待たされた挙句、出た回答は、こうです。

 1、4月2日に解約しても、4月分として、1カ月の料金が発生する。
 2、しかも、その解約した次の月の分も、つまり「5月分」として料金が発生する。しかし、日割り計算で。

 えっ?驚愕的です。何で、解約した翌月分まで、お金を払わなければならないのでしょうか?
 もしかして、契約書かなんかに、とっても、とっても小さい字で、誰も読まないような細かい字でこっそりと、そう書いていたのかもしれません。

 それにしても、あくどい、阿漕な詐欺のような商売です!

そしてお待ちかね「変面」の場 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

 もう一度書きますが、「4月分」は4074円でした。そして、日割り計算する「5月分」と称するものは、その前月はたった2日間しか契約していないのに(つまり、4月2日に解約したのですから)、何と殆んど変わらない4072円も請求されるというのです!

 こんな詐欺商売はないでしょう。何ですか、これは!!!!

 電話は公共料金です。水道も電気もガスも、そして、新聞代でさえ、日割り計算するならもっと安くなるはずです!

 ドコモは、ぼろ儲け。コマーシャルを真似すれば、「やるじゃねえか、docomo!」

 全く、ひでえ企業ですね、NTTドコモという会社は!一応、公共事業として、国家から認可を受ける免許事業者じゃないんですか?監督官庁の総務相の高市さんは、一体何をしているのでしょうか?

 たかが、8000円程度なら、高市さんにとっては「はした金」でしょう。しかし、私は金額の多寡を言っているのではありません。こんなあくどい、阿漕な商売を白昼堂々とやらせて、何が許認可官庁だ、ということですよ。

 私は、ドコモの料金は、クレジットカードの引き落としを使っていたので、4月分の請求は、6月に来て、「とっくに解約したはずなのに、そして、半年もドコモを使っていないのに、何でまだ、ドコモから請求が来るのだろうか」という素朴な疑問で、ドコモ・ショップに行ったわけです。

 そしたら、実は、ドコモ・ショップの銀座店の店員は平身低頭で、「クレジットカードの場合は、時間差が生じてしまい、請求が今頃になってしまうのです」という説明ばかりしていました。

 私もその請求の時間差ばかりに気を取られてしまい、何で解約した翌月分まで、料金を払い、しかも、日割り計算と言いながら、まるまる1カ月分もふんだくるのか、後になって、家に帰って気がついたのです(苦笑)。

 恐らく、庶民のほとんどは泣き寝入りしているでしょうから、私が代わりにその憤怒を書きましょう。

 詐欺師ドコモは汚い!

日本とベトナム 第4刷

夕焼け

こんわんわ。茂木伸一です。いつもコメント有難う御座います。

・久し振りに本屋さんを覗いてみたら、初心者向けの「古事記」「日本書紀」の入門書が数点あり、嬉しくなってしまいました。そこには、複雑な人間関係や系図、年表、地図、有識故実など、中にはオールカラーで図解してくれるので、とても分かりやすいです。まあ、これだけでも、日本の古典の必読書「古事記」と「日本書紀」を読んだ気になれますよ(笑)。

・日本人が凄いところは、なんて書きますと、例の昨今勢い付いた一派と間違わられてしまうかもしれませんが(笑)、兎に角、感心したので続けます。
古代、倭が大陸の隋や唐や渤海、半島の三韓などと「貿易」をしていた頃、倭の輸出品は、金や銀や織物、土器などが多かったそうです。その一方で、輸入品で最も多かったのが、何だと思いますか?ー何と、書籍だったそうです。食料品より本の方が多かったとは!昔から、日本人は知的好奇心が旺盛だったんですね。

・日本とベトナム両国が国家プロジェクトととして「日越大学」を設立して、今年9月から大学院修士課程のコースが開講することは、殆ど日本人の間でも知られていないでしょう。庶民の大半は、テレビのドラマかバラエティーしか見てませんからね(笑)。

・その日越大学ですが、ベトナム国家大学ハワイ校の中に設立されましたが、日本語は必修科目。超エリート校として、官吏養成学校か、日系企業に就職する幹部養成学校の色彩が強いのです。

・ベトナム人は、日本人以上に学歴に拘ると言われます。ベトナムが欧米列強の植民地(インドシナはフランスでしたね)になる前、この国は、1000年間も中国の王朝に支配され続けました。ベトナムが越南と言われるのは、まさに、中国の国境の南の地域=要するに植民地、という蔑称です。

・日本人の殆どは知らないでしょうが、恐らく中国の圧政があまりにも苛烈だったのか、中国から独立してから、フランス語の影響を受けたとはいえ、ベトナムは漢字を捨てました。今、ハノイやホーチミンに行っても、漢字の看板はあまり見かけません。
韓国も漢字をやめました。今でも漢字を使っているのは、優等生の日本人ぐらいです(笑)。

・その優秀な(笑)古代日本人が大陸から取り入れなかったものの中に、大きく二つあります。一つは、半端じゃない難関中の難関である「科挙」試験。もう一つは、宦官制度です。

・ところが、ベトナムは、日本人が嫌った科挙試験制度を取り入れたんですね。ということで、今でも、歴史的に学位に拘るようです。ベトナムでは、博士のことを「進士」と言うそうです。

渓流斎の法則 その357回 第3刷

淡路島名物「鯛茶漬け定食」

・M都知事の年収は、2900万円。ボーナスを入れれば、4年間で、1億5000万円とか。

・都議会との取引に成功したMは、都知事を辞めないとか。リコールしかないでしょう。そもそも、都民の暮らしのことは考えず、自分の金しか目がない田舎もんですから。福岡の恥。

・斡旋収賄罪の疑惑で大臣を辞任したAさん。司法取引したのか、不起訴の判定。「これでは、検察不信になる」と有識者。いやいや、最初から庶民は信用してまへん。政治家と法曹人は最初からグルでしょう。

・大阪の80歳の高齢者が、オレオレ詐欺で8億5000万円も騙されて奪われたとか。過去最高額。全国的にも大阪人は、◯◯だから騙されないという定評を覆す?

・昨日、品川駅で、歩きスマホの若い女が、「どけ、どけ」と言わんばかりに、こちらに突進してきた。周囲は全く目に入らない様子。俺様の天下。

・マースィーの法則だった「歩きスマホはなくならない」「オレオレ詐欺はなくならない」は、今後、渓流斎の法則に移管。

マースィーの法則 歩きスマホはなくならない 第6刷

紫陽花
・この世とは、老若男女が棲む魑魅魍魎の世界。

・「歩きスマホ」は、なくならない、この世がある限りは。

・「オレオレ詐欺」は、なくならない、この世がある限りは。

・我々が、この世に両親から生まれてくる確率は、700兆分の一。つまり、奇蹟です。

・奇蹟ということは、この世に生まれただけでも幸せです。

・ですから、私も生きているだけで幸せで、悩み事はありません。

・嘘でも強がりでもなく、本心です。

・他人様(ひとさま)とは比較せず、他人様の顔色は伺わず、足るを知り、全ての責任を自分で背負い、世のため、人のための事を考えていれば、悩みは消えます。

・いつもいつも、お天道様は見ています。

・中国人の観光客は、なぜ例外なく誰も彼も騒がしいのか?ーそれは、日本人だけがうるさく感じているだけで、本人たちはあれが普通。中国語は、抑揚で意味が全く変わり、大声を出さないと通じない言語だからである。

・日本人はなぜ例外なく、付和雷同で、自分の意見を持たず、お上の言うことは、唯々諾々と従うのか?ーそれは、日本語は抑揚で意味が変わるわけではなく、小さな声でも通じる言語だからである。

胡散臭さについて 第7刷

これから観劇へ Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

「古事記」を読み終わって、今は「日本書紀」に取り掛かっています。

ここ10年間ほどは、現代史研究ばかり取り組んで参りましたが、やはり、古代を知らなければ、日本人の本当の心因性は分かりません。ということで、自らの学なきこと省みず無謀な取り組みを敢行しているわけです。

これと並行して、永栄潔著「ブンヤ暮らし36年」も読み始めています。扉書きに、あの勝海舟の「行蔵は我に存す」があり、びっつらこいてしまいました。この言葉を座右の銘にしてらっしゃる栗林提督の先見性に驚いたわけです。元朝日新聞経済部記者の回想録ですので、栗林提督は読むことはないと思いますが、私なんか、ジャーナリズムの内幕が手に取るように分かってワクワクしながら読んでます。

そして、「朝日」というだけで、その社会的影響力と看板の大きさと世間の破格な扱いには感服してしまいました。「俺が日本の社会を動かしているんだ」と勘違いしている記者さんたちの微笑ましい気概が感じられます。

まあ、そういう気概がなければ、「盗人と犬殺し」と同列扱いされたブンヤの仕事はやってられないのでしょうね、恐らく。
これが川劇の舞台 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

ソフトバンクの外国人の副社長さんが、昨年度の最終収支決算報告書の中で、80億円という日本企業では過去最大の報酬を受け取っていたということが明るみに出ました。

他人様の懐勘定のことなど関知することはハシタないことは確かですが、見逃せないのは、ソフトバンクが其処まで儲かっていたのかという驚きです!

あれだけ、宣伝とテレビコマーシャルに莫大な資金を投資して、それでも有り余る純利益を恣にしていたとは、孫氏の「肉を切らせて骨を切る」マジック商法には感心してしまいます。

彼の手口(失礼!)は単純です。最初は、タダとか半額とか称して、モデムやルーターを買わせておいて、高価な利用料を搾取するやり方です。そして、ヤクザの世界と同じで一旦、足を踏み入れたらなかなか脱け出せないように、「解約金」だの「違約金」だのという名目で庶民の金を踏んだくるのです。私もこの手口にやられました。

有名タレントを使ったコマーシャル代は、見ようが見まいが、結局は庶民が払っているのに、そうではないと錯覚させるところがミソです。庶民は、「有名=安心安全」と確信しきっていますからね。そこにつけ込むのです。

何しろ、庶民の子供は、親の言う事は一切聞かなくても、タレントの言う事はよく聞いて、高価な公演チケット代も喜んで払いますからね。

孫商法は、庶民感覚を利用して暴利を貪っているのです。そうでなければ、次期社長とか目されている外国人に80億円も払えますか?

始まり始まり Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

この際、楽天も槍玉にあげますが、三木谷商法も孫商法と全く変わりません。莫大な広告費を掛けて、「肉を切らせて、骨を切る」商法です。まるで、「有名=安心安全」という神話を信じさせる催眠商法です(大変失礼ながら、これはあくまでも「個人の印象」です)。

そうやって、庶民からカスリを巻き上げていきます。そうでなかったら、暴利は得られず、プロ野球やプロサッカーのチームのオーナーなんかにはなれませんよ。

私は、以前、「週刊新潮」に載っていたペルー国製のアルパカのセーターがいたく気に入って、オンラインで買ったことがあります。値段にしては、今流行り言葉で言えば、コスパがいいのです(笑)。

一回利用したせいで、先日、また「新潮オンライン」のカタログが送られて来ました。その中で、米国製のフロントリバー社のデイパックがいたく気に入って買おうか、買うまいか迷ってしまいました。

そこで、念のため、2021年までポイント会員になっている楽天で、この同じデイパックを検索してみました。そしたら、驚き桃の木、山椒の木です!楽天市場の最安値でも、新潮オンラインの方が、な、な、何と1万円も安いのです!楽天は決して安くない!!

しかも、新潮オンラインは、送料が500円なのに、楽天は送料を取る場合、900円もするのです!何という…

当然、あたしゃ、新潮オンラインで購入しましたよ(笑)。

以上、私は、ソフトバンクと楽天の実名を挙げながらも、誹謗中傷する意図は全くありません。両社とも、グローバル企業と自称しても、殆どのカスリ、いや失礼、利益は、日本国民の消費者から得たものであり、その日本国民の一人であり、両社との商取引きにほんの少しだけ関わった個人の一人として、事実と印象的発言を開陳しても差し支えないのではないか、と判断したからです。

そう言えば、独裁者の鶴の一声で、社内での日本語を禁止した楽天は、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナムといった東南アジア諸国連合(ASEAN)で、ドイツのネット企業との熾烈な抗争に敗れ、ついに撤退しました。今期は大幅な減益が見込まれているのも事実です。

もし、ご存知ではなかった方がいらっしゃれば、阿漕な企業ほど、「不都合な真実」は隠したがることを肝に銘じて下さい。

楽天は、必ずしも安くはない、ということも不都合な真実です!せめて、道楽と見栄でオーナーになっているプロ球団を手放せば、収益悪化は防ぐことができるでしょう。が、独裁者という噂が本当なら、彼は、聞く耳を持たないことでしょう。

合掌

神道とは 第3版(加筆訂正あり)

さらば陽朔 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

国学を大成した本居宣長(1730~1801は、有名な「古事記伝」の中で、

「すぐれたるとは尊きこと善きこと、功(いさお)しきことなどの優れたるのみを云うに非ず、悪(あし)きもの奇しきものなども、よにすぐれて可畏(かしこ)きをば、神と云なり」と述べています。(三之巻)

これは、古代から日本人は、鳥獣や樹木、植物、河原の石、山や海などの大自然、尋常ではなく特に徳のある畏れ多いものや傑出した人間、御霊(みたま)などを神としてみなして、お祀りしただけでなく、災いをもたらした禍津日神らも同様に、神として崇めたというのです。すなわち、日本人は善い神だけでなく、悪い奇しき神さえも仰いだということになります。

これには、魂消ましたね。

まるで、法然上人の悪人正機説みたいです。

日本人は、異国の仏教でさえも、「外来の賓客」として受け入れて、神仏習合が行われました。明治維新政府が「廃仏毀釈」するまで、日本人は非常に寛大だったのです。

陽朔のまち Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

どういうわけか、「神道」という言葉は、日本最古の文学でもある「古事記」には記述がありません。しかし、「日本書紀」には、用明天皇の即位前紀など3カ所に現れます。

この神道には、開祖や教祖もなく、経典や教団施設などもありません。自然を畏敬して、人間と自然が共生する神そのものと神の権威と力、その働きなどを「神道」と呼びました。

ただ、「神道」という言葉の由来は、後漢末にできたと言われる宗教「道教」にあります。

「後漢書」には、方術や仙術などを「神道」と表現しており、梁の陶弘景によって確立した茅山道教の修行の聖地(華陽洞天)にある立石には「神道在今」(神道?今でしょ!)と刻まれています。私は実物を見たわけではありませんけどね(笑)。この場合は、「神道」とは道教の「神仙の道」ということです。

この言葉を拝借したという説が有力です。

ちなみに、日本の国王の称号である「天皇」は、四書五経の一つ「春秋」を神秘主義的に解釈した緯書である「合誠図」に書かれた「天皇大帝北辰星(北極星)なり」から由来します。道教では扶桑大帝東王公を天皇と仰いでおります。

陽朔のまち Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

最後に、「古代学」を日本で最初に提起した折口信夫博士は、最晩年の論文「民族史観における他界観念」(昭和28年)の中で、「完全に他界にいることのできない未完成の霊魂」のありようを研究し、「神道以前の神道」を探索しています。

折口博士は、戦時中、国家神道と無縁ではありませんでしたが、民族神道を重んじた折口博士は、国家や宮廷と結びついた神道には批判的だったと言われます。「宮廷神道」から解放された「原神道」を重視して、「霊魂と霊魂の姿」を追及したのです。

戦後70年を過ぎ、今後は、国家神道から解放された原神道の研究が進めばいいと私も考えています。長年タブーだった神道は、明治の薩長藩閥政治家によって利用されただけで、悪者でもなく、怖いものでもありません。日本人の心因性に最も影響を与えたものの一つだと、私は考えています。

以上、出典は、上田正昭博士の最晩年の論文「神道の原像」でした。有難う御座いました。